平成27年度議事録

平成28年3月17日会議録

開催概要、資料はこちらです。
出席者
(8名)
委員長
副委員長
委員
広谷 直樹
坂野 経三郎
市谷 知子
島谷 龍司
浜田 一哉
川部 洋
浜田 妙子
内田 博長
斉木正一
欠席者
(なし)

 
 

傍聴議員  なし

説明のため出席した者
 岡村商工労働部長、岸田農林水産部長、湊企業局長、田栗労働委員会事務局長
 ほか各局次長、課長、関係職員

職務のため出席した事務局職員
 木村課長補佐 若松課長補佐 石本主事

1 開会 午前9時59分

2 休憩   午後0時18分

3 再開   午後1時10分

4 閉会 午後1時52分

5 司会 広谷委員長

6 会議録署名委員     内田(博)委員、浜田(妙)委員

7 付議案件及びその結果
  別紙日程表及び下記会議概要のとおり


会議の概要

午前9時59分 開会

◎広谷委員長
 それでは、ただいまから農林水産商工常任委員会を開会いたします。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 本日の会議録署名委員は、内田委員と浜田妙子委員にお願いいたします。
 それでは、ただいまから本委員会に付託されました議案について審査を行います。
 付託議案は、日程に記載の15議案であります。
 まず、付託議案に対する質疑を行っていただきます。質疑のある方。(「なし」と呼ぶ者あり)
 質疑がないようですので、付託議案に対する討論を行っていただきます。

○市谷委員
 そうしましたら、2本の議案について反対討論を行いたいと思います。
 まず、議案第1号、平成28年度鳥取県一般会計当初予算についてです。
 知事の提案説明にもありましたけれども、鳥取県経済の現状というのは世界経済の低迷、それからTPPなどによる不透明感があり、また安倍総理も認めざるを得なくなった消費税8%増税による景気への悪影響、そしてこれも議場でも示させていただきましたけれども、鳥取県の県民総生産が低下を続けております。それからさらに県の統計課の調査で、県内企業の1月から3月期の景況感、BSIもマイナス19%、特に製造業ではマイナス28%で、前期から大幅に下振れしているという状況です。この統計課の調査に自由記入欄というのがありまして、そこにいろいろ書かれております。例えば製造業では、企業誘致で建設物件が続き業界は華やかという声もありますが、その一方で、一般的に景気がよいというのは大手であり、中小企業には厳しい状況が続くのではないか。それから卸売業では、4月採用の新入社員が直近15年で例のないゼロとなりそうだという声。それからサービス業では、求人を出しても応募がない。施設の老朽化が深刻。増税前で今はまだましだが、29年4月以降、つまり消費税10%増税後がかなり不安といった不安の声が多数寄せられております。やはり県経済の6割を占める一番の主役である県民の懐を暖めたり、それから雇用、処遇改善、地元中小企業の応援こそ県経済の好循環の道であるということがいよいよ浮き彫りになっていると私は思いました。
 そういう目で、どうでしょうかと当初予算を見ました。知事も述べているように、国からの地方交付税の減額によって大変厳しい予算編成であり、従来の事業も見てみましたら、実績見合いで予算額が減額されているものが多く見られました。商工労働部関係では、国の緊急雇用基金の終了、それから地方創生といいながらおかしいと思ったのですけれども、移住者のお試し就業助成金、こういうものが今回認められなかったということで、雇用関係の予算が大幅に減額になっています。それに比べて、県全体の主要事業のトップが圧倒的な県民や県内企業には縁のない世界に開かれたゲートウエイの85億円というのは私は間違っていると思います。こういう厳しい予算編成であればなおのこと県民の暮らしや雇用、県内企業に重点配分すべきと思います。
 具体的には、5.5億円の赤字のDBSクルーズへの支援だとか、実績の広がらないロシアサポート事業、東南アジアビューロー、テスト輸送ばかりで実用化されていないGTIと連携した北東アジア輸送ルートの事業はやめるべきだと思います。また、自動車、航空機、医療機器の成長分野の人材育成に特化したとっとり高度技能開発拠点形成事業、鳥取県戦略産業雇用創造プロジェクト事業、鳥取県地域創生人材育成事業が提案されておりますけれども、これらの人材育成の恩恵を受ける成長分野の誘致企業というのは、もともと鳥取県には人材があるからということで県から多額の補助金をもらって鳥取に来るということが決まったわけです。それが来ることになったら、実際には人がいないからといって、本来企業自身がやるべき人材育成まで税金を使って県にやってもらおうというもので、こんな見通しもなくて大企業にとって都合のよい話があるでしょうかと私は思いました。
 例えばこの自動車関係、航空機ですかね、後で言いますけれども、本社よりも鳥取県は最賃が低いから賃金が安いということで、そこを受けるのをやめたというような方もいらっしゃいます。こういうことでは、県民の雇用のためではなくて大手企業の奉仕のために県の税金が使われるばかりだと思います。
 今、有効求人倍率が上昇しておりますけれども、こうした成長分野でのミスマッチ、それから処遇が悪くて離職者が多い福祉分野や建設業の人材不足によるものが大きくて、決して雇用環境がよくなっての有効求人倍率の上昇ではないと私は見ております。
 このように誘致企業があふれているわけですから、今回企業立地の制度は年間の補助限度額を下げたり、それから雇用奨励金は正規雇用に特化して単価も100万円から50万円に引き下げるなど、企業誘致には抑制的な制度改正となっておりますけれども、私は当然のことだと思います。ところが、こうした企業誘致を抑制している中で、企業立地が確実でない鳥取市の工業団地の整備に上限2億円の新たな制度をつくるということは異常ですし、こういう今の企業立地の制度の改善からいくと逆行していると思います。私は事業継承事業だとか県版経営革新事業、若年者等への技能継承事業、それから未来人材育成奨学金事業、障がい者就業定着強化事業、こういった県内中小企業の営業だとか雇用の拡大に結びつく事業をもっときめ細かくさらに前進させるべきだと思っております。
 さらに、農林水産部の関係ですけれども、全体の予算が4億円しか伸びておりません。予備調査のときに生産振興関係の予算がマイナス5億円では心配ではないかと私は申し上げましたけれども、そうしましたら2月臨時議会で決定したTPPの大筋合意を受けた補正予算とセットで見れば大丈夫だという話がありました。確かに2月臨時議会で約30億円の予算がついています。しかしその中身ですけれども、TPP対策ということで、競争力の強化として、牛肉やきぬむすめ、新甘泉などのブランド化、それから大規模化、低コスト化、輸出促進が中心で、経営が厳しい農家、高齢化した農家、また新規就農者は事実上使えない事業が多くて、これでは担い手が広がらないと思います。実際に農家が直面した米価暴落に対しては、今度の予算でもそうですが、相変わらずの融資の対応になっております。
 この融資制度の実績ですけれども、これまで対象面積の14%、水田面積の6%しか利用が進んでいません。その結果、予算の説明のときにもありましたけれど、主食用米の作付が200ヘクタール減り、2億円の減収になって、低コストの直まき栽培で対応しようということで予算が組まれておりますけれども、これは莫大な資金がかかる地下水制御システムが必要で、かえって低コストにならないという声もあります。
 農業の実態ですけれども、耕作放棄地が拡大し、農地中間管理機構の農地借り受けは、目標に対してですけれども、実績で約2億円の減額になっております。それから担い手がないということで、農地を守る直接支払制度の利用減少と生産者の減少に歯どめがかかっておらず農地の維持も厳しい状況になっています。私は市場競争原理任せにするのではなくて、命である食料と国土を守るために農業で食べていけるように農林水産物の価格、所得補償制度を県独自に充実させるべきだと思います。今回充実されている農業人材育成、中山間地域の産業発展のための里山応援事業、有機・特別栽培支援事業、鳥獣被害対策、クヌギ原木確保事業、漁業就業者給付金の創設のように、鳥取県の地域の実態に合った農林水産業の生産振興策と人材育成にもっと予算を振り向けるべきだと考えております。
 以上の理由から議案第1号には反対です。
 次に、議案第44号、鳥取県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部改正です。
 これは農地法の一部改正によって従来県にあった農地転用の権限が農林水産大臣の指定市町村である鳥取市と南部町に付与されることになったため、意見聴取先が県の農業会議から市町村の農業委員会に変更になるというものです。優良農地を守るために農地の農外転用は慎重にされるべきという立場から、本来知事権限であったものが、規制緩和され市町村に権限移譲され、しかも今後意見聴取先となる農業委員会ですが、農民による選挙から市町村長の選任となって、農地を耕作する農民の意見よりも行政の都合だとか農地を使いたい企業の利益が優先して農地の維持が難しくなる可能性があるため、この議案には反対したいと思います。

◎広谷委員長
 ほかに討論ありますでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 ほかに討論がないようですので、これより採決に入ります。
 それでは、まず市谷議員より反対のあった議案を一括して採決し、その後、反対のあった議案以外を一括して採決を行いたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
 それでは、議案第1号及び第44号について、原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数であります。したがいまして、以上2議案は、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、議案第7号、第8号、第9号、第10号、第11号、第12号、第17号、第18号、第19号、第42号、第49号、第52号及び第53号について、原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成全員であります。したがいまして、以上13議案は、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 それでは、次に、陳情の審査を行います。
 今回は新規分の請願1件、陳情2件の審査を行います。
 初めに、請願1件の審査を行います。
 請願農林水産28年8号、TPP協定を国会で批准しないことを求める意見書の提出についての審査を行います。
 御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いいたします。

○市谷委員
 私は紹介議員になっておりますので、まず最初に主張させていただきたい。採択を主張いたします。
 この問題については一般質問でも述べさせていただきましたけれども、2月4日に大筋合意されたTPPの内容は、関税撤廃率が日本の全品目の95%、農林水産物では81%、聖域とされてきた重要5品目も30%にも及び、7年後には関税撤廃の再協議も義務づけられております。これは重要5品目は最低でも交渉除外という衆参の国会決議に照らしても明らかに違反している中身となっています。
 問題は農林水産物だけではなくて、TPPには附属文書というものがありまして、日米交換文書というものがあります。その中に、保険、投資、政府調達、公共事業、それから食物の検疫、安全対策、こういう非関税障壁については撤廃するということが日米間で文書で交わされ、確認されています。さらに多国籍企業が政府を訴えることができるISD条項も導入が決定していて、これでは国の経済主権、それから雇用、保険、こういうものが守れないと思います。しかも政府が対策だとしている政策大綱ですが、先ほども述べましたけれど、大規模化とか低コスト化とか輸出対策が中心で、体力がある農家にしか使えず、農家が望んでいる牛肉の所得補償の補塡率を8割から9割に引き上げたり法制化することは、今やらないでTPPが発効してからでないとやらないということで、これでは対策にならないと思います。
 同時に、政府が決まったことのように大宣伝しておりますけれども、これもまだ決まっておりません。関係12カ国による国内法の整備、それから条約の批准が必要です。加えて契約国のGDP85%以上の批准がないと発効しないわけですけれども、それでいくと日本とアメリカのいずれかが抜ければ発効しないということですし、御承知のとおりアメリカは今、大統領選挙の予備選挙が行われております。アメリカは貿易権限は議会にあって、大統領が議会に通告して、最低でも90日間議論が必要なのですけれども、これから大統領選挙、議会選挙が11月のため、年内の批准は難しいということでアメリカは先行き不透明で、TPPはまだ決まっていないし、どうなるかわからないという状況です。それなのに決まったように描いて国会決議違反に封印をして対策費をちらつかせてどんどん先に進めるというのは言語道断です。こういう国民への裏切り、百害あって一利なしのTPPからは撤退すべきですし、条約には批准すべきではありません。したがいまして、請願の採択を皆さんに求めたいと思います。

◎広谷委員長
 ほかに御意見は。

○島谷委員
 私はこのものについては不採択ということで意見を言わせていただきます。
 本会議でもいろいろ知事等の指摘がありましたけれども、いわゆる大筋合意の内容が国会決議に反するか否かを判断する権限及び義務というのは、いずれも決議を行った国会に属するところであります。したがって現時点で違反しているという判断をすることはできないと考えております。また条約の批准についても、権限もあくまで国会に属するものである、これは当然のことであり、県としては国会の場において十分な議論がなされることと、農林水産業を初めとした各産業や県民の暮らしを守るための措置を引き続き政府に求めていくことが重要であると私は考えますので、この件については不採択ということで皆さんの賛意をお願いしたいと思います。

◎広谷委員長
 ほかに。

○坂野副委員長
 国が示したTPP批准による農林水産物への影響額が示されましたけれども、米への影響を含め、どれだけマイナスになるかなと思っておりましたら、米への影響額はゼロということで、これを額面どおりに受け取る方は恐らくないのだろうと思うのですね。まず影響額を把握しなければ、その対策を打てるはずがないわけですので、米を初めとする農林水産物への影響額を正確に把握し、その対策を打つことが先なのだろうと思います。その上で、この対策なら批准できるね、いや、これだったら批准できませんよねという議論が後に来るはずであろうと考えておりますので、その批准するしない以前にまずやるべきことがあるだろうと私は考えております。したがいまして、その批准するしないということも私の意見の中には含まれておりますので、まず影響額を正確に把握し、その対策を打つということをするという意味で、私はこの趣旨は理解できますので、趣旨採択を主張して、議員各位の御賛同をいただければと思います。

◎広谷委員長
 御意見が出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
 採択、趣旨採択、不採択という声がありましたので、まず採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成少数であります。
 次に、趣旨採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成少数であります。
 次に、不採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数であります。よって、請願28年8号については、不採択と決定いたしました。
 次に、陳情2件の審査を行います。
 陳情商工労働28年2号、いわゆる「ブラック企業」の根絶に向けた取組の推進についての審査を行います。
 御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いします。

