会議の概要
午前10時45分 開会
◎福田委員長
ただいまから、人口減少社会問題調査特別委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元に配付しております日程表のとおりでありますので、この順序に従って議事を進めさせていただきたいと思います。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。
会議録署名委員は、広谷委員と福浜委員にお願いいたします。
それでは、議題に入ります。
前回に続きまして、本委員会に付託されました調査事件に関する現状などについて執行部から説明を受けたいと思います。
本日の委員会では、移住促進や少子化対策、子育て環境整備の取組など、本県人口の社会減や自然減への対抗策について取り扱うこととし、部局入替え制で行いたいと思います。
それでは、最初に、輝く鳥取創造本部からの説明を求めます。
執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いいたします。
質疑等につきましては、説明終了後に一括して行っていただきます。
●森田人口減少社会対策課移住定住・関係人口室長
それでは、移住促進に係ります県の取組について御説明させていただきます。
お手元の、鳥取県の移住促進に係る取組についてという資料の2ページをお願いいたします。こちらのグラフは本県の総人口のこれまでの推移となっております。昭和63年の61万6,371人をピークに、平成19年に60万人を割り込んで以降、減少幅が大きくなって、昨年4月には推計人口が54万人を割り込む形となっております。昨年10月1日時点の推計人口は53万7,318人で、ピーク時に比べまして7万9,000人余り減となっており、65歳以上が人口の33.5%と3分の1を超えまして、15歳以下の年少人口は12%余りとなっております。令和5年は、年間で人口が6,293人減少し、うち自然減が8割弱の4,980人、社会減につきましては2割強で1,313人となっております。
続いて、3ページをお願いいたします。先ほど御説明しました人口減少の進行を受けまして、本県では社会減の進行を食い止めるべく、年間移住者数3,000人を目標に幅広い移住促進策を推進しております。こちらのグラフは本県の年間移住者数の推移を表したものとなっておりまして、令和3年度には2,368人と過去最高になりました。令和4年度はこれを若干下回る結果となりましたが、コロナ禍前と同水準ということで、コロナ禍に対応したオンライン相談体制の充実ですとか、きめ細かな相談体制の成果が現れた形と認識しているところです。
また、今年度の上半期の移住者は1,002人と上半期では過去最高となりました。これはコロナ禍を経て地方暮らしが見直され、その魅力が再認識されている傾向にあります。また、本県への移住者数の傾向としまして、20代から30代の子育て世代の移住が6割と多いことから、本県の暮らしやすさですとか子育て支援の充実といったものの効果ではないかと推測しているところです。
本県では、相談・情報発信体制の充実ということで、移住定住を推進していくために、平成19年度から移住定住サポートセンターをふるさと鳥取県定住機構への委託により開設しております。移住ですとかそれに伴う就職も含めてワンストップで支援しており、移住コーディネーターや就職コーディネーターのきめ細やかな相談対応やサポートを行っているところです。令和5年度には、定住機構本部の中四国担当と情報発信担当の移住コーディネーターを2名増員いたしまして、計6名の体制に拡充しました。また、東京のアンテナショップですとか関西本部にそれぞれファイナンシャルプランナーを含む計2名の移住コーディネーターを配置しまして、移住に伴う経済面での不安解消などを含めた様々なニーズへの相談対応などを行っているところです。
また、東京、大阪でそれぞれ年2回、県内企業も参加しての移住・就職相談会を開催しておりまして、移住潜在層などにアプローチしながら移住相談へとつなげる取組を行っているところです。このほか、県宅建協会に委託しまして県内3地域に移住相談員を各1名配置することで、移住に係る住居の相談ですとか物件紹介など住居面で手厚いサポートを実施しているところです。
