平成30年度総務教育常任委員会議事録

平成30年7月3日会議録(確定版)

 

出席者
(9名)
委員長
副委員長
委員

福田 俊史
坂野 経三郎
藤井 一博
野坂 道明
長谷川 稔
広谷 直樹
安田 優子
横山 隆義
福間 裕隆

 

欠席者
(なし)


説明のため出席した者
  加藤元気づくり総本部長、井上総務部長、山本教育長、ほか局長、次長、課長
  
職務のため出席した事務局職員
  松本課長補佐、北川課長補佐、小泉係長

 


1 開  会   午前10時8分

2 閉  会   午前11時38分

3 司  会   福田委員長

4  会議録署名委員      長谷川委員、藤井委員

5  付議案件及びその結果
   別紙日程表及び下記会議概要のとおり


       

会議の概要

                                午前10時08分 開会

◎福田委員長
 ただいまから総務教育常任委員会を開会いたします。
 本日の日程は、お手元の日程のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきます。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。長谷川委員と藤井委員にお願いします。
 それでは、本委員会に付託されました議案について審査を行います。
 付託議案は、日程に記載の4議案であります。
 これから付託議案に対する質疑を行っていただきますが、委員の皆様におかれましては、簡潔な質問とマイクのスイッチの切りかえをお願いします。

○長谷川委員
 議案第1号についてお尋ねします。今回、知事からの提案理由説明で、県立美術館の建設に向け、PFI事業者選定に向けた実施方針を策定することとし、要求水準書の作成等を進めるという説明がありましたし、一般質問の論議を聞いておりましても、既にPFIありきといった感じを強く受けたのですけれども、今回の内容というのは、どこまでのどういうことを判断する上での予算内容でしょうか。

●田中理事監兼博物館長
 長谷川委員からPFIありきかという質問がございましたが、県有資産の活用の戦略会議で、美術館の整備については、PFI手法、その中でもBTO方式という方式を採用するということが決定されましたので、それを前提に、実際にPFIのBTO方式でやるための要求水準書の作成であるとか、そういう事務的な手続を進めるための専門的な支援をコンサルに委託するものです。基本的にはPFIを前提に次のステップに進んでいると御理解いただければと思います。

○長谷川委員
 今のは、なかなか思い切られた発言だと思います。PFI事業に向かっていくのだけれども、それを進めるためには、今回要求水準書という予算的なものなのですけれども、そこで作成されたものが出てきた場合に、いわゆるハードルとか困難性とか、そういうものが今回の作業の後に出てくるわけで、それをもってPFIに実際に進めるかどうかを判断するというのが正確ではないでしょうか。

●田中理事監兼博物館長
 戦略会議でそういう方向性が決定をされています。その前提で次の実施方針であるとか要求水準書、あるいは事業者募集の書類の作成、そういうことを今回専門コンサルの支援を受けながら業務を進めるということでありますので、その過程の中では基本的にはPFIという手法をとることを前提に事務手続を進めることだと理解しておりますので、PFIで実施していくということが基本的な考え方ということで御理解をいただきたいと思います。

○長谷川委員
 そうしますと、今回の予算を認めるということは、イコールPFI事業で進むのだということに我々も同意をするということになってしまいますが、私の受けとめ方としては、PFI事業に進んでいく上の一過程であって、また改めてこれから事業者が、要求水準ですからいわゆるレベルみたいなのが示される、そういうことについて反応といいましょうか、加入はどうなのかとか、そういう問題が出てくるわけですから、ここで必ずしもPFI事業をもって新美術館建設に進むということを決定してしまうということではないと思うのですけれども。

●田中理事監兼博物館長
 今、長谷川委員の御質問の中に要求水準というお話がございましたが、要求水準書というのは、通常の県が直営で発注する場合の仕様書に相当するものですが、民間事業者みずからの創意工夫でどのような整備をされるかという部分で、仕様書のように細かく、例えば議会の議論の中でもありましたが製品の品番を指定するとか、そういうことまでではないのでしょうけれども、いわば求める性能のレベルをある程度具体的に表現するものが要求水準書というものでありまして、それはPFIという事業を進めていく上でのごくごく事務的な作業としてつくる書類でもありますので、それはあくまでもPFIという手法をとるかとらないかという判断の材料ではなくて、PFIという手法で進める中で必要となる実施方針の策定ですとか、それから要求水準書の策定とか事業者募集書類の策定とか、そういう事務的な手続の中の一つでありますので、御理解を賜りたいと思います。

○長谷川委員
 一言でPFI事業と言いましても、設計をどうするかというようなあたりは、ぜひこれは切り離して考えていただきたいというような意見もある中ですので、トータルとしてこの部分はPFI管理者だとか事業者だとかというあたりは、まだ整理はついていないと思うのです。大きな流れの中で今回はPFI事業の導入も大きな方針として持ち、それでさらには、もっと具体的な段階に入ってきたので、今回は要求水準書というものの提出を求める予算内容になっているのだという受けとめ方でいかがでしょうか。

●田中理事監兼博物館長
 これは美術館の話というよりPFI手法制度に対する理解の問題だと思いますので、ある程度総務部の行財政改革局のほうでその辺の理解が進むような取り組みもお願いしたいと思いますが、この美術館につきましては、基本的には戦略会議で設計から建設、整備、そして管理運営を一括してPFIの手法で行うということですが、美術館であるがゆえの設計の重要性というのは私どもも非常に気にしているところでありますから、その過程の中でPFIの手法であっても設計というものを重視できるような手法を取り入れる形で丁寧な進め方をしたいということで、予備調査の際にも御説明を申し上げました。さまざまなワークショップであるとか段階的な選考、手続であるとか、そういうことで十分な配慮をしていこうと考えておりますので、御承知いただきたいと思います。

○長谷川委員
 今回の新美術館をめぐっては、一般質問でも複数取り上げられまして、中には所管を教育委員会から知事部局に移してはどうかという発言があり、知事も少しそれに応じた形で、博物館法の改正もあるので、十分検討するというニュアンスが強かったかと思いますけれども、博物館法がどう変わるとしても、私は教育委員会との関係というのは今と大きく変わるものではないと思います。やはり広く、それこそ社会教育という言い古された言葉ではないにしても、県民の大きな知的財産を所管し、それからあまねくサービスを伝達していく機関としては、教育委員会のほうが私はこれからもふさわしいのではないかと思っていますけれども、教育長、最後の知事の答弁はいかがでしたか。