○市谷委員
 私はこの場でも議場でもブラック企業の問題を何度も取り上げてまいりましたけれども、実際には長時間サービス残業、パワハラなどが行われている企業がありまして、労働基準監督署などが指導に入っても、一旦改善されたらそれでよしと、悪質とはみなされず、企業名も公表されません。きのう、きょうと11月の過重労働の関係で35件、労働基準監督署などが指導もされたということですけれども、悪質ではないということで企業名が相変わらず公表されないということになっております。私が聞いている会社の中でも、また後で言いますけれども、法令違反を繰り返している企業がございます。こうした手口で何度も法令違反を繰り返している企業があるので、やはり複数回法令違反を行えば悪質だとみなして企業名を公表する制度が必要だと思います。
 離職率の公表ですけれども、ブラック企業が社会問題になって、若者雇用促進法が昨年の通常国会で全会一致で通りました。これはよかったと思います。その結果、この3月からハローワークでの求人受け付けについては、過去に労働法制違反を繰り返した企業は不受理とするということや職場情報の提供が義務化されるようになったということはよかったと思います。ただし、これはいずれも新卒の求人の場合に限定され、しかもそこの会社に応募したいという方から求めがあった場合にのみ情報が提供されるということで、全ての求人の場合にこの情報提供を義務づけなければ求職者がブラック企業を見分けることができず、結局労働者が被害に遭ってしまうと思いますので、さらなる改善が必要だと思います。
 また、働いてみたらハローワークの求人票と違っていたということもよく聞く話です。そういう状況だからといって労働者が会社をやめようとしたら、もう契約書を交わしているのにやめるのは契約違反だということで、損害賠償を請求される例も出ています。こういう悪質な会社の求人広告を徹底排除するためにも罰則が必要だと思います。
 そして、こうしたブラック企業の指導監督を強化するためには労働基準監督署の監督官の数が足りない。これはいつも監督署に行くと監督官のほうから回れないのですということを聞きます。体制強化を求める必要があると思います。
 また、県の労働相談窓口についても陳情に書かれておりますが、鳥取県はこの労働相談窓口のみなくるを全国で唯一民間に委託していると。全国で唯一、ただ一つです。県に労働相談の窓口がありません。ですから、積極的に県に相談に行く人はないと思います。県民をブラック企業から守るためにも、そして県の補助金を受け取る企業の法令違反は補助金返還となっているわけですから、労働者の実態をつかむためにも県独自の相談窓口が必要だと思います。
 以上の理由から、県の体制強化と国に意見書を上げる必要があると思いますので、陳情の採択を求めます。

◎広谷委員長
 ほかに御意見はありますか。

○浜田(一)委員
 陳情2号につきまして意見を申し述べさせていただきます。
 労働基準法違反等については、労働基準監督署が指導監督権限を有し、適宜指導の上、是正勧告や、悪質な場合は書類送検等の対応が確実に行われています。また、青少年の雇用の促進等に関する法律によりハローワークが一定の労働関係法令違反の求人者について新卒者の求人申し込みを受理しないことができるようになるなど、国は悪質な事業者に対する規制を強化しているところでありまして、意見書の提出は必要ないものと考えます。
 また、相談窓口の設置については、前述のとおり国には労働基準監督署があり、県機関としても労働相談に対して助言する鳥取県中小企業労働相談所や労使紛争解決を支援するための労使ネットとっとりなども設置されており、既存の機関の能力、連携の向上により対処すべきことから、新たな相談窓口を設置する必要はないものと考えます。
 しかしながら、いわゆるブラック企業につきましては社会問題化していることは認識しておりまして、行政が厳正に監視、指導していくべきものという願意については理解できるため、趣旨採択すべきものと考えます。議員各位の皆様方の御賛同をよろしくお願いいたします。

◎広谷委員長
 ほかに御意見ありますでしょうか。
 意見が出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
 採択、趣旨採択という声がありましたので、まず採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成少数であります。
 次に、趣旨採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数であります。よって、陳情28年2号については、趣旨採択と決定いたしました。
 最後に、陳情商工労働28年5号、最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書の提出についての審査を行います。
 御意見を伺いたいと思います。御意見のある方。

○市谷委員
 これについては委員長の許可をいただきまして皆さんに資料をお配りしておりますので、これを見ながら聞いていただけたらと思います。陳情にも書かれておりますように、最低賃金の最高は東京の時給907円、最低は鳥取県の693円です。毎日フルタイムで働いても月10万から13万円にしかならず、地域差の最高は年収でも38万円以上にも及んでおります。
 皆さんにお配りした資料なのですけれども、これは共産党が調査して国会で提示した資料なのですが、下のほうをまず見ていただきたいと思います。島谷議員が前回委員会で最賃の低さと人口流出は関係ないとおっしゃいましたけれども、この資料は、見ていただいたらわかると思いますけれども、最賃の低いところは人口が流出し、最賃の高いところは人口が集まってふえているという相関関係を示すものになっていると思っております。この資料を使った国会質疑を通じて、石破地方創生大臣も地方で給与を引き上げ安定した就業の充実を図ることが極めて重要だと、この資料を見まして石破大臣もそうだと、給料を上げないといけないと国会でおっしゃいました。
 昨年11月の経済財政諮問会議で、安倍総理は最低賃金の低さを認め、最賃の引き上げを口にしておられます。毎年3%の引き上げを目指すとされました。ただ、毎年3%というペースでは最賃が平均1,000円以上になるのは2023年ということで、非常に遅いです。
 もう一つ資料の上のほうを見ていただいたらと思いますけれども、日本の最賃というのは先進国の中で最低です。先進国では最賃はイギリスでは964円、ドイツ1,186円、オーストラリア1,218円、フランス1,214円、アメリカは790円を1,101円に引き上げるとオバマ大統領が表明して、今引き上げの手立てがいろいろとられているということです。これは1年前に示した資料なのですけれども、時給1,000円以上というのが当たり前ということです。やはり最賃の格差をなくして全国一律に時給1,000円以上の早期実現を求めることが必要だと思います。
 その実現のためには、陳情にもありますように、中小企業への支援が欠かせません。アメリカでは2007年から2009年までの3年間で最賃を41%引き上げたのですけれども、そのときに中小企業に対して5年間で8,800億円の減税の措置をとりました。また、フランスでは2003年から2005年にかけて最賃を11.4%引き上げて、その間に中小企業に対して社会保険料の事業主負担分を2兆2,800億円もお金を出して社会保険料の軽減をしたということです。それに比べて、日本の最賃引き上げのための中小企業支援ですけれども、来年度の予算ではわずか11億円ということです。しかも国の来年度の中小企業対策費は1.7%も削減され、一般歳出全体に占める割合は0.315%ということで、史上最低の中小企業予算になっております。これでは最賃を引き上げると総理が言っても引き上がらないわけで、やはり先進諸国のように中小企業への支援をもっとやる気を出してやるべきだと思います。
 下請取引の問題ですけれども、県が対応状況ということで国の取り組みについて資料をいただきましたが、下請法違反に対する指導が5,461件ということで、過去最多と書いてありました。ただし、勧告に至ったのは7件しかないということで、非常に不十分な状況だと思います。さらに親事業者の下請業者に対しての下請代金の減額分の返還、つまり未払い分の返還というのが8億円にも上っているということで、下請たたきの実態は相当深刻な状況です。この実態からいきますと、抽出調査とかではなくて悉皆調査をするとか指導を強化するとか罰金を引き上げるとか、もっと実効性ある制度への改善が必要だと思います。
 このように安倍政治が非常に不十分で誤りもあり、大企業の内部留保はふえておりますけれども、非正規雇用が4割、労働者の4人に1人が年収200万円以下のワーキングプアということで、労働者の実質賃金も景気も低下を続けております。本当に経済の好循環ということを実現するためには、賃上げ、最賃の引き上げ、中小企業への抜本的支援強化が必要だと思いますので、この陳情の採択を求めたいと思います。

◎広谷委員長
 ほかに御意見はありますでしょうか。

○島谷委員
 今、市谷委員のほうから私の名前が出たので、しゃべらせていただきたいと思います。
 市谷委員は、私が最低賃金は人口流出に関係ないと発言したと言われましたが、最低賃金だけで人口流出するわけではないという話で私は言ったはずです。市谷委員が出されているこの資料を見ましても、私が報道等で知っている資料とちょっと違う部分もあります。例えば大阪、滋賀のあたりですね。大阪はこれだけ最低賃金が高いのですけれども、人口は流出していますし、滋賀のほうは反対にふえている。これは関西圏での衛星都市化、あるいはそういう問題も含めて起きていると思っていまして、最低賃金のみで流出問題を議論することは私はなかったと思っておりますので、その点は指摘しておきたいと思います。またこの最低賃金の引き上げについては確かに必要な部分はありますが、現在の大変厳しい経済情勢の中で、中小企業においては、労働者の雇用の安定という点に影響を及ぼしかねないということから、各都道府県における経済情勢を把握している各都道府県労働局において慎重に審議の上、対応されるべきものだと私は考えております。
 また、中小企業の支援については、国、県いずれにおいても平成27年度補正予算、あるいは平成28年度、今回の当初予算においてしっかりと数多くの施策を実施するということで計上されておりますし、我々もそれをしっかり応援していくべきだと思っておりますので、この件については不採択ということで、皆さんの賛意をいただきたいと思います。

◎広谷委員長
 ほかに意見はありますか。
 意見がないようですので、これより採決に入ります。
 採択、不採択という声がありましたので、まず採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成少数であります。
 次に、不採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数であります。よって、陳情28年5号については、不採択と決定いたしました。
 それでは、次に、報告事項に移ります。質疑等につきましては、説明終了後に一括して行うことといたします。
 まず、報告1、鳥取県の経済雇用情勢について、西村商工政策課長の説明を求めます。

●西村商工政策課長
 それでは、商工労働部の資料の1ページをお願いいたします。鳥取県の経済雇用情勢につきまして、毎会期に直近の足元の経済情勢、景気動向などをお伝えしているものでございます。
 まず最初に、経営者見通し調査。これは県内企業300社の経営者の方の景況判断を定性評価的に調査しているものでございます。全体について申し上げます。今回は景気判断は上昇したという企業が13%、前期の10月から12月に比べて12ポイント低下しております。さらに、下降したという企業につきましては32%、前期比で19ポイント増加しております。この上昇したところと下降したところの企業を差し引いたところが、よく新聞紙上などで出ておりますBSI指標ということで、今期は△19%ということになっております。ただし、10月から12月につきましては年末のいろいろな需要が高まる時期でございまして、製造業、非製造業ともいろいろな経済活動が活発になる時期でございます。それに対しまして、それが終わった後の1月から3月は大体低下するという、季節変動的な要因だと考えております。基調判断はそういったことで一服感はあるという表現はしつつも、ベースの持ち直しの傾向は続いているという判断になっております。
 続きまして、鳥取県の経済動向、下半分でございます。これはどちらかというと数値判断の部分でございまして、まず最初に大規模小売店舗の販売状況でございますが、11月、12月あたりは対前年減少ということで、引き続き弱含みの状況が続いているということでございます。それから新車販売、ホームセンターの販売状況につきましても同じように低迷傾向が続いておりまして、消費については弱い状況にあると考えております。
 それに対しまして、産業面ということで2番にございますが、これにつきましては生産指数であらわされておりまして、平成22年を100とした数値としては、12月に106.9ポイントというような高い状況が続いております。こういった基調があるがゆえに、先ほどの持ち直しの傾向が続いていると統計的な判断がされておるものでございます。
 続きまして、2ページでございます。雇用情勢につきまして、ことし1月の有効求人倍率でございますが、鳥取県内1.29で、全国の1.28を上回るということで、非常に高い求人倍率の状況が続いております。ただし正規雇用につきましては全国0.87に対しまして0.77ということで、まだ下回った状況にございます。
 企業倒産の状況でございます。近年は比較的少ない状況なのですが、28年1月は、7社ということで、増加した状況になっております。そこにも書いてございますが、やよいデパートの事業閉鎖ということで関連企業等の倒産というような件数がカウントされたことによって増加しているものでございます。あと日銀、それから鳥取財務事務所につきましても基調判断は緩やかな回復基調と評価されておる状況でございます。

◎広谷委員長
 次に、報告2、鳥取県産学マッチングセミナー@ダイキン工業TICの開催について、報告3、平成27年度鳥取県医療機器展示商談会in本郷の開催について及び報告4、地方独立行政法人鳥取県産業技術センターの機器使用料について、木村産業振興課長の説明を求めます。

●木村産業振興課長
 それでは、3ページをお願いします。鳥取県産学マッチングセミナー@ダイキン工業TICの開催についてです。
 県内中小企業が大学、高専、産業技術センターと連携し、自社の技術をもとに新たな分野への転換を図ることを目的として、3月16日に大阪のダイキン工業において鳥取県産学マッチングセミナーを開催いたしましたので、報告します。
 開催した場所はダイキン工業のテクノロジー・イノベーションセンターというところで、下の参考のところに書いておりますが、昨年11月にダイキン工業が技術開発の拠点として開設した施設で、これまで分散していた研究者、技術者を集約して約700名体制で技術開発を推進されるというところです。社内の連携を強化することだけでなく、社外の企業や大学、研究機関との産学連携を進め、協創イノベーションの実現を目的とするというものです。今回、鳥取県の企業にここでのオープンイノベーションによる技術交流を呼びかけたところ、3の参加者のところに書いておりますが、県内企業38社に大学、高専、産業技術センター等を合わせて43団体の参加がありました。それぞれの技術の製品を展示して、ダイキン工業の技術者と直接その技術の活用等について意見交換を行っていただきました。また、氷温技術について氷温協会の山根理事長、また鳥取大学医学部附属病院の取り組みについて鳥取大学の北野理事に講演もしていただきました。
 参加された企業からは、一部余り意見交換ができなかったというところもありましたけれども、ほぼ満足であったという意見が大半でした。意見としましては、技術者との意見交換で深い議論ができたとか、大企業の意見をもらえて有意義であったとか、逆に出展していた県内企業同士の交流ができてとてもよかったとか、そういうような意見をいただきました。今後の展開が期待できると考えております。
 続きまして、4ページをお願いします。平成27年度鳥取県医療機器展示商談会in本郷の開催についてです。
 こちらは県内企業の医療機器産業への参入を目的として、東京本郷地区の医療機器メーカーとの展示商談会を、3月10日に開催しました。ちなみに東京本郷地区は130社以上が立地する国内最大の医療機器メーカーの集積地域です。ここでは日本医療機器協会と全国の自治体が連携して、平成25年から34回、今回の鳥取県と同様の展示商談会が開催されています。今回は2番の四角に書いてある県内企業20社と鳥取大学医学部附属病院次世代高度医療推進センターが参加しました。来場された本郷地区の医療機器メーカーは59社、73名でした。先ほどのダイキン工業と同じように技術や製品を展示して来られた方々と直接意見交換を行っていただき、また並行して別室にて個別に商談会も行っています。商談件数は57件でした。そのほか医療機器メーカーからの講演や鳥取大学の高度医療推進センターの植木センター長の講演など、盛りだくさんで行いました。
 参加企業からの意見としましては、共同研究の話が進みそうだとか、探していた医療機器の製造販売業とのマッチングができたとか、ほとんどの参加企業が何らかの成果を持って帰られるということになりました。また、協力いただいた日本医療機器協会の会長さんからは、大学病院と県、企業が密接に連携している自治体はほかには見たことがないと、これは鳥取の強みではないかという御意見をいただいて、激励もいただきました。今後も産学官の強固な連携で企業の医療機器参入を支援していきたいと考えております。
 続きまして、5ページをお願いします。地方独立行政法人鳥取県産業技術センターの機器使用料についてです。
 これは中国地方の公設試験研究機関が保有する開放機器を他県企業等が利用する場合の割り増し料金が現在2倍の料金になっていますけれども、それを解消して県内企業と同額とすることが中国地方知事会で合意されました。これは企業の利便性を図ることとか公設試験研究機関の機器の効率的な活用を図ることを目的としての合意です。これに伴いまして、地方独立行政法人鳥取県産業技術センターの機器使用料等も同様の扱いにすることになりますので、報告させていただきます。
 開始時期は4月1日からで、ここに書いています中国地域内の工業系公設試験研究機関、全てで実施されるということになります。ちなみに鳥取県では平成25年1月より関西広域連合で既に同様の取り組みを行っておりまして、現在3年を経過している状況です。3年経過しておりますけれども、特に問題等はなく運用されているという状況です。

