3月15日(日)に、今年度最後の講座となる弥生のものづくり講座「銅鏃づくり」を開催しました。講師には弥生時代の武器形青銅器研究の第一人者である吉田広先生(愛媛大学ミュージアム)をお招きし、講義とワークショップをとおして参加者のみなさんに弥生時代のものづくり技術について理解を深めていただきました。
前半は吉田先生の講義です。弥生時代の様々な青銅器について紹介いただくとともに、鋳型のズレが形にどのように表れているか、研磨作業にどれくらい時間がかかるか、などといったことを具体的に説明していただき、銅鏃づくりにおいて注目するポイントへの理解が深まりました。
後半は銅鏃づくりワークショップです。はじめに公園職員による青銅の鋳込み作業を見学していただきました。燃料にコークスを使い、扇風機で送風して高温にした炉の中で材料になる銅とスズを溶かします。
材料が充分に溶けたらいよいよ鋳込みです!
徐冷した後に鋳型を外すと、無事に銅鏃ができあがっていました。
見学でイメージを深めていただいたら、いよいよ銅鏃製作体験です。青谷上寺地遺跡出土銅鏃をモデルに製作した3種類の石膏鋳型に低融点合金を流し込み、銅鏃鋳造・研磨仕上げを疑似体験していただきました。
鋳型から外した後に「バリ」を取ったり磨いたりする作業が大変でしたが、皆さんが美しく輝く鏃(やじり)を完成させました。
参加いただいた皆様、ありがとうございました。