令和5年度人口減少社会問題調査特別委員会議事録

令和5年10月12日会議録(確定版)

開催概要、資料はこちらです
出席者
(12名)
委員長
副委員長
委員
福田 俊史
川部  洋
西村 弥子
前住 孝行
福浜 隆宏
東田 義博
入江  誠
坂野 経三郎
伊藤  保
広谷 直樹
内田 博長
鹿島  功
 
欠席者
(1名)
委員 前田 伸一

説明のため出席した者
  矢吹中山間・地域振興局長、米山人口減少社会対策課長、
  森田人口減少社会対策課移住定住・関係人口室長、
  古曵買物環境確保推進課長、野坂交通政策課長

職務のため出席した事務局職員
  澤田課長補佐、前田係長、吉村主事ほか

1 開会  午後 0時59分

2 休憩  午後 1時46分

3 再開  午後 1時50分

4 閉会  午後 2時07分

5 司会  福田委員長

6 会議録署名委員  東田委員 西村委員

7 付議案件及びその結果
    別紙日程及び下記会議概要のとおり

 

会議の概要

午後0時59分 開会

◎福田委員長
 ただいまから、人口減少社会問題調査特別委員会を開会いたします。本日の日程は、お手元に配布しております日程表のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めてまいりたいと思います。
 初めに、会議録署名委員を指名いたします。
 会議録署名委員は、東田委員と西村委員にお願いいたします。
 それでは、議題に入ります。
 最初に、委員会の運営についてです。前回の委員会におきまして、本委員会が取り組む重点調査事項についてお諮りした上で、今後の議題、協議事項の調整は委員長に御一任いただいておりました。つきましては、まず、今年度については執行部から現状や県の取組などについて説明を受けつつ、閉会中には県内外調査を行いたいと思います。2年目となる来年度におきましては、改めて皆様にお諮りしたいと思いますが、最終的に例えば提言をまとめるなり何らかの成果物を仕上げていくように委員間討議を中心に進めてまいりたいと思います。
 以上のような委員会運営について、御意見はありませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、今後そのように進めさせていただきたいと思います。
 それでは、本日の委員会におきましては、まず、本県の将来人口推計と付託された調査事件のうち、最初の買物環境、生活交通など定住環境の確保に関する件について、執行部から現状などについて説明していただくことにしたいと思います。
 最初に、執行部からの説明を求めます。執行部の説明は要領よく簡潔にマイクを使ってお願いいたします。マイクのスイッチの操作は必要ありません。質疑等につきましては、説明終了後に一括して行います。
 人口推計関係は森田移住定住・関係人口室長、買物環境関係につきましては古曵買物環境確保推進課長、そして生活交通関係につきましては野坂交通政策課長にお願いしたいと思います。
 
●森田人口減少社会対策課移住定住・関係人口室長
 本県の将来人口推計等について御説明させていただきます。
 お手元の、鳥取県の人口関係統計についてという資料の2ページをお願いいたします。平成30年に国立社会保障・人口問題研究所が発表しました本県の将来推計人口に基づくグラフとなっております。内容といたしましては、2015年、平成27年の国勢調査に基づきまして、同研究所により推計された本県の将来人口予測で、当時の合計特殊出生率ですとか人口動態、特に社会減の改善状況を反映しまして、2045年、令和27年までの30年間の人口推計となっております。グラフには2015年から5年ごとの推計人口を記載しておりまして、2025年には53.7万人、2035年は49.5万人、そして30年後の2045年は44.9万人となり、10年ごとにおおむね4万人ほど減少する推計となっております。ちなみに2020年の実人口につきましては、55万3,000人ということで、この推計の55万6,000人を若干下回る結果となっております。
 続いて、3ページをお願いいたします。こちらは先ほどの県人口の推計に係ります県内市町村別の内訳となっております。こちらも平成27年から5年ごとに推計されておりまして、30年後の2045年には市部で1割強から3割弱の減、町村部では日吉津村のみ人口が2%増となっておりますけれども、それ以外はかなり幅がありまして、2割強から5割以上の減少、特に山間部で5割以上の減少と推計されているところが多い状況でございます。
 続きまして、4ページをお願いいたします。こちらは本県の総人口のこれまでの推移となっております。1988年の61万6,000人余りをピークに2000年頃から減少を始めまして、2008年に60万人を割り込んで以降、急激な減少となり、2022年には54万3,000人余りとなっております。
 次に、5ページをお願いいたします。年齢区分別で3区分ごとのこれまでの人口構成の推移となっております。本県の年少人口、14歳以下の人口は、資料のとおり1955年には20万人余りで、当時の県人口の33%ほどを占めておりましたけれども、昨年は6.6万人で12.3%と、65年余りで3分の1以下に減少している状況があります。また、65歳以上の人口につきましては、1990年以降10%を超えまして現在では33.3%と、総人口の3人に1人が高齢者となるなど、少子高齢化が鮮明となっている状況でございます。
 続いて、6ページをお願いいたします。こちらは本県の人口動態の増減グラフとなっております。1970年代後半の高度経済成長期直後には、出生や死亡による自然増減、転出入による社会増減ともに増となりまして人口は増加しておりましたけれども、1980年代頃からは社会減が拡大し始めるとともに、自然増も縮小傾向となりました。バブル期の後ぐらいから人口は若干増加に転じたものの、2000年頃までは人口はほぼ横ばいとなっておりましたが、その後、自然減、社会減が年々拡大いたしまして、2010年頃からは社会減に比べまして自然減が大きくなっており、2022年は4,100人余りの自然減、800人弱の社会減で合計5,000人減となっている状況でございます。自然増減につきましては24年連続、社会増減につきましては21年連続の減となっているところでございます。
 続きまして、7ページをお願いいたします。こちらのグラフは2022年の社会増減の年代別のグラフとなっておりまして、55歳以上の転入増はあるものの、進学、就職時期に当たります15歳から29歳の若年層の転出がかなり多くなっておりまして、全体として800人弱の減となっております。
 続いて、8ページをお願いいたします。こちらは本県の出生数及び合計特殊出生率のグラフとなっておりまして、グラフの一番下、オレンジの帯の部分の出生者数は減少傾向が続いているものの、合計特殊出生率につきましては、2008年に1.43まで低下したところでございますが、2010年の子育て王国とっとりの建国などもあり、増加に転じておりまして、2022年は1.6で全国3位と、全国トップクラスとなっております。
 次に、9ページをお願いいたします。こちらは本県の未婚率及び平均初婚年齢についてのグラフとなっております。生涯未婚率とは、50歳時点での未婚率で、男女とも上昇傾向にあります。2020年は男性が全国平均並み、女性については全国平均を下回っております。また、平均初婚年齢につきましては、男性、女性のいずれも全国平均より低い数値となっておりますけれども、男性、女性ともに晩婚化の状況にあるところでございます。
 続きまして、10ページをお願いいたします。こちらは本県への移住者数についての資料となっております。本県では社会減の進行を食い止めるべく、これまで幅広い移住促進策に取り組んできた結果、令和3年度には過去最高の移住者数となりました。昨年度、令和4年度はこれを若干下回る結果となりましたが、コロナ禍前とほぼ同水準ということで、コロナ禍に対応したオンライン相談体制ですとか、きめ細やかな相談対応の成果が表れた形と認識しております。移住世帯の年代別では、78.3%、8割弱が20代から40代の現役世代となっておりまして、若者の移住への関心が高い傾向となっております。

