会議の概要
午前10時19分 開会
◎斉木議長
ただいまから議員全員協議会を開会いたします。
まず、会議録署名議員に稲田寿久議員、福間裕隆議員を指名いたします。
本日の議題は、平成29年度国の施策等に関する提案・要望の概要について、知事に説明を求めます。
●平井知事
皆様、おはようございます。これから6月に向けて県議会が開催されることとなりますが、ぜひ県民の皆様の視点に立った御議論をお願い申し上げたいと思います。
先般は、広島にオバマ大統領がお見えになり、これからの核廃絶、それから世界平和を目指した発言を世界へ発信されました。考えてみますと、行動を起こさなければならないことはいろいろあるのだと思います。私たち地方政府の立場からしましても、この地域をどうやって元気にしていくのか、あるいは足らないインフラをどうするのか、また社会保障の仕組みをどのように整えていくのか、いろんなテーマがあろうかと思います。私たちだけでできることもありますが、国に呼びかけて実現をしてもらわなければならないことも多々あろうかと思います。
本日は、そうした観点で取りまとめている国への要請活動につきまして、皆様にお聞き取りいただき、この議会を通じて御議論いただいて、この夏に国への要望にしていきたいと思っております。
手順としては、参議院選挙がありますので、その後に地方六団体として市町村と共同して、国のほうへ求めていく、こういうことになろうかと思います。当然ながら、今、諸情勢が変動しておりまして、例えば消費税の扱い等、正直なところ、不透明感が出てきています。ですから、要望につきましては、情勢に合わせて若干修正していかなければならないこともあることを御理解いただきたいと思います。
当面のテーマは、地域の元気をつくっていくことであります。また、地方分権において、税財源をどうやって確保していくのか、こうしたこと等が喫緊のテーマであろうと思います。また、鳥取西道路の開通目標が新年度となってまいります。港等も含めて、インフラストラクチャーの整備を求めていかなければなりません。人材育成につきましても、子どもたちの未来を保障するような諸施策が必要ですし、社会保障をめぐっては、保育士あるいは介護の体制づくり等の制度実現が求められます。保育士についての配置の弾力化は条例として提案させていただきましたが、片方でそうした保育士の量と質の確保、これも国への要望事項として出していかなければならないと考えております。
こういった観点に基づきまして、詳細を、小倉本部長から申し上げたいと思います。
◎斉木議長
続いて、元気づくり総本部長に詳細説明を求めます。
●小倉元気づくり総本部長
元気づくり総本部長の小倉でございます。座って説明させていただきます。
それでは、資料のほうを御覧ください。国への要望ですが、13分野88項目の概略を一覧という形でお示ししております。
地方創生の推進ですが、まち・ひと・しごと創生事業費の継続と十分な一般財源総額の確保ということ、地方創生推進交付金についてより使い便利のいい自由度の高い制度設計をすること等、7点の要望です。
2ページをお願いします。地方の主体的な取り組みの支援ですが、地方創生や社会保障費関連費の増に必要な地方交付税総額を確保すること、また、今議論されておりますけれども、消費税の引き上げの有無にかかわらず増加する社会保障費に対応した財源を確保すること等、7点の要望です。
子育て支援・少子化対策ですが、給付型奨学金の創設、子どもの居場所づくり、子供の貧困対策の充実強化を図ること、保育士の確保等も含めまして、5点の要望です。
3ページです。社会基盤の整備ですが、高速道路ネットワークのミッシングリンクの早期解消、境港のターミナルの整備、鳥取港の機能強化等、8件の要望です。
農林水産業振興ですが、TPPについては国民に対して丁寧な説明をということ、緊急的かつ長期的な視点に立った対策を講じて十分な予算確保をすること、指定生乳生産者団体制度の維持等を含めまして、7点の要望です。
次ページをお願いします。観光振興ですが、広域観光周遊ルートに山陰地方のルートを認定すること、インバウンド観光の拠点エリアである国立公園に新たな魅力づけが可能となるような国立公園整備事業の拡充等、9点の要望です。