続きましてその下、移住受入支援ということで、まず入り口として、移住希望者に対する移住体験ツアー参加ですとか移住に向けた就職面接の際の交通費支援などを行いまして、移住関心層などの取り込みを図っております。令和5年度の支援件数は131件と令和4年度から大きく増加しているところです。また、移住定住推進交付金によりまして、移住者への空き家改修ですとか家財道具処分支援、また、お試し住宅整備、移住者受入れへの支援など、市町村が行っております移住者受入れの取組を支援しますとともに、結婚、出産などを機に本県へ移住する場合に新しいライフステージ支援補助金によります奨励金を支給するなどしているところです。
また、先輩移住者をとっとり暮らしアドバイザーに任命しまして、移住希望者に対して移住に向けた準備ですとか心構え、支援策等について、東京、大阪での移住イベント開催の際などにアドバイスを行っていただくなど、きめ細かな相談体制を設けているところです。近年は県内自治体が移住先として非常に高い評価を受けておりまして、宝島社の「田舎暮らしの本」によりますと、2024年の「住みたい田舎ベストランキング」で、琴浦町が1~2万人のまちの部で全国総合1位になるなど、各規模別で全国ベスト10にランクインする自治体も出てきております。
続きまして、資料の4ページをお願いいたします。コロナ禍を受けたワーケーション等の新たな働き方の取組です。本県では、令和3年度からファミリーワーケーションの取組を推進しておりまして、これまで県内5地域で9プログラムを実施し延べ100人を超える方に御来県いただいたところです。家族でワーケーションを行うことで、県内受入先と拡大家族などの関係性を築きやすいことから、昨年度までの来県のリピート率も6割と高く、子育て世代の移住につながることも期待できるところです。
また、令和3年度から全日本空輸株式会社と連携した客室乗務員の方の県内への転職なき移住により兼業を行うANA地方創生プロジェクトを実施しておりまして、昨年度までに計10名の方が鳥取での移住・兼業を行い4名の方が今も継続しているところです。今年2月から新たに1名の方が移住・兼業を開始しておりまして、現在計5名が県内居住勤務を行いながら県内の魅力をSNS等で発信していただいております。そのほかにも、本県への移住・兼業に興味を持っている客室乗務員の方もいらっしゃるということですので、引き続き働きかけを行ってまいりたいと考えております。
続いて資料の5ページは、今年度から実施しておりますSNSを活用した若者目線での情報発信です。県外で活躍していらっしゃるフォロワー数2万人の本県出身のアイドルの方など本県にゆかりのある方や、移住者の方、とっとり若者活躍局の方など14名をとっとりdiaryインフルエンサーに任命するとともに、県内を中心とします大学生や高校生などにも関わっていただきながら、県内観光地ですとかお気に入りのスポット、グルメ情報など、若者の関心が高い若者に刺さる情報を若者目線や居住者目線でSNSを活用して県内外に発信、拡散いただくことで、鳥取暮らしの魅力を多くの方に知っていただき、移住潜在層の掘り起こしにつなげていきたいと考えております。
続いて、資料の6ページは、県外の就職支援協定大学等との連携強化によりますUターン就職促進の取組です。本県では、現在、合計41校の県外大学と包括連携協定や就職支援協定を締結しております。県内で働く若手社会人を就活サポーターに任命して、出身大学等で本県企業の魅力や働きがい、暮らしやすさなどを学生に伝えてもらう就活応援交流会や、東京、関西の就職コーディネーターによります就職セミナー等での学生、保護者に対する県内企業の情報提供、就活の際の履歴書ですとかエントリーシート、自己PRなどの作成アドバイスを行いまして、学生に寄り添ったきめ細やかな支援を行いながら学生の県内Uターン就職の促進を図っているところです。
最後に、資料の7ページは今年度の新規事業で、今月末に正式リリース予定のメタバース空間を活用しました交流アプリ「バーチャルとっとり」の取組です。今月3日に、正式リリース前のキックオフイベントとして30歳前後の若者を対象としたバーチャル同窓会を開催しました。40名と定員いっぱいのお申込みをいただき、県内をはじめ関東や中国地方など、日本全国の県内外の若者が距離を越えてアバターを通じたバーチャル空間でのチャットでありますとかジャンプなどのジェスチャーを交えた交流をしていただき、大変盛り上がったところです。
このようなメタバースの特性を生かしまして、県外に進学、就職した若者に、いつでも自由に入場可能な情報発信スペースでありますメインスペースなどで本県とのつながりを持っていただきながら、非常設のイベントスペースで開催します就職相談会ですとか移住相談会、県外在住の本県出身の若者団体などと連携しました交流イベントなどに参加いただくことで、大学卒業後や将来的なUターン、移住につなげていきたいと考えているところです。婚活イベントも、子ども家庭部のほうで昨日メタバース上で開催しておりまして、今週23日土曜日には鳥取駅周辺でリアルデートイベントを開催する予定となっております。来年度も開催予定で、結婚による転入数などの増加も期待するところです。