●山本教育長
 美術館の所管についてのお尋ねがございました。これはいろんな観点で検討をする必要があるのだろうと思っています。特に私どもは学校教育の部分を担っておりますので、そことの連携であるとか、そうしたことの所管が移ることになるとすればどういうことになるのか、そこを損なわれるようなことになっては困るなという思いも一方ではあります。
 ただ、全国的な動向などを見てみますと、美術館はかなりの部分で首長部局に移管されて、実質的に今そちらのほうで事務が取り扱われているという中で、観光面での活用も含めていろんな美術館のあり方が議論され、また実際にそういう運営がなされているという事例もありますので、そうしたところも含めて所管というのは大きな視点で考えていくべきものだろうと思っているところでございます。(「法律はどう変わるのですか」と呼ぶ者あり)
 法律については、今はまだ議論が始まったところでございまして、中央教育審議会の中でそうした所管について議論される中で、今私が申し上げた学校教育との関係だとか、そうしたところが一つの論点として議論されている状況でございます。

○安田委員
 私もこの予算を認めるとどういうことになるのか、前の委員会からの流れがありますので確認したかったのですが、今の長谷川委員の質問でその辺少しわかったところがありますが、もう一つちょっとわからないのは、PFIでやるとなると、建築確認は民間事業者が申請することになりますよね。

●田中理事監兼博物館長
 PFIを受けた事業者、SPCが行うことになりますので、手続的にはそういうことになろうかと思います。

○安田委員
 民間が工事発注者になって確認申請も行うので、工事の費用が安く上がるということが利点として出してあるわけですよね。そうなってくると、建築資金の調達はどういう形になるのですか。民間事業者が自分で工面するのですか、県が予定している予算はどんな形になるのですか。

●田中理事監兼博物館長
 PFIの制度は、基本的にそういう設計、整備から運営について一括でやるとなった場合、それらの資金を一旦は全て民間が資金調達を市中なりから行うことが原則となります。そして、その整備、それから運営に係る経費を例えばSPCにお願いするとなれば、それを分割して20年間、行政側が支払いをしていくという形が基本的なスタイルだろうと思います。
 それについては整備部分だけをある程度まとめて払うとか、いろんな払い方はあるようですけれども、基本的にはそういう繰り延べ払いをしていく形になろうかと思います。

○安田委員
 県は建築工事費について77億円を予定してるわけですが、基本的にそれを分割して小出しにしていくというふうに認識していいわけですね。

●田中理事監兼博物館長
 今回は設計から建設、管理運営までを含んでおりますので、今お示ししている美術館直営でやった場合、美術館の整備費が77億円、それからその他備品購入であるとか設計費であるとかということで約20億円、そして、その後の管理運営の経費というのも毎年3億数千万円という形で今はお示ししておりますので、やはり運営が始まってから15年程度になろうかと思いますが、それらを全てまとめたもの、そしてPFIであるがゆえに縮減できた部分に対して、分割して支払いをしていく形になります。

○安田委員
 建物が完了した時点で所有権登記をなさるということですよね。それがない限り県に所有権移転ができないわけですから。資金の出どころが民間事業者であればそれは可能ですね。だけれども、所有権移転の原因には、売買とか贈与とかありますが、こんな年々支払っていくような場合はどうなるのですか。

●田中理事監兼博物館長
 済みません、不勉強で十分承知はしておりませんが、鳥取県では初めてに近いですが、国を含めて他県では多くの事例がありますので、そういう登記関係の手続も整理されたものがあろうかと思います。(「あろうかと思うではいけない」と呼ぶ者あり)
 ただ、実際は物が完成してから完成図書等を民間から引き継ぎを受けることで県に所有権が移転され、そして、県は必要な手続をするという形で、民間は登記をしなくてもそういう引き渡し手続さえすれば県の所有に移るようです。テクニカルな話はちょっと私も正確なところは申し上げられませんが、例えば県が登記をすれば、民間も多分そこに対して担保設定の登記をされたりすると思います。

○安田委員
 それはよく検討しておかれたほうがいいと思いますよ。そうしないと、すごい金額ですので、県が所有権を持てないということになったら問題が大きいので、それはくれぐれも調べておいていただきたいと思います。

●田中理事監兼博物館長
 そういう手続で所有権は県に移転しますので、それは間違いないです。

○安田委員
 移転できるだけのものを要件として担保できているかどうか今聞いたのですよ。

●田中理事監兼博物館長
 それは契約書上、具体的に明記しますので、担保はできると思います。

○安田委員
 それは検討して後で教えてください。
 もう一点あります。基本構想で、県立博物館の課題の一つとして、県民との連携、地域への貢献というのが第一に上げられておりますね。これが今年の補正予算の3番目に出てくるのです。この県民との連携は、美術館ができてからの運営について主に語られております。
 ところが、今回の補正予算を見ると、県民がつくる美術館事業で、突然デザイン性を重視した美術館づくりに県民が加わるみたいなことが読み取れるわけですけれども、その提案をしたデザインがどういう形で設計に反映できるのですか。

●田中理事監兼博物館長
 確認ですが、質問の前段は、予備調査で説明した博物館の改修の基本構想のことでしょうか。

○安田委員
 これは博物館のことですか。

●田中理事監兼博物館長
 はい。

○安田委員
 美術館はデザインも県民参加ですか。

●田中理事監兼博物館長
 はい、デザインも県民参加です。

○安田委員
 ごめんなさい、大きく間違えていました。
 それでは、デザイン性の提案をどういう形で反映されるのですか。

●田中理事監兼博物館長
 設計をする事業者、それは今お話をしているとおり、PFIを実施するSPCの中の設計を担当するところ、あるいは設計事務所ということになろうかと思いますが、そこが設計をする前段として、こういう県民のワークショップをするような中で、県民は例えばこういう思いを持っているとか、こういったことを希望しているということを設計する事業者に伝えたりといった形で、ある程度設計をまとめてもらう。あるいは、まとめてもらった設計に対してそういうワークショップ等で少しディスカッションしながら詰めていくといった手続をしていければと考えております。

○安田委員
 そうなってくると、提案する側の県民の集まりをセットしないといけないわけでしょう。それは非常に早くされないと、デザインを設計に生かせないということはありませんか。

●田中理事監兼博物館長
 そのとおりでして、ですからその部分の予算は、実は当初予算でお認めいただきまして、既に準備を進めております。

○安田委員
 では、今回の補正予算は要らないということですか。

●田中理事監兼博物館長
 説明資料で書いておりますが、その部分は平成30年度当初予算で計上いただいておりますので、それをベースにして実施していこうと思っております。

○野坂委員
 議案第7号の学生寮用地に係る補正予算のことですけれども、これは今後の管理方針について、どのように考えておられるのでしょうか。
 大阪の学生寮などは、同じ施設なのですけれども、老朽化に伴って廃止になっているみたいですけれども、この東京の寮については基本的にどのように考えたらいいのでしょうか。

