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平成19年度賃金・労働条件要求書等に対する交渉の概要
 
 
○日時  平成19年10月31日(水)15時~17時
○場所  第4会議室(本庁舎地階)
○出席者 知事部局:伊澤職員課長、萬井給与管理室長補佐、難波主幹、岡本副主幹、前田副主幹
県職労:片山執行委員長、山中書記長、河津書記次長
現企労:鳥飼執行委員                他13名
 
<概要>
【要求書に対する県の考え方】
組合:事前に回答をいただいているので全ての項目とはいかないだろうが、まず、回答に対する県の基本姿勢についてお聞きしたい。
 
県:組合からの要求について、まず主要課題と思われるものからお話しすることとしたい。
一点目は、本年度の給与改定についてである。
この点は従来からも、今後も変わらない考え方であるが、人事委員会勧告を尊重し、その内容に基づいて改定したいということである。
組合からの要求書を見ると、人事委員勧告と異なる内容が要求されている。従来、組合も人事委員会勧告尊重の立場にあったと思うが、今回変更されたのかも含め、組合の考え方を後ほど教えていただきたい。
県としては、地方公務員法で定められた人事委員会勧告制度を基本とした給与制度があり、今後も法律が改正されるまでは従来どおり勧告を尊重する姿勢に変わりはない。
なお、人事委員会勧告は、従来国にそのまま準ずる状態が続いてきたが、昨年は期末手当の引下げ、本年は給料表据置き、期末手当の引下げと、勧告どおりに実施すれば国と異なる状態となることは事実である。この点は、人事委員会でも国と異なることの是非も含めて検討の上で勧告が行われたものと理解しており、その勧告を尊重することが法的にも当然の姿勢と考える。
今後の給与水準のあり方については、様々な意見や考え方があり、人事委員会も含め、労使でよく議論しなくてはいけない。
組合には勧告に先立ち人事委員会に対する意見表明の場も持たれているのであり、人事委員会もそれを踏まえて、権限をもって勧告されたのであり、それを尊重するのが県の立場である。
 
二点目は、主任主査制度の廃止に伴う新たな人事構築の問題である。
職位ポストの整理については、昨年が課長補佐級、本年が係長級の重点整理期間である。
現在、各所属に一定の基準、考え方をお示しして、それに基づいて各所属、職種における問題、不足しているポスト、課題や整理すべき事項などを挙げてもらい、担当部局で整理しているところである。
各所属から出た意見等については、事前に現場とのコミュニケーションをとり、思い違い、行き違いなどがないようにしてから提示したいと考えており、できるだけ早く、完璧は無理でも一定以上の納得性のあるものを取りまとめて提示したいと考えている。
なお、最終的には、よりきめ細かに対応が必要な職員については一人一人に対してでも面談などによる意思の疎通を考えなければならないと考えているところである。
 
三点目は、非常勤職員、臨時的任用職員制度の総合的な点検、見直しについてである。
こちらは、先程の主任主査制度廃止後のポスト整理とは異なり、逆に各所属から意見が挙がってきた段階で組合にお示ししてきたが、少し行き違いや、考えの伝達が上手くいかなかった点も散見されると感じている。
それらの点について事後的に補正するために、現在各所属から送られてきたデータに基づいた職員課案として再度各所属にお示しして、問題点や分類の適正、不適正などの意見を求めているところであり、概ね現場とのコミュニケーションが終わった段階である。
現在は、現場から出てきた意見等について再整理を行っているところであり、一定の整理が終わったら組合にも提示したい。
現場とのコミュニケーションを十分図りながら、納得性のある見直しとする必要があると認識しており、そのために努力したいと考えている。
 
県:さらに、詳細も含めて、主要項目以外のその他の項目について、回答にあたっての県の基本姿勢をご説明したいと思う。
給料表の改定については、人事委員会勧告尊重ということでから据え置くということである。なお、必要な給与制度の運用の見直しについては、引き続き行っていきたい。
また、初任給についても、民間給与との差を考慮して4号給引き上げるという人事委員会勧告を、施行日も含めて尊重したい。
一方、初任給改善に併せて50歳以上の職員の昇給抑制についても施行日も含め勧告どおり実施したい。
なお、人事委員会では高齢者層の給与水準、昇給制度のあり方等について、今後さらに検討が必要と報告されているところであり、県においても給与制度の運用の見直しの中で今後とも協議していきたい。
 