◎福田委員長
 ありがとうございました。

●古曵買物環境確保推進課長
 買物環境確保に向けた取組について説明させていただきます。
 スライドの1ページをお願いいたします。人口減少の状況につきましては、先ほど人口関係統計の説明がありましたとおり、1988年をピークに2022年には54.3万人まで人口が減っていく推計となっております。
 2ページをお願いいたします。買物環境の状況についてでございます。今、人口減少が続きまして、スーパーの閉店というのは中山間地域だけではなくて町なかを含めた全国的な課題になっております。スーパー等を取り巻く状況で、スーパーの閉店の理由が施設の老朽化で修繕費が大きくかかる、大規模な店舗が近くに出てきた、あとは人口減少で売上げが伸びていない、それから経営者の高齢化などで後継ぎがいない、というような理由になっております。これは右の円グラフにもありますが、過疎地域に限らず、人口の集中地域でも見られる状況になってきております。
 鳥取県の状況でございます。県の中山間の集落実態調査によりますと、集落に住み続けるために必要なものは何かという質問に対して、買物支援というのが今一番多い回答になっているということで、買物環境確保というのは今、非常に求められていることになっております。
 次の3ページ、全国的に買物難民が増加しているという記事が出ておりました。買物難民の状況ということで、3大都市圏にも発生しておりますし、鳥取県は4万3,000人いると言われております。都市部の買物難民の例としまして、大阪府の茨木のサニータウンで突然スーパーが閉店したというようなことも起こっております。
 続きまして、4ページをお願いいたします。ここからが本県のJA関係の状況になります。本県のJAは3つに分かれておりまして、東部がいなば、中部が中央、西部と、いずれの店舗も今年度で全部閉店が決まっております。東部と中部におきましては、中部の真ん中の辺に琴浦町のトピア店というのが3月26日、そこ以外は今全て閉店となっております。JA鳥取西部管内につきましては、その4店舗が令和6年1月末までに閉店が決定しております。
 続きまして、5ページをお願いいたします。今、東中部の各店舗がどういう状況にあるかというのをまとめたものでございます。先日、報道にもなっておりましたが、トスクのAコープ赤碕店が東宝企業に承継されまして、東宝ストア赤碕店として10月6日にオープンいたしました。これが承継の第1号となります。
 続きまして、承継交渉中でございますが、若桜とちづの2店舗につきましては、エスマートと協議を進められておられます。今、本店とか吉成店の備品や設備を選別してどういう設備を生かしていくのかとか、従業員の確保をどうするのかというような詰めをされておりまして、もう少し時間がかかるようです。用瀬と丹比につきましては、今県内外の複数の企業とJAが交渉されていると聞いておりますが、まだ表立って出せるような状況にはなっていないと聞いております。中部のトピア店につきましては、赤碕店と同じで東宝企業と承継に向けて協議されております。それから先日、報道にもありましたが、生活センター竹田という三朝にある個人商店のような規模の店舗は、三朝町議の藤井克孝さんという方が個人で承継すると名のり出られました。今、11月ぐらいのオープンに向けて準備されていると聞いております。
 続きまして、現時点で承継予定なしという、河原、ふなおか、いわみ、せきがね、下北条、あとポプラ2店につきましては、承継されないということで、各市町が今いろんな代替策に取り組んでいるところでございます。
 その他、本店が令和6年6月解体予定となっておりまして、吉成店の場合はエスマートに売却すると。近くにエスマートの別の店舗がありますので、店舗としては今のところ使う予定はないと聞いております。西部のみぞくち、大高、よどえ、名和につきましては、1月末までに承継先がないか今JAが承継先を探しておられます。
 続きまして、6ページをお願いいたします。それに伴います県の対応、今、我々、輝く鳥取創造本部に買物環境確保推進課ということで対応しております。うちの課が全てやっているわけではございません。対市町村はうちの課が、対JAは農林水産部、対企業や雇用の関係は商工労働部、各総合事務所は対現場ということで、みんなで連携してやっています。
 7ページ、今後の進め方でございます。5月1日に対策協議会ということで、県と市町村とJAが集まってどういう方向で進めていこうか決定したものになります。まず、市町村が地域の事業者、実情をしっかりと把握し、買物環境確保計画ということで、地元のニーズとかを踏まえた買物計画をつくることになっております。この買物計画に基づいて行う事業に対しまして、県は財政的な支援を行っていくという流れで決定いたしました。