また、資料の右下にオレンジの枠で記載しておりますが、今議会で提案しております来年度事業としまして、若者の県内定着ですとかUターン就職を促進するため、若者をキーワードにUターンですとか定住につながる県庁全体の各種施策を取りまとめて一体的に実施していくための新たな産学官連携組織、とっとり若者Uターン・定住戦略本部を設置して、県内の若手経営者ですとか若手企業人、あと高等教育機関ですとか、とっとり若者活躍局等に参画いただきながら若者目線による効果的な施策を実施することで、若者の県外流出防止とIJUターンを促進したいと考えております。
来年度以降も引き続き年間移住者数3,000人を目標に、ただいま御説明したような移住への関心が高い若者や子育て世代の、若者目線での情報発信の強化などに取り組むとともに、移住希望者それぞれのニーズに応じたきめ細やかな相談対応や多様なニーズに対応した支援を行うことで、移住者増につなげてまいりたいと考えております。
◎福田委員長
ただいままでの説明について、質疑等はありませんでしょうか。なお、後ほど委員間討議の時間は設けますので、まずは質疑があればお願いいたしたいと思います。
○西村委員
2点お願いします。年間移住者数の推移のところで、平成26年度から平成27年度にかけて非常に上向きに移住者がぐんと増えていったこの要因で一番主なものは何だったのか。実は私は平成26年にUターンしてきたのですが、ここから1年間でこれだけ増えたのは一体何だったのだろうかというのが1つ。
もう1つ、20代、30代の若者等々の移住が増えてきているということで、非常にいいと思うのですが、一方、介護とか退職に伴って地元に戻ってくる50代、60代のUターンの方々というのも、結構私の周りには多いという印象がありまして、そこら辺の方々に対するサポートとか支援といったことが施策としてあれば教えていただきたいです。
●森田人口減少社会対策課移住定住・関係人口室長
1点目、平成26年から27年度にかけての移住者の増ですが、移住者の統計の取り方をここで切り替えて、それに伴う増ということになっているのか、ちょっとその要因は承知していないところです。統計の継続性といった意味で、ある程度現在の傾向と同じような27年度以降の数字を見ていただく形になろうかと思います。
続きまして、2点目の高齢者の方の介護とかでの移住ですが、もしかしたら定住機構で移住相談を受けた際にそういった御相談があるかもしれないのですけれども、施策として私どもの部局ではそれに特化したものは現在ない状況です。
○西村委員
そうしたら、その統計の取り方が変わったのかどうか、また後でいいので何か資料なりを頂きたいのと、近年20代、30代が多いということですが、50代、60代とか年代別にどのぐらいあるかというパーセンテージとか推移についても、後でいいので教えていただければと思います。
◎福田委員長
そのほか。
○東田委員
Iターン、Uターンとか移住者の数字は出ているのですけれども、Iターンの方の離県率というのを押さえていますか。(森田人口減少社会対策課移住定住・関係人口室長「Iターンされた後のということですね」と呼ぶ)そうそう。Iターンで一旦鳥取に来るのだけれども、また鳥取から出ていく場合もあるのですよ。要は、家などの改修資金とかそういう補助金をもらうと5年ぐらいの縛りがあると思うのですが、それを過ぎると鳥取から離れていくという数字もあると思うのです。ですから、この折れ線グラフから何人かは出ていっているということも考えられるので、もしそれが分かれば、また後日でいいですので教えていただきたいと思います。
それと2点目は、地方交付税で面積と人口というのが基本数字になると思うのですが、人口1人当たり交付税でどれぐらいのカウントになっているのか分かりますか。財政課でないと分からないか。
というのは、移住定住に結構予算をつけるのだけれども、何でそんなに予算をつけるのという話がよくある。移住して鳥取県に1人入ってくると交付税がこれぐらい増えるのですよ、だからしっかり予算をつけてやるのですよということが言えるのです。例えば1世帯4人入れば地方交付税もその分措置されるので、だからしっかり移住定住に金をかけるのですという主張ができるのです。だからその辺もちょっと教えてほしい。
●森田人口減少社会対策課移住定住・関係人口室長
