会議の概要
午前11時48分 開会
◎福田委員長
ただいまから人口減少社会問題調査特別委員会を開会いたします。
本日の日程は、お手元に配付をしております日程表のとおりでありますので、この順序に従いまして議事を進めさせていただきたいと思います。
初めに、会議録署名委員を指名いたします。
会議録署名委員は、入江委員、そして、伊藤委員にお願いいたします。
続きまして、議題に入らせていただきたいと思います。
本日の議題は、各分科会における取組状況についてであります。
6月定例会で人口減少の進行を緩やかにし、最終的には安定させることを目指す人口減少定常化分科会と人口減少が進行する中で持続可能な社会の構築を目指す人口減少社会強靱化分科会を設置したところでありますが、それ以降の各分科会の取組状況について御報告いただき、情報共有させていただきたいと思います。
まず、私のほうから、人口減少定常化分科会について御報告させていただき、続いて、川部主査から、人口減少社会強靱化分科会について御報告いただこうと思います。それでは、人口減少定常化分科会の取組状況について、別添1を御覧ください。
まず、9月9日の月曜日に県内の小規模高校との意見交換会を我々定常化分科会でやらせていただきました。会場は、中部総合事務所の会議室を借りました。相手方の校長先生なのですけれども、青谷高校、岩美高校、智頭農林高校、倉吉農業高校、鳥取中央育英高校、日野高校と面談をさせていただき、地域と連携した学校の特色・魅力づくりをテーマにして、県内小規模高校における魅力化の取組を発表していただき、質疑応答、意見交換を行っております。
主な意見とか質疑応答につきましては、学校の魅力化の取組を県民に伝えることが必要だ、県内の中学生へどのように周知しているのかというような質問が出ましたけれども、魅力コーディネーターが広報冊子を作成して町内中学校に配っているというようなお答えでありました。また、コーディネーターの配置人数は各学校により差が大きいことが分かりました。また、鳥取県の産業を支えているのは専門高校であって、ここを守っていかないといけないというのが委員のほうから強い要望がありました。また、先ほど私が申し上げたように、寮の整備がされていることは親にとっても魅力の一つであるということを我々の委員会からも各校長先生にお伝えをさせていただきました。
続きまして、9月10日の火曜日なのですけれども、子育て環境の整備とか移住の推進について、先進地であります智頭町を訪問し、調査をしてまいりました。相手方は、智頭町が誇る森のようちえんを訪問しまして、県外から移住してきた子どもを入園させる保護者、そして、全国の一歩先を行く子育て支援の内容を現地もしっかり見ましたし、町の様子も聞いてまいりました。
調査の概要につきましては、調査日は東京藝術大学のプロジェクトで学生がヤギを活用したフィールドワークをやっておりまして、そういったものを現地で見学をさせていただきました。
子どもたちは遊具で遊んだり、本の読み聞かせを聞いたり自由にしながら緩やかに全体の活動に誘導できるように進行を進められておりました。また、今までの義務教育課程が向いている子もいれば、それを拒否する子どももいるということで、その拒否する子どもの気持ちを否定せずに、そのような子が楽しく過ごせる活動場所が必要だということがよく分かりました。
今度は役場のほうに移動をいたしまして、県外から智頭町へ来られた移住者の方2名と意見交換をさせていただきました。これは森のようちえんを目的に来られた親御さんだったのですけれども、2名の方と面談をさせていただきました。調査内容につきましては、智頭町におきましては、空き家とか土地情報バンク、空き家再生住宅、お試し住宅など、移住者向けに居住物件のサポートや空き家を利活用する場合の支援、新婚世代へのUIJターンの応援金の交付、進学した学生がUターンしてくれるよう、奨学金の元金相当額負担の優遇ローン等の実施をされています。また、平成22年から令和5年までの間に199世帯427人が移住してきておりまして、うち74世帯164人が転出していると。令和3年に智頭町複業協同組合が設立されておりまして、現在、飲食業であるとか、幼稚園とか、森林組合とか、観光協会など13社が参画をしておりまして、いろんな移住者の受入れ、そして、仕事のあっせんなどをここでやっておられました。
森のようちえんにつきましては、関わる人とタイミングがとてもよかった。寺谷元町長がとても精力的に動いており、行政の力も大変と大きかったということを移住された方々がおっしゃっておりました。それから、移住されてきた職業というのは、主にフリーランスの方、これが7割、デザイナーとかアーティストの方でありまして、そんな方が多いとお聞きしました。
また、智頭農林高校の寮を見に行かせていただきました。今3人県外から来られていますけれども、寮のオーナー兼カフェバーを経営される寮母さんにお目にかかって、その取組などもお話を伺った次第であります。最後に、智頭農林高校に移動しまして、校長先生の説明を聞いて、今どういったことが大事なのかということをしっかり伺ってきました。ただいまの説明につきまして、何か質疑があれば。
○広谷委員
移住定住の関係のことで、10数年間の間に199世帯が移住してきて、うち74世帯146人、ざっと3割以上の方が転出ということだけれども、何か主な転出の理由というのはあるのでしょうか。
◎福田委員長
やはり森のようちえんが終わって帰られる方があるのですね。
