第3回の土曜講座は、鳥取県立博物館の茶谷満(ちゃやみつる)専門員兼主任学芸員を講師にお迎えし、弥生時代の建物について御講演いただきました。
茶谷さんは、青谷上寺地遺跡から出土した6000点に及ぶ建築部材の調査研究に携わった経験をもとに、「竪穴建物の建築部材」、「掘立柱建物の建築部材」、「木の使い方」などをむきばんだ史跡公園の復元建物も例に挙げながら、丁寧に解説してくださいました。
この日は、会場とオンラインで30名の方に御参加いただき、講座終了後も「他の遺跡から出土した建築遺物材料や建築構造の違い」など、講師に質問が寄せられていました。
第2回の土曜講座は、米子市経済部文化観光局文化振興課の中原斉(なかはらひとし)専門官を講師にお迎えし、妻木晩田遺跡に集落が営まれる前後の淀江について御講演いただきました。
中原さんは、旧石器時代から弥生時代中期まで「淀江の黎明」として様々な遺跡が認められること、古墳時代に畿内・九州・出雲との対外交流による富の蓄積を背景として「よどえ王」が誕生ししたこと、7世紀末には汗入郡の中心地として栄えて上淀廃寺の建立につながったことなど、詳しく解説してくださいました。
会場とオンラインで37名の方にお申込みいただいていましたが、当日は新型コロナウイルス感染症拡大の影響によってオンラインのみでの開催となり、16名の方に御視聴いただきました。
令和3年度第1回の土曜講座は、当史跡公園の枡家 豊(ますや ゆたか)文化財主事が「弥生のまつり」というテーマで発表しました。
枡家文化財主事は、鳥取県立中央病院の改築に伴って実施した「秋里(あきさと)遺跡」の発掘調査で、井戸をはじめとする弥生時代の祭祀遺構を調査しました。今回の講座では、妻木晩田遺跡で見られる墳丘墓や竪穴住居の祭祀や秋里遺跡で見られた水場の祭祀の事例を挙げ、「弥生のまつり」のあり方についてせまりました。