むきばんだ史跡公園では、国内最大級の規模を誇る弥生時代の集落遺跡、妻木晩田遺跡の全体像解明のため、継続的に発掘調査を行っています。
令和4年度は、5月30日から第39次発掘調査(妻木新山地区2区南側斜面部)を開始しました。
妻木新山地区2区は、妻木晩田遺跡の集落形成期から展開期(1世紀後半から2世紀前半)の竪穴住居跡が多く発見されているエリアです。しかし、これまでの調査では丘陵頂部の平坦な場所を中心に調査されていたため、斜面部を含めてどのように土地が利用されていたのか、わかっていませんでした。
そこで、令和元・2年の第35・36次発掘調査では、斜面部に遺構があるかどうかトレンチ(試掘)調査をしました。その結果、斜面中腹付近で竪穴住居跡を確認するなど、斜面部を居住域として積極的に利用していた可能性が出てきました。
この調査成果を踏まえ、令和4年度から3カ年かけて斜面の広範囲を面的に調査することにしました。斜面部に存在する遺構の種類や時期、位置関係を把握することで、丘陵頂部の平坦な場所に立地する遺構と比較して斜面部の土地利用方法の特徴などを明らかにし、集落形成期から展開期の集落像の解明に迫ります。
発掘調査地は史跡公園内にあり、平日の作業中は園路から見学することができます。
さらに、毎週水曜日の午後1時30分から、現地で職員が調査状況の解説を行います。詳しくは、「妻木晩田遺跡第39次発掘調査の公開について」のページを御確認ください。
なお、調査は8月末まで行う予定で、調査期間中に現地説明会を実施します。
むきばんだ史跡公園へお越しの際には、「弥生のムラ」から足を延ばし、ぜひ発掘調査現場を御覧ください。
調査前風景(北西から)
重機を使った表土掘削の様子
ベルトコンベアーを使った掘削作業
石器(砥石?)が出土した様子