次ページ、人材育成ですが、大学生等の地元定着を促進するために奨学金の返還助成の取組を一層強化するということ、学力向上・いじめ問題・少人数学級等に対応していくために教職員定数の充実確保を行うこと等、8点の要望です。
原子力発電所の安全確保ですが、再稼働の判断に当たっては本県等周辺地域の意見を十分に聞いて慎重に判断すること、原子力防災対策について国や電力会社が適切に負担を受け持つ仕組みづくりを早急に構築すること等、7点の要望です。なお、島根原子力発電所1号機の廃炉につきましては、本議会の意見を踏まえて対応をさせていただきたいと考えております。
次ページをお願いします。安全・安心のまちづくりです。熊本地震の教訓を踏まえて、福祉避難所の確保や車中泊への対応ほか防災対策の一層の充実強化と必要な財源措置、国土強靱化の取組を一層推進すること等、8点の要望です。
地域福祉の推進ですが、東京オリンピック・パラリンピックに向けて障がい者の芸術文化振興を文化プログラムに位置づけて財政支援をすること、障害者差別解消法の施行に伴い「あいサポート運動」を全国的な取り組みに拡大していくこと等、7点の要望です。
7ページですが、持続可能な保健医療体制について、新専門医制度の導入にあたっては地域の実情に配慮するようにといった要望等、計6点です。
人権尊重のまちづくりについては、拉致被害者全員の一刻も早い帰国等、3点です。
最後、くらし・エネルギーですが、スマート水素ステーションの普及や、使用済小型電子機器等のリサイクルへの財政支援及び不適切な回収行為への立法措置等、6点の要望です。
冒頭、知事からもありましたが、これらの要望につきましては、本議会の意見を踏まえまして、地方六団体が共同して国へ要望していくこととなりますけれども、そのタイミングは参院選後となります。状況によりましては、修文修正が必要な箇所が出てくるかもしれません。その辺りは御理解をお願いしたいと思います。
◎斉木議長
ただいままでの説明に対して、御意見、御質疑等はございますか。
○市谷議員
済みません、3点、提案もしたいと思います。
まず1ページの地方創生の推進の(3)なのですが、今、政府機関の地方移転ということで、鳥取県では果樹研究所や職業能力開発総合大学校の関係が来ています。私は単純に持ってくるようなものには余り賛同するものではないのですけれども、今回は機能も拡張されるということで、そういうことはあるのかなと思っています。ただ、やはり政府機関ということですので、今は地方創生の交付金等が出ていますが、将来的に維持できる経費の負担をきちんと国で保障していただきたいということを、私は追加で求める必要があるかなと思っております。これが1点目です。
2点目で、2ページの子育て支援の関係ですが、給付型奨学金制度が入っていて非常にうれしく思うのですが、同時に学費が非常に高過ぎるということからこの給付型奨学金制度の要求も出てきていると思いますので、高過ぎる学費を引き下げる手だてを国として取っていただくことも要望として加えていただけたらということ。あわせて、この奨学金の返済の仕組みなのですけれども、今、所得連動型の返済制度になっていまして、以前は300万円までの収入しかない若い人たちは返済猶予があったのですが、それが全くなくなっていて、今度の所得連動型の返済制度になると返済猶予がなくなってしまっております。そのため、返済猶予の制度を残していただくよう要望していただけないかと思います。
最後に、6ページの安心・安全のまちづくりの(5)で、米軍機の飛行問題で知事が国へ非常に強く言っていただいていてうれしく思うのですが、騒音測定器の設置の要望と同時に、ずっと知事会も知事も米軍機の飛行中止を要求していただいておりますので、そもそも米軍機の飛行中止を要請することを加えていただけたらと思います。
●平井知事
詳細につきましては、また担当部長からお答え申し上げたいと思いますが、最初の政府機関の移転については、全国知事会としても財源措置を求めておりまして、表現上、工夫をさせていただきたいと思います。
●小倉元気づくり総本部長
給付型奨学金の話ですけれども、これにつきましては、中身を少し精査させていただきまして、また要望の中に盛り込むかどうか、検討させていただきたいと思っております。
米軍機につきましては、これまでどおり、住民の安全が第一でございますので、その視点を持って要望を行っていきたいと思います。