◎広谷委員長
 次に、報告5、ロシア沿海地方における「鳥取ウィーク」の成果と今後の可能性について、山本通商物流課長の説明を求めます。

●山本通商物流課長
 6ページをお願いいたします。ロシア沿海地方における「鳥取ウィーク」の成果と今後の可能性について御報告させていただきます。本年、ロシア沿海地方と友好提携25周年キックオフ事業として2月29日から3月6日までウラジオストク内で開催した鳥取ウイークの結果を報告いたします。
 1でございますが、「鳥取ウィーク」の概要としまして、鳥取県産品レストランフェアinウラジオストク、また経済ミッション団の派遣、観光情報説明会及び旅行会社訪問、鳥取県文化デイズの4つの行事を行いました。
 2でございますけれども、成果と今後の可能性ということでございますが、まず今回、野川統轄監がヴィシュニャコフ沿海地方副知事と面談を行いまして、ことし11月に本県で開催する友好提携記念行事へのミクルシェフスキー知事の参加や8月24日から28日のチャーター便で派遣する鳥取県友好団の受け入れ等について沿海地方が準備を開始することで合意いたしました。また、ヴィシュニャコフ副知事は廃棄物関連、水産加工関連が本県と協力したい分野であるということを述べられました。
 次に、(2)でございますけれども、環日本海経済活動促進協議会とロシア沿海地方商工会議所とは貿易、投資及び観光に関する情報交換等、相互交流、DBS航路の利用促進の協力について3月1日覚書を締結し、両者は相互に経済団体等を派遣し商談などを進めていくこととしております。今後民間同士の経済交流が活発となることを期待しております。
 次に、(3)でございますが、「鳥取ウィーク」開会式と鳥取県レストランフェアinウラジオストクでございます。開会式には沿海地方議長のゴルチャコフ氏も参加され、現地マスコミ等の取材により幅広く報道されたところです。また、1の「鳥取ウィーク」の概要のところに書いてございますけれども、ウラジオストクにおける13店舗のレストランで開催いたしまして、今回県内企業7社、11アイテムを輸出しましたが、ブリ、乾燥シイタケ及び鳥取茸王、アゴだし、梅ジュースに対してロシア人のシェフ等に高評価を得たところです。本年中には再度鳥取フェアを開催し、業務用食材の定番化を目指してまいります。
 その他の個別案件としまして(4)でございますが、沿海地方のカジノ特区にある高級ホテル支配人と面談いたしました。県産食材に高い関心をいただいたことから、引き続き働きかけを行ってまいります。また、優先開発地区のナジェデンスキー地区というところで廃棄物関連のプロジェクトが進んでおりまして、その関係で本県の企業の紙おむつ処理の案件について現地企業とロシア国内での普及について合意いたしまして、今後の販売に向けて取り組みを支援してまいりたいと思います。

◎広谷委員長
 次に、報告6、平成27年度民工芸振興関係の主な取組について、大江民工芸振興官の説明を求めます。

●大江商工労働部兼農林水産部民工芸振興官
 平成27年度民工芸振興関係の主な取組について御説明します。
 資料7を見てください。1、新規販路開拓と誘客をあわせた国内外での展示会の開催をいたしました。国内外で11カ所ほど実施いたしました。主なものを御説明させていただきます。
 (1)台湾デザイナーズ・ウィーク2015。去年の10月ごろに開催されましたけれども、因州和紙の若手製作者4者と台湾人デザイナー3者による新商品を開発し、展示販売を行いました。来場者は6万人ほど来られまして、非常に好評を得ました。成果としては、ホテルの賞に選定されましたり、複数バイヤーさんとの商談などがありましたり、あと商品化されまして、さらにことしの2月に京都、8月には東京展でも販売が決定しております。
 (2)東京の中目黒で開催しましたco-tori2016というイベントです。4回目になりますが、メディア関係で非常に取り上げられまして、来場者数500名、飲食関係のイベントもございまして、そちらのほうで200名、特にことしはオレイン55の独自メニューをレストラン6店舗で提供しまして、地酒と器と鳥取の観光をPRしたところでございます。
 あと民工芸の振興事業の中にはいろいろなメニューがあるのですが、特に後継者育成事業を行っておりまして、今のところ、因州和紙2名、陶磁器2名、淀江傘1名、酒造2名の7名が研修中でございます。研修中の7名のうち県外者4名、Uターン者1名で、移住定住にも効果がありまして、引き続き続けていく予定でございます。

◎広谷委員長
 次に、報告7、平成27年度の農地中間管理事業の実施状況について及び報告8、鳥取県農業振興地域整備基本方針の見直しについて、西尾経営支援課長の説明を求めます。

●西尾経営支援課長
 失礼します。農林水産部の厚いほうの説明資料の1ページをお願いいたします。平成27年度の農地中間管理事業の実施状況について報告いたします。
 まず、担い手の応募の状況と、その貸し付けの状況でございます。委員の皆様御承知のように、この事業は農地中間管理機構が26年度から行っているものですけれども、県下126の公募区域で借り受け希望者を公募して、その方々に農地を貸し付けていくという制度でございます。これまでの累計でいきますと711人、3,456ヘクタールを借り受けたいとするニーズがあったのに対しまして、現時点で227名の担い手に1,027ヘクタールの貸し付けができているというところでございます。未貸し付けのところも、ニーズを満たしていないところもかなりあるのですけれども、地域の話し合い等を進めているところでございます。
 その下に今年度2月末までの農地の貸し付け状況を記載しております。借入面積は今年度552ヘクタール、貸付面積は604ヘクタール、うち296ヘクタールが新規分ということで、事業が始まりました26年度と比べると実績としては着実に上がって進んでいるというところでございます。今年度の事業実績ですけれども、昨年と同様、年度が明けました5月中に全国のデータがまた公表されるというところでございます。本県の中間管理機構である担い手育成機構においては、この事業実績を踏まえた来年度の推進方針を3月22日の役員会で決定し、実績につきましては6月の評価委員会で評価を受けるという予定になっております。現在のところですけれども、来年度の貸付面積は、今年度の実績を上回るような見通しでございます。
 事業を推進する上での今後の対応ということで、4点まとめさせていただきました。本県では、平成35年を目途に県内農地の50%を主業的な農家に集積し、残りについては多様で多数の農家が耕作するというような土地利用の目標を描いております。本県としましては、中間管理事業、あるいは土地改良事業等、農地対策、それと担い手対策、生産振興対策を関連させて推進していきたいと思っております。そのためにはその基礎となります地域の話し合い、具体的には人・農地プランということになりますけれども、それを基本としながら関係機関の連携を進めてまいりたいと思っております。
 それと、農地中間管理事業は担い手農家の要望を十分に聞くという制度のたてつけになっております。聞いた上でその担い手の経営発展を地域ぐるみで支援するというスキームでございますので、各市町村において、現場においてそういったことがなされますように県と機構がその趣旨を十分に伝えてまいりたいと思います。まだまだ市町村で若干の温度差があるという状況でございます。したがいまして、優良事例等の広報に努めて取り組みの横展開を図っていくことは継続してまいりたいと思っております。
 続きまして、2ページをお願いいたします。鳥取県農業振興地域整備基本方針の見直しについてでございます。
 国は、昨年3月、食料・農業・農村基本計画の閣議決定等を受けまして、農用地等の確保等に関する基本指針を昨年12月に変更いたしました。この基本指針の変更に伴いまして、県でも策定しております農業振興地域整備基本方針を見直しまして、関係団体等の御意見もお伺いして変更案を作成いたしましたので、委員の皆様方の御意見を伺いたく以下のとおり報告するものでございます。
 変更のポイントですけれども、そこに掲げておりますように、今後10年間において県が確保すべき農用地等の面積の目標設定を行いますということです。それともう一つは、現在の県内の農業情勢の変化に対応した所要の修正、変更を行ったというところでございます。
 農用地の目標設定につきましては、本来であるならば市町村等で策定いただいたものを積み上げて、それが県の目標となって国に上がっていくという形になるのですけれども、なかなか積み上げという形になりませんで、基本的には過去からの趨勢を基本としつつ、施策の効果等を国が策定しました基準に基づいて見直したというものでございます。
 現在、農用地区域内の農地面積3万475ヘクタールございますが、過去からの趨勢で、農用地区域から除外されるもの、あるいは荒廃農地の発生状況、それから農地中間管理事業でありますとか耕作放棄地の再生事業といった事業、あるいは多面的機能支払い等、農地を保全する施策等で改善される部分等を見込みまして、10年先の確保される農用地区域内、農地面積の目標を2万9,554ヘクタール、対比でいきますと97%、3%の減と見込んだところでございます。
 図の中にございます面積減少要素の鳥取県において独自に考慮すべき事由というところで413ヘクタールの減となっておりますが、ここにつきましては、各市町村も同様のこうした農振地域の整備計画をつくっておられまして、一定の間隔で全体的な見直しを行うようになっております。そうした計画で例えば中山間地域で条件が不利地であるので区域の設定要件を満たさないということで今後除外する予定がございますよというようなものはここに反映しているということでございますし、下のほうにありますのは、市町村におきまして開発予定がなされているところについて除外を図ったものでございます。
 もう一つの変更でございます。現在の県内の農業情勢の変化に対応した所要の修正というところでございますが、ここにつきましては、農業政策の変化でありますとか農業情勢の変化等を加味して農地の保全、有効利用、あるいは利用集積の推進、それから農業を担うべき者の育成及び確保等、情勢の変化を反映した計画としておるところでございます。
 詳細については別冊をつけております。概要として報告するものです。
 今後ですけれども、御意見等を踏まえまして国に正式に協議いたしまして、可能であるならば今月末で国の同意を得て変更を決定したいと思っております。

◎広谷委員長
 次に、報告9、「むら・まち支え合い共生の里」協定調印について、俵農地・水保全課長の説明を求めます。

●俵農地・水保全課長
 それでは、3ページをお願いいたします。農村と市街地住民組織が連携し、農地や農業用水路などの保全活動を行いながら農産物の生産や加工品づくりなどにも取り組み、農業・農村の活性化につなげる「むら・まち支え合い共生の里」について、このたび鳥取市佐治町福園集落と、それから鳥取市城北地区まちづくり協議会との間で話がまとまりましたので、3月25日に協定調印式をとり行うこととしております。
 協定の概要ですけれども、協定期間としては4月1日から3年間ということです。
 活動の概要ですけれども、農地や農業用水路などの保全管理、それから田植えや稲刈り等の農業体験のほか、福園集落に伝わります伝統文化、神楽獅子舞等の保存継承活動などにも取り組むこととなっております。

◎広谷委員長
 次に、報告10、第1回鳥取県農業改良普及所外部評価検討会の開催結果について、熊谷とっとり農業戦略課研究・普及推進室長の説明を求めます。

●熊谷農業振興戦略監とっとり農業戦略課研究・普及推進室長
 それでは、御説明申し上げます。農林水産部の別冊資料、2枚物の資料になります。
 1ページをごらんください。当検討会につきましては、9月の定例会の際に附属機関として認めていただいて、その後、具体の開催準備を進めてきました。この3月15日に開催いたしましたので、その概要を御報告したいと思います。
 国の制度改定に伴って、県下一本で評価会を開催するというのはこのたびが初めてということになります。1番の項目にありますとおり、(1)番、(2)番はこれまでどおりの手順を踏んで進めてきまして、(3)番目にこのたびの検討会を開いております。出席いただいて御評価いただいた委員の方は10名、男女比率が6名、4名ということになりますけれども、農業者の代表の方、東・中・西部の稲作、果樹、畜産、野菜、法人経営をされている皆様と、鳥取大学の農学部長様であったり、鳥取中央農協の常務様であったり、報道機関としては新日本海新聞社の農業畑に明るい御担当の方であったり、あと民間業者の方としては県内で一番の大手の農業関係の資材を扱っておられる企業の方から参加いただいています。あともう1名、消費者の代表ということで、公募いたしまして、複数の応募があった中で、農業に関するレポートをいただいて、それに対する評価をさせていただいて選任させていただいて、10名で評価いただきました。
 評価の方法につきましては、2番の項目の(2)番になりますけれども、計画の妥当性と活動の経過・体制、活動の成果・実績ということで3つに分けて評価いただきました。それぞれ5段階で評価いただいたのですが、成果のところのみ10点満点で、それ以外は5点満点、トータル20点満点ということで評価いただきました。8割を超えれば二重丸、6割を超えれば一重丸、それ以下だと計画どおりに活動できていないなということで三角という扱いにしておりましたが、そこの一覧にあるとおりの結果になって、おおむね妥当な取り組みであろうという御評価をいただいておりまして、大体満点に対して7割を超える評価をいただいております。
 詳細な意見につきましては、2ページ目に記載させていただいております。1つずつは御説明申し上げませんけれども、この一番下の欄に私どもの室の取り組みに対する御評価の意見が載っております。普及員の人材育成は重要なので引き続きそこを最大のテーマに取り組んでほしいとか、普及員のOBを若手の育成の場面で活用してるのは非常によいことだという御意見もいただいておりますけれども、次を見据えた対策が少し遅いのではないかというような御意見もいただいております。あと普及所の活動に対しては、成果がなかなかすぐには出ないけれども粘り強く取り組んでほしいという激励のような御意見とか、あとは課題の非常に難しいものから少し逃げ腰になっているのではないかとか、目標の設定が少しずれているのではないかという御意見もございました。
 1ページ目に戻っていただいて、会そのものに対する意見も頂戴しまして、これは2番の項目の(4)になります。課題の選定の考え方については透明性を持って明確にしてほしいということで、普及の課題というのは全部で200課題近くある中で、このたびはこの課題に絞って御説明しましたが、3年一巡で一通り主要課題を評価いただくということになっておりますので、このたびは担い手対策のところが普及の評価の中心でありましたけれども、今後はもっと広くの課題に対する評価を受けることになっていくと思います。あと普及員個々の活動の優劣をつけるような目的ではこの評価会を使ってほしくない、そういうことに配慮してほしいという御意見もございました。
 今後はこのいただいた意見をホームページに公開して、普及活動そのものに対する一般県民の皆様の御理解をさらに進めたいと思っていますし、まさに今検討中であります次年度の普及計画の中に御意見を反映するように進めてまいりたいと思っております。

