![竪穴状遺構](/secure/288314/tateana-ikou(matsuogashira7).jpg)
妻木晩田遺跡では、弥生時代後期の竪穴住居跡が、2000年近く経った現在でも埋没しきらずに地表面で窪地として観察できる「竪穴状の窪地」が松尾頭地区を中心に散見されることが昭和初期から知られていました。
現在、発掘調査を進めている松尾頭(まつおがしら)地区8区でも、伐採後、地表面で竪穴状の窪地3ヶ所が確認されていますが、この調査地から鞍部をはさんでさらに北東に延びる丘陵上でも、2001年に行った踏査で竪穴状窪地1ヶ所を見つけていました。
しかし、その後、松枯れとともに樹木が生い茂ったため、この窪地の所在が分からなくなっていましたが、今回の8区の調査にあわせてこのほど再踏査を行ったところ竪穴状の窪地地形を見つけることができました。
この竪穴状の窪地は、直径が12.5m(上の写真の太い破線範囲)、深さが0.5mほどあり、そのほぼ中央に掘削穴が埋没したと思しき凹地(写真の細い破線範囲)もありました。こうした凹地は8区の窪地のうち2ヶ所にもあり、いずれも昭和初期に地元郷土史家の人たちなどが行った発掘調査の痕跡である可能性も考えられています。また、窪地の大きさから、大型の竪穴住居跡の可能性もあります。
今後、冬場に再度踏査を行い、正確な窪地の規模と位置を記録したいと考えています。