労働時間については、組合要求書でいうと「四 休暇制度改善要求について」、「六 労働時間の短縮要求について」、「七 不払残業の撲滅要求について」、「十一 雇用の確保と安定、人員確保要求について」にあたる部分であるが、個人、家庭、地域生活と仕事の調和を図り、健康の保持、増進、公務能率向上の促進という観点から、時間外勤務の縮減は重要課題だと認識している。
ICカード職員証を導入して勤務実態の客観的な把握に努めてきたところであるが、その結果、まだ時間外勤務が多いことがわかった。
今年度は時間外勤務管理システムも活用して、よりきめ細かな時間外勤務縮減対策を通じて更なる縮減の取組を行っている。
また、時間外勤務管理システムの活用により長時間勤務も把握しやすくなり福利厚生室と連携した産業医の指導、職場指導、管理職の意識徹底などにさらに取り組んでいるところである。
 
男女平等の実現関係については、組合要求書でいうと「八 男女平等の実現要求について」、「九 家庭と仕事の両立支援策の拡充要求について」にあたる部分であるが、近年全国的な少子化の進展に対応して、仕事と家庭の調和を図るため、法制度の整備、環境づくりが行われている。
鳥取県も環境整備には力を入れていきたいと考えており、平成17年度から子ども・子育て応援プログラムを作成、実施している。
これらの取組の一環として、本年8月から部分休業の対象範囲を拡大するとともに、育児休業取得者の復職時の号給調整を改善し、今回も育児短時間勤務制度の導入などより実効性のある取組を行っていきたいので、ご協力をお願いしたい。
 
労働安全衛生については、組合要求書でいうと「十 労働安全に関わる要求について」にあたる部分であるが、安定した公務能率の持続という観点からも、心身ともに健康に職務に従事できる環境を実現することは県の責務と考えている。そのためには、職員の周囲を含む環境づくりが必要である。社会情勢の多様化、複雑化に伴う業務負担の増大や人間関係のストレスなどによる精神疾患についてもなかなか減少していないことを踏まえ、早期発見、早期治療、予防のためにも状況把握に努め、職場におけるストレス要因の軽減、除去に努めていきたい。
 
今回10月9日に人事委員会勧告が行われ、10月23日に組合から本年度の賃金労働条件に関わる要求書が提出された。
誠実に対応したいとしてそれぞれの項目について昨日書面で回答したところである。平成19年度の給与改定に係る条例改正は11月議会に提案する必要があり、しかも今年は11月議会が例年より早期に開催されるという状況もあり、既に提示している育児短時間勤務制度、自己啓発等休業制度の導入、また、昨年度に提案した特地勤務手当の廃止についても併せて11月議会に提案して議会のご判断を得たいと考えており、是非ともご理解とご協力をお願いしたい。
また、それまでに協議が終了しなかった項目があれば、必要であれば継続して協議も行いたいと考えている。
 
【一(1)、(2)について(月例給、一時金について)】
組合:組合からの要求は、従来の人事委員会勧告を尊重する姿勢から離れているが、これは今回の人事委員会勧告に対し大いに不満であり、承服しがたい、という意味である。
地方公務員法第24条は、地方公務員の給与について国、他自治体、民間事業所従業員の給与との均衡を定めているが、今回の勧告内容では「均衡」していないものと考える。地方公務員法第24条の均衡の解釈が各都道府県でバラバラになっている。
県は使用者として、鳥取県の人事委員会勧告が都道府県の中で突出して悪いことについて、どう考えているか。
 
県:地方公務員法第24条はいくつかの考慮要素を挙げており、民間事業所における給与も国、他自治体と並んで考慮要素に定められている。この3者のバランスをどうとるかが、今日的課題である。
人事委員会も、従来の国家公務員の給与にそのまま準ずる姿勢を変えるに当たっては随分議論があったことと思う。地域の民間給与の反映のあり方が、いわば模索されている状況であり、その結果として、各都道府県でも判断が分かれていることになっていると思う。
現在、新たな地方公務員の給与のあり方が問われており、人事委員会でも検討されているものと理解している。
 
組合:他の都道府県との間だけではなく、同一地域に勤務する国家公務員、市町村職員と県職員の間でも給与にいわば「ねじれ」が生じている。使用者としてこれらのねじれ、格差を職員にどう説明するか。
 