◎広谷委員長
 次に、報告11、「白鵬85の3」「百合白清2」の産子の競り状況及び「百合福久」の精液の県外販売について、津森畜産課長の説明を求めます。

●津森農業振興戦略監畜産課長
 それでは、農林水産部資料本冊の4ページをお願いいたします。3月3日に開催されました和子牛の競りにおきます県有種雄牛、白鵬85の3号及び百合白清2号の産子の販売状況、それと百合福久号の精液の県外販売について報告いたします。
 まず、3月3日の競り状況でございますけれども、検定成績全国1位、2位のこの2頭の種雄牛でございます。この産子が徐々に増加しておりまして、3月の競りでは半数を超えるものになりました。
 中ほどのグラフを見ていただきたいと思いますけれども、徐々に競りの価格が上昇しております。1月、それからこのたび3月は全体の平均が84万7,000円、2頭の種雄牛の産子は87万
6,000円ということで、競りの最高価格を更新しております。その中で、この両種雄牛の雌子牛の販売状況を見てまいりますと、52頭競りで出荷されております。この中で、遺伝的能力の高いものを示す数字でございます育種価がトップクラスのものは15頭が競りに出荷されております。県内の農家では3頭購入されました。それと、農場で産した子牛を競りに出荷せずに自分の農場内に残すという自家保留で育種価のトップクラスのものが3頭、合わせて6頭のトップクラスの雌子牛が県内に保留されたということでございます。これらの子牛が今後の県内の雌牛の改良に貢献することになります。ただし、全体として33%の保留ですけれども、まだまだ足りませんので、現在、和牛改良組合に働きかけまして、地域内の保留、それから自家保留の取り組みを強化して、確実にいい子牛が県内に残って改良に貢献するように取り組んでいるところでございます。
 それと、2番目になります百合福久号の精液の県外販売でございます。12月の常任委員会で検定成績全国3位で合格したということを報告させていただきましたけれども、何分全国1位、2位の種雄牛が県内にいるものですから、県内ではなかなか利用がされない状況でございます。生産者の意見としては、県外に販売して和牛産地鳥取をPRするという意見もありますので、このたび3月から県内には5,000本を確実に残した上で県外に販売することといたしました。百合白清2は1万5,000円程度の価格なのですけれども、今回の百合福久は5,400円という価格を設定しております。全国3位といいましても、上位1位、2位の種雄牛は群を抜く成績ですが、3番目はほかの県の種雄牛の成績、それから精液の価格を勘案して、その中でも高い価格、5,400円という価格を設定しまして、1年間で1万本程度の販売を目指しております。販売収入は基金に積んで、県内の和牛振興のための施策の財源として使う予定としております。

◎広谷委員長
 報告12、平成27年度オーストリア視察・調査団等派遣結果報告書の取りまとめについて、阿部林政企画課参事の説明を求めます。

●阿部森林・林業振興局林政企画課参事(林業普及担当)
 5ページをお願いします。昨年10月、オーストリアに調査・視察団を派遣いたしましたので、その結果と26年度から始まりました若手の研修団の成果について、お手元にお配りした報告書のとおり報告を取りまとめましたので、その概要について御報告いたします。
 まず、調査団及び研修団の派遣の効果でございます。5点ございまして、1点目は、県、町、森林組合がそれぞれの立場でそれぞれ主催してオーストリア報告会をいろいろなところで開催しております。
 2点目としまして、複数の森林組合がオーストリアの高性能の林業機械を導入しております。
 3番目が、オーストリアのレスキューチェーンを参考に、とっとり森林緊急通報カードを作成し、昨年9月から運用を開始しておりまして、消防署からも山側からの通報がよくなったという評価をいただいております。
 4番目としまして、この報告書の表紙をごらんください。この表紙の上の右側の写真なのですけれども、これは丸太を立てる簡単な装置なのですが、この装置を使ってオーストリアではチェーンソーの立木の切り方をいろいろ研修しております。こういう装置を県内の事業体が導入してOJTを開始したということです。
 それと、この表紙の上の左側の写真です。こういう舗装もしていない山道にオーストリアでは丸太を満載したような大型トラックが走っているのですけれども、こういう欧州型の林道をモデルとした林道を今後鳥取県でも整備できるように、その手法を検討しております。
 今後の取り組みでございます。来年度は日本財団事業などを活用しまして若手のオーストリア派遣を実施していこうと思っております。
 2番目に、先ほどの林道なのですけれども、こういう欧州型の林道をモデル的に整備したいなと思っております。
 3点目は、オーストリアの研修所から講師を招聘して、本県の林業現場、特にオーストリア製の高性能林業機械を使っているような現場で研修会を開催したいと思っております。
 報告書の概要でございます。まず、オーストリアに行った感想なのですけれども、自然環境についての意識が非常に高く、林地も農地も所有している人の義務がかなり厳しくて、農地を荒らさない、林地であれば林地を保全するような義務が課せられております。その中で低コストな木材生産を行っている。オーストリアの林業が発展したのは、1990年に大規模な風倒木が発生しまして、それを処理するために加工業が発展したということです。そのときに、その前年にベルリンの壁が崩壊したこともございまして、共産圏に近いような山岳部で大型の製材工場が整備されて、一気に林業が発展したと聞いております。
 それでは、一番下のオーストリアとの比較の表を見ながら説明したいと思います。森林・林業の概要なのですけれども、面積的には北海道と同じぐらいの狭い面積なのですけれども、日本と同じぐらいの木材生産があります。その違いは年生長量に対する伐採率です。オーストリアは生長量の85%を切っておりますが、日本では24%、鳥取県では29%、この差でございます。その中で、伐採の規制が非常に厳しくて、皆伐と申しまして、林業は収穫するときに全部切り倒すのですけれども、その限度面積が2ヘクタールで、日本では保安林、水源涵養保安林でも20ヘクタールまで切れるという状況でございます。
 その中で低コストな作業をしている一番の違いなのですけれども、やはり林道が全然違うということです。林内路網密度がオーストリアでは45メーター、鳥取県では15.2メーター。その中で先ほどの写真のような土構造の簡易なもので開設コストも安くつけているということです。素材の生産性ですが、これは1人が1日何立米出すかという数字なのですけれども、オーストリアは25立米、鳥取県では4.6立米でございます。その林道と大型機械が入ったからこういう素材生産ができるということでございます。
 その中で、安全対策だとか教育が非常に充実しておりまして、20年間で素材生産が1.5倍になったのですけれども、労働災害は2分の1にしたということです。20万立方メートル当たりの死亡事故はオーストリアでは0.2、日本では0.4と半分でございます。鳥取県の2というのは、昨年度残念なことに死亡事故が多発したということでこういう数字になっております。その対策の一つなのですけれども、教育もさることながら、チェーンソーが膝やももに当たったときに繊維が絡みついてチェーンがとまるというチェーンソー防護衣を1990年に義務化しております。日本では昨年度ガイドラインによって指導しているという段階でございます。
 4点目に、木材加工業も非常に発達しておりまして、オーストリアでは2,300億円輸出しております。鳥取県では数百万円レベルということです。このページの右下に、ちょっとわかりにくいのですけれども、複合工場の様子を入れております。製材所は製材品だけをつくるのではなしに、丸いものを四角にするので側の部分が相当出ます。それをチップにしてボイラーでたいて製材所で使う乾燥機の熱源にしたり、余ったものは地域の熱源に供給している、あるいはバイオマス発電を場内でするなり、とにかく地域で発生した木材は全部ここに入れて全部使い切るということで、この工場で約100万立方ぐらい使う。鳥取県内の素材生産量の約4倍ぐらい使うような工場で、工場には鉄道の引き込み線などがあって、どんどん丸太が入ってくるということです。製材コストも半分程度でないかなと思います。バイオマスの利用については、チップボイラーという形で地域に熱源を供給しまして、オーストリアでは全国で2,100カ所ぐらい整備されているということでございます。

◎広谷委員長
 次に、報告13、平成28年緑の募金について、伊藤森林づくり推進課長の説明を求めます。

●伊藤森林・林業振興局森林づくり推進課長
 6ページをごらんください。緑の募金についてでございます。鳥取県緑化推進委員会による春の募金が3月末から5月にかけて、また秋の募金が9月から10月にかけて、目標を2,500万円として実施されます。募金の使途は、森林の整備やボランティア活動などの支援等でありますが、3月25日の鳥取と日吉津のイオンでの街頭キャンペーンを皮切りに展開することを御報告申し上げます。
 加えまして、その下の四角をごらんください。とっとりグリーンウェイブ植樹イベント「子どもの育つ森を作ろう」でございます。森林環境保全税を活用して森を守り育てる意識を醸成することを目的に、緑の募金運動とともに県民の皆様の緑化意識の高揚を図るものであり、国際森林デーである3月21日にとっとり出合いの森で植樹等を行うものでございます。詳細は記載のとおりでございますので、御一見ください。

◎広谷委員長
 次に、報告14、平成27年における水産物の水揚状況等について及び報告15、鳥取県藻場造成アクションプログラムIIの策定について、小畑水産課長の説明を求めます。

●小畑水産振興局水産課長
 では、資料の7ページをお願いいたします。平成27年の県内における水揚げの状況がまとまりましたので、御報告させていただきます。
 平成27年に県内の漁港に水揚げされた漁獲量は13万5,150トン、前年に比べまして9.4%増、それから水揚げ金額につきましても256億円余りということで、8.6%増、漁獲量、水揚げ金額とも増加いたしております。
 これを漁業種類ごとに少し見てみますと、まず沿岸漁業につきましては、水揚げ量が7,241トン、水揚げ金額が37億2,900万円ということで、量、額ともに上昇しております。主要な魚種等について少し見てみますと、サワラは近年漁獲量も伸びておりまして、沿岸の主要な魚種になっておりますが、平成27年度につきましては少し小型なものが多かったということになりまして、水揚げ量、水揚げ金額とも少し減少はしております。ただし、そうはいいましても26年に比べて減ったということでありまして、依然として高水準での漁獲を上げております。また、逆にハマチ、ブリにつきましては漁獲量も非常に多くありまして、また値崩れもしなかったということで、量、額ともに大きくふえております。
 沖合底びき網漁業につきましても水揚げ量、水揚げ金額ともごらんのとおりで前年に比べてふえております。その中でも代表的なズワイガニでありますが、こちらにつきましては、漁獲量のほうは少し資源の関係もあって下がってきてはおりますが、県も民間も一生懸命になりましてウェルカニキャンペーンでありますとか、あるいは五輝星といったブランド化等に取り組んだこともございまして、水揚げ金額のほうは対前年で10.6%の増となっております。また、ハタハタにつきましては、資源は比較的安定しておりまして、水揚げ量、水揚げ金額ともに増加しております。
 大中型まき網につきましても水揚げ金額、水揚げ量とも増加しております。代表的なクロマグロでございますが、実はクロマグロにつきましては自主規制ということを行っておりまして、昨年度はとる量を2,000トンから1,800トンまで200トン減らすという処置を行ったために漁獲量のほうは減少しましたが、比較的大きなサイズのものが多かったこともございまして、水揚げ金額のほうは8.9%の増ということになっております。それから次にマイワシなのですが、平成26年にマイワシは極めて不漁でございました。平成26年はたった784トンということだったわけなのですが、これは1歳という小さい魚が多くて、産卵のための群れをつくるといったことがなかったために漁獲が極端に減ったわけなのですが、これが27年はもとに戻ったといいましょうか、そういった関係で水揚げ量では3,869%増というとんでもない数字になっておりますが、26年に比べてこうなったということでございまして、平年並みに戻ったということになっております。
 次に、ベニズワイのカニかごにつきましては、船ごとに漁獲割り当てがなされておりますので、漁獲量自体は余り大きな変動はございません。少し減ったわけなのですが、カニの輸入量というのが激減しました。これはロシアからのカニの輸入が激減した関係もあったと思われますが、逆に水揚げ金額のほうは増加したという結果になっております。
 詳細は下のほうに表をつけております。8ページをお願いいたします。こういったことで水揚げ金額というのはふえたのですが、では漁業者の方の所得はどうなっているかということでございます。漁業者の方の所得を上げるために、平成26年度に県内を岩美町、中部、西部、境港市の4地区に分けて浜の活力再生プランをつくらせていただいております。これに基づきまして、平成25年をベースにして平成30年には10%以上のアップを目指した取り組みを各地区で行っているところですが、表に掲げておりますように、平成26年の実績を今入れさせていただいております。これによりますと、例えば岩美町でありますと、平成26年度の漁業所得は14億4,300万円余ということで、25.6%増、中部、西部についてはふえているのですが、境港につきましてはマイナス3.0%となっております。境港の場合はどうしても、大中まき網という非常に漁獲の多い漁法があるのですが、こちらの固定経費が少しかさんだということで少し下がっておりますが、平成27年度以降はプラスに転じるものと考えております。
 また、その真ん中に主な取り組みを書いております。こちらのほうは平成27年から各地区で具体的に取り組んでおる内容でございまして、こういったことも引き続き行いながら今後とも漁業所得の向上を目指していきたいと考えております。
 続きまして、9ページをお願いいたします。鳥取県藻場造成アクションプログラムIIの策定についてでございます。
 この藻場造成アクションプログラムといいますのは平成16年に第1発目をつくっております。このときに県内でも藻場の衰退というようなことがございましたので、藻場をどのように復活させるかということで、この16年につくったものを今まで実施してきたわけですが、この成果でありますとか課題を踏まえたところで、今後5年間、平成28年から32年の具体的な行動計画を定めたアクションプログラムIIというのを今回策定いたしました。
 目的といたしましては、鳥取県沿岸の藻場の回復を図ることで、漁業生産の持続的な拡大を図ることを目的としております。具体的には、今後5年間で藻場の減少している沿岸にアラメ等の海中林を造成させることを目的としております。
 今、県内の藻場がどうなっているかということなのですけれども、平成11年に調査したものと同じ地点で平成24年、26年に調査を行いました。その結果、県の西部を中心に7地点で藻場が減少しているがわかってきました。ただし、これとは逆に6地区ではふえているような地区もございます。この減った原因といたしまして、我々が考えておりますのは、やはり温暖化等の現象、特に厳しかったのが平成25年の夏で異常な高水温だったということです。この年は29度以上が3週間続いたというようなこともございまして、こういったことが藻場が衰退した原因と考えております。
 では、今後どのように造成していくかということなのですけれども、大きくは3つの方法を考えております。まず、今までのアクションプログラムで取り組んできた成果等を踏まえまして、アラメを潮通しのいい場所、具体的には例えば深場でありますとか、あるいは岬、河口、こういったところに植えることによって海中林を形成させようということ、それから移植後にどうしてもアイゴとかの魚によってアラメが食われるということがございますので、こういった食害生物の駆除、それからどうしても温暖化は避けて通れませんので、こういったものに耐性のあるホンダワラ等も積極的に増殖してアラメと一緒に造成するということを考えております。こういった取り組みを県、漁業者が一緒になって行っていくわけですが、県といたしましては、水産多面的機能発揮対策事業といった事業を活用しながら支援させていただこうと考えております。
 なお、このアクションプログラムの本編につきましては別冊でお配りしておりますので、後ほどごらんいただければと思います。