●影山人権教育課長
 大阪の学生寮につきましては、老朽化ですとか、それから入寮生が減少したということで、建物も耐震基準を満たしていないということがあったものですから、ニーズ調査を行いまして、そういった状況を踏まえて廃止したわけですが、東京の学生寮につきましては入寮希望がかなりありまして、募集人数の1.5倍ぐらい入寮希望がある状況です。
 建物についても、当面修繕をしながらですけれども十分使える状況がございますので、当面、今回は5年間貸し付けの延長を議案として出させていただいているわけでございますが、5年間継続して運営をしながら、野坂委員からいろいろ費用対効果とかそういった面も問題提起をしていただいておりますので、そういったことについては十分認識をして、理事会ですとか評議員会にもそういった問題意識の報告をしながら、今後の運営についても引き続き検討していきたいと思っております。

○野坂委員
 5年間延長というのは理解するところですけれども、施設の維持管理方針みたいなものでいけば一緒でしょう。こちらの施設も以前から見れば入居希望が減少してきていて、結果的には部屋が空いている状況になっているということですよね。老朽化という問題も同じではないですか。やがては更新期を迎えるわけですよ。となってくると、今の答弁というのは、この施設は例外で扱うということですか。

●影山人権教育課長
 例外というわけではなくて、現有施設についてはなるべく長寿命化というか、有効に活用できる形で、長もちできる形で運営をしていくというのが基本でございますし、学生についても以前より学生数が減っているということもございましたが、部屋については10部屋も空いていないという状況でございますので、それについては学生寮があることの周知に努めて、利用を掘り起こしていきたいと思っております。
 将来的には老朽化で建て直しということが課題として当然ございますので、それについても検討していきたいと思っております。

○野坂委員
 長寿命化改修をするみたいなことを言っておられた気がしますが、そういう方針は定まっているのでしょうか。日常的な維持補修ではなくて長寿命化を図ろうと思えば莫大な費用がかかるわけでしょう。とりあえず当面、5年間の延長というのは、施設の状況的には可能でしょうけれども、私は、その5年間でこの施設のあり方というのを十分に検討する必要があるのだろうと思うのですよね。

●山本教育長
 この寮は御承知のとおり公益財団法人の鳥取県育英会が建築をして運営をしておりまして、そこに対して県が土地を無償貸し付けしたり、あるいは運営費の助成をしたりということで運営をしておりますので、そこは一義的には育英会が考えられることだと理解をいたしております。
 ただ、私どもも運営に全然無関係かというとそういうわけではありませんので、このたびの議論なども含めて、そうしたことをこれから育英会で議論をさせていただく形で話を持ちかけたいと思っております。

○安田委員
 多分、野坂委員も反対とか、なくせということをおっしゃっているのではないと思いますが、私は、昭和39年に男子寮が女子寮に変わって、その第1期生として、東京の学生寮を利用させていただきました。公平性の観点から、2年間しか在寮できないという規則があったのですが、今おっしゃるように空き部屋がありまして、私は1年だけ外へ出てみたのですが、とても面倒くさくて、もう一回出戻りをして、4年のうち3年も学生寮でお世話になりました。
 やはり、高校を卒業して、東京に出ていってなかなか慣れないところで学生寮があったということは、非常によかったと思いますし、そこで出会った県内の、私は境高校でしたので、もう一人1年だけ御一緒しましたが、あと全くいらっしゃらない中で、よその高校からお見えになった方々とも懇意にさせていただいて、今もおつき合いは続いております。
 そういう経験からしても、何としてもこれは残していただいて、鳥取県の財産にしていただきたいということを意見としてお伝えさせていただきたいと思います。とてもいい寮でした。

○野坂委員
 なくせということを言っているわけではないのです。要するにこの施設も、直接ではないにせよ、固定資産税相当というのは税金が投入されるわけでしょう。例えば大阪の寮は廃止する、東京は存続するみたいなところはどこで線引きされるのかとか、きちんと存続するのであればするということで、説明に耐え得るような方針を出していただきたいですよね。でなければ、やはり運営上税金というのは出ていくわけですから、そこはきちっと議論していただきたいというのが一つであります。
先ほど教育長が答弁されましたけれども、十分にさまざまな観点から議論していただいて、方針なりなんなりというのをきちんと出していただきたいと思うわけですね。

○広谷委員
 美術館整備のことなのですけれども、長谷川委員からPFIありきではないのではないかという話がありました。僕自身はPFIでやるという認識はしているのですけれども、ただ、PFI方式自体を余り理解していない部分がある中で、例えば所有権は完成後に移転するのだという話があったり、事業費は業者が民間調達をして、後で行政が分割して支払うというような答弁もあったわけなのですけれども、その辺の流れといいますか、登記も館長の話ではいつの段階でできるのかというような、何だかちょっと曖昧な部分もある。これから鳥取県が初めてPFI方式でこうやって事業をするという中で、議員のほうもなかなかその辺でうろうろしている部分があるので、例えば、事業や登記がどういう流れになるのか、そのあたりを整理して示してもらえるとありがたいと思うのですけれども。

○福間委員
 私も広谷委員が言われたのと全く同じ意見なのです。私がちょっと2つひっかかりがあるのは、今回の美術館建築に当たっては、鳥取県なのか県教育委員会なのかよくわかりませんが、どちらかがBTO方式によるPFI手法の導入をするという決定をしているのかどうなのか、僕らは混乱してしまっているのだ。
 さっきの答弁にもありましたけれども、県有施設・資産有効活用戦略会議の結果がこうでしたという議論ですよね。まだ教育長、教育委員会がこれでやるといって決めたことではないのだな。そこがわからないのだ。しかし、それに基づいてPFI方式を導入しようとするとどういう経費の節減が図られるとか、さっき広谷委員がおっしゃったように、不勉強もあるかもわかりませんが、特に私などはよくわかっていない、すとんと胸に落ちていないのです。
 明らかにPFI方式でいきますよということなのかどうなのか。例えば、今の補正予算の審査に通って、今後ここにあるように事業者選定に係る支援の業務委託のようなことをやっていったときに、それを踏まえた中で検討して、だめだと、直営でやれという議論というのはできるのか。そこがわからないのだ。後戻りできませんよと、PFI方式なのですよということを、教育委員会なのか知事かわかりませんが、鳥取県としてどうされるのですかというのが、少なくとも私などはちょっとまだ、流れも含めてよくすとんと胸に落ちていないのです。研究過程だと言われるが、引き返せない話なら研究過程ではないのではないかな。ちょっと交通整理をしてほしいなと思うのです。
 もう一つは、仮にPFI手法を採用するとなると、3番のこれまでの取り組みの中でざっくり書いてあるように、年間の建築工事費77億円、その他20億円、これで約100億円ですが、将来的にPFIの手法をやっていったときに、これが膨れ上がる可能性だってまだ出るのではないですか。この枠内で抑えてくださいということで話を進めていかれるのでしょうか。
 もう一つは、わかりやすく言えば民間企業に全部丸投げをしておいて、しかし県民の声を反映したものにしますよなどということが通るのかな。そこら辺がちょっと見えづらいのです。それで、結果的に予算金額はいくらかといったら、いやいや、今時点ではおおむね60億円から100億円ですよということですが、その他20億円があるということは、それならば120億円ということかみたいなことになる。これからやってみて、おさまらなかったらどうなるかというのが出てくる。その辺りも含めて、流れがちょっとわかりづらい。そこをお願いします。

