県と日野郡の3町は、急激な人口減少に起因する課題を解決するため、「地域の担い手の育成、
確保」及び「住み慣れた地域で暮らし続ける仕組みづくり」を力強く推進するための取組について
協議を行いました。
1 日時 令和元年12月20日(金)午後4時~5時30分
2 場所 日南町総合文化センター 多目的ホール
3 出席者 平井知事、中村日南町長、﨏田日野町長、白石江府町長、ほか関係職員
4 概要
(1)報告事項「災害時の学校給食の相互支援について」
〔事務局説明〕
・平成29年度に「災害に強い日野郡づくり相互支援協定」及びそれを具体的に推進するため
「災害発生時における日野郡3町の小中学校給食の相互支援にかかる協定」を締結した。
・この協定に基づき、平成30年度に図上訓練や配送訓練を行い、今年度、江府町で調理した
給食を日野町内の各小中学校に提供する「実食訓練」を実施し、学校給食衛生基準をクリア
して給食を提供することができた。今後も引き続き訓練を重ね、非常時の速やかな協力体制
に備えたい。
〔意見の要旨〕
(日南町長)
・今回の反省点、課題等を今後も連携の中で実践し、整理していく。
(日野77町長)
・西部地震の時に国道が通行止めになった。最短ではないコースで2時間をクリアできるのか
を検討するのもよい。
(江府町長)
・給食の委託業者が撤退した時の不安がある。
(知事)
・中部地震のとき食改、JA女性会等の応援があった。行政だけでなく応援も入れた場合も
含めて訓練すると、より本番に近くなると思う。
(2)協議事項 ~急激な人口減少から生じる地域課題に対応するために~
ア 地域の担い手の育成、確保のための連携
(ア)日野郡のふるさと教育の推進について
〔事務局説明〕
・日野郡の将来を担う世代の数は大きく減少するのは不可避な状況。
小中学校ではふるさと教育を実施しているが、高校生になると地域との関係性が希薄になり、
横のつながりも弱くなる。
・若い世代と地域の結びつきを充実強化させ、将来、地域の課題を解決し地域の担い手となる
人材を育成するため、日野郡3町では、日野郡在住の高校生や日野高校の生徒を対象に
ふるさと教育及びキャリア教育を行う「公設塾」の開設準備を進めている。
〔意見の要旨〕
(日南町長)
・高校時代に就職先など町のことを知らないのが実態ではないか。まずそれを伝えることが
大事。
(日野町長)
・民間の学習塾と同じだと誤解されないよう、学びたい時、学びたい時間に学べるという
自由度の高さ等の先進的な部分を伝える必要がある。
・日野高校の魅力化に大きく貢献できる取組だと期待している。
(江府町長)
・高校生段階からキャリアビジョンを明確にし、その中で必要な基礎学力をサポートする。
・地元に頑張っている人や企業があることを知らせる。
・一旦は外に出るかもしれないが、地元との繋がりで再度帰ってもらうことがねらい。
(知事)
・(コンセプトを見て)行動するということ、地域の中に出ていくということまで含めた
ところが、今までの単なる受け身の学習塾とは違う。そこがユニークさだと思う。
・もっと米子市、大山町、横田町、東京、大阪の方からも留学してくるぐらいのことを目指し
たらいい。
・日野高校、県教育委員会も一緒になって、学校や地域の魅力として、対外的にアピールする
ということを、企画の最終とりまとめに埋め込んでいただきたい。
(イ)関係人口及び移住定住等の拡充に向けた取組について
〔事務局説明〕
・全国的に人口減少が進展している中でも日野郡の人口減少は極めて深刻な状況であり、町の
賑わいを守り、地域の担い手を確保していく対策が急がれる。
・移住定住者の確保や婚活支援の推進と併せ、関係人口を増加し関係性を強めるための連携
した取組を検討したい。
〔意見の要旨〕
(日南町長)
・婚活の成果を出したい。
・答えはないが、何もしないと何も生まれない。積極的な動きを一緒にしたい。
(日野町長)
・(星空観望会する人を例に)町境を取り払った関係人口というのも一つの考え方。
(江府町長)
・江府町の道の駅で働いていた人がしている渋谷の店で、3町の物産を置くのも面白い。
イ 住み慣れた地域で暮らし続けるための取組の推進
(ア)持続可能な地域交通体系の構築について
〔事務局説明〕
・住民が住み慣れた地域で暮らし続けていくためには、買い物や病院に行くための交通手段の
確保が重要である。現在3町では交通事業者の協力を得て乗合バスやタクシーが運行され