○市谷議員
済みません、授業料の引き下げを。
●山本教育長
授業料も若干関連しますので、それと奨学金の関係についてお答え申し上げたいと思います。授業料につきましては、昨年、国立大学が上がるというような話が出たときにも国にもお願いをしておりましたが、そうした環境も含めて少し精査をしながら、どうした形の要望がいいのか工夫して要望してまいりたいと思います。また奨学金につきましても、昨年来、300万円未満の返還猶予について要望しておりますので、そこについても表現等を工夫しながら対応させていただきたいと思います。
◎斉木議長
ほかに。
○稲田議員
8番ですけれども、以前に知事と何回か議論をさせてもらったのは、この原子力発電所の安全協定の問題です。これでいきますと(2)に当たるのですが、この文章を読んでみますと、国に対してその要望をしていくのだということで、国に頼るということもさることながら、他力本願的な文章に思えるわけです。以前、知事と議論をしたときに、私はこの安全協定に、一体、法的な拘束力はあるのかどうかということを問うたと思うのです。私は、この安全協定の内容を読んでみますと、非常に紳士協定のような形で、その中からは法的な効果が生み出せないような気持ちで読んだわけです。そういう質問を知事にしました。知事は、そのときに、安全協定には法的な効果があるのだとおっしゃられたような記憶があります。この問題について、もう一回知事に、お考えをお伺いしたいと思っております。
中国電力は、電力会社ですから、特許制で設立する会社でもあるのだろうと思うのです、それに対して周辺地域や立地自治体について規制を加えていくということは、当然国の役目だろうとは思っておるわけです。そういうようなことを踏まえた上で、再度知事に、安全協定に果たして法的拘束力があるのかどうか、お伺いしたいと思います。
●平井知事
稲田議員から、安全協定につきましてお話がございました。
まず、法的な意味づけからしますと、これはいわゆる無名契約と言われる、民法には記載がないけれども、契約事項として債権債務関係が発生する根拠になると思います。従いまして、この協定を債務名義としてその履行を中国電力に求めることができるという意味で、法的効果は発生していると思います。
ただ、これをどう改定していくかという点につきましては、この協定の中でも、お互いに協議をして今後必要に応じて改定を行うということはありますが、立地自治体と全く同じ文言を求めていくところまでは書き込み切れていない部分があります。
我々としては、立地自治体と同等の対応をせよと、それからこの協定の改定をせよということを、繰り返し中国電力に申し入れております。中国電力も、我々との協議を続けるというスタンスを取り続けていまして、今度は国の働きかけ等も出てくるだろうということで、この要望を入れております。国は第三者であり、この協定に関わることはできないわけですが、しかし電力会社に対する指導の一環として、中国電力は鳥取県内の30キロメートル圏内等影響を及ぼし得るという立場にあるわけですから、立地自治体と結ぶ安全協定と同じような協定に改正していくよう、国としても指導すべきではないかという観点で申し上げております。
今のところ、国のほうで目立った対応は出てきておりませんけれども、少なくとも国に対する牽制球にはなっていると思っています。鳥取県が全国に先駆けてこの安全協定を結んだわけでありますが、これがどこの周辺地域でもできなかったのは、やはり横並び主義があって、突破していくことができなかったわけです。一つは、電力事業者間のネットワークの強さということもありますが、もう一つは、資源エネルギー庁等が、もし仮に中国電力と鳥取県が全国に先駆けた協定を結べば他へ影響するのではないかと役人根性で考えかねないということがあり、現にそういうこともあって、できなかったという歴史があるのだと思っています。従いまして、国に対してもしっかりと中国電力を指導すべきだという立場を主張することが、我々としては得策だと考えております。
○稲田議員
その知事の思いはよく理解できるのですが、この安全協定なるものを、知事も無名契約だとおっしゃった。相手も中国電力ですから、一方では民事上の私的自治の原則にのっとってやれるのだろうとは思いますけれども、内容が非常に行政的な、公的な面が強いのです。そういう中で、単純に私的な契約問題として片がつくのかどうかということになると、非常に大きな問題をはらんでいるような気がするわけです。
