平成21年3月17日
鳥生企例規第6号
鳥少例規第4号
鳥生環例規第4号
改正 平成27年鳥生企例規第8号、平成28年第3号、平成28年第5号、令和2年鳥務例規第13号、令和7年鳥生企例規第1号
古物営業法(昭和24年法律第108号)、質屋営業法(昭和25年法律第158号)、警備業法(昭和47年法律第117号)、探偵業の業務の適正化に関する法律(平成18年法律第60号)、銃砲刀剣類所持等取締法(昭和33年法律第6号)、火薬類取締法(昭和25年法律第149号)、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和32年法律第167号)、化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律(平成7年法律第65号)、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)及びインターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(平成15年法律第83号)においては、それぞれの法に定められた目的を達成するため、当該営業等に対して許可、認定、登録等又は届出(変更に係るものを含む。以下「許可等」という。)の制度を設けている。これらの制度に基づく許可等に対する審査等の事務(以下「許可等事務」という。)に当たっては、行うべき手続を欠いていたり、審査が不十分であるなど、これが適正に行われなければ、それぞれの法目的を十分に果たせないばかりか、県民の警察に対する信頼を失わせるおそれもある。
そこで、このたび、生活安全部門における許可等事務に係る基本的留意事項について、下記のとおり取りまとめ平成21年4月1日から実施することとしたので、関係法令及び通達によるほか、特にこれらの事項に留意の上、許可等事務の適切な運用に努められたい。
記
1 事前相談への対応
許可若しくは登録等の申請又は届出(以下「申請等」という。)をしようとする者からの事前相談については、その後の申請等が円滑に行われるよう、法令上の要件を正しく説明するなど、適切に対応する必要がある一方、その対応いかんによってはその後紛議等に発展するおそれがある。したがって、事前相談への対応に当たっては、以下の点に留意し、組織的な対応を徹底すること。
(1) 誤解を生じさせないための措置
事前相談を受けた場合に直ちに法令上の問題点等が認められないときでも、許可等の実質的要件への適合性等の許可をするかどうかの判断に関わるような「見込み発言」等によって、申請者等に誤解を与えることがないようにすること。また、電話による相談は誤解が生じやすいことから、手続の教示等を行う場合を除き、原則として面談した上で対応すること。
(2) 組織的な対応
相談を受けたときは、後日の紛議等を防止するため、相談の日時及び内容等を記載した相談受理簿(様式第1号)を作成し、その経過を明らかにするとともに、その都度、警部又は同相当職以上の職にある幹部(警察署にあっては、生活安全担当課長及び幹部派出所長以上の幹部。以下同じ。)に報告すること。当該幹部は、許可等事務担当者が事前相談において、許可等の実質的要件への適合性についての「見込み発言」をしていないか、誤解を与えるような対応をしていないか等の観点から相談内容を確認し、必要に応じて具体的な指示をすること。また、警察署で受けた相談のうち、対応に迷うものについては、速やかに警察本部担当課(以下「担当課」という。)へその疑義を問い合わせること。担当課は、問合せに対して法令等についてきめ細かく教示・指導し、警察署における対応を支援すること。
(3) 風俗営業の許可対象者等からの相談
風俗営業の許可対象者等からの相談については、原則として複数の警察職員で対応することとし、複数人での対応を確保するため、相談日時の調整等も考慮すること。やむを得ない事情により単独で対応する必要がある場合には、警部又は同相当職以上の職にある幹部の事前承認を受けた上で、他の職員の席から容易に見通すことができる場所で対応し、また、特定の業者に対する単独での長時間に及ぶ対応を避ける等、事後の紛議等を回避するために必要な措置を講ずること。
2 申請等の取扱い
(1) 申請の受付
行政手続法第7条において、行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず、かつ、法令で定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については、速やかに申請者に対し相当の期間を定めて当該申請の補正を求め、又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない旨規定されている。申請が到達したときは、申請書の記載事項に不備がある場合、必要な書類が添付されていない場合等、当該申請が法令に定められた申請の形式上の要件に適合していない場合であっても、これを理由に申請を受理しないことは許されず、申請の審査を開始した上で補正を求めることとなることに留意すること。