交通手段は確保されているが、バス路線の採算性、運転士の確保問題など将来的な課題は
多い。
・実効性のある交通手段を持続していくため、「地域交通検討ワーキンググループ」を設置
して、先進事例の調査や地域状況の分析、施策の検討を行うなどの取組を進めたい。
〔意見の要旨〕
(日南町長)
・時期はわからないが、通学と一般利用をすみ分けした方がいいのかなと思う。
・タクシー会社が、運転手不足のため今年から日曜日を休む。今後のそうした可能性も
含めて地域交通をどう確保するか検討したい。
(日野町長)
・一番のネックは既存のタクシー会社、バス会社とのすみ分け。もしくはすみ分けないような
やり方もあるのかなと思う。
・共助交通を考えるにあたって、集落の人口構成が大切。各集落の人口構成の10年後、20年後
の平均年齢を作っているので、そういう検討もしないといけない。
(江府町長)
・バスは学校の子供を運ぶぐらいにしてあとは基本タクシー。このタクシーの利用をどういう
ふうにするかを今検討中。
・日野町とは、日野病院と関係が深いので、地域公共交通会議で連携していく必要がある。
・日南町はいろいろ研究をされているので、アイディア等を共有できたらいい。
(知事)
・全県でも今検討会を進めており、共有しつなげていければと思う。地域でフィットするもの
を考えていただくとよい。
・学校と一般をすみ分けしようというのも一つの仕切りだと思う。
・南部町、伯耆町はタクシー会社が撤退。タクシー会社だけに依存できないという事情もある。
一緒に知恵を出していきたい。
(イ)地域社会の基盤である集落の存続と活性化に向けた取組
〔事務局説明〕
・急激な人口減少や高齢化により共同作業や生活環境の維持が困難になり、存続の危機を
迎える集落の出現が現実の問題となりつつある。
・人口減少の中でも、地域の賑わいと活力を維持し、住み慣れた地域で暮らし続けていくため
に、住民自らが地域課題を考え解決しそれを行政が支援する仕組みづくりを、町と県が
タイアップして始めたところ。この取り組みを加速させ、集落の存続と活性化を図りたい。
〔意見の要旨〕
(日南町長)
・町とまち協で意見交換ができており、きめ細やかな行政ができる。
・担い手を作っていくために、農業が豊かさを感じてもらえるようにしたいと思っている。
今後、県にいろいろお願いすることもあると思う。
(日野町長)
・集落の話し合いの場を持つ補助金を作ったが、全50集落の半分ぐらいがまだ手を挙げて
いない。沈黙の集落をどうケアしていくのかが問題。
(江府町長)
・平成29、30年度に40の集落を全職員で回る集落総合点検をした。その結果、個々の課題と、
移動手段や買物等、町全体の課題が見えてきた。
・江府町は「にぎやかな過疎」に仕向けて行きたい。行政のことを当てにせずにやろうという
人たちをどんどん応援し、江府町に来れば何かできるぞ、という雰囲気を作りたい。
(知事)
・集落をつぶさに議論しようということであれば、中山間の集落の評価シートの活用や、
支え愛マップづくりなども併せて進めていただけると大変ありがたい。
・当初予算、補正予算の編成に、夢のある未来に向けて、今日の話を生かしていきたい。
・特定地域づくり事業協同組合を設立してはどうか。事務ベースではなかなか話が前進しない
が、今日は首長さんがそろっておられるので、この際研究してみたらどうか。全国で
いの一番に手を挙げてもいいのかなと。交通等を維持しようと思うと、この辺が切り札に
なるかなとも思う。
3 全体総括
(知事)
・非常に有益なお話をいただいた。中山間地の最も進んだモデルに逆に転換するきっかけに
なったと思う。
(会長総括:日南町長)
・人口減少に伴う地域課題に対して、日野郡ならではの取組を推進していきたい。日野郡3町
と県が力を合わせて成果を挙げればと思う。よろしくお願いしたい。
・本日の連携会議で合意した事項について、共同宣言という形を取らせていただきたい。
(一同賛同)
会議録(PDF 280KB)
会議資料(PDF 1816KB)
共同宣言(PDF 58KB)
県と日野郡の3町で「災害に強い日野郡づくり」相互支援協定を締結して、今後の災害に備える方策等について協議を行いました。
1 日時 平成29年12月24日(日) 午後4時~午後5時
2 場所 日野町役場 大会議室
3 出席者 平井知事、増原日南町長、景山日野町長、白石江府町長、ほか関係職員