●井上総務部長
 PFIの仕組みにつきまして、私から御説明をさせていただきます。
 まず初めに、今回の話が教育委員会なのか県なのかという話がございましたけれども、ここに記載してあります県有施設・資産有効活用戦略会議というのは、これは副知事をトップとした会議でございまして、教育委員会からの提案を踏まえて、県としてPFIの導入方針という形で、執行部側としてはPFIでいくことを決めたということであります。これは教育委員会だけではなくて県としてというふうに御理解をいただければと思います。
 それに当たりましては、ここも記載していますように、この美術館に限らずですけれども、もともと県有施設・資産有効活用戦略会議では、一定規模以上のものについては整備するときにはPFIができるかどうか検討しましょうと。1次でスクリーニングをして、可能性があるとなったら、この2次調査のときにも予算をいただきましたけれども、もう少し詳細に、コンサルに委託して本当にPFIで成り立つかどうかというのを研究をすると。その結果として、記載してございますようにコスト縮減の可能性も含めてPFIが有効であろうということが出てきたことを受けまして、県有施設・資産有効活用戦略会議の中で、要は執行部側としては、PFIでいくということを決めたということです。
 2点目の金額の話でありますけれども、これは契約関係でありますので、基本的にはこちら側から出した金額の中でやってもらうということが大前提になります。もちろんリスク分担の話は契約関係の中の決めですので、例えば事業者側にリスクを負わせることが適当でないもの、例えば災害が起きたような話とかがあって、事業費が膨れることは理論的にはあり得ると思いますけれども、それは契約関係の中で県がリスクをとればそういう形になりますし、ただ、逆に言いますと、それは直営でやっても同じことが起きると思います。ですので、PFIだから事業費が膨れるということにはならないかなと思っています。
 3点目として、福間委員から丸投げになりはしないかというようなお話があったのですけれども、これはPFIのやり方の中で丸投げにしようと思えばできます。端的に言いますけれども、何でもいいから美術館をつくってくれというように民間に発注すれば、民間でそういう絵を描いて持ってきてくれる形になります。ただ、先ほど、博物館長からもありましたように、通常の公共の発注ですと結局図面から何から全部引いて、このとおりつくってくれという形で民間に出すわけですけれども、PFI事業の場合は、要求水準書というもので私たちはこういうような美術館をつくってほしいというものを出して、それに対して提案をもらうというようなやりとりをしながら事業をつくっていくことがあるわけです。これは長谷川委員の御質問の中にもありましたけれども、やはりデザインの話がかなり議論になって、御懸念がありましたように、要は結局民間に任せることになると、安かろう悪かろうといったようなものができはしないかという御懸念があるものですから、それは言い方はあれですけれども、そういうふうにつくってくれと言えば民間はそういうのを出してきます。けれども、我々としてはやはり県としてこういう大切な美術館をつくろうということですので、今教育委員会から御説明がありましたように、民間にこういうのをつくってくれというものを出す前に、しっかり県民の皆さんと議論をして、デザインも含めて我々はこういう美術館をつくりたいというものを示して、それも通常の公共事業ですと示したら示したきりでそのとおりつくってくれという話ですけれども、PFIの事業においては、その間に競争的対話と申しますけれども、我々発注者側はこう考える、それに対して民間側からもそういうことだったらこういうことができますよという提案をもらうとか、そういうやりとりをしながら最終的に事業の決定に至るという仕組みですので、そういった中でデザインに関する県民の声というのも事業者側に伝えて、事業者からそれに対する提案をもらう中で最終的に相手先を決めていくというプロセスを経ると御理解をいただければと思います。

○安田委員
 改めて説明してしてもらわないといけない。

●山本教育長
 若干補足してロードマップ的な話をさせていただきますと、今回はPFI前提で要求水準書なりを策定させてほしいということで、それに関してアドバイスを得ながら進めるためのアドバイザリー経費をお願いしていますが、最終的には、順調にいけば来年の6月あたりに債務負担行為の要求書を出させていただいて、そこでまた具体的にこういう金額の予算でPFIの事業者を決めさせていただきたいという予算を出させていただく過程を経ることになります。だから、このままずっと事業者が決まっていってしまうのではなくて、そこでもう一度予算を議論していただく機会があると考えております。

●井上総務部長
 今教育長が申し上げたのは、この予算というのはアドバイザリーの予算ですけれども、実際にPFIの事業者を決めるときには債務負担をとって、結局事業費がどれだけで何年間にわたってこれだけ払いますよという金額をきちんと設定して、それの債務負担行為の議決をいただかないと、我々は業者を決められないわけです。その手続がこの後もう一回あるということです。(「その事業費は出るというわけだな」と呼ぶ者あり)そうです。ですから……(「何百億とか」と呼ぶ者あり)はい。それで20年間とかというのが出てきます。
 ですから、議会の合意も得た県としての最終的な意思決定はその場になりますけれども、ただ、我々としてはそれを出そうとするとやはりもう少ししっかり詰めてやっていかないといけないですから、そういう意味では、お認めをいただいたらPFIを前提にアドバイザリーを受けながら、最終的な総額、それから事業所等も含めて債務負担をお願いするものをこれからつくっていくということです。

○福間委員
 今お話があったことを、ちょっとわかりやすく荒っぽく言うと、執行部側としては、美術館はPFI事業としてやりますよと言い切れるわけだ。ただ、それに基づいてどういう格好のものをつくっていくのかというのは、これからいろいろと、きょう提案があるような内容で議論しながら、改めてPFIに基づくこういう格好の図面ですよ、予算的にはこんなものですよというのも出していきますよということですね。だから、PFIでやっていくための一つの部分について、今回の予算が一応必要ですよという理解でいいわけですね。

◎福田委員長
 質疑が出尽くしたようでありますので、付託議案に対する討論を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 討論はないようですので、これより採決に入ります。
 採決につきましては、一括して採決するのがよろしいか、お伺いをいたします。よろしいですか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 それでは、本委員会に付託されました4議案を一括して採決いたします。
 原案に賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成全員であります。したがいまして、本委員会に付託された4議案については、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、請願・陳情の審査を行います。
 今回は、新規分の陳情1件の審査を行います。
 それでは、陳情30年教育第10号、教職員定数改善と義務教育費国費負担制度2分の1復元をはかるための、2019年度政府予算に係る意見書採択について、審査を行います。
 御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いします。

