作成日:2024年01月17日
古墳に「コーフン」現地踏査!

遺跡を確認する調査には、土に埋もれた遺跡を発掘する調査以外に、現地を歩いて土が盛り上がっている古墳や、落ちている土器や石器などを確認する分布踏査があります。木々の葉っぱが落ちて、下草も少なくなって地形がわかりやすい冬場は、分布踏査に最適な季節です。
これまでに何度も分布踏査を行っていますが、分布踏査にはこれまで出会ったことのない昔の人々の痕跡に初めて出会える瞬間があり、いつも「ワクワク」しながら地面を観察しています。
今回、12月13日(水)、14日(木)に妻木山地区、妻木新山地区の斜面で踏査を行いました。
妻木新山地区は丘陵頂部で行われた発掘調査や分布踏査によって、古墳や竪穴住居の痕跡が確認されてきましたが、北側の斜面部はまだ調査員も足を踏み入れていない未踏査エリアでした。
実際に妻木新山地区北側の斜面地を訪れると、斜面部は周りの木々に手をかけながら少しずつしか歩けない急な斜面が連続しています(写真1)。地面の上にシダが群生している箇所が多く、一度に斜面全体を確認することはできません。足元を確認しながら斜面を下って次の斜面を登る移動を何度も繰り返しました。

やっとの思いで斜面を下り、続けて斜面を登る瞬間はとっても気合が必要です。

写真1:斜面部の様子

写真1:斜面部の様子

踏査を繰り返していると斜面の中腹に土を盛り上げた古墳状の高まりを見つけました(写真2)。見つかった場所はこれまで遺跡の登録がない場所で、新発見の古墳です。直径は約10m、高さ1.5mの円形で、円墳と考えられます。斜面に伸びるわずかな尾根の高まりを利用し、土を盛り上げてつくられているようです。斜面の上り下りに疲れた時に出会えたので、テンションが上がりました。

写真2:古墳の高まり

写真2:古墳の高まり

今回の踏査の記録

今回の踏査の記録

今回は妻木新山地区の分布踏査をお伝えしました。
妻木晩田遺跡の中や周りの丘陵地にはまだまだ未踏査の地区があります。ワクワクするような新しい発見が眠っています。
今後も踏査のレポートはお伝えしていきたいと思いますので、皆さんお楽しみに。

 

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