◎広谷委員長
 次に、報告16、鳥取砂丘らっきょう/ふくべ砂丘らっきょう(生)の地理的表示登録について、木嶋販路拡大・輸出促進課長の説明を求めます。

●木嶋市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
 10ページをお願いいたします。鳥取砂丘らっきょう/ふくべ砂丘らっきょう(生)の地理的表示登録についてでございます。
 今月、3月10日でございますけれども、鳥取砂丘らっきょう、それからふくべ砂丘らっきょうが地理的表示、GIの登録をいただきました。この鳥取砂丘らっきょう、ふくべ砂丘らっきょうという2名称での登録でございまして、いなば農協が3月10日に佐藤農林水産大臣政務官から登録証を授与いただいております。
 11ページにもありますとおり、全国でGIの登録産品が平成27年12月、それから平成28年2月にそれぞれ7産品と3産品ございまして、今回のとっとり砂丘らっきょう、ふくべ砂丘らっきょうが11産品目ということになります。登録番号が11ということでございます。
 今後の取り組みですけれども、他産地との差別化によるブランド価値の向上とか産地の活性化、それから販売単価が向上すること等で生産意欲を高めていきたいといった期待を持っておりまして、まずは一般消費者向けのPR、それから流通業者の方、生産者に対してもまだまだGIを理解していただく取り組みが必要かと考えております。ひとまず5月の上旬にラッキョウの出荷協議会がございますので、市場関係者の皆様への制度の周知とか制度説明のチラシ、パネル作成、それから販売促進用のポスターとかいうグッズ系をそろえたいと思っておりますし、生産者に対してはGIに対する理解を深めていただくための研修会を開催したいと考えております。
 また、消費者向けのPRといたしまして、初出荷式が5月下旬ぐらいにありますけれども、そのときにメディアを使ってPRしたいと。それと出荷場等への看板設置とか、それからJAもホームページ上にGIのページを特設していくというような考えもありますので、そういったこともあわせてPRを進めていきたいと考えております。
 また、パッケージですけれども、登録名称とともにGIマークを張りつけ、または印字することが必要ですので、そういったパッケージ変更とかも今後やっていかないといけないということで、県のほうも食のみやこ鳥取ブランド団体支援交付金等、県の施策も十分活用していただきながら一緒になって今後の取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。
 また、県内のほかのGI登録に向けた動きでございますけれども、4のところに書いてありますとおり、大栄スイカ、大山ブロッコリー、日南トマト、これらが現状、登録に向けた取り組みを進めておられるということでございます。

◎広谷委員長
 次に、報告17、一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告について、三柳工務課長の説明を求めます。

●三柳企業局工務課長
 では、企業局の資料1ページをごらんいただけますでしょうか。一定額以上の工事又は製造の請負契約の報告をさせていただきます。今回は工事の変更分が3件でございます。
 まず、1件目は工事名、日野川第一発電所導水路修繕工事で、契約の相手方は中村建設有限会社でございます。変更額としまして、204万3,360円の増額としております。主な変更内容について簡単に説明させていただきます。本工事は導水路の修繕工事ということで、導水路がトンネルの形状になっていますけれども、内部にコンクリートで巻き立てて補強する工事でございまして、今回現場に合わせた実際に使用したコンクリート数量に変更したものでございます。
 次に、2件目は工事名、加谷川発電所建設工事(水車発電機)でございまして、契約の相手方は富士古河E&C株式会社でございます。変更額は5,436万5,040円の減額でございます。変更内容ですが、本工事は小水力発電所の水車発電機の機械装置の工事でございまして、当初は機器の設置までを予定しておりましたけれども、関連事業との調整によりまして機器の設置を別途実施することにしたことによるものでございます。
 次、3件目ですけれども、工事名、横瀬川発電所建設工事(水圧管路ほか)で、契約の相手方はこおげ建設株式会社でございます。これは2回、3回の変更をしておりまして、2回目で2,328万8,040円を増額しておりまして、工期を3月25日まで延長しております。また、3回目の変更で102万9,240円の増額をしております。変更内容は、当初、設計では発生残土を林道工事に有効活用することにしておりましたけれども、実際の土質が想定したよりも悪く、利用できなくなったことで、残土処分を別途計上したことによるもの、また電機の工事でアースの設置抵抗値を規定値まで下げる必要がありまして、その工事の増嵩したことによるものでございます。

◎広谷委員長
 説明が終わりました。
 ただいままでの説明について質疑を受けたいと思いますが、部局ごとに受けたいと思います。
 まず、商工労働部の報告事項について質疑を受けたいと思います。

○市谷委員
 5ページの産技センターの機器の使用料についてですけれども、県外企業が使う場合にこれまで2倍の料金設定にした理由を改めて確認させていただきたいのと、それから鳥取県内の企業が他県のセンターの機械を今までよりも安く使うことができるということなのですけれども、ニーズはどういうものがあるのかを教えていただけたらと思います。

●木村産業振興課長
 他県の企業が使われる場合に2倍にしていた理由ですけれども、やはり鳥取県の企業のために設置された公設試であるので、基本的には県内の企業さんに使っていただく施設ということで、県外の方が使われる場合は2倍の料金に設定していたと。これは他県も同じようにそうされておりました。あと他県を使うときも安く利用できるというのは、そういうことになります。25年と26年で調査をされているデータがあるのですけれども、件数は出ていないですが、鳥取県内の企業さんが中国地方の他県の公設試を使われたのは金額ベースでいくと85万1,000円程度使われているようです。逆に他県から鳥取県を使われているのが76万3,000円。大体同じような金額で差し引きゼロに近いような額になっています。

○市谷委員
 地元の企業が使うことが主目的なので料金に差がつけてあったということで、普通考えれば当然なのですけれども、その差がなくなるということです。先ほどそういう利用の実績があったということなのですけれども、そうすると他県の企業が県の技術センターの機械を使ったときの収入というのが今度は半分になるということなのだと思うのです。機械を使っていただくことは、いいものは共有するという考えもあるのですが、今、県内の企業の機械の使用料を減免したりしているのに、収入が減るので上げざるを得なくなるようなことが出てきてはいけないと思うのですけれども、その辺は大丈夫でしょうかということを確認しておきたいです。

●木村産業振興課長
 先ほど言ったように76万3,000円という低い額なので、影響的にはそんなに大きな額にはならないです。額が低いということもあるので、それをもって県内企業に負担していただくというような影響はないです。それに転嫁するということはあり得ないと思います。

◎広谷委員長
 よろしいですか。

○市谷委員
 はい。

◎広谷委員長
 ほかに質疑ありますか。

○内田(博)委員
 ロシアの物流の関係だけれども、今回行ったときの食品等の決済はどうやっているの。持っていった食品等の決済。現金決済なの。

●山本通商物流課長
 今回食品を輸出させていただきましたけれども、商社を通じまして、日本の扱いということでさせていただきました。そちらとの取引を通じまして、日本の商社からロシアの企業に決済を行うということで今回事業を行っております。

○内田(博)委員
 実際に現地に行ってゴルチャコフ議長ともいろいろがんがんやったのですけれども、向こう側に為替関係のきちっとした取り決めがまだできていないのですよね。統轄監が行かれてそのあたりも話をされているだろうと思うのですけれども、今、日本の銀行でウラジオストクに入っているのは北海道銀行だけだよね。この間、合銀さんにもちらっと話をしたのですけれども、やはり銀行さんが行かないとこういう動きは大きくなれないのではないかと思っているのです。例えば北銀さんと合銀さんとがうまく取引をやれるようなシステムを考えてみたほうがいいのではないかということが一つ。
 それともう一つは、ロシアのシステムなのですけれども、大きな国ですから時差がありますよね。結局ウラジオストクとモスクワとの間の銀行間取引の関係で現地の銀行が2時間ちょっとしか動けないのです。モスクワ決済になりますから。そのあたりができていないということで、この間もちょっと議長にも言ったのですが、彼らはまだそんなことがわかっていないと思うのだけれども、やはりそういうところをもう少し突いていって、貿易を伸ばすシステムというのを考えてほしいなという注文をつけておきます。

◎広谷委員長
 答弁ありますか。いいですか。

●岡村商工労働部長
 御指摘いただいた件ですが、北海道銀行、合銀との連携の決済とか、銀行間同士で連携はとっていただけるように、北銀の関係者を招いてセミナーをやったりしたときにそういう話もありました。具体的にどういう方向に持っていくかというのはこれからだと思います。また三菱UFJさんの事務所がありまして、今回、鳥取銀行さんと協定を結ばれたりしまして、鳥取銀行経由でいろいろな情報収集できる体制も整いますので、国の決済システムをつかさどることになりますのでなかなか難しい問題だと思いますけれども、我々も沿海地方政府にも何らかの働きかけは行っていきたいと考えております。

○市谷委員
 同じく今のロシアの沿海地方の関係ですけれども、先ほど話があったように、なかなか経済的に非常に交流するのも難しい地域かなと思うのです。なぜロシア沿海地方でウラジオストクとの経済交流という話になったかというと、もともとはDBSが行くからということだったと思うのです。それでこう経済協定を結んだり、現地で試食だとかいろいろされて、これからこの経済交流が伸びていくのだというようなことをよく聞くのですけれども、例えば一番下に個別案件で新鮮な魚と高級食材というのがあるのですけれども、これはDBSに乗るのでしょうかね。それからあと(3)のところにブリとかシイタケとか梅ジュースと、いつも大体出てくるものなのですけれども、これはDBSを使うとか、どれぐらいの企業がこれにぶら下がってさわっていく可能性があるのかなと。何かすごくばら色なように、ばら色までではないかもしれないのですけれども、こういうのをやって経済交流が発展すると言われるのですけれども、いま一つ実態が見えないので、ここで紹介してあるものについてDBSの荷がふえるのか、あとどのぐらい企業さんがかかわれるのか、その辺をもう少し教えていただきたいと思います。

●山本通商物流課長
 まず、カジノ特区の高級ホテルでの高級食材の関心に対してDBSの貨物になるのかということでございます。鮮魚、いわゆる生のもので送るというのは、現状としましてはリーファーコンテナでDBSを使って送るという手段しかないのですけれども、ロットの問題等もありますので、その辺の需要を確認しながら、まとまった数量を輸送させていただきたいと考えております。今回ブリを輸出させていただきましたけれども、リーファーコンテナを使いまして混載で送ったという実績がございました。こういったものをどんどんふやしていきたいと考えております。
 また、その他、レストラン等で使いました食材でございますけれども、こちらもDBS航路を使いまして輸送させていただきました。今後、いわゆる業務筋のもの、メーンの食材をよくするベースとなるようなものということで、いろいろなレストランに活用を働きかけていくということ、味などは非常に好評をいただいているものですから、そういった部分を引き続き伸ばしていってDBS航路の利用貨物として取り組んでまいりたいと考えております。


◎広谷委員長
 あともう1個の答弁。

●吉川通商物流戦略監
 補足させていただきますけれども、今回のレストランフェアで新たにいわゆる定番化したメニューを7店舗で提供しようということが決まりました。内容的には、だしとか麺とか、それからジネンジョパウダーとかゴボウ茶とか、県内の企業、大体5社か6社ぐらいのものをこれから継続的に輸出して、その食材を使ったメニューをレストランで定番化していこうということが今回決まったということで報告を受けていますし、そのレストランも、今ウラジオストクだけなのですけれども、ナホトカとかウスリースクのほうにも広げていこうかという話が今回出てきたということを聞いているところです。
 また、今回モスクワのほうの商社も来ていまして、いろいろ商談をやっていますが、そのケースも、とりあえずウラジオストクまではDBSで運んで、そこからシベリア鉄道で運んでいるという物流のルートが今ありますので、そういうところでも販路を拡大していきたいということを狙いに取り組んでいるところです。