県:今後の県職員の給与のあり方については、従来の「国準拠」から離れたときにどうするのか、国、他自治体、民間の3者のバランスを模索した上で給与水準はどうあるべきか、従来とは異なる議論も必要と考える。今回の勧告でも今後のあり方について明確な方向性が示されたわけではなく、この場でお示しするものはまだない状態ではあるが、今後議論を重ねていく必要があると思う。
 
組合:議論することに異存はない。しかし、各県の人事委員会がまちまちの判断を行っており、新しいシステムがないまま、なし崩し的にその判断の差が拡大していると感じざるを得ない。
人事委員会勧告の実施は労使で交渉を行うべき事項であり、使用者である県は、県職員のボーナスが国や他県より約1割少ないことが妥当であると判断する理由を説明する義務がある。
 
県:現在の法制度上、県としても勧告どおりに改定することが妥当であると考えている。それは人事委員会勧告の内容を確認した上での判断であり、また、それ以外に根拠をもつはずもない。
 
組合:新しい給与のあり方の議論に当たっては、県と組合はそれぞれ検討し、お互いの考え方を示しながら議論されなくてはならないだろう。
国、他自治体、民間のバランスをどうとるかだが、現在は、総務省の指導もあり、県内民間との均衡が強く出る現状となっている。
月例給については、昇任年齢をいつにするかによって給与水準が変わってくるものであり、その調整によっては様々な制度も考えられる。一方、一時金は国は4.5月分、県内民間は3.9月分と運用はきかない。その間のどこかに決めなくてはならない。県はその間の何月分にするのが妥当と考えているのか。
人事委員会は、事前に確認したところ、一時金は県内民間に合わせるとの判断で今回の引下勧告となった。組合としては、職務類似という点からは国並みの4.5月分にすべきと考えているが、それでは県内民間は考慮しないことになるので、例えば真ん中の4.2月分等すればわかりやすい。何月分が妥当か、県は判断しないのか。
 
県:現在、一時金の支給割合を含めて、給与制度の妥当性を判断する役割は人事委員会に委ねられている。労使の話合いは否定しないが、人事委員会抜きの労使のみで給与制度の方向性や妥当性を決めることにはならない。
 
組合:県としては、現段階では地方公務員法第24条の「均衡」の解釈は示せない、また、人事委員会の勧告からも外れることはできない、しかし、将来の給与のあり方について議論することには異存がない、ということか。
 
県:今後の県職員の給与のあり方の検討に当たって、国、他県、民間のバランスをどう図るのか模索している段階、状況にあると考えている。国家公務員にも県内民間にも、単純にどちらかにだけ依るのではなく、双方を考慮しなくてはならず、また、時代の要請としてより一層地域の民間給与をどう考慮したのかという点について、きちんと県民に説明できるかどうかが問われている。初任給については、民間とのバランスにより本年度改善が勧告されたが、高齢者の給与などの課題も残っている。来年の勧告に向けて今からでも議論の場を持つ必要がある、という話は県から人事委員会にも申し入れている。
 
組合:上位職種が県内民間と給与の差が大きいが、どう考えるか。
 
県:上位職種というのが管理職ということであれば、概して課長級で県内民間との開きが大きい傾向があるのは確かであろう。しかし、高齢層については管理職に限らず非管理職についても県内民間との差があると思う。分析して必要なら対策をとらなくてはならないと感じているところである。
今回の勧告では、職位に関係なく50歳以上の昇給が抑制されるが、概ね50歳を超えたらどの職位でも民間給与より高い傾向があるということを受けたものなので、人事委員会もそれを踏まえて今回の勧告になったものと理解している。
 
組合:非管理職の高齢層の給与が高いのは、これまで主任主査制度により一律に昇格してきた影響がありそれは今後是正されるが、管理職はそうではなく、民間給与とも相当な開きがある。
 
県:民間給与の状況についての詳しいデータや、そのデータの持つ意味、調査結果から判明することの限界なども含めて、人事委員会が中心となって、労使も加わってテーブル上に載せて議論しなくてはいけない。また、その議論の状況は公表しなければならない。これまでそのような取組が十分でなかったが、今後は従来のような国準拠ではなくなるので、なおさらそのような取組が必要となると考えている。
 
【一(4)について(初任給基準の改善について)】
組合:来年度から初任給を4号給引き上げることに伴う、若年層職員の号給調整についての具体的な案があれば聞きたい。
 
県:人事委員会規則で定まることでもあり、県と人事委員会で検討はしているが、現段階で具体案はない。
 
組合:昨年、係長昇任前の行政職1級、2級の職員については全員調整を行うことで確認したはずである。
 
県:それは認識が異なる。確かに行政職1級、2級の話は出たが、その中で必要な部分について調整を行うというということで、全員とは言っていない。現在は、その調整が必要な範囲を含めて検討しているところである。
 