 続きまして、8ページをお願いいたします。議会でお認めいただいた6月補正予算の鳥取県買物環境確保推進交付金で予算が1億円、市町村の負担額の2分の1となっております。特にこれは細かいメニューは設けておりません。店舗の整備であったり移動販売の支援であったり、あと担い手の確保であったり、店舗を存続する、店舗ではなくて買物環境を確保する、いろいろなメニューを総合的に包括的に支援していこうというものであります。
 右に上限額とありますが、1市町村について2,000万円です。それに、土地、建物取得がある場合はプラス1,000万円、店舗の整備、改修、設備の整備につきましては1,500万円を加算しますので、マックスで補助金4,500万円、事業費でいくと9,000万円となります。
 続きまして、9ページをお願いいたします。雇用・事業者支援は県の商工労働部とか県立ハローワーク、国のハローワーク、またはJAとエスマートが今対応されているところでございます。実際は相談窓口、雇用の対策、転職、再就職のこと、それから事業者支援として地域経済変動対策資金ということで低利の融資制度、それから配送共同化の支援、そのようないろいろなものを準備しております。若桜店とちづ店がエスマートに承継される予定となっておりますが、基本はエスマートが雇用を全て引き継ぐということで準備を進めておられまして、JAと交渉中となっております。JAに転籍される方、エスマートに就職される方、もしくは離職してほかの仕事を探される方、そのようなパターンに分かれております。
 続きまして、10ページをお願いいたします。各市町・地域の主な買物環境確保対策ということで、店舗にこだわらず、地域の実情に合わせまして、いろんな市町がいろんな対策をしておられます。例えば鳥取市につきましては、共助交通の運行エリアを河原町のスーパーまで延伸して用瀬店の閉店に対応していこうとか、岩美町も買物便を増やす。それから、今朝の新聞に出ておりましたが、創美という地元の企業が今月下旬をめどに移動販売をJAから引き継いでやっていくというような動きもあります。それから若桜店は今、エスマートとJAで承継の協議中ですが、店舗が開設するまでは町としてバスを出して町外の店舗で買物をしていただくというようなことを考えておられます。あと、智頭町は現在あるAIのデマンドタクシーの買物での利用、八頭町は最寄りの町内の店舗へのバス、あるいは役場の八東支所の駐車場にとくし丸の移動販売車に来ていただくというようなことをやっておられます。
 倉吉の関金につきましては、地区の振興協議会が買物バスツアーへ買物代行ということで近くの店舗にツアーを行ったり、コンビニに買物代行したりというようなことをされています。北栄町につきましては、町内一律300円で乗車できるタクシーチケットがありまして、それを増刷して対応すると。三朝町につきましては、先ほど申しました個人の藤井さんという方が店舗の承継準備をされております。大山町につきましては、買物利用でデマンドバスを利用した場合に料金を安くするようなことを今検討されております。
 続きまして、11ページをお願いいたします。様々な形の買物環境確保に向けた取組例ということで、過去にも本県で店舗の閉店というのはありました。それを受けまして、様々な地域が自分の実情に合った取組をされております。湯梨浜町はゆるりん館という三セクの企業がスーパーを運営しているという例があります。それから倉吉の灘手、米子市の永江地区につきましては、財政支援を受けずに実際住民の方たちだけで住民のスーパーをされているという例です。
 続きまして、12ページをお願いいたします。県外の代表的な例として、秋田県と滋賀県を出しております。秋田県はお互いさまスーパーといいまして、最初に800万円という初期投資をして店舗をつくって、後の運営を地域のほうでやっていただくというものです。秋田県庁の本庁が、地域スーパーの立ち上げの意思決定から行政が入り込んでいくというような取組で、しっかりと意思決定をして住民でつくれる体制をつくってから手を放していくというような流れでつくられたものです。甲賀市につきましては、市が直営で移動販売をやるということで、民間事業者に委託して車を出したりしているのですけれども、例えばどういうルートですれば一番困っている人に手が届くのかとか、福祉の施設と共同すれば買い支えできるのではないかとか、移動販売のルート、販売のやり方、その辺りを市が直接関わって行っているというものです。 
このような、県内外を問わずいろんな地域で実情は異なりまして、いろいろな取組が出てきております。引き続き我々も市町と連携して買物環境確保に取り組んでいきたいと思います。