○藤井委員
 不採択が妥当と考えます。
 教職員定数改善につきましては、国において教職員定数の充実のため、通級による指導、外国人児童生徒等の指導、初任者研修体制、指導方法工夫改善加配について、平成29年度から10年間、基礎定数化を段階的に進めています。また、県においても、質の高い教育を一層推進するため、少人数学級の充実、特別支援学級の充実、支援学校体制の構築に向けた定数改善財政支援を国に対して継続的に要望してきています。
 また、義務教育費国庫負担制度につきましては、いわゆる三位一体改革において、その根幹となる義務教育費国庫負担制度を堅持するとの方針のもと、国庫負担割合の3分の1への引き下げとともに国から地方への税源移譲がなされており、国庫負担割合を2分の1に復元することは実現困難と考えられます。
 したがって、不採択が妥当だと考えます。

○長谷川委員
 趣旨採択を求めたいと思います。
 教員定数の問題、あるいは講師不足の問題など、国に根本の施策のところから充実させてもらわなければならない課題が山積みをしております。そして、県も少人数学級だとか、あるいは多目的の教師の配置とか、国に先んじて努力を行っております。これはその裏づけたる国庫負担をかつての2分の1に戻してほしいという内容でありますから、一挙にはできないにしても要求し続けるということが大事でありますので、趣旨採択をお願いしたいと思います。

○坂野副委員長
 私も趣旨採択がよろしいかと思います。
 教職員定数改善は喫緊の課題で、早急に取り組む必要がありますし、義務教育費国庫負担制度2分の1復元についても、趣旨については理解できるため、趣旨採択がよろしいかと思います。

◎福田委員長
 ほかに意見はないですか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 意見が出尽くしたようですので、これより採決に入ります。
 趣旨採択と不採択が出ましたけれども、初めに趣旨採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成3人であります。
 次に、不採択とすることに賛成の方の挙手を求めます。(賛成者挙手)
 賛成多数であります。したがいまして、陳情30年教育第10号については、不採択と決定いたしました。
 次に、報告事項に移ります。
 執行部の皆様におかれましては、説明は要領よく簡潔に、マイクに向かってお願いします。
 なお、質疑につきましては、説明終了後に一括して行っていただきます。
 初めに、元気づくり総本部から行います。
 報告1、鳥取県元気づくり総合戦略の改訂(案)について、林とっとり元気戦略課長の説明を求めます。

●林とっとり元気戦略課長
 元気づくり総本部の報告資料をお願いします。別冊の1ページでございます。今回の元気づくり総合戦略の改訂につきましては、策定から3年の成果や新たな課題、また動き等を踏まえまして、残りの期間における方向性や指標の見直しを行おうということで改訂の案を策定させていただいているものです。
 方向や具体的な施策につきましては全体的に点検を行うとともに、KPIにつきましても平成29年度の達成状況等を踏まえまして、下記に上げております9項目の上方修正と2項目の新設を行っていきたいと考えているものです。
 KPIにつきましては、まず主なものとしまして、農業産出額について、現在700億円を目標としておりますが、800億円に上方修正をしたいと考えております。こちらにつきましては、農業生産額を1,000億円とする新たなプラン等が平成30年4月に策定されたこと等に伴い、上方修正を行いたいと思っているものでございます。
 また、真ん中あたりの障がい者雇用率につきましては、民間の法定雇用率が今年度から2%から2.2%に引き上げられておりますので、法定雇用率以上にするということで、こちらについても上方修正をしたいと考えております。
 また、新設につきましては、子育て等を進めていく上において、結婚を希望する方々を支援する取り組みをより充実していく必要があるという考えのもと、えんトリーにおけるお引き合わせ成立組数等を新たにKPIとして設定しているものでございます。
 2ページから5ページにつきましては、それぞれ取り組みなり方針の部分の概要について資料をつけさせていただいております。主なものとしまして、2ページの農林水産業の部分ですが、1,000億円達成プランを策定したことに伴う部分といたしまして、新たな取り組み等の施策を規定をしております。大規模牛舎等の整備なり、プリンセスかおり等の高付加価値米を有利販売なり品種転換していく部分等について記載を加えているものでございます。
 また、3ページですが、出会い、子育ての部分においても、合計特殊出生率は1.66まで回復しておりますが、やはり人口減少の部分において子育て支援、また結婚を希望する者を支援する取り組み等をさらに充実していく必要があるということで、具体的な施策なり指標等を加えているものでございます。
 また、4ページ、5ページですが、人財のとっとり、また移住定住等の部分におきまして、課題となっております若者の県内定着につながる施策なり、Uターン等につながる取り組みの推進に向けた考え方や施策ということで、長期有償型インターンシップ、普通科高校におけるインターンシッププログラムの実施等、新たな取り組みの部分を追記しております。
 その他の項目につきましても、今説明させていただいた項目等と同様に、全体的に見直しております。
 詳細につきましては、改訂案を添付させていただいておりますので、ごらんいただければと思います。
 なお、今後につきましては、鳥取創生チーム拡大会議のメンバーの皆さんにも意見照会等を行い、その御意見や議員の皆様の御意見も踏まえまして、7月下旬をめどに改訂を行いたいと考えているところでございます。