4概要
(1)「災害に強い日野郡づくり」相互支援協定《締結式》
日野郡における災害時の住民の安全・安心を確保し、日野郡3町と県が連携して平時から
備えを進めることとして、相互支援協定(以下「包括協定」)を締結した。
(2)日野郡連携会議における協議事項(包括協定を踏まえて当面取り組む具体的な検討課題)
ア 災害時の給食施設の相互支援
災害時に速やかに小中学校への給食が郡内で相互提供できるよう、平時から相互に
給食施設の状況把握や調理員、配送方法、食材手配等の調整を進めておくもの。
<意見・議論>
・災害の初動は外部からの支援があることを想定しながら食材や人材等の調整を
することも必要。他町の学校に給食がうまく配達できるよう練習もしておきたい。
・また、次のステップアップとして、避難者へも温かい食事が提供できるよう
学校給食制度の規制についても研究してみてはどうか。
イ 日野郡内の道路除雪のあり方検討
人口減少や高齢化に伴い除雪オペレーターが減少する中、将来的に持続可能な
日野郡内の除雪体制を構築するため、除雪実務(現場作業)者を構成員に加えた
専門組織を創設して具体的な検討を進めるもの。
<意見・議論>
・道路除雪だけではなく高齢者にとっては集落内や家屋周辺等の除雪についても
深刻。
・ボランティアや専門家の知恵も借りて地域の体制作りも検討してみてはどうか。
ウ 福祉避難所の設置運営に関する連携
要配慮者への専門的なケアを行うための福祉避難所の設置や運営について、単町では
人的・物的な資源が限られるため、平時から郡内での連携方法を検討し災害に備える
もの。
<意見・議論>
・福祉避難所の選定(指定)、整備等を進めつつ、要配慮者のケアに対応できる
人材確保は域外からの派遣も想定した検討をしてみてはどうか。
会議録(PDF 270KB)
会議資料(PDF 2825KB)
12月19日に「鳥取県日野郡ふるさと広域連携協約」に基づく日野郡連携会議を開催し、日野郡3町の地域課題の解決に向け連携事業の拡充や各町の地方創生の具現化の取組の実施等について協議を行いました。
1日時 平成27年12月19日(土) 午後4時30分~午後5時30分
2場所 江府中学校 多目的ホール
3出席者 平井知事、増原日南町長、景山日野町長、竹内江府町長、ほか関係職員
4概要
(1)日野郡における鳥獣被害対策の体制強化について
深刻化する日野郡の鳥獣被害に対応するため、平成26年に日野郡鳥獣被害対策協議会を設置し、「実施隊」を中心とした取組を進める中で、農産物の被害対策支援にとどまらず地域の活性化や生活環境を含めた山間集落の総合的な被害対策に対する支援を求める声が高まってきた。これに対応するため、同協議会の活動内容の拡大と実施隊の処遇改善や体制強化に向けた人材の確保を図ることとされた。
【具体的な検討内容】
○狩猟者の関心は低いが被害をもたらすタヌキ・アナグマなどの中・小型動物の捕獲、
「有害捕獲員」の育成、周辺環境の整備(緩衝帯設置、里山の復活)など活動を拡大する。
○雇用する人材の任期・給与などの処遇改善なども検討する。
○農産物の被害対策支援にとどまらず地域の活性化や生活環境を含めた山間集落の総合的な
支援対策を実施するため、専門的な人材の配置などによる体制の強化を図る。
<これまでの取組>
「実施隊」(地域おこし協力隊など任期付きの職員4名で構成)を中心とした、侵入防止指導・
啓発、生息状況調査、狩猟指導等、地域が一体となった鳥獣対策の定着に向けた活動。
(2)連携施策の取組状況について
余剰野菜と農産物直売所を結びつける手法、休耕田を利用した川エビ飼育の実証実験などの新たなアイデアを試験的に実施するための仕組みづくり(検討実施体制・助成)や、移住者の満足度向上を目的としたネットワーク化に向けた意見交換会の開催によるコミュニケーションの充実の取組等についての報告が行われ、今後の取組に関する意見交換を行った。
<主な意見>
・農林業に限らず良いアイデアはまずやってみることが大切であり、磨けばどんどん
光っていくはずである。
・移住者のネットワークがうまく機能しているところは、加速度的に移住者が増えていく。
ネットワーク化にはある程度ロットがないと難しいので日野郡くらいの単位がちょうどよく、
農林業を中心に話も合うのではないか。
会議録(PDF 253KB)
会議資料(PDF 768KB)