○広谷委員
ほぼ、森のようちえんの入園者ですか。
◎福田委員長
ほぼ、森のようちえんでございます。そういうことです。
ほぼほぼ、智頭町の移住者というのは、森のようちえん目的に来られています。
それでは、続きまして、人口減少社会強靱化分科会について、川部主査より説明をお願いいたします。
○川部委員
では、別添2を御覧ください。強靱化分科会の中間報告を行います。
県内調査を9月5日、10日、11日の3日間にかけて行いました。調査先としては、東・中・西各3か所、鳥取市が国府町、岩美町、若桜町、中部が倉吉市、三朝町、琴浦町、西部が日南町内の2か所の地域ということであります。
調査内容としては、自治会長、それから地域協議会の会長、住民、集落支援員、市町村の担当職員等から人口や世帯構成、生活環境、生活面での困り事、行政に対する要望などを本当に意見交換という形で話を聞きました。
聞き取り内容について、一応4つに分類しながらまとめております。
1つが、まず、直近の課題、要望として上がっているものです。鳥獣被害がかなり増加していて、本当に田畑や生活道周辺が荒れており、能登半島地震でもよく出ていたのですけれども、心が折れてしまうという表現を言われていました。
公共交通機関が不便で子どもの通学時間が長いということ、それがあって課外活動等に制約が生じたり、やはり送迎等で親がその時間を取られるという課題があります。それと、行き止まり集落であったりすると、そこの集落に行くまでの生活道路が市町村管理道であって、街灯がない、夜道が暗い。それから、倒木の不安、県のほうでも危ない木については、中電と協力しながら対応しているのですが、それだけではできないぐらい距離が長いので、いろいろと雪が降ったり大雨等があると通行止め、停電等の課題があるのではないかということ。それから、除雪がやはり十分行き届かないというところはあります。
高齢者であるのにもかかわらず、さらに年齢が上がって、外出や近所付き合いが減っているという状況も見られました。声かけしても、まあいいわみたいな感じがあるというふうな地域もありました。
これはどこもそうなのですけれども、共助活動、要は高齢化によって地域活動の担い手が減っていると、活動自体が縮小しているという課題があります。
携帯電話がまだつながらないところが見られました。
それと、ずっと来ているように農林業、やはり地域の田畑を維持できなくっているということで耕作放棄地が増えている。それから、山が荒れているという現状があります。加えて、空き家が増えているというふうなことがあります。
もう一つ、将来に対する不安ということでまとめた項目ですと、共助交通の運転手が高齢化している。先ほどの担い手がいなくなるのと同じで、今はできているのだけれども、将来的には難しいだろうなという不安が見えています。それから、区長、自治会役員などの担い手がいない。今、農業の担い手が一部の人で何とかやれているのですが、もう今後それもできなくなるだろうということ。それから、簡易水道、割と水源が得られなくて、そこのエリアだけでやっている簡易水道までいかないような集落の水道などもある中、それと、公民館等の集落の施設の維持管理がもう難しくなっている。それから、墓の管理自体も難しい、村じまい等を考えないといけないのだけれども、集落の財産、共有地だとか、さっき言った神社、寺等の管理が今後課題になってくるだろうかなというところであります。
3番目に、どの地域でもおおむね対応できている課題として、割と意外だったのですけれども、移動と買物については、もともと不便な地域に住んでおられるので、もう対応がある程度進んでいるということもあるのかなということなのですが、共助交通、乗合タクシー等で中心の部分に行く移動手段はおおむね確保できているのではないかという感じはあります。ただ、市町村によってやはり温度差はあるのですけれども、ある程度はできているだろうと。
課題としては、集落内の移動がまだまだこれからかなというところです。それと、共助交通、地域の人の運転手がもう担えなくなっているなというところはありますが、一応今のところ、ある程度対応できているかなという感じです。買物についても、もともとスーパー等がなかった地域なので、それなりの暮らしのスタイルがあるのではないかなということはある中でも、さっきの移動手段の確保とそれから移動販売等もあるので、困っているという声はあまり聞きませんでした。
4番目、一部地域で市町村等が先行的に対応している課題としてまとめている内容として、防犯カメラの設置ということがあります。
今、空き家等が増えて、原因は分からないですが、農村部での盗難等が多いようです。交番や駐在所もなくなっているという現状の中で防犯カメラの設置に対して自治体が支援しているというところがありました。それから、道路沿いの木の伐採、倒木防止についてしっかり対応しているところもあるけれども、対応し切れていないところもある。
光回線の整備もできているところはあるけれども、できていないところがあると。
高校生向けの公設塾を開設しているというところがありました。高校の問題は、もう地元にはないので、どうしても出ていかざるを得ない中で、この辺の課題は早くから対応されているようです。
まちづくり協議会等が自治体職員、集落支援員をそこの現地に配置して、地域活動の運営を支援しているという事例があります。これも地域事情によってはなかなか難しいなという声を聞いていますけれども、行政側の対応として、職員がその場に出向いてということをやっている地域もありました。それから、今のまちづくり協議会が、そういう中で安否確認と墓守のサービスを行っている地域もあります。