組合:この問題については、後ほど別途協議することとしたい。
初任給の4号給引上について、来年度からとの勧告であるが、昨年の交渉の際、県はこの措置については本年4月に遡ってでも実施すると言っていたのではなかったか。
 
県:そのような方法もあるとは言ったがそうすると約束したことはない。また、今回は引上げの実施時期も含めて勧告が行われている。
 
組合:昨年は初任給の早期改善が必要なことは共通認識だったと思うが、今回県は、人事委員会が実施時期を決めたから仕方がない、ということか。
 
県:仕方がない、というより、初任給は、引上げをする、しないを含めて人事委員会規則で定められており、引上げの実施時期についても、まさに人事委員会の判断事項だということである。
 
組合:今回の勧告では、初任給の4号給引上げと、50歳以上の職員の昇給抑制が併せて勧告されている。このうち、初任給については人事委員会規則で定められているが、50歳以上の職員の昇給については条例で定められている。
50歳以上の職員の昇給を抑制する条例改正についてはどうしても11月議会に提案しなくてはならないのか。2月議会に提案することも考えられないか。
 
県:勧告に基づく給与改定条例は1本であり、11月議会に一括して提案すべきものと考えている。
 
【二(1)について(主任主査制度見直しについて)】
組合:主任主査制度の廃止に伴う新しい人事制度について、行政経営推進課が各所属に意見照会を行ったことは承知している。各部局が出している課題・要望を整理したものを、労使で協議ができるよう示してほしいといっているが、その後話がない。いつ頃になるのか。
 
県:今日、この場で「いつ」とは言えないが、できるだけ早い時期に提示したいと考えている。提示に当たって、各職場との考え方などの行き違いによる無用の混乱が生じないよう、現在各所属と最低限の整理、確認、コミュニケーションを図っている段階である。
 
組合:先日、行政経営推進課の担当者からは2月になると聞いた。
 
県:そのようなことはない。通常の組織査定より早い時期に示す考えだと聞いている。
 
組合:新制度に対する納得性がないと職員のモチベーションが下がるので、それが一番危険。例えば職種ごとにでも、整理できたものから随時でいいので提示してほしい。
 
県:行政経営推進課に伝える。
なお、このような確認はこの場まで待っているのではなく、組合としても機会をとらえて随時確認してほしい。
 
【二(4)について(育児休業取得者の昇給復元改善について)】
組合:育児休業取得者の給料の復職時調整改善について、基準日以前の取得者と基準日以後の取得者との間に差が生じるが、これについて県は、地方公務員育児休業法の規定によるものだから仕方がない、との認識か。
 
県:「差別だから当然解消すべき」という組合の考え方には違和感があり、認識が異なる。それでは、多くの民間企業は現に差別を行っていることになる。育児休業といえども本来原則はノーワーク・ノーペイであり、社会的政策として育児休業については労働実績に基づかずに一定の手当支給や昇給を行っているものだと理解している。
 
組合:現実として、同じ年齢の職員であっても単に出産の時期が異なることにより将来の賃金に大きな差が生じる。この点について県は問題ないと認識しているのか。
 
県:法令の適用によって、復職の時期に応じて計算方法が異なることにより昇給の取扱いが異なることは生じるので、その結果を見て職員に不遇感が生じるかもしれないという点はあるだろう。しかし、先に述べたようにこの措置は社会政策として行われているものであり、また、地方公務員育児休業法においても復職時調整については国家公務員に準ずることが求められている。
復職時調整が改善されたことに伴い、その制度改正の狭間で適用に違いが生じるのは事実だが、国家公務員でもそれに対する調整措置は特に設けないこととされている。その判断、考え方に準ずること自体には問題はないと認識しているということである。
 
組合:組合としては不条理であるという認識であり、相当大きな問題と考えている。
 
【三(1)について(扶養手当について)】
組合:配偶者に係る扶養手当の1,500円という引下額は妥当と判断しているのか。
 
県:扶養手当だけを見れば引下げかもしれないが、人事委員会勧告の民間給与との比較は、給料や扶養手当を含めた全体の中で検討されており、人事委員会もその中で扶養手当の配分を変えたいと勧告されたものである。その勧告を尊重して対応する、という意味では適正と判断している。
 
