1 概要
悪臭防止法では、生活環境を保全する必要がある地域を規制地域として指定し、指定した地域内のすべての工場・事業場から排出される悪臭を規制の対象としています。
悪臭の規制の方法には、特定悪臭物質の濃度による規制と、嗅覚を用いた臭気指数による規制があります。指定地域は、それぞれどちらの規制基準を適用するのか、鳥取県知事(市については市長)により定められています。
なお、鳥取県では、特定悪臭物質濃度による規制を採用しています。
また、敷地境界線、気体排出口、排出水の3つの規制基準が設定されており、規制地域内の工場・事業場はこれらすべての規準を満たさなければなりません。
市町村長は、規制地域内の事業場の事業活動に伴って発生する悪臭が規制基準に適合しないことにより、周辺の生活環境がそこなわれると認める場合には、改善勧告・改善命令を行うことができます。
2 規制地域
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3 規制基準
(1)特定悪臭物質を含む気体の敷地境界線における規制基準
規制地域の区分\特定悪臭物質 |
アンモニア
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メチルメルカプタン
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硫化水素
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硫化メチル
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二硫化メチル
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A区域
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別図において赤色で表示した区域
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1ppm
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0.002ppm
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0.02ppm
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0.01ppm
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0.009ppm
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B区域
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別図において緑色で表示した区域
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2ppm
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0.004ppm
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0.06ppm
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0.05ppm
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0.009ppm
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C区域
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別図において青色で表示した区域
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5ppm
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0.01ppm
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0.2ppm
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0.2ppm
|
0.009ppm
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規制地域の区分\特定悪臭物質 |
トリメチルアミン
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アセトアルデヒド
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プロピオンアルデヒド
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ノルマルブチルアルデヒド
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イソブチルアルデヒド
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A区域
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別図において赤色で表示した区域
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0.005ppm
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0.05ppm
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0.05ppm
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0.009ppm
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0.02ppm
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B区域
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別図において緑色で表示した区域
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0.02ppm
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0.05ppm
|
0.05ppm
|
0.009ppm
|
0.02ppm
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C区域
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別図において青色で表示した区域
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0.07ppm
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0.05ppm
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0.05ppm
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0.009ppm
|
0.02ppm
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規制地域の区分\特定悪臭物質 |
ノルマルバレルアルデヒド
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イソバレルアルデヒド
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イソブタノール
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酢酸エチル
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メチルイソブチルケトン
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A区域
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別図において赤色で表示した区域
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0.009ppm
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0.003ppm
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0.9ppm
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3ppm
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1ppm
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B区域
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別図において緑色で表示した区域
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0.009ppm
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0.003ppm
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0.9ppm
|
3ppm
|
1ppm
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C区域
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別図において青色で表示した区域
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0.009ppm
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0.003ppm
|
0.9ppm
|
3ppm
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1ppm
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規制地域の区分\特定悪臭物質 |
トルエン
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スチレン
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キシレン
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プロピオン酸
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ノルマル酪酸
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A区域
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別図において赤色で表示した区域
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10ppm
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0.4ppm
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1ppm
|
0.03ppm
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0.001ppm
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B区域
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別図において緑色で表示した区域
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10ppm
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0.4ppm
|
1ppm
|
0.03ppm
|
0.001ppm