農業の法人化を進めて、担い手の体制強化を図っているという例もありましたが、やはりこれも高齢化によってかなり厳しくなっている。いろいろと回っている中で感じたのは、いつまでも住み続けることは支援しないといけないのだけれども、実際にはもう2~3世帯、もう1世帯しかないとかという集落もあり、集落じまいのことも含めて、これからどうやってそこにとどめるのかという仕組みづくりとしまうということを両方考えないといけないかなというふうなことが、主査としての感想であります。
◎福田委員長
ありがとうございました。
川部主査の説明に対して、何か質疑がこちら側はありませんか。
○鹿島委員
主査に聞きたいのですけれども、この集落じまいというような話というのは、どうですか、何地区ぐらいとか何割とか状況をお願いします。
○川部委員
わざわざ集落じまいという言葉は出していないにしても、もう実際にそれが見えているという話は2~3集落の中でありました。ただ、日南町に関しては、内田委員がおられるのですけれども、かなり対策を早くからやっておられて、10年ぐらいこの高齢化なり過疎化が遅れているというか、要は先進的に取り組んでおられるというところがあって、まだまだ元気だなという。日南町に関してはその感想を持っています。
◎福田委員長
そのほかありますか。
○福浜委員
日南町に行っていないのでちょっとお聞かせいただきたいのですが、10年ぐらい何をしているのですか。
○川部委員
早くから、人口3,500人でしたか、減っても維持できるような地域、まちをつくるということで、都市機能なりを役場の周辺に集めてしまって、そこに対する移動手段をきちんと確保していたようなこと、それから、いろいろと地域の特色に合わせた産業振興、まちで食べていけるような仕組みづくりも含めてトータルに人口減少に対して早くから取り組んでいたということをすごく感じました。その辺は、内田委員が話されると、丸一日ぐらいしゃべられると思いますので。
○福浜委員
つまり、やはり中山間地の人口減の原因というのは、そこに産業がないというのが一番大きい原因ではないかな。逆に日南では、トマト栽培とか、例えばですよ、そういう特産を早くからやっていくことによって、そこに次の世代を帰らせていくようなところまでいっているのかどうかというところはどうなのですか。
○川部委員
土地柄というか、ロケーションもあると思うのですし、それによる人柄というか、住民の意識というのもあると思うのですが、やはり早くから開かれたというか、もういろんなものを受け入れるという素地があるのだろうなと感じる中で……。
○福浜委員
大体、県境だから。広島の人も来るし、岡山の人も来るしみたいな。
○川部委員
そうなのです。なりわいということについて、行政として早くから取り組んできたというのがあると思います。オロチにしても、もう20年以上になるのでしょうかね。早くから町の林業の産業化というところで、製材だけではなくて加工まで意識してやったとか、先ほどあった、トマトに関してもそうですし、日南米もそうですし、あと、林業アカデミーをつくって担い手を一時的に確保するみたいな仕組みも含めて、いろんな分野で政策が絡み合っているような感じを受けています。
◎福田委員長
それは内田委員の功績がでかい。
○川部委員
そうそうそう、町長と博長。
◎福田委員長
そのほかありますか。
○西村委員
この直近の課題、要望のところの高齢者の孤独、孤立なのですけれども、私も中部に高齢者の親戚がおりますし、独りで住んでいるようなお年寄りが、例えば都市部に比べるとどのぐらいの割合で孤立化されているかというのをざっくり分かりますか。
○川部主査
そこまでは調査はできていないのですが、これはそのまちづくり協議会にいる集落支援員の方が声かけをして何とか出てきてもらいたいと仕掛けるのですけれども、うちはもういいですみたいな形のところがあって、その辺が何とかうまくできたらいいよねという声があったということで、では、どこも孤立化しているかというと、そういう感じではないと思います。かえって町なかの人のほうが孤立化しているのではないかな。デイサービスとか行ける人はいいのですけれども、そういうところも拒否しているような人がいらっしゃるので、多分いろんな状況はあると思うのですが、山間地域でも、先ほど言った日南町はオープンで開かれた感じがあるのだけれども、そうではない地域もあるなというのを感じました。
◎福田委員長
よろしいですか。(「はい」と呼ぶ者あり)
次に、閉会中の調査継続についてでありますが、本委員会は、閉会中も引き続き付託されました調査事項について継続調査することとしてはどうかと思いますが、これに御異議ありませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
御異議がないようですので、さよう決定し、この旨、議長に申し出ておきたいと思います。
最後に、その他ですが、皆さんから何かありますか。(「なし」と呼ぶ者あり)
ないようですので、以上をもちまして人口減少社会問題調査特別委員会を閉会いたします。ありがとうございました。
午後0時10分 閉会
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