●野坂交通政策課長
 資料に基づいて説明させていただきます。2ページ、県内の交通の現状ということで、バスとタクシーとJRの輸送人員の状況でございます。青い色が輸送人員で、それぞれバスとタクシーは平成元年から令和3年で大体8割ぐらい乗車人員が減っています。JRにつきましては、平成2年から令和3年で47%ぐらい利用者が減っています。これは、右下に自動車の保有台数とありますけれども、昭和62年の26万台ぐらいから41万台と増えておりますので、人口減少に加えて自家用車の普及といったものが原因になっているかと思います。あと、路線バスとタクシーのオレンジ色のグラフが乗務員の状況でございます。バスにつきましては、平成2年に805人のドライバーがいらっしゃったのが令和3年には492人と大体4割の減少になっております。タクシーにつきましては、数値が平成22年ということで期間は短いですけれども、1,000人弱いたドライバーが623人と37%ぐらい減っているという状況でございます。
 3ページ、県内の交通の現状ということで、直近の新聞記事を例として挙げさせております。青谷町で民間の路線バスが撤退されるとか、コロナの影響を受けて、つばめタクシー、西部のタクシー事業者が廃業されたというような記事でございます。これは最近のことだけではなくて、本県ではコロナ以前から特に中山間地域では路線の縮小、タクシーの事業所が撤退というようなことが起こっておりました。
 4ページ、こうした課題に対応するために、県では、令和2年に新たな交通体系鳥取モデル構築の支援事業ということで、補助制度を設けております。それまではバス中心の交通体系だったものを、令和2年から市町村が地域のニーズに応じて共助交通、タクシー、バスを自由に組み合わせるような支援制度を創設しております。実はこの制度は全国知事会の優秀政策ということで認めていただいて表彰を受けております。この支援制度によりまして、令和4年度までに県内の21件の再編事例を支援している状況でございます。具体的な支援事例を次のページからまとめております。
 5ページを御覧ください。まずは中山間地域における再構築の事例ということで、大山町におきましては、路線バスの撤退によりまして平成24年から町営デマンドバスを導入しておりますが、人口減少で利用者が減少している中で、多角化して持続可能性を高めるということで、町営デマンドバスによる宅配貨物の貨客混載を開始しております。こちらにつきましては、行政が運行する交通空白地有償運送で個人宅まで貨物を配送する取組が全国初で、昨年、貨物の収入が450万円で実際に人を運ぶ旅客収入の2.6倍ということで、行政負担を軽減して持続可能性を高めることに一役買っている取組かと思っております。
 下のほう、智頭町ではモニター付端末で高齢者が使いやすいAIオンデマンドタクシーということで今年度から導入しておりますが、こちらも町営タクシーの営業所の撤退に伴いまして、町営バスから住民ドライバーの自家用車による共助交通に見直しされております。既に従来から防災情報の告知端末用の電話機にモニターがついたものが各戸に設置されておりまして、AIオンデマンドの予約もできるような仕組みを導入されたというものでございます。実際は端末で予約できるのですけれども、高齢者の方は電話での予約をされる方も多いと聞いております。19名の住民ドライバーが協力して、利用者の方は1日100名以上ということでございます。
 続いて事例の3つ目、鳥取市の佐治、NPO法人さじ未来では、交通サービス以外にも地域の助け合いですとか施設管理、介護などの事業を複合的に行っておられまして、交通サービスの経営安定化や地域の活性化を図っておられるケースでございます。左下に書いておりますが、さじ未来は台風7号で路線バスの日ノ丸バスが運休していた間もデマンド便を拡充して運行していただいて、地元の学生の通学を支えたり、買物環境の確保ということでトスクの用瀬店の閉店などに伴いまして、臨時的な措置ではありますが、当面の間、河原のエスマートまで延伸するという取組もなさっている状況でございます。
 続いて7ページでございます。ここから先ほどとは変わりまして、コロナ禍を経て鉄道ネットワークの維持確保の課題がクローズアップされるような状況になったものですから、本県では沿線市町村や交通事業者が連携して、持続可能な交通体系の実現を目指すということで、会議を設けたり連携協定を結んだりということをしております。
7月に交通事業者トップと東部圏域の自治体の首長で東部圏域全体のまちづくりと連動した公共交通の在り方を協議するような会議を設置しております。これは国のほうでも交通事業者と自治体が話合いの場を持つべきというような議論を先取りする形で、鳥取県では取り組んでいるところです。令和5年1月23日に会議を開きまして、合意事項を5つ書き上げておりますが、実行可能なものから速やかに実践を開始することとして合意しております。また、鉄道ネットワークを活用したまちづくりに取り組むということで、JR西日本と全県19市町村、県の連携協定を結んでおります。連携事項は、先ほどの合意事項と似通ったものもありますが、こうしたものを進めていこうとしております。
 具体的な取組を次ページ以降に上げておりますので、8ページを御覧ください。駅を核としたまちづくり・交通と他分野の共創ということで、つい先日、10月から鳥取駅周辺で鳥取駅南エリアのAIオンデマンドタクシー、とりモビというものを開始したところで、駅周辺の交通を便利にしながら駅周辺の活性化につなげていこうとするものでございます。また、米子駅南北自由通路の供用開始に合わせまして、駅周辺のにぎわい形成ということで、米子市では歩いて楽しいまちづくりを進めるということで公共交通と歩行者中心のまちづくりを進めておられます。あと、米子市では、鉄道の利用にもつながるということで、境線の河崎口駅の周辺で、従来宅地開発とかができない都市計画だったものを、住宅分譲地ですとか商業施設の出店ができるような規制緩和が行われております。続いて、MaaSの取組ということで、米子市で共通バスをやりますとか、若桜谷のほうでは因美線、若桜鉄道とバスの共通パスの実証実験を行っております。
 続いて10ページ、観光列車を通じた交流人口の拡大ということで、一つは関西万博を見据えて山陰本線の鳥取から東側ですとか、因美線で観光列車のあめつちの特別運行を運行したり、JRが自らやくものリバイバル運行をやっておられます。県も沿線自治体と連携して、おもてなしですとか記念セレモニー、ノベルティーの贈呈など連携して取り組んでいるところでございます。
 11ページ、第三セクターの利用促進ということで、スーパーはくとにコナンのラッピングをして12月から運行する予定でございます。
 あと、若桜鉄道につきましては、平成21年に全国初の公有民営化の上下分離方式を導入して経営の改善を図っておりますし、観光列車の導入ですとか行き違い施設の整備、レトロ化などで観光振興などにつなげているところでございます。
 12ページ、ドライバー不足への対応ということで、まずは生産性向上による経営力強化の支援ということで、特にタクシーで令和3年から若手経営塾というものを開いて取り組んでいます。今年度は求人の強化ということで、ドライバー確保に資するようなテーマを中心に行っております。
 あと、ドライバー確保の二種免許取得費の支援ということで、これは昨年補正予算で認めていただいて、繰り越して今年度もやっているのですけれども、現時点でバスとタクシーで大体31名の採用につながっているところでございます。あと、県内だけではなくて、県外からもドライバーを呼び込む取組といたしまして、どらなびというバス専門の求職サイトと連携して鳥取県の特集ページですとか、9月に県外からバス営業所の見学会を開催しまして8名の方に来ていただいたり、どらなびEXPOという東京と関西で行われるドライバーになりたい方の就職セミナーのようなものに、移住の担当と一緒になってバス事業者と出まして、県外からのドライバー確保に努めようとしているところです。こちらも20名ぐらいの方が鳥取県のバス会社のブースに来て話し、相談されるというようなところでございます。
 引き続きこういった取組をさせていただきまして、持続可能な公共交通の確保を進めてまいりたいと考えております。