(2) 届出の受付
行政手続法第37条において、届出書の記載事項に不備がない場合等、当該届出が法令に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、法令により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする旨規定されていることから、以下の点に留意すること。
ア 警察署等で行われる届出について
届出書の記載事項に不備がある場合、必要な書類が添付されていない場合等、当該届出が法令で定められた届出の形式上の要件に適合していない場合は、当該届出をしようとする者に対し、当該届出によって届出義務が履行されたことにはならないことを明確に説明した上で、形式上の要件に適合させるために必要な加除訂正等の内容を教示すること。
イ 警察行政手続サイト経由で行われる届出について
鳥取県警察本部長が別に定める警察行政手続サイト運用要領によるほか、当該届出に係る電子メールが到達したときは、次に掲げる事項の確認を行った上で、当日又は翌開庁日の開庁時間内に届出の名義人に対して連絡を行うこと。
(ア) 名義人以外の者による届出でないこと
届出に係る名義人及び連絡先等について、届出の記載内容等と各警察署等で把握している情報等との間に相違がないか確認すること。これらに相違があった場合は、各警察署等で把握している情報等に基づき、名義人に対して、当該届出を行ったか否かの事実確認を徹底すること。
(イ) 形式上の要件に適合していること
届出が、形式上の要件に適合しているかを確認すること。届出が形式上の要件に適合していない場合は、名義人に対して、当該届出によって届出義務が履行されたことにはならないことを明示した上で、形式上の要件に適合させるために必要な加除訂正等の内容を教示すること。
(3) 申請等がなされた場合の措置
申請等がなされた場合には、来訪者から氏名や来訪用件等の記載を受ける申請等受付票(様式第2号)により、申請等がなされた事実を確実に警部又は同相当職以上の職にある幹部に報告すること。
3 審査
許可等に係る審査が組織的管理の下に行われることを確保するという観点から、以下の点に留意すること。
(1) 審査票の活用
申請等に必要な書類や審査に必要な調査結果が整っているかなど審査に必要な事項を確認するための審査票を活用し、審査に漏れがないようにすること。また、例えば、審査票に審査項目の適否を判断するための前提となる事実関係を記載することにより、幹部が必要な部分について資料の確認を確実に行うことができるようにするなど、警察署長等が効率的に実質的な審査を行うことができるような工夫を行うこと。
(2) 審査の徹底
審査の過程において疑義が生じた場合には、事実調査を十分に行うとともに、警察署長の代行事務とされているものであっても、担当課に問い合わせること。この場合、時間を要するときには、標準処理期間にとらわれることなく、審査を徹底すること。
(3) 事務処理要領等の整備
経験の浅い担当者においても適正に許可等事務が遂行されるよう、許可等事務に必要な事務処理要領等を整備するとともに、担当者が検討を要すべき問題を看過することがないよう、あらかじめ疑義が生ずることが想定される事項や担当課に問い合わせるべき場合等について事務処理要領等で明らかにしておくこと。
(4) 処理経過の組織的管理
許可等事務担当者が同時に複数の申請等に対する審査を進める中で、審査の遅延や事務の遺漏等が生じないよう、許可等事務管理システム(許可等事務の処理状況等を管理するためのシステムをいう。)により、各申請等ごとに、申請日、各審査項目の調査日、決裁日、許可証等の交付日等を記録した許可等事務管理表を作成し、その処理経過を明らかにするとともに、警部又は同相当職以上の職にある幹部が申請等の受理、審査、処理等の状況について管理を徹底すること。
(5) 軽微な補正
審査の段階において申請等に軽微な補正を必要と認めたときには、申請等を行った者(以下「申請者等」という。)の求めに応じて補正書(様式第3号)を郵送又はファクシミリにより送付するなどして、申請者等を来庁させることなく補正を求めること。
4 申請に対する処分等
審査の決裁終了後、法令にその旨の定めがあるときは、許可証等を作成し、申請者に許可証等を交付することとなるが、一方、必要な決裁を受けずに許可証等が発行されることがないよう、以下の点に留意し、組織的な管理を徹底すること。
(1) 公印の適正な保管及び使用
審査の決裁終了後、公印を押印して許可証等を作成する場合は、必要な決裁を受けずに公印が使用されることがないよう、鳥取県警察公印規程(平成18年鳥取県警察本部訓令第5号)に基づき、適正に公印の保管及び使用を行うこと。
