現状と問題点
- 暫定水域における韓国漁船の漁場独占
- 排他的経済水域における韓国漁船の違法操業など、漁業協定の内容が守られていません。
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操業秩序の問題
○韓国船がいつも網やかごなどの漁具を置いて漁場を独占している水域がある。
暫定水域は、両国が共同で利用できる水域ですが、実際には、休漁期のほとんどない韓国漁船の漁具が始終置かれ、浜田沖(島根県沖)など日本の漁船の操業が難しい状態です。
○韓国船の漁具がびっしりで、底びき網が韓国の漁具を引っ掛けてしまう。
暫定水域では、韓国の漁具は海底に置くものが中心です。日本の底びき網漁船が網を引くと、知らずに韓国の網やかごを引っ掛けてしまい、多額の賠償金を取られることがあるため、鳥取県の沖合底びき網漁船はトラブルを恐れて暫定水域に入れません。
トラブル事例
暫定水域において、鳥取県の沖合底びき網が韓国漁船の底刺網を引っ掛けて破り、韓国取締船に連れて行かれ、補償の約束をさせられた事件がありました。(平成12年)
現在こうした問題は、両国の民間レベルでの話し合いに任されていますが、民間協議だけでは限界があります。協定で定められているとおり、日韓漁業共同委員会の場などで、両国政府が責任を持って漁業秩序の構築を図る必要があります。
資源管理の問題
○韓国漁船の乱獲により資源の枯渇が心配。
両国協調による資源管理がうまく進まず、暫定水域の漁獲量の減少や資源の小型化が進んでいます。
また、違法に設置された韓国のバイかごから死滅したズワイガニやベニズワイガニの稚ガニが大量に発見されるなど、資源に対する影響が大きいです。
この問題についても民間の話し合いに任されてきました。2008年末の日韓漁業共同委員会で、両国政府は、韓国漁船の減船の実施、暫定水域における海底清掃事業の拡大、小型個体保護措置の導入の検討等について合意しました。今後、合意内容の実施に向けスピードアップを図るとともに、両国政府の責任で、漁船の最高隻数の設定、操業期間や漁具数の統一などの資源管理方策を定める必要があります。
安全操業の問題
○竹島に近寄ると韓国警備艇が衝突してくることがあり、とても危険。
竹島は日本の領土ですが、韓国も領土権を主張して警備隊を送り込んでおり、近寄る日本漁船を捕まえたり、威嚇したりするため、安心して漁業ができません。
トラブル事例
鳥取県漁船が境港に帰港中、竹島周辺で韓国警備艇に衝突され、警備艇から5人が乗り込んできて、竹島の12海里以内に入らないよう強要されるという事件がありました。(平成14年)
安全操業を脅かされることのないよう、政府として毅然とした態度で韓国政府との間で問題解決に臨むことが必要です。
韓国漁船の違法操業の問題
○韓国漁船の違法操業が後を絶ちません。
日本の排他的経済水域では、日本の許可がないと韓国船は漁業ができませんが、実際には暫定水域ラインを越えて日本の排他的経済水域側に漁具を設置するなど、許可されていない漁業をする例が後を絶ちません。
このため、多くの韓国漁船が日本側に捕えられたり、漁具が押収されたりしています。(データはこちら)
兵庫県沖の日本EEZ内において無許可操業を行っていた韓国かにかご漁船が、水産庁と海上保安庁の連携捜査により、2ヶ月後に拿捕されました。(平成17年)
押収された韓国漁船の漁具(境港)
だ捕された韓国かにかご漁船
(水産庁提供)
まず韓国政府が、自国の漁業者に対してルールを守るようしっかりと指導を行うことが必要です。そして日本政府は、引き続き水産庁と海上保安庁が連携して取締りを強化し、強い態度で臨むことが必要です。