◎福田委員長
 ありがとうございました。
 それぞれ説明いただいたわけですが、ただいままでの説明につきまして質疑を受けたいと思います。いかがでしょうか。河原とか若桜が今買物などで大変な問題になっておりますけれども、東田委員とか前住委員。

○福浜委員
 交通体系の5ページの、大山町が行っていらっしゃる佐川急便と連携した貨客混載ですが、これは大山町以外に、佐川急便との提携はほかの町村には広がりとかはないのでしょうか。

●野坂交通政策課長
 現時点では大山町以外には広がっておりません。
 大山町も長くデマンドバスを導入されて、ある程度定着してきた中で、お客さんが減ってきて、行政の負担が増えているという課題を抱えていたところに、ちょうど佐川急便も最近ドライバー不足が顕在化してなかなか再配達もできないということで、うまくマッチングできたという状況です。その他の地域も将来構想として関心があるところはあるのですけれども、まずは人を運ぶことを定着させるというのが最優先にあって、その次のステップなのかなと感じております。

◎福田委員長
 いいですか。
 ほかありますか。

○東田委員
 福田委員長から指名がありましたので、まず、この委員会の狙いというか、そこをしっかりと押さえたいのですけれども、人口減少によりまして買物の環境とか公共交通の問題が出ていますよね。そういう問題を一つ一つ解決するということと併せて、そもそもなぜ鳥取県の人口が減っているのか。例えば人口動態の中で10代とか20代、特に高校を卒業して県外に就職する。あるいは県外の大学に行ってから地元に帰ってこないというような問題もあったり。なぜかといった場合に、鳥取県の中で、若い方々、学生が帰ってきて就職する魅力的な企業が少ないのではないかとか、そのような長期的な問題もあって、どの辺りまでこの委員会はやるのか、そこをちょっと確認したいのですが。

◎福田委員長
 それは私が答えないといけないと思います。おっしゃるとおり、まずどういう背景でこういうことになったのかという根幹を押さえる必要があると思っています。これは2年間の委員会で、できれば1年に1回ぐらいの調査結果をまとめていって、もちろん執行部の皆さんと県内の関係機関にも提言できるようなものをつくっていきたいと思いますので、当然バックグラウンドもしっかり調査をかけていって、現状をしっかり見て、今後、10年後、20年後、どうやって持続可能な地域をつくっていくかということを具体的にできるところまではやっていきたいと思っています。つくることが目的ではなくて、やはり解決に向けて提言をまとめていくようなことにしていきたいと思っています。

