小高い丘の上にある妻木晩田遺跡。そこに復元された弥生のムラからは、どこまでも広がる青空と日本海ブルーを独占することができます。特にここ数日は、連日の快晴（酷暑⁉）で空気が澄んでいるせいか、日本海のその先に、しっかりと隠岐諸島のシルエットが飛び込んできます（写真）。
妻木晩田遺跡から見える隠岐の第一印象は、「あ、近いな」。直線距離で島後まで79km。鳥取－米子間とほぼ同じです。ただ、こちらから隠岐まで歩いて行けたのは、今より約7度も寒かった後期旧石器時代まで。つまり、弥生時代でも舟がないとたどり着けなかったのですが、妻木晩田遺跡からは隠岐産黒曜石製の石鏃が15点以上出土しています。妻木晩田ムラの人々にとって、隠岐は未知なる世界ではなかったのです。
なんだか手を伸ばせば届きそうな、そして少し頑張れば行けそうな、そんな印象を抱かせる隠岐と妻木晩田の距離感。ふと、「これって、弥生人も同じように感じたのでは？」と、眼前の隠岐諸島を見ながら思いました。
今日も心地良い涼風が吹く妻木晩田の丘の上で、あなたも弥生人とシンクロ（同期）してみませんか。
遺構展示館（妻木山地区）から隠岐諸島を望む