交付税のことについては承知しておりませんので、後ほど資料等でとさせていただければと思います。
定着率についても、アンケートで任意で回答いただいているベースの資料があったかと思いますので、それを提出させていただきたいと思います。移住された方の全員が対象になっていない、アンケートを回収できた方の定着率という資料になります。
○東田委員
それで、Iターンの方が離県する大きな理由は、やはり地域になじめなかったり仲間がいなかったりというようなことで出ていかれる、元のところに帰られる人が多いのですね。ですから鳥取市などはふるさとUI会という移住した方々のグループがあって、お互いに情報交換しながら相談に乗ったりというのがあるのですが、そういう会への支援をしっかり取り組んでいただきたいなと思います。
●森田人口減少社会対策課移住定住・関係人口室長
移住された方の団体も県内に複数ありますが、移住定住交付金によりまして市町村と協調しながらそういった支援を行っているところです。
◎福田委員長
そのほかありませんか。
では、私から1つ。Uターン就職に向けた県外大学との連携強化という話があって、これは随分前から特に関西圏などの大学とは連携して努力していただいているのはよく分かっていますけれども、なかなか効果がもう一つだということも聞いています。これは県が一生懸命やっていますが、経済界、例えば商工会議所だとか商工会連合会だとか経済同友会だとか、この辺は県と同じぐらいの熱量で向かっていますか。
県ばかりが頑張っている感じがして、何か経済界が後追いというか、県のほうが先に出ていて、本当は経済界あたりが主体的に、足りないという高度人材を取りにもっともっと汗をかかないといけないし、他県では都道府県よりもむしろ経済界のほうが一生懸命やっているところもあると伺っています。森田室長、いかがですか。
●森田人口減少社会対策課移住定住・関係人口室長
現在も、商工労働部とも連携しながら経済界の方に入っていただくような若者の就職支援といいますか、促進の枠組みはありまして、連携しながら取り組んでいるところです。個別の企業との連携は、東京、大阪での移住・就職相談会に出ていただいて、あとは就活サポーターという若手職員の方に大学等で鳥取県での働きがいとかをPRしていただくということで連携しているところです。具体的な取組で経済界との連携が今のところ少ないかなというところですので、先ほど御説明しましたとっとり若者Uターン・定住戦略本部に若手経済界の方も入っていただきながら、いろいろ若者目線での定住とかUターン対策にも新たに御協力いただきながら進めていければと。
さらに教育委員会も、ふるさとキャリア教育の観点から高校生ですとか小・中を含めて、県内の企業のすばらしさとか鳥取の魅力といったところを知っていただきながら、具体的に実のある取組を進めていこうという枠組みがありますので、経済界の方等も御協力いただきながら、一歩踏み込んだ取組ができればと考えております。
◎福田委員長
そのほかありませんか。
○福浜委員
最後のバーチャルとっとりで、アバターをつくってというのは、これは誰でも入れるのですか。
●森田人口減少社会対策課移住定住・関係人口室長
資料にありますメインスペースとコミュニティルームは常設となっております。アプリをインストールして必要な情報を登録いただければ、24時間365日入っていただける形になっております。イベントスペースにつきましては、県内で主催するところが参加いただく方にアクセス権を付与して入っていただくことになっておりまして、メインスペースにつきましては通常いつでも入っていただける形になっております。
○福浜委員
これはこれからどんな形でここへの誘導を考えていかれるのでしょうか。
●森田人口減少社会対策課移住定住・関係人口室長
今、主に若者の就職で活用しています「とりふる」というアプリにこのバーチャルの入口を設けまして、インストールしていただく形です。アップルストアなりに誘導してインストールしていただいて、そこから進めていきたいと思っております。この辺は教育委員会とも連携しまして、高校生ですとか大学生になる前にこういったアプリを御紹介いただくというところで、進学、就職等で県外に出られた後も鳥取とつながっていただくといった形でPRしていければと考えております。
○福浜委員
これはリアルなイベントとバーチャルのイベント、どちらがメインになるか分かりませんが、例えばこの会を仮にリアルでやっていると、遠隔から参加する場合に使えなくはないかとイメージ的に思ったのです。リアルとバーチャルの融合みたいなところはどうなのでしょう、要するにマルチというか。