◎福田委員長
 続きまして、報告2、県政モニタリング事業の実施について及び報告3、とっとり創生若者円卓会議の実施について、中西県民課長の説明を求めます。

●中西県民課長
 資料の1ページをお願いします。特定の県政テーマ、取り組みについて県民の目線、感覚で評価し、意見、改善等を施策に反映させる県政モニタリング事業の最初の説明会、意見交換会を6月17日に行いましたので、その概要を報告します。
 今年度の対象テーマは、行政監査の結果を受けた県の広報についてと、子育て・結婚支援といった人口減少対策の2つを設定しております。モニターにつきましては、それぞれ5名と8名、計13名の応募がありました。そして、鳥取大学の細井先生、多田先生にコーディネーターをお願いしたところです。
 今回の説明会、意見交換会では、それぞれ担当課から施策説明を聞きながら、各モニターが何が課題かを探っていったところです。2の(3)に主な意見を書いておりますが、テーマ1の県の広報物については、県の広報物は情報がたくさんあり過ぎる、つかみが必要で、ぱっと見て瞬時に何を伝えたいのかがわかる工夫が必要ではないかという意見、それから最後のぽつに書いておりますが、大学生の意見でしたが、大学生は広報紙を見ないし、例えばスーパーのチラシとかと一緒に入っている折り込みチラシでは読まずに捨てられてしまうのではないかということで、配布方法や目的に沿った媒体戦略を検討してはどうかという意見がありました。また、テーマ2の少子化対策については、御自身が婚活をされていた方ですが、子育てや結婚支援策はとても充実しているが、その対象者に情報が届いているのかという意見がありました。これは御自身が、えんトリーのことを知らなかったということを踏まえての発言です。あと、ニーズや現状分析は十分できているのか、見直ししながら実施しているのかという課題が出されたところです。
 3番の今後の取り組みですが、これから9月までの4カ月にわたりまして、モニターに課題のレポートを提出していただいたり、あと2回あるモニター会議等での意見交換を通じて県施策の課題点、改善策等を取りまとめていただいて、その結果について平成31年度当初予算要求や事業実施への反映を目指すところです。
 2ページをお願いします。県内の若者の発想を提言等にまとめ、県施策へ反映させることを目的としたとっとり創生若者円卓会議の第1回目の会議を6月23日に行いましたので、その概要を報告いたします。
 1の(1)に書いておりますが、ことしのテーマは、地域を応援する仲間創出、山陰海岸ジオパークの魅力発信ということで、それぞれ8名と9名、計17名の応募があり、皆さんにメンバーになっていただきました。
 2の(3)のところですが、今回の会議では、それぞれのテーマごとに活動目標を定め、そのためにどう活動していくかを話し合っていただきました。テーマ1の地域を応援する仲間創出では、移住した定住人口でも観光に来た交流人口でもない、地域や地域の人々と多様にかかわる関係人口をふやす方法、受け入れる方法について検討するということを目標に、実際に関係人口になっている人、これは鳥取環境大学の学生がやっている、もちがせ週末住人というところがあるのですが、実際、週末に泊まりに来られる都市部の方々がおられるということですので、そこへ実際にヒアリングを行ったり、それから関係人口を案内する案内所や案内人がキーワードではないかということで、県内外の事例を調べるということを決めたところです。また、テーマ2の山陰海岸ジオパークの魅力発信については、3府県にまたがる広大なエリアの連携方法やガイドの質の確保について検討するということを目標に、ガイドによるジオパーク見学やヒアリング調査を行ったり、他地域のジオパークへ取材を行うということを決めたところです。
 3の今後の取り組みですが、円卓会議のメンバーには、9月にかけて現地の視察、調査、ヒアリング、グループでの意見交換等を通じて議論した内容を、提言書という形にまとめていただき、平成31年度当初予算等への反映を目指すことにしております。

◎福田委員長
 続きまして、総務部に移ります。
 報告4、県有施設の敷地内にあるブロック塀の点検結果について、宮脇総務部参事監兼営繕課長の説明を求めます。

●宮脇総務部参事監兼営繕課長
 総務部の資料1ページをお願いします。県有施設の敷地内にあるブロック塀の点検結果についてです。
 先月18日に発生いたしました大阪北部を震源とする地震によりまして既存のコンクリートブロック塀が倒壊しまして、登校中の女子児童など2名の方が亡くなるという痛ましい事故が発生しました。これを受けまして、同様の事故を未然に防止するため、県有施設の敷地内にありますブロック塀の緊急点検を実施しましたので、結果を報告します。
 最初に、1次調査の結果ですけれども、1次調査は県有施設全てを対象としまして、施設管理者等が主ですが、営繕課が技術的アドバイスを行いながら、劣化が進んでいたり設置基準を満たしていないなど安全性に問題があるブロック塀を把握するための点検を実施しました。対象施設は655施設で、調査基準としては亀裂や損傷、塀の高さが基準を超えていないか、控え壁があるかといった視点です。1次調査の結果は、表に書いておりますとおり、655施設中、ブロック塀がありましたのは93施設で、そのうち約半数の41についてはさらに詳細な調査が必要として、2次調査に取り組みました。
 2は、その2次調査の結果及び対応方針ですけれども、1次調査で一定の基準を満たしていない41カ所につきまして、いずれも建築士の資格を持つ職員による詳細調査を実施いたしました。その結果、2ページ目を見ていただきたいのですが、この図の右上の図で、不適切な事例と書いておりますが、新聞、テレビで報道されている内容からの推定ですが、高槻市の例が大体こういうイメージです。擁壁上にブロックを継ぎ足して増築していたということで、高槻市の場合はこれが3.5メーター、プールの高さが1.9メーターでブロックの高さが1.6メーター、8段積んでおりました。報道では控え壁もないのではないか、鉄筋も入っていなかったのではないかということで、市も法令違反を認めている状況ですが、1ページへ戻っていただきまして、こういう危険な事例はございませんでした。ただし、劣化等により補強等の対策が必要な箇所が確認されました。
 対象施設は41施設ですけれども、箇所数としますと56カ所、延長は約2.3キロです。このうち、新聞、テレビ等でも話題になっておりますけれども、定期点検の対象となっていた特殊建築物に該当するものが12施設ございました。その他の29施設は対象外です。
 調査方法としましては、設置基準の適合性であるとか劣化診断。適合性調査におきましては、基準法の規定に基づく各部寸法の計測とか、鉄筋探査機等を用いた鉄筋の有無の確認、劣化診断等を行いました。
 裏面を見ていただきたいのですけれども、中ほどに2次調査の概要といいますか、どういったことを見たかということを書いております。塀の高さが2.2メートルを超えているか、控え壁の間隔が3.4メーター以内にあるか、2ミリ以上のひび割れが生じていないか、傾きが20分の1以上になっていないか、こういったものを点検しております。4枚写真をつけていますが、今回の調査時の写真でして、いずれもよくない例です。
 1ページに戻っていただきまして、こういった調査を行った結果、41施設56カ所中、現行の設置基準を満たしていることが確認されて、健全または劣化が認められないものが3施設3カ所、150メーターございました。問題は2の現行の建築基準法の設置基準を満たしていないもの、これが35施設50カ所、2.1キロございました。3、4の、よく見たらコンクリートブロックではなかったとか県のものではなかったものを除外しますと、53カ所中50カ所、94%が設置基準を満たしていないという結果となりました。
 中身について御説明しますと、設置基準を満たしていないもののうち、控え壁の間隔が不適合のものがございまして、そのうち、上段のほうですけれども、不適合ですが既存不適格、法改正前にできたものであって、適合はしていないけれども劣化がほぼ認められずに安全性に問題がないものが11施設20カ所、730メーターございました。その次の段ですけれども、控え壁不適合のうち、ひび割れや傾き、劣化が認められて安全性に問題があるものが16施設21カ所、約1キロございました。次に、高槻等で問題になった高さが不適合で、2.2メーターを超えるものが8施設9カ所、310メーターございました。
 これらについての対応方針ですけれども、一番下に書いておりますが、撤去または補強等の改修が必要と判定した施設のうち、特に通学路ですとか道路に面する位置にあるブロック塀、これが16施設で19カ所、約450メーターございます。これにつきましては、速やかに補強、撤去等の措置を講じたいと考えております。報道等もされておりますが、一部の施設については既に撤去を開始しております。
 続けて、この改修が必要なブロック塀のうち、隣地境界線上にあるブロック塀、これが11施設11カ所、950メーターですけれども、これらにつきましては隣地の土どめの役割を果たしている部分もございまして、隣地所有者とか関係部局等と協議しながら順次補強・撤去等を講じたいと思っております。
 その他、経過観察要としておりますのが、先ほど申しました既存不適格のものが主ですけれども、劣化程度に応じて、1年から3年以内に1度、定期的に技術職員が劣化度、安全性を確認したいと考えております。
 いずれにしましても、基本的に安全性に疑問のあるものは速やかに撤去または補強し、その他の既存不適格等のものにつきましても定期的に調査することで、安全・安心のための自助保全に取り組みたいと考えております。