○市谷委員
 契約が進んだりというのは決して悪い話ではないと思いますけれども、今のところ県内企業5、6社ということで、限定的な感じがするなと思いました。また、DBSが定時運航なのがよいと言われる面もあるのですけれども、同時に非常に時間がかかります。この鮮魚の関係は、試しにやって大丈夫だったという話だったかとは思いますけれども、その辺がどうなのかなとかロットの確保はどうなのかなと心配な感じもいたしました。
 要はこのロシア沿海地方、ウラジオストクというのはDBSとの関係で始まった問題だと思っているので、結局DBSの利用が大きくふえたり、県内企業がそこにかかわれるということが広がらないと県が支援することの意味が生きてこないなと思いました。感想です。

◎広谷委員長
 ほかに。
 ないようですので、商工労働部の質疑は以上で終わりたいと思います。
 次に、農林水産部の報告事項で質疑があれば。

○浜田(妙)委員
 1ページ、2ページのところでお尋ねします。中間管理事業が進むためには人・農地プランを丁寧に積み立てていく、そのためには過程をどう考えているのか、そして地域での話し合いをしていって、それが面的な広がりになっていって、その地域をどうしていくのかということになってくるかと思うのですが、市町村によって温度差があって、この部分がなかなか進んでいない地域があるということで、ケーブルテレビを使ったりとかいったいろいろな方法でPRしていらっしゃるようです。2ページのところともかかわってくるかと思いますが、片方で荒廃が進んでいって後継者も不足している、高齢化していくということで、マイナスを抱えながら、中山間地域の問題も含めて、どう鳥取県の農業の計画を立てていくのか、なかなか難しい問題だなと思っています。例えば地域に対して県がどう支援していくのか、まとめ役になる人材がその地域で育っているのか、あるいは育っていたけれども逃げてしまったのか、もともといないのか、そこが大きなかなめになってくるのかなと思います。特に話し合いをしていくことになったときに、片方で衰退していく、荒廃していく地域を抱えながら、発生を抑制するだとか、面積増加要素として荒廃地対策がいろいろ考えられてはいるのですけれども、鳥取県の農業に対する根本的な対策が必要ではないかなと思うのですが、そこのあたりをどう考えていらっしゃるのか教えてください。

●西尾経営支援課長
 おっしゃるとおりでございまして、人口減少もありますし、農家自体の高齢化もございます。地域によっては過疎化というようなこともございますので、今後10年、今の農地を今の現有勢力で全部守っていくというのはなかなか見通しの立たない地域も実際にはあるというところだと思います。したがいまして、確保しなければならない農用地について、各市町村において担い手の状況、農業者の状況を見据えながら農業振興地域の整備計画をつくっていく、あわせて利用状況調査も行って、守るべきところは守るし、そうでないところは万やむを得ず非農地化していくようなこともしていかなければいけないだろうと思います。そのときに、守るべきところについて、実際に誰に担っていただくのかというようなことを地域地域で個々具体に話し合って決めていくのが人・農地プランということになろうかと思います。ただし、人・農地プランだけで集落の方に寄って話してもらうというのはなかなか難しいことでございまして、多面的機能支払いでありますとか、それから集落営農の組織化でありますとか、そういったことと絡め合わせながら地域で人と農地の課題について関心を持ってもらって進めていくことになろうかと思います。なかなか危機意識を共有しながら進めていくというのは非常に難しいのですけれども、そこは粘り強くやっていくしかないかなと思っております。
 以前この委員会でも御説明いたしましたが、農業委員会法も一部が改正になりました。その中で、従来の農業委員さんとは別に農地利用の最適化推進委員さんという方々もこれから改選期に伴って順次創設されていきます。その方々はまさしく地域における農地利用の最適化を推進していくということでございますし、あわせて荒廃農地の発生抑制を活動の柱にしていくということでございます。ですので、地域の役員さんでありますとか農地中間管理機構の職員でありますとか県の出先でありますとかが市町村さんと一緒になって一体的に動いていくという体制をつくっていくことが大事になるのだろうと思っております。おっしゃいますように、マンパワーは決して潤沢ではございません。人の数だけいればいいというものではなくて、農地法だとか農振法だとか農地中間管理事業法だとか、そういった所要の施策にもある程度知識を持った方でないとそこら辺の取り回しというのでしょうか、コーディネートもできないところでございますので、そこについてはまた別途研修会等を持って人材育成を進めていきたいと思っております。

○浜田(妙)委員
 お話しいただきましたけれども、そのレベルでは多分できないだろうなと思っています。もうかる農業をと片方で言われながらなかなかもうからないという問題もあって、国の政策と大きくリンクするわけですから、県独自でどうやるかという話になってくると非常に難しい困難な問題だなと思っています。5ページのオーストリアの林業に向き合う国の姿勢、これを見たときに、全然違うので。1990年代から30年ほどで、飛躍的に大きな取り組みがされた。最大限の努力をしておられるのですけれども、どのくらい予算を使ってどのくらい投資をすることによってこういうことができてきたのかというところを学ばないと、国も一緒になってやらない限りは、多分今のままで目先のことをしこしことしていては難しいなと、荒廃地が加速化していくと思うのです。オーストリアが林業に対して飛躍的に効果を上げるような対策を立てたのは、その意識もまた違うでしょうから、どう分析して何を学ぼうとしていらっしゃるのか、その辺も聞きたいなと思うのです。全部リンクしてくる話だと思いますので、部長。

●岸田農林水産部長
 オーストリアの分析が即、鳥取県農業、日本農業にということにはならないと思いますが、やはりオーストリアというのは路網整備と高性能な機械ということで、要は低コスト化を物すごい進めているということだと思います。鳥取県農業も今、活力増進プランで、一つは水田農業の維持をしながら他方では水田のフル活用で園芸、それから畑地をよりフル活用して果樹、野菜、高収益な作物へ転換を図っていく。また、鳥取県の強みであります畜産へのシフトというようなプランで向っているところであります。
 そこで、水田農業という視点からいくと、そういう高収益作物へのシフトが一朝一夕には進まないということになってきます。ただし、これは時間かけてやっていかなければいけない、しかしながら、そう長くということではありません。人・農地プランは、毎年100地区、100集落ぐらい重点的な集落を市町村、県、農業委員会等で選択して、ことしはここを重点的にやっていこうということで計画的に今2年かけて回しつつあります。それを定着させてPDCAサイクルを回していきながら、ローラーをかけていくということで、各地域、最終的には全集落でこれからの地域の農業、担い手、それからどういう作物を振興していくのかということを考えていっていただくような、そういうことを着実に進めていきたいと思っております。

○浜田(妙)委員
 幾らお話を伺っても、時間もかかるし、その間にどんどん衰退していくなと、どっちが先なのかという話になってきそうだなと思っていて、もっと根本的な大きな動きをつくらない限りは衰退の一途だなと不安を持ってしまうのですね。それは何なのか。国のレベルの話になってくるかと思いますが、あちこちが声を上げて、国が守るという根本的な姿勢を変えない限りは難しいなと思っているのです。林業にしても、農業全般もですね。ごめんなさい。今ここで話しても仕方がない話ですが、その不安をどう克服していくのかということについてもうそろそろ根本的な、美しい日本をどうするかという話が要るかなと、典型的にその問題を抱えてしまっている鳥取県ということを考えないといけないなと思っています。いいです。幾らお話聞いても多分これ以上の話にはならないと思います。

◎広谷委員長
 答弁しますか。

●岸田農林水産部長
 ただし、今年度もブロッコリーでJA西部で14億円、県全体でも19億円、史上最高の販売になっております。それから白ネギでもここ10年間で2番目の販売成績、スイカとかラッキョウも好成績だったということで、我々の今の取り組みがある程度、実績としてできつつあるのかなというような場面も出てきておりますので、これをどんどん伸ばしていきたいということです。所得向上は、そういう園芸作物を生産されている農家にはある程度明るい兆しはできてきました。他方、中山間でそういう高収益作物に取り組みが難しいようなところは、我々ももう少し別の手だてを考えていかなければいけないと思います。来年度に向けて、そこら辺の手だてをもう一回部内でもんでいきたいと思います。

○浜田(妙)委員
 明るい兆しが見えるところは一生懸命されたらいいと思うのですよね。それだけでは足りないということを申し上げているのです。そして地球温暖化の問題があって、水産業にあらわれているように、作物の変化がこれから多分迫ってくると思います。だから、そこも含めてどうこれから先やっていくのかという基本的なところを押さえないといけないなと思っているので、よろしくどうぞお願いします。応援したいと思いますから。

◎広谷委員長
 御意見ということで。

○浜田(妙)委員
 はい、いいです。

○市谷委員
 1ページの農地中間管理機構の関係です。3番目の事業を推進する上での今後の対応の(1)で平成35年度、今から7年後に、県内農地の50%を主業的な農家が耕作し、残りは多様で多数の農家が耕作することを目標とすると書いてあるのですけれども、この主業的な農家や、多様な農家というのは今ふえているのでしょうか。7年後にこういうふうに集約されるのでしょうけれども、集約化したりいろいろしても農家そのものが多様な形で伸びていかないとやってくれる人がいないということなのですけれども、この辺の見通しのこと。
 2ページの基本計画の見直しですが、よくわからなかったのですけれども、国の基本指針の変更で、今までは市町村の積み上げだったのが、今度はそうではなくて県が目標設定するという変更なのかなと思って聞いたのですけれども、何でそういう変更になったのかなということを教えていただきたいです。
 全体として見ていて、先ほど浜田委員も言われましたけれども、これは絵に描いた餅だなと思いました。面積増加ということでいろいろ書いてありますが、実際担い手などが減ったりしている面があると思うのですけれども、国にこういう計画を出すということは、こういうことを計画すれば国がどんどんこういう取り組みについて支援をふやしてくれるということなのでしょうかね。そういう裏づけがないとますます絵に描いた餅になってしまうと思うのですけれども、その辺はどういうことでしょうか。

●西尾経営支援課長
 まず、主業的農家なり農家全体の趨勢をどう見ているかということだろうと思います。これにつきましては、平成26年5月に農業経営基盤強化促進法に基づきます本県の農業経営基盤強化促進基本方針を立てさせていただいております。中間管理事業の導入と軌を一にするものでしたので、合わせた形の目標設定としているところですが、その段階では総農家数としては平成26年ベースでいきますと約3万2,000戸でしたが、その計画の中では平成35年、10年後は、過去からの趨勢でこれも見ざるを得ませんので、約2万6,000戸に減少するだろうと見ていたところでございます。したがいまして、その時点では3万5,000ぐらいの耕地面積を念頭に置いて考えていて、それがどういう方々に耕作されるのかということで全体計画を組んだということでございます。当然主業的な農家については、例えば個別経営体であれば1,200経営体を1,500経営体まで伸ばしたいだとか、組織経営体については、集落営農法人組織と御理解いただければいいと思いますが、64組織を150組織まで伸ばしたい。あと、いわゆる新規就農者と呼ばれる方々等も見込んでこの計画をつくったというところでございます。
 2ページの基本方針の見直しは、私の説明が悪くて申しわけございません。必ずしも従前から、市町村からの積み上げでつくっていたものではございませんので、見直しの方策としては何ら変わることのないものでございます。

○市谷委員
 最初のほうですが、計画としては担い手や法人だとか新規就業者をふやしたいというのは気持ちとしてはわかるのですけれども、実際にふえてきているのかなと。そこがないといろいろこちらにあちらにといったってどうしようもないことですので、目標は今紹介がありましたけれども、傾向がどうなっているのかということを聞かせてほしいですし、それが減る計画にもなっているのですけれども、担い手、農業者をふやす方向での取り組みをもっとやらないといけないという話になってくると思うのですよ。だから、そういう傾向やら、ふやすためにどういうことをされるのかということをもう少し聞かせてください。
 2ページのほうは、そうすると何が国の方針で変わったのかがいま一つわからないので、もう一回、国は何を変えてきたのか、何を狙って基本方針を変更したのかがもう少しわかるように話をしていただけないでしょうか。


●西尾経営支援課長
 減る計画になっているというのは、農家全体の話のことでございます。3万5,000が2万6,000になるというのは、過去の趨勢から見て何もしなければ減り続ける可能性があるということで言ったものでございます。当然主業的な農家についてはふやす努力を施策としては打っていくということでございます。集落営農の組織化でありますとか法人化といったこともそうでございますし、新たに農業を始める方への支援策というのはこれまでと同様に組んでいくということでございます。
 ふえているかどうかということですけれども、計画策定してから短いスパンでもございますので全体を見通してというのは難しいのですけれども、新規就農者であれば、法人への就職者も含めての数字にはなりますけれども、今年度も130名前後ぐらいの新規就農者を確保しているというようなこともございますし、飛躍的に伸びるということはございませんけれども、ふえる方向で施策は打っているところでございます。
 2ページの基本方針ですけれども、国のほうは食料・農業・農村基本計画を見直したことに伴っての再設定ということでございまして、2ページでいきますと、図の下にございますけれども、国全体としては平成26年度に405万ヘクタールあったものを平成37年は403万ヘクタール維持していくという形で今後施策を展開してまいりますという計画をつくられたということで、それにあわせて各県においても同様の計画の見直しを図っていくということでございます。これをつくったから補助金がたくさんつくとかということではございません。逆に計画を達成できなかったから減らすというようなことはしないと言っておりましたので、そういうことはないのではないかと思います。あくまでも自主的な目標と御理解いただければと思います。
 ちなみに、この確保すべき農用地の面積の目標設定は、平成22年の前回の計画見直しで導入された数値目標でございまして、2ページの真ん中の図の下、2つ目の米印にあるのですけれども、そのときは国のほうも食料自給率の向上を政策目標で大きく掲げたということもございまして、実はかなり各県に対して強い圧力をかけまして、要はふえる計画をつくれというようなことがございましたけれども、今回につきましては、そのときのやりとり等を反省したと言っておられまして、そもそもの設定の基準自体を市町村等から意見を聞いて設定したということでございます。実は昨年度、知事会を初めとする地方六団体も、そもそも国の計画が余りにも強引だと、上から目線でこうあるべきというようなつくり方がなされているし、基準も国のほうで勝手に決めたものがおろされるし、そもそもこういうものは市町村からの積み上げであるべきでないのかといったもろもろの意見もあって、多少その辺のやり方はこのたび反映しているということでございます。

