議員提出議案第5号

APECでのTPP交渉参加に向けた協議入り表明に関する意見書

 この議案を別紙のとおり提出する。
  平成23年12月16日 

  • 野田 修
  • 伊藤 保
  • 砂場 隆浩
  • 長谷川 稔
  • 興治 英夫
  • 斉木 正一
  • 安田 優子
  • 横山 隆義
  • 内田 博長
  • 藤縄 喜和

APECでのTPP交渉参加に向けた協議入り表明に関する意見書

 

 政府は、昨年11月、環太平洋経済連携協定(TPP)について、「関係国との協議を開始する」と明記した「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定した。

 このTPPは、あらかじめ特定分野の自由化を除外しての交渉参加は認められない可能性が高く、参加後も10年後にはほぼすべての分野での関税撤廃が原則とされており、医療、保険、雇用、食品などあらゆる分野に影響が及び、特に本県にとって重要な産業である農林水産業が壊滅的な打撃を受ける強い懸念がある。こうした中で、本県議会は、TPP交渉への参加検討に当たっては十分な国民的議論を経て慎重に検討されることを強く求める意見書を平成22年11月定例会において採択し、関係行政庁や国会に提出したところである。

 しかし、TPP交渉参加について、交渉で協議されている課題が何なのか、わが国の利点・不利となる点・国益上死守する点は何か、いかなる対策を検討しているのかが、国民に示されないばかりか、政府による正確な情報の提供が十分でないため、国民的議論は熟していない。このような中で、野田佳彦総理は、本年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議において、「TPP交渉参加に向けて各国と協議に入る」と表明した。これでは、本県はじめ慎重な対応を求める国民の声に対し説明責任を果たしたとは言えず、極めて遺憾である。

 今後、政府はTPPに対する国民的議論が熟すよう、協議で得られた必要な情報は速やかに明らかにし、TPPによる国益上の課題とその対応策を分かりやすく国民に説明するよう強く要望する。


 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


   平成23年12月16日


                      鳥取県議会


内閣総理大臣
外務大臣
経済産業大臣
農林水産大臣
国家戦略担当大臣   様
内閣官房長官
衆議院議長
参議院議長

Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000