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C区域
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別図において青色で表示した区域
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10ppm
|
0.4ppm
|
1ppm
|
0.03ppm
|
0.001ppm
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規制地域の区分\特定悪臭物質 |
ノルマル吉草酸
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イソ吉草酸
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A区域
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別図において赤色で表示した区域
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0.0009ppm
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0.001ppm
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B区域
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別図において緑色で表示した区域
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0.0009ppm
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0.001ppm
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C区域
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別図において青色で表示した区域
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0.0009ppm
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0.001ppm
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(2)特定悪臭物質を含む気体の排出口における規制基準
ア 特定悪臭物質(メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル、アセトアルデヒド、スチレン、プロピオン酸、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸及びイソ吉草酸を除く。)の種類ごとに次の式により算出して得た流量とする。
q=0.108×He2・Cm
この式において、q、He及びCmは、それぞれ次の値を表すものとする。
q 流量(単位 温度摂氏零度、圧力一気圧の状態に換算した立方メートル毎時)
He 次のイに規定する方法により補正された排出口の高さ(単位 メートル)
Cm (1)により特定悪臭物質の規制基準として定められた値(単位 百万分率)
次のイに規定する方法により補正された排出口の高さが5メートル未満となる場合については、法第4条第1項第2号の規制基準は、適用しないものとする。
イ 排出口の高さの補正は、次の算式により行うものとする。
He=Ho+0.65(Hm+Ht)
Hm=(0.795√(Q×V)/1+(2.58/V))
Ht=2.01×10-3×Q×(T-288)×(2.30logJ+(1/J)-1)
J=(1/√(Q×V))(1460-296×(V/T-288))+1
これらの式において、He、Ho、Q、V及びTは、それぞれ次の値を表すものとする。
He 補正された排出口の高さ(単位 メートル)
Ho 排出口の実際の高さ(単位 メートル)
Q 温度摂氏15度における排出ガスの流量(単位 立方メートル毎秒)
V 排出ガスの排出速度(単位 メートル毎秒)
T 排出ガスの温度(単位 絶対温度)
(3)特定悪臭物質を含む水の敷地外における規制基準
特定悪臭物質
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排出水の量
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規制地域の区分
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A区域
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B区域
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C区域
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別図において赤色で表示した部分
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別図において緑色で表示した部分
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別図において青色で表示した部分
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メチルメルカプタン
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0.001立方メートル毎秒以下の場合
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0.03mg/l
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0.06mg/l
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0.2mg/l
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0.001立方メートル毎秒を超え、0.1立方メートル毎秒以下の場合
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0.007mg/l
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0.01mg/l
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0.03mg/l
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0.1立方メートル毎秒を超える場合
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0.002mg/l
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0.003mg/l
|
0.007mg/l
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硫化水素
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0.001立方メートル毎秒以下の場合
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0.1mg/l
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0.3mg/l
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1mg/l
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0.001立方メートル毎秒を超え、0.1立方メートル毎秒以下の場合
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0.02mg/l
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0.07mg/l
|
0.2mg/l
|
0.1立方メートル毎秒を超える場合
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0.005mg/l
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0.02mg/l
|
0.05mg/l
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硫化メチル
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0.001立方メートル毎秒以下の場合
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0.3mg/l
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2mg/l
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6mg/l
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0.001立方メートル毎秒を超え、0.1立方メートル毎秒以下の場合
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0.07mg/l
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0.3mg/l
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1mg/l
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0.1立方メートル毎秒を超える場合
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0.01mg/l
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0.07mg/l
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0.3mg/l
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二硫化メチル
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0.001立方メートル毎秒以下の場合
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0.6mg/l
|
2mg/l
|
6mg/l
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0.001立方メートル毎秒を超え、0.1立方メートル毎秒以下の場合
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0.1mg/l
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0.4mg/l
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1mg/l
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0.1立方メートル毎秒を超える場合
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0.03mg/l
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0.09mg/l
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0.3mg/l
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鳥取県では、屋外における燃焼行為に伴い発生するばい煙、悪臭等を規制するため、ゴム、皮革、合成樹脂、廃油、硫黄、ピッチや、これらを含む物を屋外において燃焼させることを禁止しています。
市町村長は、条例で禁止されている燃焼行為によりその周辺の生活環境がそこなわれると認めるときは、燃焼行為をしている者に対し、改善勧告・改善命令を行うことができます。
悪臭に係る規制のしくみや規準についてまとめました。
悪臭規制のあらまし(PDF)