令和6年度附議案

平成25年2月定例県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨

 平成25年2月定例県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨

 これより、本定例県議会に提案いたしました諸議案につきまして、その概要を御説明いたします。

 今議会に提案いたしました議案は、             
  予算関係     32 件                 
  条例関係     32 件 
  その他の案件   12 件 の合計76件であります。

 最初に、議案第1号 平成25年度鳥取県一般会計予算についてであります。

 昨年末の政権交代後、政府は、大胆な金融緩和、機動的な財政運営、民間投資を喚起する経済戦略の三本の矢による日本経済の再生をはじめ、新たな政策を打ち出し、本県としても、国政の動き、経済の動きに対して機敏に対応し、これらを県民生活や地域の活力に結びつけていかなければなりません。
 先週15日には、いち早く臨時議会を開催し、議員各位の御理解を得て過去最大規模 339億円の補正予算を議決していただきましたが、この補正予算を速やかに活用するとともに、平成25年度当初予算と併せて14か月予算として、強力かつ機動的に厳しさが続く県内の雇用・経済対策や当面する重要課題に対する予算措置を講じ、県政に取り組んでまいる所存であります。

本年は、来月23日に念願の鳥取自動車道が全通し大交流時代の幕開けを迎えるとともに、5月26日には第64回全国植樹祭が、9月21日から11月10日まで第30回都市緑化フェア「水と緑のオアシスとっとり2013」が開催されるなど、内外に鳥取県の自然の素晴らしさをアピールし、「とっとりグリーンウェイブ」を起こす年であります。これらの新しい時代に向けた息吹を感じながら、県民の総力を挙げて新たな年度において力強く歩みを進め、未来への活力と安心や、「いいまちづくり」につなげていくため、「県民とのパートナーシップ」の下、「一歩先の県政」へ、壮大なチャレンジに踏み出して行かなければなりません。

一方で、新年度は現下の経済情勢を反映して県税収入の低下が見込まれる上、公務員給与削減を名目とした地方交付税削減のあおりを受け、臨時財政対策債と合わせた一般財源が今年度を下回る見込みとなっております。歳出面でも、公債費負担が引き続き高水準にあるほか、社会保障関係経費が増加傾向にあるなど、依然厳しい状況にあります。
しかしながら、経済社会情勢の変化を機敏に捉えて行動を起こすべき時期であり、切れ目のない経済・雇用対策を実施するとともに、鳥取県の未来に向けた新しいチャレンジを展開する事業を積極的に計上することとし、県民の皆様との議論に基づいて施策を練り上げる一方、本県独自に行った「事業棚卸し」等も踏まえ、事業全般にわたって最少の経費で最大の効果を上げるよう厳しく精査を行い、予算編成に当たりました結果、4年ぶりに平成25年度予算は今年度を上回る予算となりました。

 それでは、平成25年度当初予算案の概要について御説明申し上げます。

 第一の挑戦は、「とっとりグリーンウェイブ」であります。
 全国植樹祭、全国都市緑化とっとりフェア、10月19日から21日まで行われる「エコツーリズム国際大会2013in鳥取」など、緑がテーマの大型行事を通じて、鳥取県の雄大な自然と緑の豊かさを全国にアピールします。
また、東日本大震災の被災地の樹木の種子を、県内で苗に育てて東北に里帰りさせる「とうほくとっとり・森の里親プロジェクト」を展開するほか、県有施設の屋根等を活用し県民と協力しながら太陽光発電設備の導入を進めるとともに、小水力発電及び木質バイオマス発電導入に向けた取り組みを支援します。廃棄物のリサイクル率全国トップクラスを目指し、市町村の処理施設整備等を支援する交付金を創設するなど、リサイクル率向上に向けた取り組みも加速させます。
さらに、米子市崎津に建設するメガソーラー発電所を次世代エネルギーパークとして環境教育等の拠点とするほか、大山や弓浜半島などで国内外から人気が高まりつつあるサイクリングや、中部地区で盛んなウオーキングなど、本県の豊かな自然を体感しながら楽しむことができる新たなとっとりスタイルの観光を提案するため、エコツアーの造成やインフラ整備に取り組みます。