●森田人口減少社会対策課移住定住・関係人口室長
バーチャルへの入室自体は、どうしてもスマートフォン等で入っていただかなければいけないので、リアルで集まっていただきつつスマートフォンで入室いただいて、遠隔の方はバーチャルだけ、リアルの方は実際に顔を合わせる、ということも可能なのかなと思います。その辺も含めて今後イベントのやり方等を考えてまいりたいと思っております。やはりバーチャルだけではなく、リアルとの融合というところも進めてまいりたいと考えております。
○西村委員
年間移住者数の目標3,000人というのは、前は2,500人が目標だったように記憶しているのですけれども。あと、「とりふる」の加入率はどのぐらいなのか教えてください。
●森田人口減少社会対策課移住定住・関係人口室長
まず「とりふる」のほうは、加入率という形ではないのですが、今、高校生の方にはインストールしていただくよう教育委員会に御協力をお願いしておりまして、一応2万人を超えたところです。加入率となると統計的に取っていないというか、卒業された方が毎年いらっしゃって、そのうちの2万人となります。(西村委員「卒業生の数で加入した数を割れば出ますよね。後で教えてください」と呼ぶ)
年間移住者数の目標ですが、今の総合戦略では2,500人で、知事選挙の際の公約で今3,000人という目標となっております。
◎福田委員長
よろしいですか。
それでは、意見が尽きましたので、輝く鳥取創造本部につきましては以上で終わりたいと思います。
執行部の皆さん、御退席ください。ありがとうございました。
では、5分間休憩して20分から始めたいと思います。
午前11時15分 休憩
午前11時20分 再開
◎福田委員長
それでは、再開いたします。
続きまして、子ども家庭部からの説明を求めます。
執行部の説明は、要領よく簡潔に、マイクを使ってお願いいたします。
質疑等につきましては、説明終了後に一括して行っていただきます。
●遠藤子育て王国課長
少子化対策・子育て環境整備に係る取組状況について説明いたします。
資料の1枚目をお願いします。当県では、平成22年から子育て王国とっとりとして妊娠、出産、育児への支援に取り組んできました。国においては今年度、令和5年4月にこども基本法が施行され、12月にはこども大綱、こども未来戦略が示されるなど、今後、加速化プランとして取組を強化するとされておりまして、それに合わせて当課でも7月には子育て応援駐車場の取組や子育てプレミアムパートナーの取組を開始しました。また、さらに取組を進めるということで、今年度シン・子育て王国とっとり計画を策定して、来年度当初予算で取組をスタートすることとしております。計画は、大きな柱立てとして、ライフステージに応じた切れ目のない支援、子育て当事者への支援、特に支援が必要な子どもの健やかな生活の支援としております。
次のページをお願いします。出生数、合計特殊出生率の推移です。平成20年に1.43まで低下しました合計特殊出生率が、平成25年から令和元年まで7年連続で1.6台を維持し、令和2年、3年は1.5台となりましたが、令和4年は1.60に回復しました。一方、出生数は、令和4年、全国で唯一増加に転じたのですが、令和6年2月の人口動態速報値で令和5年はまた大幅な減少に転じる見込みで報道されているところです。なお、令和4年の出生数の増加要因は、25歳から29歳の区分が対前年54人の増、40歳以上の区分が対前年51人の増と、この伸びが顕著なことから、これまでの不妊治療費の助成や第2子、第3子以上、多子世帯への経済的負担軽減策の効果が見られると考えています。
次のページをお願いいたします。この出生数の増減は婚姻数と相関があると考えております。2月27日に公表されました人口動態統計速報値で、本県の出生数は3,493人と前年の増加から一転して大きな減少となっています。速報値では、年代別出生数や第2子、第3子以降の出生数のデータが公表されていませんので、詳細な分析は6月の概数公表以降になりますが、表で示しております出生数、婚姻件数のここ10年の推移で、婚姻数の増減がおおむね3年後の出生数に影響することが推察されます。
なお、令和元年度の厚生労働省のデータで第1子出生までの平均期間が2.45年と公表されております。これが最新のものになります。表を見ていただきますと、令和5年は大きく減になる見込みなのですが、これは令和2年に婚姻数が大きく減じております。また、過去10年で、昨年度出生数が増となったのはその3年前の令和元年の婚姻数が増となっていること、遡りまして、令和元年の出生数減は3年前の平成28年の婚姻数の減、平成27年の出生数増は平成24年の婚姻数の増が影響するのではないかと考えています。
