【講演会】

講師 鳥取大学教授 日置佳之 氏

演題 「生物多様性保全とエコツーリズム」

講演内容
○生物多様性とは?
・すべての生物の間に違いがある。
・「つながり」と「個性」。
・地球上の「いのち」と「暮らし」を支えるものである。
○生態系が与えるサービス
・「供給サービス食料」・・・水、木材、繊維、燃料
・「調整サービス」・・・気候の安定や水質浄化
・「文化的サービス」・・・レクリエーションや精神的な恩恵を与える
・「基盤サービス」・・・栄養塩の循環や土壌形成、光合成
○3つの危機
・開発による生態系の破壊、分断、縮小。
・自然に対する人間の働きかけ縮小・撤退による里地・里山などの環境変化、種の減少。
・外来種など人為的に持ち込まれた種による生態系の攪乱。
○鳥取県での問題
・カシナガキクイムシによるナラ枯れ。
・シカの増加による森林林床の荒廃。
・竹林の拡大による植生の単純化。
・ホットスポット(湿原・草原・海浜)の減少による野生植物の減少。
・外来種の繁茂・繁殖による在来種の圧迫。
○エコツーリズム
・生物多様性を大切にすることでエコツーリズムなどの自然を活かした観光に結びつく。
・保全と利用のバランスを取とることが重要。
○まとめ
・湿原・草原・海浜などのホットスポットの保全・再生で、効果的な生物多様性の保全を行うべき。
・長期的・広域的な視野をもち、大胆な発想で自然再生を行うべき。
・エコツーリズムの振興の仕組みづくりを進めるべき。