一方、知事が法的な効果があるとおっしゃいますが、それは民法上の法的な効果であって、それを含めた行政的な効果が安全協定の中から引き出せてくるのかというと、私は非常に疑問に思うのです。ですからこそ、私は先般の議論の中で、紳士協定ではないのかと申し上げたわけです。それでもなお、やはり法的な効果があり、そして中国電力も契約の当事者として同じように法的な効果があると見ておられるのかどうか。知事に所感を伺うよりも中国電力に聞いたほうがいいのかもしれませんが、知事の感覚として中電もやはり同じように法的な効果を生み出すと思っておられるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
●平井知事
まず、紳士協定かどうかということでありますが、講学上は、履行を求められない、裁判所におきまして強制できない、そういう協定のことを紳士協定といいます。私どものものは、履行を強制できる、債務名義になる、そういう協定だと思っております。これについて先方も異論はないと思います。
そして、この点についてこれからどのように展開していくかということですが、議会でも、立地自治体と同じような協定でなければいけないということを主張されて、協定の締結に至りました。私どももその後、先方に立地自治体と同等という覚書を取ったりして、中身を徐々につくり上げ始めています。しかし、まだ道のりはあると思っていますので、粘り強く交渉するしかないと思います。
また、議員がおっしゃるように、私法上のやりとりだけでいいかどうかとなりますと、やはり本当は公法的な規制が必要な分野だと思います。その意味で、この(2)の前段に、周辺地域に配慮した上で手続を行わなければならない等の法的なシステムをつくるべきだと。これは公法上のものでありますが、あわせて政府に求めていきたいと考えております。
○稲田議員
今、知事は債務名義ということをおっしゃったのですが、この紳士協定なるものに問題があって、裁判になって初めて判決に基づく債務名義というものが生まれるわけです。この紳士協定本体から債務名義が生まれるわけではないと思うのです。それは少し債務名義の概念を広げるような気がするのです。
そういった意味で、この紳士協定に、民法上の契約に基づくものだから債権債務の関係で債務名義があるのだという答えにはならないような気がするのです。事前の抑制にはならない。司法機関の事後の抑制にはなるかもわかりません。裁判所で裁判をやった結果、判決が得られたときに初めて、安全協定なるものに法的な効果が付随するところの債務名義というものが出てくるわけであって、事前抑制にはならないような気がするのですが、その点についてはどう思われますか。
●平井知事
債務名義という言葉を使いましたのは、最終的に裁判所に訴えたときに、民事執行法上の問題として、債務名義として強制力を持つ内容になり得るということを申し上げたものです。平時においては、債権債務関係がありますので、契約遵守の義務が双方に発生します。従いまして、従わなければならない義務が法的に中国電力側にあるということになります。
仮に、私どもに事前協議をせず、再稼働等を含めた動きがあったとします。この協定内容を基にして、例えば仮処分の申し立てをして、その執行を差しとめるということは可能になっていると思います。この前も関西電力管内で同じような訴訟があって、仮処分のあり方というものの議論が進んでいますが、あれと同じようなことは、私どもの協定を基にできる仕組みになっていると考えています。その意味で、一定の法的効果はあるだろうと思います。
しかし、稲田議員がかねてから御心配のとおり、本来行政法の世界で処理しなければならないことですが、この行政法の世界が今ないものですから、安全協定のほうに少し負っている面があることは否めないところです。その意味で、この(2)の前段にありますように、国に対するシステム整備、法的な手続の整備ということもあわせて求めていきたいと思っております。
○長谷川議員
同じく8番、原子力防災に関しまして、国に対して申し入れをお願いしたいと思います。