次のページをお願いいたします。鳥取県の未婚化、晩婚化の状況です。30代後半の未婚率は男性で4割弱、女性で2割を超え、35年前の昭和60年と比べると男性3.6倍、女性で4.8倍となっています。また、平均初婚年齢は近年20年間で男女とも約2歳上昇しておりまして、未婚、晩婚化が進んでいる状況です。独身の方のうち約8割が結婚したい、いずれは結婚したいと結婚を希望されている一方で、結婚されていない理由としては、約6割の方が適当な相手に巡り会わないと上げていらっしゃいます。これは令和4年に当課で実施しました少子化対策アンケートによります。
また、出会いのきっかけとして、マッチングアプリが4人に1人、25%と、職場の出会いと並んでトップになったことが、令和5年の明治安田生命のアンケート調査で明らかになっています。特に若い世代でマッチングアプリが当たり前の出会いの手段と認識されるようになっています。
次のページをお願いします。県でも、出会い、結婚の取組に力を入れるところで、カップル倍増作戦、年500組達成へということを掲げて取り組んでいます。デジタルと人の手による支援のミックスということで、今年度えんトリーのマッチングシステムにAI性格診断機能を追加して、また、来年度はビッグデータとこれを連携して、レコメンド、お勧め機能を強化したいと考えています。また、昔ながらの仲人、縁ナビさんと呼んでおります縁結びナビゲーターの活動の強化を考えていまして、鹿島委員にも取り組んでいただいている大山えんトリーのボランティアスタッフの方にえんトリーにも参加していただいております。
今年度は、えんトリーと市町村や企業、団体との連携を強化するよう、結婚支援コンシェルジュを配置しています。また、メタバースを活用して、ちょうど昨日メタバースの出会い・婚活イベントを行ったところです。昨日は男性8名、女性6名に参加いただきまして、3組のカップルが誕生したと聞いております。
令和5年度は出会い創出イベントを実施する企業、団体への補助を拡充したり、民間マッチングアプリと連携した婚活セミナーを実施し、来年度はアプリ会社と連携した婚活イベントの開催、アプリ会員とえんトリー会員の相互のマッチングにも取り組んでみようと考えています。また、結婚や出会いに対するプラスの思考を増やしていきたいということで、今年度は機運醸成としてSNSでの発信や20代限定登録料半額キャンペーンなどを行いました。
次のページをお願いします。妊娠への支援というところで、不妊治療の支援を行っております。令和2年度は不妊検査、不妊治療費への独自の助成制度を拡充し、令和4年度には不妊治療が保険適用となりましたが、保険適用外の治療に対する助成の水準を維持しております。来年度は、さらに不妊治療の助成額や助成回数の拡充、保険適用外で実施されるPGT-A、着床前の受精卵の染色体検査の補助、また、自己負担上限額の定額補助などに取り組む予定です。
次のページをお願いいたします。産後ケアの無償化として、令和2年度、県が全市町村へ利用料相当額を助成しております。また、施設整備補助の拡充を行い、来年度においては自宅以外での産後ケアを希望する方に対応するために、助産師を公的施設、民間施設に派遣して実施することとしております。令和2年度の利用料無償化の効果として、かなり利用者が増加して、産後が大変な方の大きな支えとなっているところです。
次のページをお願いいたします。保育料につきましては、子育て支援ということで平成26年から中山間地域市町村保育料無償化等モデル事業として、全ての子どもの保育料を無償化する町もこれを使っているところです。また、平成27年9月からは第3子以降の保育料を無償化、平成28年4月からは、同時在園という条件がありますが、低所得世帯への第2子保育料の無償化に取り組んでいるところで、今後、保育料の一層の負担軽減に向けまして各市町村と継続して協議を行っているところです。
次のページをお願いいたします。働きながら育てる方がかなり多い鳥取県ですので、保育ニーズに対応するために、まず(1)番、配置基準を超える保育士の配置として、1歳児につきましては、国が6対1の基準のところを県では平成14年から4.5対1として配置を助成しているところです。また、(2)では、途中入所の方に対応するために、乳児担当の保育士を4月当初から置く保育所に対して6か月分の配置経費を助成していますし、その他、障がい児担当保育士の特別配置、産休等代替職員の配置に助成しております。また、病児・病後児保育の推進として、国補助の対象とならない職員配置や小規模な施設への運営費の助成などを行っています。令和6年度からは、ICT化導入補助金の補助年数を撤廃して継続して補助できるようにしようとしています。また、森のようちえん認証制度などに取り組んでいるところです。