○東田委員
 ありがとうございます。

○前住委員
 買物支援の10ページ、若桜や智頭は大体事業継承できそうということで、その期間までに送迎バスとかも出されていて本当に助かっているなと思ったりもするのですけれども、まだ決まっていないところもあったりして、どこまで支援できるのかなと思うのです。なるべくずっと続けてほしい県民感情はあるのですけれども。

●古曵買物環境確保推進課長
 今取りあえず各市町は空白対策をやっておられます。住民の方から承継なり新しい店舗開設の要望は多いですので、当然それを目がけて交渉を続けて、例えば関金店などはまだ店舗についても頑張れないかというのを市も考えておられます。なかなか店舗は難しいなという場合は移動の手段をもうちょっと拡充していこうとか、北栄町などは店舗より移動の手段を、300円タクシーのほうで頑張っていこうかとか、地域の実情によって変わってくるのですが、市町として空白期間をもっと長く取らないといけないということですと、当然店舗が決まるまでずっと予算を組んでされることになりますので、そうすれば我々も一緒になってやっていきたいと思っています。
 店舗が必要だと要望があったり、地域の実情で必要なところは、当然、なるべく店舗承継まで空白対策がなされるように、市町も一緒になって頑張っています。なので、店舗がなくても別の手段を取っていこうというところと、閉店になっていますけれども店舗はやはり引き続き市町としても頑張っていこうという2つあると思います。店舗のほうにつきましては、当然空白対策もできるだけ予算を確保してやっていくつもりでおられるというところです。

○前住委員
 今、買物支援で送迎バスを出している、その便を上手にまた交通のほうと連携させて、日交バスと何か上手な時間帯で便を出してもらうようなことにもつなげていけばいいのかなと思いながら聞かせていただきました。

○西村委員
 先ほどの東田委員の御発言に関連しまして、人口関係統計についての7ページと9ページ、私は2月議会の一般質問で鳥取県の人口減少について、若者世代の特に女性の県外流出、社会減について質問させていただきました。執行部の方ともいろいろ意見交換させていただいたのですけれども、当然高齢者の方が多いですから亡くなればどんどん自然減少していくという数と、社会減の、特に若年の妊産期、はっきり言うと女性が多く県外に流出しているというこの事実はなぜなのかとか、逆にUターンなりIターンなりで入ってきていただく対策。ここには女性が私と米山課長の2人しかいませんので、その視点抜きにこの問題を解決しようとしても全く解決にならないということを常々考えております。私はそのためにこの特別委員会に手を挙げて入った次第なのです。なので、最初に申し上げておきたいのは、まずその視点を持ち続けていかないと、なかなか前に進まないということがあります。この資料ですとそこら辺がまだ読み取りにくいですし、実際にはもちろん男性もたくさん流出していてという問題もありますから、やはりそこは押さえておく必要があるのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。

●矢吹中山間・地域振興局長
 実は今日、ちょうど子ども家庭部の中西部長とも話をしてまいりました。先ほど東田委員も委員長もおっしゃったように、平成20年に中山間条例をつくって、それに基づく行動指針を今年度これから見直そうという動きを、議場で知事もお話しさせていただいたとおりなのですが、そういった意味で今、西村委員がおっしゃったように、女性の活躍の場面だとか婚活といったところも含めて、しっかり新しい行動指針に盛り込んでいこうというところでございます。

○西村委員
 買物に行くのも女性の方がとても多いと思いますし、常にその視点を入れていただきたいと思いますし、また私もちょっとうるさいかもしれませんけれども、そこについては発言させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

◎福田委員長
 ありがとうございました。
 執行部については以上で終わりたいと思います。執行部の皆様は御退席ください。ありがとうございました。
 暫時休憩いたします。5分後に再開したいと思います。

午後1時46分 休憩
午後1時50分 再開

◎福田委員長
再開します。
まず、協議事項ですが、最初に本日の将来人口推計、買物環境、生活交通について委員間で意見交換をしていきたいと思います。
 なお、今日、何らかの決を採ったり、意見をまとめたりといったことは考えておりません。現状、実態、県の取組状況を踏まえて、ざっくばらんに意見交換させていただくのが趣旨でございます。今後、県政に対する提言や国、政府に対する働きかけ、要望活動など、委員会としてどういった取組につなげていくのか、忌憚のない御意見を賜りたいと思います。執行部説明を踏まえた所感でも構いませんので、お願いします。

○広谷委員
買物環境の関係で、このたびJAの店舗が閉鎖するということで大きな問題になったのだけれども、地域によっては事業承継で新たな企業なりエスマートが入って事業承継するということで、基本的にはやはりJAも採算が取れなかったから撤退したということは大きなことだと思う。それを、新たな企業が入ってきて事業承継して、果たして本当に収益が上がって事業運営ができるのかなという心配、また何年か後には撤退するという可能性が出てくるのではないかなという感じがしている。効率を高めて収益が上がるような運営形態にできるのか、新たに事業承継したところも含めて難しいのではないかなという感じがしています。