◎福田委員長
 続きまして、報告5、平成30年度鳥取県部落解放月間について、谷口人権・同和対策課長の説明を求めます。

●谷口人権・同和対策課長
 資料の3ページをお願いします。本県では、昭和45年度から部落解放月間を設けておりまして、この期間中に部落差別問題への県民の理解と認識を深めるため、県、市町村、関係団体が連携いたしまして啓発活動を集中的に実施しております。平成28年12月に施行されました部落差別の解消の推進に関する法律の趣旨につきまして、県民に広く周知してまいりたいと思います。
 解放月間の期間は、7月10日から8月9日までで、テーマとしては「みんなの願い 差別のない社会 人権尊重の社会」ということで、県と市町村、関係団体がそれぞれ主体となって取り組みます。
 月間中の啓発活動ですけれども、広報につきましては、ポスターやリーフレット、それから街頭啓発活動、広報紙などで普及啓発事業を周知してまいりたいと思います。県の実施事業につきましては、部落解放月間のポスターとリーフレットを作成しておりまして、皆様のお手元にリーフレットをお配りしておりますけれども、この表紙と同じ図柄のポスターを1,200枚つくりまして、県や市町村から高校等に配布して掲示をお願いします。それから、リーフレットにつきましては、1万3,000部つくりまして、関係団体や事業所を中心に配布いたします。それから、街頭啓発活動ですが、期間初日の7月10日火曜日、午前7時10分から8時25分の間に、JR鳥取駅、倉吉駅、米子駅の3カ所で実施いたします。のぼりを掲げまして、部落解放月間のテーマ等を記載した啓発グッズを配布することとしております。鳥取駅ではガイナーレ鳥取の関係者の参加をお願いしております。
 次に、講演会等の開催ですけれども、この月間を中心に、県や市町村等が県民を対象にした講演会や各種セミナーを開催します。こちらは今のリーフレットの中に掲載しておりますので、ごらんいただければと思います。それから、県の事業では、人権・同和問題講演会を7月26日に開催することとしております。「『とっとりから始める人権と福祉のまちづくり』~地域共生社会をめざして~」を講演会のテーマとして、身近にある差別事例の紹介ですとか人権と福祉が一体となった地域共生社会づくりといった講演を行い、地域の中で起きているさまざまな差別をなくして、お互いが認め合うことの重要性について考えていただく機会としております。

◎福田委員長
 続きまして、教育委員会に移ります。
 報告6、公立学校におけるブロック塀等の安全点検の状況について、安養寺教育環境課長の説明を求めます。

●安養寺教育環境課長
 教育委員会の資料1ページをお願いします。公立学校におけるブロック塀等の安全点検の状況ですが、県立学校につきましては、先ほど総務部から報告がありました県立施設の緊急点検の中で実施しました。市町村につきましては、6月19日付で文部科学省より安全点検についての通知が参りまして、それを踏まえて市町村に点検実施を依頼したところです。
 1の(1)に点検の結果を書いておりますが、真ん中の3列目をごらんください。該当する学校数ですが、市町村教育委員会所管の幼稚園から義務教育学校につきましては、39校が該当しました。それから、県立学校については、高等学校の10校が該当しました。計49校で、問題があるという回答がございました。
 今後の対応のところですが、県立学校については、先ほど総務部が説明されましたように、緊急的に撤去等の対応が必要なものがございまして、そちらにつきましては現在見積もり等をとって対応の準備をしているところです。また、市町村教育委員会の学校については、先週の金曜日の夜に文部科学省から市町村の点検状況の進捗を確認する調査が参りまして、改めて市町村のほうに安全点検の実施状況を報告していただくよう依頼したところです。
 今回の文部科学省の調査は2段階に分けて報告をすることになっておりまして、最初に1ページの真ん中、2つ目の表のところに国土交通省の告示第282号を書いていますが、この項目について、外観目視による点検結果、それからその結果を受けての今年度中の応急対策予定、さらには平成31年度以降の整備予定について7月13日金曜日までに中間報告をすること、続いて、建築技術者等によるブロック内部の点検結果、その結果を受けての今年度中の応急対策予定、それから平成31年度以降の整備予定について7月27日金曜日までに最終報告することが求められています。
 なお、文部科学省においては、全国の調査結果を取りまとめた後に公表する予定になっております。
 続いて、2番の通学路の安全点検ですが、こちらについても、6月19日付の文部科学省通知で通学路の危険箇所と思われる場所を確認すること、それから各学校で児童生徒にそういった危険な箇所を通らないように指導することについて依頼がありました。
 まず、ブロック塀の点検ですが、2の(2)に書いている手順に従って点検することとしています。最初に各市町村で1次点検をしていただいて、危険なブロック塀の洗い出しを行っていただき、市町村が洗い出した危険なブロック塀のところを鳥取県建築士会の御協力をいただいて、2次点検していただくこととしております。そして、建築士会による点検結果は、県教委を経由して各市町村教育委員会へ送付することとしております。各学校においては、建築士会による点検で危険という結果になったところについては、特に登下校中の安全確保の指導を徹底していただくとともに、適法な維持管理、あるいは応急対策等を所有者等に要請することとしております。
 (3)の各学校での児童生徒への指導状況ですが、地震発生後、県内各学校において、朝の会であるとか全校集会を開いて、児童生徒に指導を行っていただいているところです。

◎福田委員長
 次に、報告7、企画展「とっとりの化石EXPO!2018」及び美術部門テーマ展示「動/静(内田あぐり+鳥取県立博物館コレクション)」の開催について、田中理事監兼博物館長の説明を求めます。

●田中理事監兼博物館長
 資料の4ページ、5ページ、そしてチラシをそれぞれお付けしておりますので、それもご覧いただきたいと思います。
 7月から夏休みということで、自然関係の企画展を1本と、そして美術部門の常設展にプラスアルファといったような形での美術部門テーマ展示を開催します。
 化石展につきましては、鳥取で発掘された化石を中心に、新たな化石への知見の蓄積といったものを紹介する形でして、関連事業でもさまざまな体験型の、子どもたちが楽しめる企画を準備しているところです。詳細につきましては、チラシをお付けしておりますので、それぞれご覧いただけたらと思います。