保育人材が不足しているというのは現場からも市町村からも聞いているところで、令和6年度からは保育人材確保のために県社協に置いている保育士・保育所支援センターに潜在保育士を掘り起こす保育士キャリアアドバイザーを配置、また、エルダー・メンターといって、新人保育士が離職しないよう先輩保育士が相談に乗る対応をしている施設を認証する制度を開始、保育支援者、保育補助者の配置に支援していこうとしています。また、県内就職する県外学生について奨励金を支給したいと考えています。
次のページをお願いいたします。仕事の両立という面で、男性の育児参加が大事だと考えますので、男性育休取得をアップしたいという取組を行います。これも令和4年の少子化対策のアンケートで、理想の数の子どもが持てない要因として、経済的な負担が1位で、2番目に仕事と子育ての両立の難しさ、精神的、身体的負担ということが上げられています。また、3番目に職場の取組として育休等が気兼ねなく取得できる体制整備や雰囲気づくりも上げられているところです。
国においては、2030年に民間85%の育休取得率を目指しているところですが、当県では、雇用政策の課と女性応援課と協調して2025年に民間も85%を目指して高い目標に向かって取り組んでいこうとしています。取組としましては、令和5年9月補正で認めていただきました、中小企業への社会保険労務士などの専門家派遣、育休を取るために引継ぎなどを具体的にどうすればいいかという伴走支援を行ったり、男性育休取得を後押しする事業者に対して奨励金を支給する事業を開始しています。来年度については、意識改革、機運醸成を図るために、シン・育児の日県民キャンペーンなどを考えています。
次のページ、そのほか主な子育て支援の取組として各事業を上げております。
◎福田委員長
ただいままでの説明につきまして、質疑等はありませんでしょうか。なお、後ほど委員間討議の時間を設けますので、まずは質疑があればお願いします。
○前田委員
男性の育児参画の促進のページのところ、理想の数の子どもが持てない要因ということですが、理想の数、鳥取県の若い御家庭の方たちが大体どれぐらいの人数の子どもを持ちたいと思っていらっしゃるのか教えていただけますか。
●遠藤子育て王国課長
このときの調査では、3人欲しいという方が多かったと思います。
○前田委員
その3人というのは大体どれぐらいの割合でしょうか。
●遠藤子育て王国課長
割合まで詳細な数字は今ちょっとはっきり……。
○前田委員
分かりました。また後で教えてください。
◎福田委員長
そのほか。
○西村委員
2点です。婚姻数と出生数の相関で、令和2年の婚姻数の減少率が12.2%とか、出生数も非常に大きくなっているのですが、これはコロナの影響ということでいいのかどうか。その次のページの結婚事情で、鳥取県の未婚率と平均初婚年齢というのは、東京都や首都圏と比べたらどうなのかというのを教えてもらえたらと思います。
●遠藤子育て王国課長
令和2年の婚姻数の減は、やはりコロナの影響はあると思っています。ちょうど2年からでしたし、その反動で令和4年がちょっと上がったのは、そういうこともあるかなとえんトリースタッフたちからも聞いているところです。
未婚化、晩婚化の状況が東京と比べてというところは、後からでよろしいでしょうか。(西村委員「はい」と呼ぶ)
◎福田委員長
そのほかありませんか。
○福浜委員
結婚事情のところのグラフの下のほうに結婚していない理由で経済力がないと書いてあるのですが、これは男性のほうが多いのかなとは思います。実際、正規採用と非正規の方という割合における晩婚というデータはあるのでしょうか。
●遠藤子育て王国課長
そこまではこの調査では取っていなかったと思います。
○福浜委員
分かりました。経済力がないからなかなか恋愛にもいけないと考えている男性もいなくはないのかなと。積極的になれないという部分の対策というのは実際どういうことをされているのか、何かあるのでしょうか。
●遠藤子育て王国課長
やはりそういう御意見、非正規だからというようなことは全国的に見ます。内情としてそういう事情はあるかと思います。やはり今の状況では家族を養えないというようなこととか、結婚も難しいと考えている方は多いと思いますが、その対策として、やはり正規雇用にということになりますかね。国においても、やはり若い世代の所得を上げるということは大きな柱立てとして取り組もうとされているところですし、国の動きもあるというところで、当課としては特に取組は上げられませんけれども。
