昨年9月から実施していた今年度の整備工事も、年末に無事終了しました。皆さんには長い間ご不便をお掛けしましたが、再び仙谷(せんたに)2・3・5号墓までアクセス可能となりました。ぜひ、ウォーキングがてら仙谷地区まで足を延ばしていただき、冬の日本海や隠岐諸島をご覧ください。
さて、冬場は木々の葉も落ち雑草も生えないため、夏場に比べて遠くを見渡すことができます。そんなある日の園内巡回時、「ちょっと一休み」と洞ノ原(どうのはら)地区の西側丘陵から周囲を見渡すと、あるものが目に入ってきました。具体的に言えば、直線距離で北に約240m離れた仙谷1号墓がよく見えたのです(写真1)。自分の目線とほぼ同じで、実際に洞ノ原地区西側丘陵は標高約93m、仙谷1号墓は標高約91mです。
これはもしやと思い、今度は仙谷2・3・5号墓まで30分かけて歩き、今はブルーシートで覆われている仙谷1号墓方面(非公開)を見渡してみました(写真2)。やはりここも標高約92m、同じ目線で1号墓がよく見えます。その1号墓の右側には、少し低い位置で8号墓も。ちなみに、標高約97mの仙谷4・6・7号墓付近からは、洞ノ原地区西側丘陵の高床倉庫もなんとか認識できます(写真3)。
ここに挙げた墓や建物が全て同時に存在していたとは限らないのですが、見える風景の高さや目線は、弥生時代とほとんど変わらないでしょう。こんなところにも、私たち現代人と弥生時代人の「視覚」をシンクロ(同期)してくれる鍵が潜んでいましたね。これだから、妻木晩田ウォーキングは止められません!
![写真1 洞ノ原地区から見える仙谷1号墓(赤枠)](/secure/1346419/0116pic1.jpg)
写真1 洞ノ原地区から見える仙谷1号墓(枠内)
![写真2 仙谷2・3・5号墓方面から望む同1号墓(左)・8号墓(右)](/secure/1346419/0116pic2.jpg)
写真2 仙谷2・3・5号墓方面から望む同1号墓(左)・8号墓(右)
![写真3 仙谷4・6・7号墓方面から洞ノ原地区を望む](/secure/1346419/0116pic3.jpg)
写真3 仙谷4・6・7号墓方面から洞ノ原地区を望む