◎福田委員長
 ただいままでの説明について、質疑等はありませんでしょうか。

○野坂委員
 ブロック塀の点検についてですけれども、これは以前から犠牲者も出ていますし、危険性というのを指摘されていましたよね。残念ながら今回は本来安全であるべき学校施設で犠牲者が出たという痛ましい事故につながったわけですけれども、ある意味人災と言える側面もあると思いますね。全く予想外に出たわけではないわけですから、ブロック塀の倒壊というのはそういう意味でいけば痛ましい結果になったなと感じるのですね。
 そういうことで鳥取県も調べたらこれだけあったということで、これは深刻に受けとめる事項だと思うのですね。対応はもちろんなのですけれども、これに関連して、危険な箇所というのはブロックに限らずさまざまあるだろうと思うのですね。以前から指摘させていただいている非構造部材ですよね。例えば窓ガラスもそうでしょうし、その危険性というのはこれも指摘されているわけなのですけれども、これらのいわゆる重大な事故につながるようなものですね、この現状、実態というのは把握されているのでしょうか。

●宮脇総務部参事監兼営繕課長
 主に非構造部材の現状についてのお話かと思うのですけれども、県有施設ですとか学校施設について申し上げますと、典型的な例が特定天井、大規模な天井であるとか、つり物の落下がこういった建物の中では地震のときに最も危険な部材ではあるのですが、そのうち建築基準法に基づく特定天井に該当するもの、非常に高くて落下すれば命に危険を及ぼすような大規模な天井については、予算を認めていただきまして、現在主な施設の設計に取り組んでおります。大規模な施設が主になりますが、今年度から順次改修に入る予定です。
 このほか、学校施設についても主に体育館等ですが、ガラスの飛散防止ですとか強化ガラスに交換するとか、体育館はなるべく天井をなくす形に持っていくとか、多方面に取り組んでいると考えております。

○野坂委員
 問題の認識は当然されているのだろうと思うのですが、私は、県内のそういった学校施設、小中も含めてですね、実態が把握されているのかどうなのか、それに対して取り組みが進んでいるのかどうなのかというのが心配になったわけですね。
 つり天井云々というのは承知していますよ、国の支援もあってやっておられて、これはどさんと落ちるわけですから、非常に重大なことになるということですが、こういうブロックもそうですけれども、1人の命も失ってはいけないわけですよね。そうなってくると、今一例挙げますと、ガラスなどでもわからないわけですよね。要するに危険なものになってしまうということで、これらのことに対して県内が今どういう状況で、どういう認識がされていて、取り組みが進んでいるかというのは、やはり県でもぜひ把握して、取り組みが進むようにやるべきだと思うのですが、どうですか。

●宮脇総務部参事監兼営繕課長
 今日資料を持ち合わせておりませんが、文科省の指導等によって、そういう落下のおそれのあるガラスやつり物については点検を終えていて、教育環境課で把握しているはずです。

●安養寺教育環境課長
 県立学校につきましては、今年度の予算をお認めいただいておりましてガラス等の危険箇所の点検を行うことにしていますが、市町村の学校につきましては調査をしておりません。委員がおっしゃるような把握は十分できておりませんので、今後検討したいと思います。

○野坂委員
 聞いたことがないのですよ。今、日本にいれば震度6弱などというのはどこでいつ発生するかわからないですよね。となってくると、命を落としてしまうような事故が発生する要因が鳥取県でも存在しているということなのですよね。ですから、今回ブロックの倒壊ということでこれは悲しい結末になりましたけれども、危険性が指摘されているわけですから、危機感を持って対応されないと、また大切な命を落とすことにつながりかねないと思うのですけれども、どうですか。

●安養寺教育環境課長
 先ほども申し上げましたとおり、委員から御指摘をいただきましたので、市町村などの実態も把握できるように研究してまいりたいと思います。

○坂野副委員長
 私もブロック塀のことを伺いたいのですけれども、ここでお伺いするのがどうなのか、ちょっとよくわからないところもあるのですけれども、素朴な疑問で、ひび割れ、傾き等の劣化が認められ、安全性に問題があると書いてあるのですけれども、こういう定義でいくと県有施設に限らず、民間でも結構危なげな家がちらほら思い浮かぶのですけれども、そういった民間住宅等へのアプローチというのは何かあるのでしょうか。

●宮脇総務部参事監兼営繕課長
 民間の建物につきましては、建築基準法を所管する生活環境部の住まいまちづくり課の所管となりますけれども、各市町村ですとか特定行政庁を通じて国からもいろいろ指導が入っていますので、先ほど教育委員会からも説明がありましたが、建築士会等の協力も得ながら窓口を設けたり、調査等をするというような体制は整えております。

○安田委員
 元気づくり総本部の鳥取県元気づくり総合戦略の改訂案についてですが、改訂どうこうというのではないのですけれども、農業については1,000億円の目標プランを立てられて、産出額で700億円という目標値を出しておられますが、何で漁業は水揚げ量ではなくて所得が目標値となっているのですか。

●林とっとり元気戦略課長
 KPIにつきましては、それぞれの所管の部局から、状況として把握しやすい統計等があるものを活用してということで提出された区分でありまして、担当課に、少し確認をさせていただきたいと思います。

○安田委員
 少なくとも県がこうしようという目標、意気込みを示すわけですよ。農業生産額1,000億円といったら、そういうものが見えてくるのですね。それに対して漁業所得となると、何か全然基準も違うし、何か見えにくいものがある。おたくがなさっているのではないということでいたし方ないのかもしれませんが、ちょっと考えていただきたい。

●林とっとり元気戦略課長
 数値の出し方については担当課とも相談したいと思いますし、漁業につきましては、今年度新たな目標について検討されていて、来年度からの新たな目標値を立てようとされておりますので、その際にも少し数値の取り上げ方について統一を図っていただくようにお願いをしていこうと思っております。

◎福田委員長
 意見も尽きたようでありますので、次に、閉会中の調査事項についてお諮りいたします。本委員会所管に係る本県の行財政運営、学校教育の諸問題、その他の主要事業については、閉会中もこれを継続調査することとし、その旨議長に申し出ることに御異議はございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、その旨議長に申し出ておきます。
 なお、委員長報告の作成、内容につきましては、委員長に一任いただけますでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
 次に、その他ですが、執行部、委員の方で何かありませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 意見がないようですので、委員の皆様に御連絡いたします。
 次回の常任委員会は8月21日火曜日、午前10時から開催の予定でありますので、よろしくお願いします。
 以上をもちまして総務教育常任委員会を閉会します。

                                午前11時38分 閉会


 

Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000