○福浜委員
よろしいです。
○川部委員
ちょっと今のところを見ていて気になったのが、適当な相手に巡り合わないが55.9%で、この中身の分析がかなり重要ではないかなと思うのですが、理想が高いだとか環境が悪くて巡り合えないとか、もうちょっと細かく分析する必要があるのかなと思うのです。今回のアンケートではしていないのですか。
●遠藤子育て王国課長
そこまで深掘りできていないです。(川部委員「分かりました」と呼ぶ)
○西村委員
今のに関連して、このアンケートでは、男女別、年代別とか属性というのは取っておられるのですか。後でいいので、このアンケート結果そのものが分かれば、また詳細を頂ければと思います。(遠藤子育て王国課長「分かりました」と呼ぶ)
◎福田委員長
では、後ほどまたお願いします。
よろしいですか。(「はい」と呼ぶ者あり)
御意見が尽きたようですので、子ども家庭部につきましては以上で終わりたいと思います。
執行部の皆さんは御退席ください。ありがとうございました。
(執行部退席)
それでは、続きまして、協議事項について意見交換させていただきたいと思っています。
6月に特別委員会を設置して以降、本会議から付託されました調査事件について3回にわたって本県の現状と取組について調査いたしました。
これまでの委員会でも皆さんから御意見をいただきましたが、来年度においては、具体的な課題の整理や政策提言などに向けた検討や意見交換に入っていきたいと考えております。その上で、ある程度テーマを仕分けしてはどうかと考えております。
大きく2つに分けまして、1つが人口減少をいかに緩やかにしていくのか。2つ目が人口減少を受け入れつついかに地域社会を持続可能にしていくかをテーマに、分科会を設けることを提案したいと思いますが、皆さんからの御意見を伺いたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)よろしいでしょうか。
では、おおむね皆さんから異議なしということでしたので、今後は分科会に分けて検討を進めつつ、この13人での全体会で融合させていくような委員会運営とする方向で、あとの詳細は委員長に御一任いただけますでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)
では、そのようにさせていただきたいと思います。
次に、明日の本会議において委員会の活動報告をすることになっておりますが、事前に委員の皆さんにお配りした文案についてはいかがでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
御異議がないようですので、これで進めさせていただきたいと思います。
趣旨を変えない範囲で言い回し等を変更させていただく場合には、委員長に御一任いただいてもよろしいでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)
次に、閉会中の継続調査についてですが、本委員会は、閉会中も引き続き付託された調査事件について継続調査することとしてはどうかと思います。これに異議はありませんでしょうか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
御異議がないようですので、さよう決定し、この旨を議長に申し出ておきます。
最後に、その他ですが、委員の皆さんから何かございませんでしょうか。
○福浜委員
分科会を設けて新年度から具体的にそれぞれメンバーが分かれて話し合っていくのですが、取りまとめというか、時期はどのぐらいのイメージで、目標というか、どんな感じで。
◎福田委員長
基本は全体的なものは全体で考えながら、細かいことを2つ、Aチーム、Bチームにみたいに分けるやり方もあると思っていまして、その辺りはもうちょっと検討させていただきながらやりたいと思います。
結論は……(「来年2月」と呼ぶ者あり)来年2月、あと1年ですね。ですから県内調査、県外調査も含めていろいろこれから活発に活動していきたいと思っています。(福浜委員「分かりました」と呼ぶ)よろしくお願いいたします。
よろしいでしょうか。(「はい」と呼ぶ者あり)
では、人口減少社会問題調査特別委員会を閉会します。
午前11時42分 閉会
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