組合:扶養手当全体の原資は固定して内部の配分を変えたい、という趣旨はわかるが、それで手当全体として配分がバランスがとれているかについては疑義を持っている。
 
【三(2)について(介護休暇取得者に対する経済的保障について)】
組合:育児休業中の職員に対しては育児休業手当金制度があるが、介護休暇については無給とされている。介護休暇についても、育児休業と同じような経済的保障ができないか。
 
県:現行制度は、国や他県の状況も踏まえ、介護休暇は無給休暇と整理しているところであり、現段階ではそのような措置は考えていない。
 
【三(3)について(自家用車通勤者の通勤手当について)】
組合:自家用車通勤者の通勤手当について、県の回答は、組合が要求する25円/kmは支給根拠になり得ない、ということか。
 
県:組合の25円/kmという要求はどのような考え方によるものか。
 
組合:昨年度の旅費改定時、自家用車出張の単価(改定前16円/km)は通勤手当の額により算出されたものであったが、それを自賠責や任意保険も算出根拠に加え25円/kmに改定した。
自賠責等はいわば「必要経費」であると考えられ、また、ガソリン代も高くなり実勢にあわなくなっている。普通無保険で車に乗る人はおらず、また、そろそろ実勢に合わせた改定時期ではないかという観点から25円/kmを要求するものである。
 
県:現在の自家用車通勤者の通勤手当は、ガソリン代、オイル代、タイヤ代を構成要素としている。
昨年の、旅費における車賃の改定に当たっては、自家用自動車を公務使用する場合、本来「公用車であれば個人負担は生じなかったであろう部分」として自賠責や任意保険も考慮し、25円/kmとしたものである。
なお、この際ガソリン代についても当時の実勢価格に基づき計算したが、単価には変わりはなかった。
また、通勤手当については自家用自動車の公務使用とは異なり、自賠責や任意保険まで税金で負担する必要性は現在生じておらず、現行どおりとしたものである。
 
組合:組合としても公共交通の利用促進は理解しているが、鳥取県や時間外勤務の実情から自家用車通勤にならざるを得ないとき、その必要経費はみてほしい。現在の通勤手当は通勤にかかる実費に及ばない。実費の弁済を考えてほしい。
 
県:通勤手当についても、国、他県、民間との均衡も図らざるを得ない。検討自体の必要は理解しているが、民間における支給実態等も調査、研究するなど、人事委員会で検討されるべきものと考えている。
 
組合:ガソリン代が高騰するときはどうするか、県の考えは。
 
県:現行の計算式のままであれば、高騰状態が長期にわたれば、その時の民間等の状況も踏まえ検討することはあり得る。
 
組合:通勤手当の民間データについては、統計方法に疑義があり人事委員会に是正を申し入れているところである。
昨年はたまたまガソリンの価格が下がったこともあり通勤手当については検討は保留したが、そもそも燃費が10km/Lで計算されていることやガソリンが安くなれば逆に得が生じること等も含めて考えなくてはならない。
ガソリンがいくら以上になれば単価に変動が生じる、というようなイメージは、県もあらかじめ持っておいてほしい。
 
【十二について(非常勤、臨時的任用職員制度の見直しについて)】
組合:別途、個別に、かつ具体的に協議すべき案件と理解しているが、現在職員課が取りまとめている、所属の意見を踏まえた再整理についてできるだけ早く提示してほしい。
不安を感じている職員や、今回の見直しを受けて退職を考えている職員に対してできるだけ継続してほしいと考えている所属もある。
 
組合:また、現在次世代育成支援対策推進法に基づき県が作成している「特定事業主行動計画」(=子ども・子育て応援プログラム)の対象者から非常勤職員、臨時的任用職員が除かれているが、原則としてはすべての職員を対象とすべきものである。
非常勤職員、臨時的任用職員も含む計画とし、その計画の中で非常勤職員、臨時的任用職員の勤務条件についても検討してほしい。逆に、同計画から非常勤職員等を除く、その感覚で今回の整理が行われているのではないかと危惧している。
 
【十について(労働安全に関わる要求について)】
組合:労働安全衛生委員会が開かれていない。一昨年か、その前に一度開催されて以来、昨年度は開催がなかった。
 
【次回交渉日程について】
県:次回交渉は、11月7日午後に行うこととしたい。

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