◎福田委員長
 実際、そういう事業者の意見もあります。

○内田(博)委員
 うまくいっているのは丸合と、それから地元の店舗が5つ入ってきて同じスペースの中でやっている、そういう形にすると何とか保てると思うのですよ。それから朝昼晩動く通学用の大きなバスとデマンドでぐるぐる回っているハイエース。もう一つは一旦出てきたら役場とスーパーと病院と駅を30分置きに回っているバス。そういう交通システムをつくれば何とかいけるだろうと、それこそJAがスーパー撤退したときにそういう形をつくったわけだ。

◎福田委員長
 今、広谷委員がおっしゃったことで、僕の地元で調べましたけれども、サンマートなどは今サンカードというカードでどこの人がいつ何を買ったか全てデータを調べておられる。若桜の方の若い方々はほとんどサンマートの郡家店とか桜谷で買物されているという実態があるのですよね。なので、おっしゃるように、同じものをつくって構えてみても、多分5年後、10年後に同じことが起こるだろうということはやはり事業者も言っています。

○川部委員
 そもそものところでちょっと整理しておく必要があるかなと思って聞いていました。これはかなり大きな課題で、そう言いながら目先というか、今困っている細かいことを語っていかないといけないとなると、ありとあらゆることをテーマにしないといけなくなる。この特別委員会は県議会の特別委員会で、鳥取県が今後どうしていくのかという、まずその視点が要ると思うのですよ。市町村がどうするではなくて県がどう関わっていくのか。この買物にしても公共交通にしても、先ほど言われたように、人口がいれば民間でできたことができなくなっているときに公共がどこまで入っていくのか、県がどこまでやるのか。限界もありながら、どこまで我々がこの俎上で議論するのか、ある程度たがをかけておかないと話がどんどん広がってしまって、何が話し合われたのかよく分からないということになりがちなので、ちょっと一回そこは整理したほうがいいと思います。
 人口推計を見ると、1,000人台の町が出てくる中で、自治体としてもつのか、役場がもてるのか、そうなってきたときに県はそこに対してサポート、支援をしないといけないのか、補完しないといけないのかという話にもなってくるのですね。今、民間のやるところに公的に入ろうとしているのだけれども、どこまで県がすべきなのか。もしかしたら鳥取県はどこかと合併しないと行政体としてもたないのではないかというテーマだってあるのかなと思いながら、ちょっとあまり個別の話に入らないほうがいいのではないかという気はしました。

○内田(博)委員
 今、川部委員の話の中で、要するに県ができる裁量の部分と、あとは国にやらせる裁量の部分とがあるのだと思うのですよ。国の事業を使ってということをしないと、県が全部もってやるのは無理だと思うので、国の事業の中にどういうものを組み込んでいくかということをいろいろと検討する必要があるのではないかなと私は思うのだけれども。

○東田委員
 私もさっきお話ししたように、人口の問題ですね。私なりにちょっと頭の中を整理しますと、4つに分かれると思うのですよ。1つはさっき買物とか交通の生活基盤、不便だとどうしても市街地に出たり市街地から県外、便利な都会に出たりというようなことがあるし、子育てとか婚活、そういう部門もあるでしょう。あと、やはり若者が地元でしっかりと働ける産業振興の部門、それと外から人を呼び込む移住定住、こういう大きな4つの柱でこの人口問題は捉えていかないといけないと思うのですよ。だからその中で長期的な課題と、あるいは短期的に取り組むこと、その辺を整理しながらまとめていかないといけないかなと私は思っています。

○伊藤委員
 中山間地対策というのはアフターケアサービスだから、県の行政を見ていても片や指定管理などは民間の活力をと言いながら、片やこちらのほうはもう民間は撤退するから行政がやらなければならない。まさに相反する政策が今県の行政の中で動いている。でも、アフターケアもこれはどこかで限界が来ると思うのです。この前も代表質問で言ったのだけれども、結果的にはそこに住んでもらえない環境、そこが一番大きな課題だと思うのだな。本当にこれからその地域に住んでもらわないと地域の維持ができない。それこそ過疎法などで道路、山河だけはよくなったけれども、もう住む人はいないと。そこのところ、やはり原点をどうするかということを考えないと、住んでいる人がいるからアフターケアをやらなくてはいけないよ、けれども限界だよねというのがあると思うのだ。

◎福田委員長
 今、伊藤委員とか内田博長委員は経験されていますけれども、片山知事のときの県政というのはどっちかというと地域自立というか、やる気があって主体的に考えるところは応援しましょう。今はパートナー県政になってやる気があってもなくても弱いところは応援しましょうみたいなことになっているのですけれども、今の話はその辺にまで返ってきますよね。

○川部委員
 共存といったときに、それが維持できない集落の状況があるというところで、ますます個と公共みたいな感じになってきてしまう。

○伊藤委員
 アフターケアにお金をつぎ込んだら、本当にそこに住んでもらう人にそれこそ生活費として中山間地手当を払ったほうが……。だってスイスなどは何で山の中で牛を飼っているのか。それは国策で、要するにそこに住んでくれと、きちんと国が支援策を出すということでやっているわけだからね。それをやらないともう住む人はいないよ。

◎福田委員長
 実際、智頭などはそうです。何十人という単位で移住してくるのだけれども、昨日、おとつい来た人間にリフォームだとかで何百万円も補助金が出て、額に汗かいて百姓をしている人にも何もいいものがないでしょう。だからそういう意味では本当に変なことになっていて、そういうことも実際あるのですよ。(伊藤委員「がちゃがちゃだと思う、そこはね」と呼ぶ)だけれども、そこで額に汗をかいて頑張る人に応援してくれるようなこともしっかりやらないといけないです。