内容としては、原子力発電所から30キロメートル圏内にあり、希望者に安定ヨウ素剤を事前配布をする自治体に対しては、国としても支援をしていこうということが、今年3月の原子力関係閣僚会議で申し合われております。鳥取県内でも、米子市等でそうした動きが出てきておりますので、改めて県からも国に対して、ぜひ実現するように申し入れをお願いしたいと思います。
◎斉木議長
要望でいいですか。
○長谷川議員
国への申し入れですから内容です。意見をいただきたいです。
●平井知事
私どもは、地元の皆様の御意見を十分に考慮しながら、安定ヨウ素剤を事前に配布するかどうかを議論して、決めていけばいいと思います。私個人としては、地元にそういう声があるのであれば、私たちはそれを中継ぎして、国に対して当然財源措置も求め、我々としても協力をしていくというのが筋道だと考えておりますが、本県内ではまだそこまで議論が成熟していないと思います。
隣の島根県では、松江市内において、10キロメートル圏外におきましても安定ヨウ素剤の配布が行われるというような動きが出てきております。いずれ山陰全体の問題として、議論すべきときが来るかなと思っております。
○錦織議員
同じく8番の安定ヨウ素剤の件なのですけれども、3歳児以下の乳幼児には、避難所や一次集結所に直接には配備していないというのが現実です。水溶き等調剤して与えなければいけないということで、そういう状況なのですけれども、国に対して、ぜひとも早急に配備できるよう要望していただきたいと思います。
●平井知事
詳細は担当部局からお答えしますが、実は今までも、子ども向けに飲みやすいようなヨウ素剤の薬剤の開発等を求めてきております。今までも要望しておりますが、当然ながら子ども対策も含めて、今後も国に対して安全対策の充実を要望していきたいと思います。
●小倉元気づくり総本部長
乳幼児への安定ヨウ素剤ですけれども、これは引き続き要望をしていくことにしております。現在、国においては、シロップやゼリー状等、今さまざまな製品開発の途上にあります。それをいち早く製品化し、供給体制を構築してほしいという要望を、国に対して行うことにしております。
○山口議員
要望の仕方ですけれども、先ほども話がありましたが、ここで皆さんの意見がまとまりますと、地方六団体で一緒になってという形とのことでした。しかし、恐らく、地方六団体の中で内容が一致するところもありますし、そうでないところもあるわけです。地方六団体では、東京と鳥取では要望の内容も違いますし、あるいは県と町村とも違いがあるでしょうし、この実現の方法は、必要に応じて独自で対応するという方法でないと、なかなか県民の求めるものが要望しにくいのではなかろうかと思っています。地方六団体で本当に共有できればいいのですが、なかなか難しい組織でありますし。
●平井知事
私の説明が足りなかったのかもしれませんが、鳥取県版の地方六団体で要望しようと。(「鳥取県版か」と呼ぶ者あり)鳥取県版です。もちろん全国知事会を通じて要請活動をする内容をつくるときも、十分参考にして、鳥取県としても発言をしていきたいと思いますが、鳥取県の中の市長会、町村会、そして各議長会、こうしたところとは、恐らく内容的にはすり合えるだろうと思っております。
ただ、どうしても齟齬が出るような場合は、単独の要望ということで整理をさせていただき、それぞれに要望する形もあり得ると考えております。
○山口議員
いや、地方六団体ということが出たものですから、済みません。
◎斉木議長
よろしいですか。
○福浜議員
表記はないのですが、空き家対策の関連です。
今、空き家が出ているからどうしようという、対処の方向ばかりが議論されているのですが、そもそも空き家がなぜ生まれているのかというところに、やはり国としてメスを入れていただければありがたいと。人口は減ってきています。特にこの鳥取市を見ても、まちなかでの空き家がどんどんふえていて駐車場化している。何らかのメリットがないと、土地を手放さない人が増えていくのです。また、野放図に新興住宅地が増えていって、そこでも空き家がどんどん増えています。便利がいい、まちなかのほうにシフトしてくると。コンパクトシティーというのは、今後日本にとって当然必要になってくると思うのです。野放図に開発を進めて空き家を増やしていくよりは、コンパクトにしていかないと、行政サービスの維持は難しいと思うのです。やはり、まちなかに帰ってくるような形の施策を国として打たないと、このコンパクトシティーというのはなかなか進んでいかないのではないかと思うのですが、知事のお考えをお聞かせください。
