防災・危機管理情報


タイ王国及び他の東南アジア諸国の経済・産業動向、社会動向報告書

 こんにちは。鳥取県東南アジアビューローの辻です。

 8月26日から9月1日まで7日間の日程で、鳥取県経済同友会西部地区のASEAN視察研修がベトナム・タイで行われました。現地にて工業団地・集合住宅の新規プロジェクト・技能研修生の研修機関・日系百貨店やローカル市場・医療機関・大学を視察しました。

 今回は当ビューローで視察先との交渉・日程調整を担当させていただいたベトナムでの視察の様子をお送りします。

1.アマタシティー・ビエンホア工業団

 アマタシティー・ビエンホア工業団は、タイの工業団地開発大手のアマタ・コーポレーションと、ベトナム ドンナイ省の国営企業であるソナテジ社との共同開発により、1994年に開業しました。タイで長年培った工業団地開発・運営のノウハウを活かし、充実したインフラ(電気供給、供給水、排水能力)や人材確保などのサービスを提供しています。ホーチミン市から30km(車で約40~60分)という好立地に位置し、総面積700ヘクタール(約212万坪)の敷地に165社が入居しています。日系企業は花王、東芝、YKK、資生堂などの大手企業をはじめ、73社が生産拠点を構えています。敷地内には賃貸工場、賃貸オフィス、商業施設、日本食レストランなども営業しています。

写真:須藤シニアマネージャーによるブリーフィング

 こちらではマーケティング&セールス担当の須藤シニアマネージャーにアマタシティー・ビエンホア工業団の概要やベトナムの製造業界の市況、政府の施策についてお話を伺いました。特に「新興国においては『一人当たりのGDPが3,000ドルを超えると、耐久消費財の市場が急速に拡大する』と言われている。現在2,500ドル台のベトナムは2020年には3,000ドルを突破する見込みなので、今までの圧倒的なバイク社会から車社会に転換することが期待されている』という話は非常に興味深いものでした。その他にもASEANの他の新興国(カンボジア・ラオス・ミャンマー)の投資環境の比較やベトナムが持つポテンシャル、ベトナムに投資する際の注意点(法令やネガティブリストなど)を細かくご説明いただき、工業団地内もご案内いただきました。

2.エスハイ・KAIZEN吉田スクール

写真:日本語の授業風景

 KAIZEN吉田スクールは、技能研修生派遣事業をしているエスハイ社が運営する日本語やビジネスマナー、日本文化が学べるスクールです。こちらでは代表取締役社長のレ・ロン・ソン校長から同校の理念・教育方針や取り組み、人材育成にかける熱い思いをお話していただきました。その後、実際に授業をしている教室を見学させていただき、視察団メンバーとお互いに質問をしあったりしてコミュニケーションを取らせていただきました。授業風景を視察した視察団メンバーからは『どの教室を覗いても、クラスの全員が挙手する時は声は大きく、腕は真っ直ぐだし、自己紹介も丁寧で態度が非常に良くて驚いた。日本人より礼儀正しいのではないか』と感嘆の声が上がっていました。

写真:二宮金次郎像

 エスハイ・KAIZEN吉田スクールは、東京農工大学院を修了したレ・ロン・ソン校長が「技能研修生が日本で働くことのできる言葉・マナーを身につけ、日本で学んだ技術をベトナムに還元してベトナムの工業化を促進する一端を担うことができる人材の育成」を理念に掲げ、2006年に設立されました。KAIZEN吉田スクールの現在の在籍者数は約2,000人、日本語だけではなく、ビジネスマナーやビジネスマインド(5Sや報連相)、キャリア意識を育てる授業も行われています。学校の正面玄関前には二宮金次郎の銅像が建てられていて、「日本人の勤勉な姿勢を、生徒のみなさんに見習ってもらいたい。日本こそが私の母国であるベトナムが目指すべき未来の形だと思っています」とレ・ロン・ソン校長は語られました。

3.ホーチミン髙島屋へ

写真:ホーチミン高島屋の店内

 ベトナム初の日系百貨店であるホーチミン髙島屋は、2016年7月にホーチミン市中心部の一等地であるレ・ロイ大通りにオープンしました。こちらでは藤田マネージャーにホーチミン髙島屋の売り場構成や今後の展開計画、ベトナム人の消費傾向などについてお話を伺いました。近年、経済発展の目覚しいベトナムでは富裕層や中間層の数が増加していて、また、対日感情も「好きな国調査」で日本が1位になるほど良好、日本のブランド・製品に対する信頼も極めて高いといわれているので、日本から輸入された食品や日本メーカーの商品の売り上げ増が期待されます。実際に売り場を案内していただきましたが、商品の品揃えや陳列の仕方などが日本そのもので、まるで日本にいるかのように錯覚しました。

写真:東南アジア最大の高層ビル「ランドマーク81」

 筆者は2007年に旅行で訪れて以来、今回は11年ぶりのホーチミン訪問でした。 11年前は道路はバイクで埋め尽くされて、町中には外国の外食チェーンやコンビニはほとんどありませんでしたが、その時と比べると車がかなり増えました(とはいえ、まだバイクの方が多いです)し、セブンイレブン、スターバックス、マクドナルドなど海外のチェーン店が多く出店しているのを見てとても驚きました。11年前と比べると一人当たりのGDPは倍以上と、経済が急速に発展していることを目の当たりにしました。来月は、今も成長を続けるベトナムの経済についてお届けする予定です。

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