○伊藤委員
 だから本当に、農業などにしても、やはりそういう中山間地で本当にやっていける農業をもっともっと真剣に取組を考えていくとか、面積は少なくても収益の上がる農業を、生活できる農業を考えていくとか、経営支援するとか。今大規模農業とか、みんなそればっかりだよね。だからみんな田んぼを貸してあげるといっても見向きすらしないですよ、中山間地の田んぼなどは。

◎福田委員長
 いや、だけれども、前に石破代議士が農林水産大臣のときに若桜の人から言われたことがある。石破さん、集落営農と言ったって集落に人がいないのだから私たちはどうしようもないのだ、みたいな。
 意見されていない坂野委員とか鹿島委員、いかがでしょうか。

○鹿島委員
 今日はこういう買物ということですけれども、中山間の問題、今言われた伊藤委員の問題そのものを解決しない限りこれは前に進まない。人口が1万かもうちょっと減るにしてもやっていける方法、あるいは地元できちんと産業が成り立って住んでもらえるかということになると、来る人ばっかりに補助金を出していたってその後どうするのだということになりますし、元気な村をつくるにはどうするかいうことを真剣に考えなければいけないですね。

○坂野委員
 私はぜひ、国に要望とかもしていけるような特別委員会になったらいいかなと思っておりまして、具体的に今考えられるのは2つあるかなと思っております。1つは移動手段について、もう一つは買物手段の確保だと思うのです。
1つ目の移動手段の確保という点からすれば、例えばイギリスでの経験を申し上げますと、タクシーに乗ろうと思って、町なかで立って待っていても全然走っていないのですけれども、ウーバーというアプリを使って呼べばタクシーはものの2分ぐらいでやってきて、しかも明確にコースなどもアプリ上で走りますからいいかげんなことはないですし、運転手の評価なども書いてありますから悪い評価の人を選ばなければいいだけの話です。当然ウーバーを入れるとタクシー業界に大きなダメージがあるでしょうから、それは当然慎重に、タクシー業界の意見なども聞きながら国に要望していく必要はあるのだろうと思うのですが、今日のお話を伺っても、例えばタクシーの許可台数は六百何十台。一方で、県内には車が40万台あるということは、40万台が移動手段になり得る可能性を秘めているわけですから、そこの議論が全くなかったことについてはちょっと違和感を持ったのが一つです。
 それについては、要望するかしないかは別にして、ウーバーのよさ悪さ、鳥取県に向いているのか向いていないのかという議論も、そういう細かい話になってくると思うのですけれどもその課題からは逃げてはいけないのではないかというのが一つ。
 買物手段についても、ドローンを使って宅配するというような技術も一方では進んでいると聞いていますが、航空法との兼ね合いによってそれもなかなか導入するのは難しいというような話がありますから、導入可能性があるのか、そういう業者が鳥取県内で手を挙げるところがあるのかとかも含めて、研究を進めていっていただきたいという気持ちを持っております。

◎福田委員長
 では、各論を詰めていく必要がある。

○坂野委員
 各論を詰める必要、各論を詰めることが総論にもつながると。

○入江委員
 地元のことから言うと、人口の部分では我が町湯梨浜は合併前の旧羽合町時代、天神川流域の下水の補償も含めて補償金をもってして子育て施策に特化していったわけです。県内で一番安い保育料を確保するということで、交通、それからいろいろな利便性、地域的な利はあると思いますけれども、やはりそういう魅力あるもので若者世代を引き込んできた。現在もやはりいろんな施策の中で、住宅を建てて若者世代に補助金を出していく。50万円とか100万円とか形態が違うのでいろいろありますけれども、1件当たりの若者の住宅補助についても年間60件ぐらいあるわけですよ。落ちてはきておりますけれども、何とか維持できているということはそこだと思うのです。だからそれぞれの市町でいろんな状況はあろうかと思いますけれども、やはり本当に何が強みなのか何が弱みなのか、その辺をもうちょっと検証するのも大事かなというふうに思っています。

◎福田委員長
 ありがとうございました。
 御意見も尽きませんが、時間になりましたので、議事を進めます。
 冒頭に申し上げましたが、今後、11月定例会と2月定例会におきましては、残る調査事件について執行部説明も含めて本日のように意見交換をしていきたいと考えています。つきましては、11月に集落機能の維持及び集落活動の担い手確保に関する件と産業振興及び雇用の創出に関する件を、2月に移住推進、子育て環境の整備など人口減少対策に関する件をそれぞれ議題としたいと思っておりますが、いかがでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 そういう流れでいきたいと思います。
 次に、閉会中の継続調査についてであります。本委員会は閉会中も引き続き付託された調査事件について継続調査することとしてはどうかと思いますが、これにも異議ありませんでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
 御異議がないようですので、さよう決定し、この旨、議長に申し出ておきたいと思います。
 最後にその他でございますが、委員の皆様からは何かありませんでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)
 御意見がないようですので、以上をもちまして人口減少社会問題調査特別委員会を閉会します。

午後2時07分 閉会

 

 

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