●平井知事
福浜議員に同感でございまして、中心市街地の活性化等、まちなかの活性化という課題が鳥取県にもあると思っております。これについては、今、商店街の振興対策、地方創生の一環としての移住定住対策、まちなかにおきます産業ベンチャー等の対策があります。
国に対してどういう要望をするかというのは、詰めてみないと難しいところではありますが、私どもも、例えば商店街の振興であるとか、移住定住だとか、ここに少しばらばらの形で要望する格好になっております。ただ、議員がおっしゃるような中心課題についても、趣旨が伝わるような工夫が必要かなと思います。
おっしゃるように、結局いろんな形で人口の疎密が生まれてきている。特に都心においては高齢者中心の過疎地になり始めている。このままでいいのだろうかという疑問の声は各方面から上がっていまして、私どもも中心市街地の活性化対策を中山間地にならって独自につくっておりますが、まだまだ道半ばというところです。こうした方面について、国としても、地方創生の観点かもしれませんが、てこ入れは必要ではないか。そんな問題意識は申し上げてまいりたいと思います。
◎斉木議長
福浜議員、要望内容について質疑をお願いします。
○福浜議員
わかりました。では、やめます。
◎斉木議長
ほかに。
○前田議員
2点お願いします。簡単ですので。
3ページの社会基盤の整備の(5)の社会資本整備総合交付金について、従来国の配分は、御存じのとおり社会資本整備総合交付金が主で、防災・安全交付金が従だったのですけれども、今の国の配分の考え方は、防災・安全交付金が主になり、社会資本整備総合交付金が従になっているのです。先般も、ある町長から問い合わせがあって調べてみたところ、やはり以前の道路改良の話なのですが遅々として進まないと、こういう不満が県内各所で見られます。この文章でいいのですけれども、必要な財源を確保し、極端に防災に回さないような文章にしていただきたいと思います。
次に、7ページです。持続可能な保健医療体制についてですが、知事と今年の2月議会で議論させていただいた、地域包括ケアシステムの円滑な実施をぜひお願いしたい。理由は、医師が偏在し、中山間地では医師がどんどん減っている。それから、中山間地の訪問看護ステーションの開設は、知事が議場でおっしゃっていたように、2.5人という看護師配置基準の縛りがありまして、ぜひとも規制緩和をしていただきたいと思います。皆さん御存じのとおり、病院から地域へというのが今の医療体制の考え方ですので、ぜひとも地域包括ケアシステムを項目に入れていただきたいと思います。
●平井知事
まず、前のほうにつきましては、社会資本整備総合交付金が、前田議員がおっしゃるように、最近非常に配分率が低下しております。私どもとしては、お金のないものの知恵かもしれませんが、ある程度防災のほうに振り向けながらやるべき事業を充当していこうと努力しているのですが、そもそも社会資本整備総合交付金の予算総額が足りないのではないかという問題意識を持っております。これについては、議会と一緒になって強力に働きかけていかなければならないことでありまして、表現については工夫させていただきたいと思います。
また、地域包括ケアシステムをめぐる条件整備についても、あわせて要請活動の中に加えさせていただきたいと思います。
○西川議員
3ページのシカ対策です。捕獲活動経費の単価引き上げも効果が上がってくると思いますが、昨日おととい、私はちょうど現状を視察してきまして、本当に効果が出て半減しているところと、余りまだ出ていないところがありました。単価を上げるのはいいのですが、総額が上がらないと、対象頭数がどうなるかということが心配になります。今ちょうど頭数が減りかけており、今、重点的にやると将来負担が少なくなりますので、やはり頭数に重点を置いていただきたい。その上で、この単価が上がるのであればいいのですが、その辺りが分かりませんので、説明をお願いします。
●平井知事