○市谷委員
 意味がわかりました。つまり国が自給率向上をもう取り下げてしまったということで、本当だったら食料自給率向上であれば作付面積をふやしていくということが国の責任でもあるし、今、押しつけということをおっしゃいましたけれども、やはりそういう方向で努力することが本来は大事なことですが、こういうふうに国が削減を計画し、それに倣って県も耕地面積の維持とおっしゃいましたけれども、減少の計画を組むということ自体が、これは本当に志の低いことだと思います。また、先ほどの国が目標達成しなかったら予算を減額するというのは許しがたいことなので、むしろきちんとできなかったところにもっと予算をふやしてできるようにするというぐらいの予算を求めるぐらいのことを私はしていただきたいと思います。国のそういう予算の出し方については改善を求めたほうがいいと思いますけれども、どうでしょうか。
 1ページ目の農地中間管理機構について、その担い手ですね。担い手は確かに多少ふえる方向での努力があるけれども、減る計画にもなっているし、全体としては農家が減っているということが問題だと思うので、私は県としては広く多様な担い手をふやすと、活力プランにもそういうことを書いているのですから、一部の体力ある人とか新規だけではなくて、多様にふやしていくという方向での努力を求めたいと思います。

◎広谷委員長
 それは御意見ということで。
 答弁します。

●西尾経営支援課長
 2ページにつきまして、計画達成できなかった場合予算云々というのは、一応しないと言っておられますので、しないということで。それは……(「これまでもないでしょう」と呼ぶ者あり)これまでもありませんし、重ねて申し上げておきます。

●岸田農林水産部長
 未達成に対する予算の削減というようなことはこれまでもありませんし、そういうことをすると当然各都道府県はもろ手を挙げて反対せざるを得ないということで、国から一切そういう話は聞いておりません。
 結局農地の減少というのは国全体、県全体で国土、県土をどう活用していくかということでございまして、これまでも農地が転用されて工業団地に変わったり、それから住宅団地になったりということで、要は時代の変化、要求に応じて土地活用の方策が農地から変わっていくということなのです。ただし、今回は、これまで国が一方的に、このくらいの農地保全はするべきだということから若干地域の、県の実態に合った整備の基本方針のつくり方でいいですよと、国が方針変更してきたということで、我々もより地域の実態に合った方針に見直して、その中でかちっと全ての農地を活用していこうということ、その中でいかに農業所得を高めていくかということをいろいろな施策でやっているということです。ただし、農地活用については日本型の直払いでありますとか水田フル活用の交付金等、国の手だてがありますので、そういうものの堅持、それから地元が使い勝手のいい対策の内容にしていくということは引き続き国に対して求めていきたいと思っております。

◎広谷委員長
 よろしいですね。
 ほかの件ですか。(「ほかの件」と呼ぶ者あり)
 実は、質疑がいろいろあると思うのですけれども、12時半から代表者会議を予定しているようですので、一旦ここで休憩させていただきたいと思います。1時10分から再開いたします。

午後0時18分 休憩
午後1時10分 再開

◎広谷委員長
 それでは、再開いたします。
 引き続いて質疑を受けたいと思います。
 質疑のある方。

○島谷委員
 GI登録の関係なのですけれども、これ2つの名前で登録というようになっているのですが、詳しい話がよくわからないので、2つの名前で登録した理由ですよね。兵庫だったら但馬牛と神戸牛と本当に同じものを別に、1つで登録している感じなのですけれども、それはなぜなのかというのと、鳥取砂丘らっきょうというのはよくわかるのですけれども、ふくべ砂丘らっきょうとあえて、それこそ先ほど言ったように2つにした理由というのを教えてください。

●木嶋市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
 このGIの登録の申請のときに、4名称申請していて、一つが砂丘らっきょう、一つが鳥取砂丘らっきょう、一つがふくべ砂丘らっきょう、それからもう一つが英語表記だったと伺っております。そのうち国が登録してきたのがこの2名称、鳥取砂丘らっきょうとふくべ砂丘らっきょうの2名称を登録しますよということで回答をいただいています。

○島谷委員
 これは県がどうこういう話ではないと思うのだけれども、我々から見れば、2つに分かれてしまうと、焦点がぼけてしまうような気がして。但馬牛と神戸ビーフというのは大体わかるのですよね。但馬牛というのは美方地方とか、あちらのほうから出していくので但馬牛という、神戸牛は神戸で食べさせるから神戸牛というと思うので、それはよくわかるのだけれども、この鳥取砂丘らっきょう、ふくべ砂丘らっきょうと2つに分けてしまうと、GIでしっかりと宣伝していこうという意図が分散されていきそうな気がしてしまうのですけれども、その点はどうでしょうね。

●木嶋市場開拓局販路拡大・輸出促進課長
 3月10日にJA鳥取いなばの谷口組合長、それから生産組合の香川会長ほかで報告においでになったときにも、実はその話題がありました。2名称登録を受けたということですけれども、産地側、生産組合長さんとしては、やはり福部といってもなかなか知名度がないので、鳥取砂丘らっきょうという名称でGIをPRしていこうというような思いがあるようです。
 今後、その辺をJAさんと話し合いを進めながら、パッケージのデザインとかといったようなところでまとめていく方向になろうかと考えています。

○島谷委員
 いいです。

◎広谷委員長
 よろしいですか。
 ほかに質疑はありますか。

○斉木委員
 一つだけ。1ページの中間管理事業の実施状況の下の参考の(3)で、3月16日には団体トップと連携が話し合われたということなのですけれども、内容は主に何だったのかな。というのは、2ページとの関連もあるのですけれども、2ページの整備基本方針の真ん中の右側の面積増加要素で、逆に減っていく、午前中の市谷委員の話ではないのですけれども、減ってくる。そこの施策効果で、多面的機能支払制度を充実していくということですが、これも最初の5年間が済んで、今、新たな5年間が始まっているのですけれども、取り組みが以前はややこしくて細かいものばかり出せということでできなかったのが、最近はよくなってきたということです。この多面的機能がしっかり機能しているから、ある面では担い手の耕作者が知らない土地でも入っていけるということです。ただし、知らない土地に入っていくと、やはり郷に入れば郷に従えで、地域とちょくちょくトラブルが起きると。すなわち耕作される人は入ってきて耕作だけして、周辺の多面的機能は一つもしてもらえないというようなことがあるので、3月16日のこういうトップ会談でもそういう話はきちんと出してもらってルール化しなくてはいけないのではないかというような話を、土地改良協会からもよく聞くのですよ。ですから、これから担い手がたくさん、それぞれ違う地域に行って耕作するわけですので、その地域の風習というか、やり方というのをもめごとがないようにきちんと制度化するとともに、そうすると担い手の人が今よりもっとつくりづらいという表裏一体の関係があるので、それとプラスして多面的機能をもっともっと充実しなければいけません。この多面的機能の充実と地元との調整のぐあいとかは、今どのようなぐあいになっているのでしょうか。それで、この3月16日はそういう話はなかったのかなと思ってお聞きしました。

●西尾経営支援課長
 昨日のこのトップ会談の全体的な話は私のほうからです。農地中間管理事業に限らず、人と農地の問題を解決する中で、担い手が受けるにしても、そのまま使える農地であれば何の問題もないわけですけれども、効率性だとか、あるいは鳥取県も基盤整備してかなり年数がたっていますので、老朽化だとかということがあるので、あわせて土地基盤の整備もした上で担い手へという要望もあるため、関係する団体でその辺の意思統一、情報共有を図って、連携して動いていきましょうというのが16日の全体の趣旨でございます。
 あわせて、委員おっしゃる多面的機能のことについてもこの中では話し合われました。人・農地プランを推進する上でも、多面的機能のエリアというのですか、そこと連携した動きというのが必要ではないかとかというようなことも話としては出ております。
 多面的機能の関係については、俵課長のほうで補足していただきます。

●俵農地・水保全課長
 委員会によりますと、担い手に農地を貸してしまったら、その所有者が、もう農地を貸したので自分は知らないよというようなことがよくあるということで、そのあたりは所有者の方も農地を管理している責任があるのではないのかということを、これからきちんと言っていく必要があるということで、これから農地の貸し借りをする際に、そのあたりをきちんと話し合いをして管理をしてもらうように持っていきたいと思っています。

○斉木委員
 貸し出す人は、自分の体が動かなくなったり、病気をしたり、動けない人だから、その人にそこの維持管理をやりなさいというのは、理屈ではわかるのだけれども、やるにもできないと。そうすると、集落なら集落、地域で多面的機能の充実をして、その人たちで担うようなことをしないといけない。できないから貸し出すのであって、できるなら自分がやられるでしょうけれども、動けない人たちの場合はどうするかということもあるのでね。そのあたりのルール化、地域に出向いても、担い手でもこれだけのことはやらないといけませんよというようなこと。あるいは整備はしっかりと行政としても支援するから、地域としてその部分はやりなさいよという、何かそういう話でもあったのかと思っていたのですけれどもね。

●山根農林水産部農業振興戦略監(試験場統括本部長兼務)
 昨日の話の中で、今、俵課長が申しましたように、多面的機能のエリアでという話もございましたが、逆の場合、担い手が多面の作業を受けるというような取り決めは受け手となる担い手と機構と、それぞれ話をしていくことも必要かと思います。逆のパターンもありまして、そのあたりの役割分担をどうするのかというところを貸し借りのときにきっちり定めて取り組んでいくように進めてまいりたいと思います。

○斉木委員
 これから話を詰めて、受け手も出し手もわかるような感じで、ある程度ルール化したほうがいいのではないかと思う。
 というのは、土地改良組合にしても、土地改良区の中でみんな担い手に出してしまうと、自分はもう土地改良区の中は知らないよと、維持管理もとてもできないよというような話に必ずなるものです。ですから土地改良区も高齢化が進むし、出し手も高齢化が進むということで、非常にこれからややこしくなってきますので、ぜひそのあたりはきちんとルール化してもらったほうがいいと思いますので、よろしくお願いします。

◎広谷委員長
 ほかにありますか。

○内田(博)委員
 再度、オーストリア。これはいい報告書もできていまして、局長もきちんと書いておられるようですが、今の現状と合わないところが、まず路網。これは、国もそうだけれども、今の県の補助率でこの道がつくっていけるのか。今の形態の中で、今の事業の中でこれだけの道がつくれるのか。まずそれが1つ。
 架線系をやるとすれば、技術者の養成をしなければいけない。その試験がもちろんあるでしょうし、それをやらなければならない。
 もう一つは防災体制、要するに研修所。防護服等も入れたり、それからいろいろ技術的なものを見て帰っておられるようだから、それを県できちんとして、どこかで研修する場所をつくっていって担い手養成をする。
 今、その3つが必要ではないかなと思っているのですけれども、そのあたりはどうされるのかをお聞きしておきます。

●阿部森林・林業振興局林政企画課参事(林業普及担当)
 林道ですけれども、いわゆる林業専用道事業というもので、来年度、八頭中央森林組合、東部森林組合と1路線ずつ、こういうやり方でつくってみようということで今、検討しております。
 技術者養成なり研修なのですけれども、今のところ普及指導の現場でいろいろな形で研修を行っているような状態でございます。

○内田(博)委員
 架線のほうはどうするのか。架線系の資格が要るでしょう。

●阿部森林・林業振興局林政企画課参事(林業普及担当)
 架線につきましても昨年度、東部と西部で1週間ずつ技術者研修をやっております。

○内田(博)委員
 今年度もやるのか。

●阿部森林・林業振興局林政企画課参事(林業普及担当)
 今年度は、同じ事業がありますので、森林組合等に呼びかけて、希望がありましたら実施しようと思っています。

○内田(博)委員
 防災は。

●阿部森林・林業振興局林政企画課参事(林業普及担当)
 防災につきましては、いろいろなやり方があるのですけれども、一つは、いろいろな事業に入る前のチェック項目、チェック表というのをつくろうかと思っていまして、それの普及を図るということと、オーストリアで非常に思うのは、非常に視認性の高い派手な色のヘルメットなり服を使っているので、これを普及していこうと。それと、林業災害の半分ぐらいはチェーンソー、あるいは刈り払い機でのけがですので、チェーンソー防護衣を普及することでかなり労災事故が減ってくるのではないかなと。これの普及を図っていこうと思っています。

○内田(博)委員
 高いよ。
 それともう一つ、いいですか。
 架線系を入れるとすれば、リモコンが、あれを即入れると日本の電波法にひっかかるのではないかなという話がちらっと前にあったものだから、そのあたりを調整しておいてください。
 逆に言うと、営業無線あたりを取らないと使えないのではないかなと思ったりするので、そのあたりをきちんと調べてやってください。

◎広谷委員長
 要望ということで。
 ほかに。

○市谷委員
 同じくオーストリアの視察の報告書で、私もすごくいい報告だなと思って見たのですけれども、3点お伺いしたいです。5ページの下のほうにオーストリアとの比較と書いてありますが、皆伐規制の伐採面積の上限が全然違って、林地を保全しながら対応しているということだと思うのですけれども、鳥取県の場合、木の樹齢がでこぼこしていて、平準化するので今後皆伐という話が出ていますが、この伐採面積の制限というのは鳥取県の場合はどうされるのかなというのをお尋ねしたい。
 2つ目には、先ほど内田議員も言われましたけれども、この報告書の3ページ、4ページのところで、林業に関する教育とか研修制度が非常に充実していて、収入につながる資格制度があるとか、森林研究所では日本にない伐採訓練、枝払い訓練等の基礎訓練装置が多数あって、実習中心の安全作業教育が充実しているとあります。先ほど服装の話もありましたけれども、こういう割と早いうちから安全についても、いろいろな作業について研修していると。だから、先ほどありましたけれども、研修所というのですかね、もう少しこういうものを充実させる、安全にもつながる取り組みを、どう考えておられるのかを教えてください。
 これだけ木で産業として成り立っているということになると、オーストリアの場合は林業労働者の雇用が日本とは全然違う状況なのではないかなと思います。その辺が日本と違って多いのか、その成果として林業労働者がどういう割合なのかというのも、よかったら教えていただけたらと思います。