(2) 許可証等の適切な管理
担当課から警察署に配付する公印の刷り込みを使用した許可証等(以下「公印刷り込み許可証等」という。)については、その管理を徹底するため、以下により取り扱うこと。
ア 担当課から警察署に公印刷り込み許可証等を配付する際に、担当課は送付書を併せて送付し、警察署から当該公印刷り込み許可証等の数量を記載した受領書を徴収するとともに、担当課においては担当補佐、警察署においては生活安全担当課長(以下「保管担当者」という。)が、公印刷り込み許可証等の受払いの状況等を記録した許可証等受払簿(様式第4号。以下「受払簿」という。)を作成し、その経過を明らかにすること。
イ 保管担当者は、公印刷り込み許可証等を施錠できる保管庫等で保管すること。
ウ 審査の決裁終了後、許可証等を作成した場合には、その都度、保管担当者が許可証等の交付先を含め所要事項を受払簿に記録すること。
エ 警察署において、公印刷り込み許可証等が誤記等により使用できなくなった場合には、これを警察署で廃棄処分することなく、担当課へ返納書をもって返納した上で、受払簿にその旨を記録すること。
オ 公印刷り込み許可証等については、保管担当者が、毎月公印刷り込み許可証等の発行状況及び残数を点検するとともに、おおむね四半期ごとに所属長による点検を行うなど組織的な管理を徹底すること。
5 許可等事務担当者に対する指導教養等
上記の点を含め、許可等事務を適切に行うため、担当課は、警察署や許可等事務担当者任せにすることなく許可等事務を積極的に支援することにより、警察署における実質的負担を軽減し、許可等事務担当者、警察署生活安全担当課長等に対して、許可等事務に係る教養等を通じて専門性を高めさせるなど、許可等事務の管理と運用の適正化及び合理化のための施策を推進するとともに、以下の点に留意すること。
(1) 新任担当者等への配慮
担当課は警察署に対し、定期的に許可等事務の関係簿冊等を確認した上で必要な指導等を行うこと。新任担当者等が配置されている警察署に対しては、特に意識して許可等事務の処理状況や特異な申請等の有無を確認するなど、新任担当者等が独りで悩み又は安易な判断をしようとしていることがないか把握に努めるとともに、個々の新任担当者等が抱えている案件や問題に応じた指導を行うこと。その際には、併せて当該警察署の生活安全担当課長に対し、当該指導の概要を説明し、その後の部下への指導に生かされるよう配慮すること。また、担当課は、新任担当者等が気軽に相談できるような環境づくりに努めるとともに、相談があった場合には、根拠条文及び当該条文の解釈の教示はもとより、できるだけ類似事例を教示するなど丁寧に対応して、その理解が深まるよう努めること。
(2) 確実な引継ぎの実施
許可等事務担当の前任者は、許可等事務の引継ぎに際し、後任者の理解度に応じて、許可等事務に係る全般的な事務処理の流れ及び注意点についての説明を行った上で、処理中の案件及び当面の予定案件について確実な引継ぎを行うこと。その際には、案件の内容についての表面的な説明に終始することなく、事務処理要領を用いて詳細を説明するとともに、その概要を上司である警部又は同相当職以上の職にある幹部にも報告して適切なフォローが可能となるようにすること。また、前任者は、後任者が許可等事務に習熟して自らと同等の事務処理が行えるようになって初めて引継ぎが完了するとの意識を持って、異動後も後任者からの相談に丁寧に対応すること。このため、前所属において許可等事務に従事していた職員が配置された所属においては、当該職員が、前所属の後任者に対する対応を十分に行い得るよう配慮するとともに、当該対応は新所属における新たな業務と同等に重要なものであることを認識させること。
(3) 指導・教養の実施
警部又は同相当職以上の職にある幹部は、新任の許可等事務担当者に対しては、配置後速やかに教養を行うとともに、一度教養が行われれば必要最低限の理解を備えたと考えることなく、新任担当者等の事務処理の速度や正確さ、決裁時の応答にみられる許可等事務への理解度等を踏まえ、必要に応じて担当者のレベルに合わせた個別指導等を行うこと。また、新任ではない担当者(相当期間許可等事務を担当していなかった者を含む。)に対しても、必要に応じて個別指導等を行うこと。
(4) 適時適切な賞揚
担当課及び警察署は、許可等事務を一定期間適正に行った職員や許可等事務を通じて事件検挙や行政処分のための有益な情報を得た職員を適切に評価するなど、その潜在的努力を十分に把握し、適時適正な賞揚等を行うこと。
(5) 公正な業務遂行のための措置
許可等事務担当者と許可等対象業者等の接触について、職務倫理に係る定めの遵守徹底を図るほか、幹部が事前相談や立入検査等に係る状況を詳細に把握するとともに、監察部門作成の資料を活用するなどして指導教養を行うなど、業務遂行の公正さに疑念や不信を抱かれないための措置を講じること。
別記様式 略