これは、いろいろ考え方もあるかと思うのですが、頭数を増やそうという趣旨で、十分な予算の確保ということをまず書いております。単価のことを書いていますのは、現場のほうから、やはり単価が上がればもっと獲るというお話もあるものですから、この辺りも書かせていただいたわけですが、ちょっと表現上工夫をさせていただければと思います。
○木村議員
3ページの農林水産振興のところなのですが、(3)に指定生乳生産団体制度のことがあります。これは鳥取県だけではなく、同じ環境にあるところがたくさんあるのだろうと思います。ぜひ他の府県ともしっかり連携して、全国が同じ思いだということをしっかり訴えていただきたいと思います。
(2)に米価の回復ということがありますが、基本的には需給バランスで決まってくると思うのです。ところが、将来的にどうなっていくかが見えないと、全くこの部分が不透明で、県としてなかなか作業がしにくいと思います。無駄な事業をしなくて済むように、やはり他府県の知事さん等ともしっかり連携して、皆が困っているのだと。今までの経過やTPPがこれからどうなっていくのかをしっかりまとめて、連携して要請をしていただきたいと思います。
●平井知事
指定生乳生産者団体制度につきましては、同じような志のあるところもありまして、いろんな県で同じような声が上がっておりますので、今後もある程度連携しながら働きかけるのかなと思っています。
現状を申し上げますと、国の規制改革会議でこの議論が出始めまして、事実上、本州のほうに安い牛乳が入ってきてしまって、価格がコントロールできなくなるのではないかという危機感が、農業団体を中心にございます。ただ、今、規制改革会議では先送りになりまして、秋以降の議論になったと思われます。ですから、今こそ要望しなければならないということで挙げさせていただきましたが、多分農業団体の意向も強いかと思いますので、連帯をして取り組んでいきたいと思います。
また、米価についてですが、食糧管理制度に淵源を持ちますこの価格対策や生産調整というものが、いずれ自由化されるということが言われております。ただ、それで本当にうまくいくのかということが、我々現場サイドの声です。全国知事会でも、このたび各党派への呼びかけの中に、農業生産が滞りなくできるような仕組みづくりについて、マニフェストや政見公約に盛り込むように求めたところですが、今後とも他団体と連帯をしながら政府に求めていきたいと思います。
◎斉木議長
市谷議員。簡潔にお願いします。
○市谷議員
要望ではなくて、先ほど稲田議員と原発の安全協定のことで話があったのですが、安全協定の対象として原発の再稼働の是非というのは対象外だと認識しております。ただ、先ほどの知事の答弁でいくと、安全協定との関係で、裁判上のその是非について案件に上げられるというふうにおっしゃったのですけれども、それは違うのではないかなと思いまして、確認させていただきたいのですが。
●平井知事
一部を省略しながらお話したわけですが、先般、関西電力の再稼働をめぐり、仮処分の申請が出されたことがありました。それに至るまでには、例えば施設の変更だとか、安全管理が十分できるかどうかという国の規制基準にのっとったものかという、適合申請等があります。こういうものについては、私どもの安全協定の中に入っておりまして、そこで本来はストップがかけられるということです。しかし、そういうものも全部省略して、仮に中国電力が強行しようとすれば、今、協定に盛り込まれていることを根拠にして、仮処分申請等ができる根拠にはなるだろうと。先ほど法的効果のお話がありましたから、そういう意味での法的効果もあるだろうということを申し上げました。再稼働自体が直接の協定対象になっているわけではありませんが、それに至る前段階でのいろんなプロセスが協定対象になっております。
◎斉木議長
まだ御意見はあろうかと思いますけれども、本件につきましては、各会派において協議の上、御意見があれば6月6日までに議長に御提出願います。その後、取りまとめて執行部にお返しすることといたしたいと思いますが、御異議はございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは、そのように取り扱うことといたします。
以上をもちまして本日の議員全員協議会を閉会いたします。御苦労さまでした。
午前11時03分 閉会
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