●阿部森林・林業振興局林政企画課参事(林業普及担当)
 皆伐ですが、ここに書いているとおり、現行法では保安林で20ヘクタールということになっています。
 ただし、普通林の場合、伐採届が出るのですけれども、受け付ける市町村のほうがいろいろな地形条件などを見て、数年をかけて切るだとか、そういう指導はできるようになっております。
 資格ですけれども、森林のプランナーだとかマネジャーだとかフォレスターだとか、同様な資格は日本でもございます。ただし、まだまだ資格が活用されていないような状況でございます。
 教育につきましては、我々が現場に出てできることをやっているという状況でございます。
 オーストリアの研修の装置の件なのですけれども、この報告書の31ページ、32ページに詳しく載っております。簡単なものが多いので、できるところからつくってしていこうかなと思っています。先ほどの表紙に書いてあるのは、丸太を単に立てる機械でして、その立てた丸太をどのように切るか、切り方の手順がいいのか悪いのかということを指導教官なり周りが見て教えるという装置なので、こういうものは簡単にできると思いますので、していこうかなと思っています。
 雇用ですけれども、どういう雇用形態になっているかというのは、我々もそこまでは承知していないのですが、林業に携わるというのは、収入もそこそこ高いということで、向こうでは憧れの職業になっているようでして、機械店などでは女性連れ、カップルで来るだとか、子供連れで来て、子供さんが機械に乗って大人にフォローしてもらいながら機械を扱うようなことがあるというような状態だと聞いております。

○市谷委員
 いろいろ参考にされて、できるものから対応されるということですけれども、林業、林家の位置づけだとか資格だとか、研修の制度というのは、もっと抜本的、系統的に発展させられるべきだなと思いましたので、またその辺もお願いしたいと思います。
 次に、農業改良普及所の外部評価の件ですけれども、地域だとか農業者の意見を踏まえて、どういう普及活動がよいのかということで、取り組まれた結果について評価していくということだと思います。心配しているのが、地元だとか農業者の意見と、外部の方で評価されることとが、物すごくギャップがあると非常に苦しいかなと。現場、地域ではよかれと思ってしている普及活動が、例えばそれではもうからないのではないかみたいなことで、地道な普及活動が逆に阻害されるようなことがあってはいけないと思うので、現場の声と外部評価者との意見で物すごい乖離があったものやギャップがあったようなものがもしあれば、教えていただきたいと思います。


●熊谷農業振興戦略監とっとり農業戦略課研究・普及推進室長
 ただいまのお尋ねですが、地域の意見を聞く会にも私は何カ所か出席いたしましたが、普及に対する期待は非常に大きくて、直接指導を受けている皆さんとか農業者の方が参加しておられますので、点数をつけるという点では幾らか甘目かなというところがあって、この外部評価のときにも期待は皆さん持っていただいていますが、逆に叱咤激励をいただく意味で幾らか点数が辛口になっているところもあるかと思います。ただし、御要望だとか御意見はそんなにはずれはないと思っています。

◎広谷委員長
 よろしいですか。

○市谷委員
 はい、いいです。

◎広谷委員長
 ほかにありますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 ほかに質疑がないようですので、次に、企業局について、質疑がありますか。

○島谷委員
 3つ目なのですけれども、変更契約を2回していますよね。別に変更契約を2回しているのはいいのだけれども、2週間のうちに2回してしまっていて、これはなぜ1回では済まなかったのか。本来ならこんなのは一発でするべきではないかと私は思うのだけれども、理由を教えてください。

●三柳企業局工務課長
 これは、2回目の変更で工事内容を変えていまして、この関係で工期を延ばして、その間に工事を実施しているのですけれども、3回目の変更で、数量を現場に合わせるような精算変更をこの時点でしているので、今回は2回、3回の変更という格好になりました。

○島谷委員
 期間を考えなかったら、当然それは理解できるのだけれども、2回目と3回目が余りにも短いではないですか。なぜこの2回目で精算までできなかったのか、あるいはもっと早い段階で2回目をやれなかったのかとか、そこはどうなのですかね。絶対にこんな短い期間でもせざるを得ないような状況だったのですか。

●三柳企業局工務課長
 今おっしゃった、前もって2回目の変更が早くできなかったのかということなのですけれども、やはりいろいろ現場に合わせるような状況も出たりしておりまして、確かに若干おくれぎみになったところはありますけれども、その時点で最終数量は出ていなかったので、工期を延ばして実施するところをまずして、それから精算というような格好で実施したところでございます。

○島谷委員
 余り突っ込みたいとは思っていないのですけれども、それはちょっとおかしいと思うのですよね。最終の変更額を確定させるというのも、この段階だったら2月の終わりですから、行政が絡んでいるのであれば、当然そこまではやらないと。今回、手続き的には別に問題ないとは思うのだけれども、でもちゃんと見れば、こんなのは1回で済む話だと思うのですよ。それはちゃんとしてほしいなというのを希望にしておきます。

●湊企業局長
 島谷委員の御指摘もごもっともでございます。工期延期を1回やっていますので、それを例えば12月とか1月にきちんとやって、それで2月の終わり、3月の頭に最終変更という形はとるべきだとは思っておりますので、事業執行に当たって十分注意してまいりたいと思います。

◎広谷委員長
 ほかに。
 では、以上のところで質疑を終わらせていただきます。
 次に、閉会中の調査事項についてお諮りいたします。
 本委員会所管に係る商工業及び農林水産業振興対策並びにその他の主要事業につきましては、閉会中もこれを継続調査とすることとし、その旨、議長に申し出ることに御異議ございませんでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議ないようですので、この旨、議長に申し出ておきます。
 なお、委員長報告の作成、内容については、委員長に一任いただけますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
 次に、その他ですが、執行部、委員の方で何かございませんでしょうか。

○市谷委員
 商工労働部にですけれども、以前、議場でもここでも言いましたけれども、金型のササヤマという会社のことです。以前、議場で取り上げて、その後、会社のほうから2月25日に、労働者の方に多大な迷惑といいますか、いろいろおかけしましたということで、タイムカードなどは確実に本人さんにということでしょうけれども、打っていただくという徹底とか、給与明細書に残業時間をきちんと書くこととか、残業を減らしてなくす努力をしていきますと。ただし、一朝一夕に実現することは難しいので、努力はします。月に80時間の残業になった場合には、お医者さんの面接指導も受けるように勧告しますというようなことで、改善の文書が出されたのです。
 それで、過去のタイムカードももらってきたのですけれども、夜中の0時34分とか1時10分とか1時11分とか2時43分とか、そういう仕事の終了なのです。それは今の文書が出た前の話です。ところが先ほど出た文書が2月25日なのですけれども、きのうの段階で午前3時。これが水曜日で、木曜日が1時ということなのです。水曜日にずっと遅くまで仕事して午前3時に帰ってきて、それから翌日は8時に出ると。そうしたら、その日がまた午前1時までということで、若い方なのですけれども、もう夕食も食べられないし吐き気がするというようなことです。確かに改善の文書は出たのですけれども、余りにひどい実態になっていて、11月の労働基準監督署の過重労働の指導のことで最初言いましたけれども、35件指導はあったけれども悪質なものはないということで、書類送検もされていません。この35件に入っているかどうかわかりませんけれども、監督署は入っているというのは聞いているので、恐らく35件に入っているのではないかなとは思いますが、実態はこんなことなのです。
 それで、職場で働いているリーダーの人も、もうこれは耐えられないということで、やめると言っています。これは県が補助金を出していて、今度、河原のほうに新しい工場をつくられるということなのですけれども、今私が紹介したのは、既に古海と千代水に2つ工場があって、古海の労働者の方でして、こういう実態をそのままにしておいて新しい工場をつくっても、やめている人がいるし、どうやって労働者を確保するのかなと。本当に病気になって命を落としてからでは手おくれですので、ぜひ直接話を聞いていただきたいと思うのです。
 前に議場で紹介したのは別の方なのですけれども、県は労働相談の窓口を置いていませんけれども、前に、聞くことは聞くとおっしゃったので、聞いて、会社に対して指導といいますか、改善を求めていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

●岡村商工労働部長
 労働環境の件に関しましては、基準監督署のほうがどういう調査をされたか、どういう内容かというのは、当然存じ上げない。ただし、我々としましては、正規雇用の確保の要件を満たせば、投資に対しての補助金を出しますと。議場でもお答えしましたとおり、もしそれに不正があったり、何か不適切な事項があれば、補助金全部取り消しもあり得ますよということは言ってあります。
 以前、来られたときには、社会保険労務士の方と一緒に来られて、議場でもいろいろと指摘があったのですけれども、こういう改善をしますという報告は受けました。それは補助金とは別の関係なのですけれども、そういう報告は受けています。
 それとは別に、今、業態転換を図っておられて、新しい分野に進出しなければいけないというところで、急ピッチで試作開発を行っているというのも現状としてあるということで、本当に昼夜をいとわずエンジニアが集中して事業に取り組んでいる環境があるということもお伺いしています。そのことに対して我々がどうこう申し上げることはないのですけれども、とにかくコンプライアンス違反になるようなことはないように、しっかりと労働環境を守って適正な雇用環境を維持してほしいということは伝えています。
 人材確保についても、鳥取大学さんとかでもしっかり人材確保はできていると聞いていまして、私も同じように、もしそういうことが風評になれば人が集まらなくなって、せっかく投資しても人が確保できなくなると企業自体が存続できなくなりますよということは申し上げました。そのことに対しては十分了解されて、次の雇用環境の改善に努めると報告は受けております。

○市谷委員
 それはそれで、当然、人材確保も大事だとは思いますけれども、それ以前に、こういう働き方だと死んでしまうかもしれないなと私は思ったのです。食事しても吐き気がするとか、そこまで過重労働の実態になっている、以前、改善の報告は受けたけれども、その後も、きのうもおとといもこういう状況になっているのです。人材確保以前の話として、私は命が失われてからでは遅いと思うのです。そのことについて商工労働部としてきちんと聞いていただくというのは、いかがですか。

●岡村商工労働部長
 県の今のかかわり合いの中で聞く権限はないです。基本的にはありません。
 いろいろな声も聞いてきますので、そういう状況があれば、企業訪問しながらチェックはしています。これは御指摘の企業さんだけではなくて、そういう情報収集もあわせて、企業訪問の中で定期的にやっているのは事実です。
 今回、こういう具体的な案件をおっしゃられているのですけれども、だからどうということを商工労働部としてやることは、正直言って今できないですが、先ほど申し上げましたように、今、非常に急ピッチで工場建設されているのと、新しい事業開拓で、結構試されているといいますか、勝負どころというか正念場というところも確認させていただいています。それとこの関係がどうなるのかというのは、私も把握はしておりませんけれども、それぞれの今の投資状況、工場の建設状況はどうかというような報告を受けることは可能ですので、その中で確認できるものがあれば確認はしてみたいと思います。

○市谷委員
 終わりにしますけれども、会社のほうから、こんな働かせ方ですということが出てくればいいですけれども、恐らく正直に言わないと思います。改めてお話をさせていただきに行きたいと思いますし、この間の議場の答弁では、話は聞くという答弁だったわけですから。私、今の話というのは、企業の営業のことは考えるけれども、こういうことに対して余りにも無関心というか、商工労働部長として余りにも危機感がない答弁だなと思います。商工労働部長ですから、そこで働いている労働者のことをもっと考えるべきだと私は思います。

●岡村商工労働部長
 逆でありまして、先ほども言いましたが、来られたときに、コンプライアンス違反に該当するものがあれば、即座に補助金取り消しを行いますということはきちんと伝えています。そこは非常に厳しくチェックしますよということを伝えたものですから、こういう改善をさせていただきたいということで、向こうのほうから申し出があったというのが事実です。
 ただし、先ほど申し上げましたように、企業によって状況は異なりまして、この会社は今、全く違う新しい世界にチャレンジするというところで、開発に集中的に取り組んでいるのも事実です。その中で、言い方が悪いですけれども、先ほど申し上げた風評が出たりすると今後の将来的な人材確保ができなくなるということも認識はしています。鳥取県は狭いところですので。その中でどういう改善をやっていくのかということも含めて、しっかり労働環境を改善していくという明確な報告をいただいていますので、その後どうなったかということは、先ほど申しました工場の進捗状況や開発状況を含めて確認する中で確認したいということを申し上げているところです。

◎広谷委員長
 よろしいですね。
 ほかに。いいですね。
 意見がないようですので、委員の皆様に御連絡させていただきます。
 次回の常任委員会は、来月、4月21日木曜日、午前10時からの開催の予定でありますので、よろしくお願いします。
 それでは、委員の皆様には相談がありますので、この場にお残りください。
 執行部の皆様は、御苦労さまでした。
(執行部退席)
 残っていただきましたのは、調査活動報告についてであります。
 本会議におきまして、各常任委員会の1年間の活動状況について報告することになっております。本農林水産商工常任委員会の平成27年度の活動状況について、事前に配らせてもらったと思いますけれども、いかがでしょうか。

○市谷委員
 何点かあるのですけれども、まず1ページ目の大分県で、4行目からの、「地方の中小企業が参入を目指すには」の後に、鳥取県もこんなのをしようとしているのですけれども、受注競争は結構激しい環境だという話があったので、そのことをここに入れていただいて、単独ではなくいろいろこういう連携の取り組みが必要だと。受注競争が激しいということは入れておいて。

◎広谷委員長
 つけ加えるということですか。

○市谷委員
 そういうことです。
 その下のオムロンの3行目の、「知的・精神障がい者の一定の雇用にも成功」というのがあるのですけれども、今後も精神障がいのところは拡大の方向を検討しているというお話があって、それは重要だなと思いましたので、それもつけ加えていただけたらということです。
 2ページの最後、下から3行目のところで、「TPPの大筋合意に至り、協定発効後には」というところは、まだこれからなので、これはとっていただけたらいいなと私は思っています。

◎広谷委員長
 3点だね。

○市谷委員
 はい。

◎広谷委員長
 今、御意見がありましたけれども、いかがでしょうか。

○島谷委員
 大筋ではいいのですけれども、最後の「協定発効後には」をとれというのは、これは私は必要だと思います。ほかは本当にいいことを言われているなと思っているのだけれども、これはもう事実関係なので。

○市谷委員
 発効するかしないかとは、また別の問題だから。

○島谷委員
 これは必要だと思います。

○市谷委員
 できればとってほしいかなと。まあ、どちらでもいいので。

◎広谷委員長
 そういうことでよろしいですか。

○市谷委員
 いいです、どちらでもいいです。

◎広谷委員長
 それでは、「協定発効後には」というのは、そのままということで。
 では、最初に言われた2点については修正させていただくということで、よろしいですね。
 ほかに異議はないようですので、そのようにさせていただきます。
 以上をもちまして農林水産商工常任委員会を閉会いたします。どうも御苦労さまでした。

午後1時52分 閉会 

 

 

 

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