東伯郡三朝町東部、鳥取市鹿野町との境付近に位置する標高899.7mの霊山。 北と南をそれぞれ西に向かって流れる三徳川と小鹿川に挟まれた山塊の中心にあり、 山頂から東西に緩い傾斜の稜線が幅狭く延びる。 稜線の山腹、とくに北面は開析が進み急峻な斜面に深い谷が形成されている。

 山体は、鮮新世の三朝層群に含まれる三徳山安山岩類と呼ばれる溶岩と、 その下層の中新世鳥取層群に属する安山岩質凝灰角礫岩で構成されている。 北面の標高約500m地点にある国宝の投入堂は、 凝灰角礫岩と溶岩との境界部にできた天然の窪みを利用して建立されており、 凝灰角礫岩の急崖を足場として、 お堂の上には柱状節理の発達した安山岩溶岩が覆いかぶさるように張り出している。 北面の麓を流れる三徳川流域では、凝灰角礫岩に礫岩層や泥岩層・砂岩層が挟まれており、ここから広 葉樹・針葉樹を含めた多様な植物化石が産出する。 三徳型植物群と三朝成植物群が認められており、いずれも日本の後期中新世を代表する貴重な化石植物群となっている。

 三徳山の麓の三仏寺から投入堂まで、途中鎖伝いの箇所もある急峻な登山道があり、 これを登る参拝客や観光客も多い。 三徳山は、昭和9年(1934)に国の名勝及び史跡に指定されており、 併せて今もなお自然が手つかずの状態で保全されている。 三朝東郷湖県立自然公園に含まれる。

※ 2002年発行『鳥取県文化観光事典』から抜粋

 

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