第二の挑戦は、「危機を克服 産業・雇用、防災・減災」であります。
 まず、中小の県内製造業者が新たな製品や技術開発を行う取り組みを強力に後押しするほか、金融円滑化法の終了を見据え、経済団体や金融機関等と連携した中小企業支援ネットワークの支援体制を強化します。さらに、製造業など人員削減の影響を受ける離職予定者と受入企業のマッチングを進めるための支援を行うとともに、中小企業者の経営力強化に資するよう、商工団体の経営支援機能を充実します。
 また、新たな成長分野であるコンテンツ産業の創出を後押しするため、アンテナショップの進出等、県内から首都圏等に打って出る事業者を支援するとともに、エコカー関連の産業育成、電気自動車のカーシェアリングの取り組みを支援します。
 原子力防災につきましては、島根原子力発電所で事故が発生した場合に備え、情報収集・提供体制の整備、放射線モニタリング体制の強化、医療体制の充実、避難路の安全確保など、あらゆる角度から対策を強化します。
また、土砂災害や水害から生命・財産を守るための意識啓発や情報発信を進めるとともに、市町村と連携して急傾斜地崩壊対策事業における住民負担の軽減に取り組みます。さらに、通学路の安全対策を前倒しして実施し、危険箇所の早期解消に努めます。
 農林水産業につきましては、非常に評判の高い新品種の梨「新甘泉」の生産拡大と高品質化に取り組むとともに、首都圏をはじめ全国にその魅力を発信してブランド化を進めます。また、次の全国和牛能力共進会をにらんだ鳥取和牛の増頭対策や、他県とも連携した鳥取和牛オレイン55のさらなるPRなど、全国トップレベルの和牛ブランドを目指した取り組みを行います。
 さらに、間伐材搬出助成や低コスト林業の推進など林業施策も充実させるほか、有害鳥獣対策から販路開拓まで一貫したジビエの利活用や、井戸海水による陸上養殖の振興など、新分野へも積極的に乗り出します。

第三の挑戦は、「大交流時代へ」であります。
日本海側の重要港湾として拠点性を高めるため、コンテナターミナルの効率化など境港の機能強化を進めるとともに、外国人誘客を強化するため、香港、ロシア等からの国際チャーター便の誘致を行います。さらに、新年度中には、倉吉道路、駟馳山バイパス、山陰道鳥取ICと鳥取空港ICの間及び名和・中山間の開通を果たします。本県の物流・観光の振興に資する大動脈の1日も早い実現に向けて全力で取り組みます。
また、従来の北東アジアゲートウェイ構想を一歩進め、県内企業の東南アジア進出の動きを支援し、現地に本県の観光情報等を発信するため、本県独自拠点をタイのバンコクに設置します。
さらに、山陰海岸世界ジオパークをアピールする山陰海岸国立公園指定50周年記念行事を行うほか、島根県と連携して高速道路網を活用した大周遊ルートを売り出すとともに、温泉地の魅力づくり、個人旅行客増に対応した宿泊キャンペーンなど、観光事業者の新たな取り組みを機動的に支援します。
 「まんが王国」につきましては、「「まんが王国」発ソフトパワー」を力強く育て、国内外にアピールするため、夏休みの時期に国際まんが博の後継イベントを行うほか、高知県など他地域との連携を行うとともに、本県のコンテンツ産業を積極的に県外に売り込むための支援策を講じます。

第四の挑戦は、「住まいや“いいまち”とっとり」であります。
 いわゆる限界集落の拡大に歯止めをかけるため、市町村と連携して、移住・定住者に対する直接給付と地域の農林業生産基盤の改善などを組み合わせた支援事業を創設します。また、中山間地域で住民が希望する生活支援サービスやガソリンスタンド減少への対応策などについて、大学等と連携した実証実験等を進めます。
 また、本県への移住定住を促進するため、移住経験者をアドバイザーとして委嘱してフォローする体制を整備するほか、県外のIT企業等が県内の空き店舗等をオフィスとすることを支援し、新たな雇用の場を創造するとともに、「まちなか」再生の取り組みを支援します。さらに、アーティストリゾート推進拠点整備や活動支援を開始し、住民団体等と連携した河川整備等に取り組みます。
 次に、「支え愛」の社会づくりについては、障がい者の就労機会拡大につながる農福連携の取り組みを強化するため、らっきょうの根切り作業の受発注をモデル的に支援するとともに、平成26年度に本県で開催予定の全国障がい者芸術文化祭に向けて、出演・出展を目指す障がい者等の活動を応援する取り組みを進めます。また、老人クラブへの助成事業については、介護予防、支え愛活動などに積極的に取り組んでいただくため、「いきいき高齢者クラブ活動支援事業」として再構築します。
 さらに、県東部医療圏の医療高度化に向け、鳥取赤十字病院の施設整備を支援し、県立中央病院の機能高度化と改革に向けた検討に本格的に着手するほか、産婦人科、小児科等における医師不足の解消のため、臨床研修医に研修資金を貸与するとともに、肝臓がん予防につなげるため肝炎ウィルス検査を受診しやすくなるよう制度を整えるなど、がん死亡率の減少に取り組みます。
 また、保育所での保育の質の向上と保育士の雇用環境改善を図るため、本県独自の3歳児加配を導入するほか、企業等に働きかけ男性育児環境の整備を図る「とっとりイクメンプロジェクト」を展開します。また、保育専門学院を廃止して、その機能を鳥取短期大学に統合することに伴い、経済的な理由で進学困難となる学生を支援する奨学金制度を創設します。
 教育につきましては、いじめ・不登校や体罰などの問題に対処するため、教育委員会直属の「いじめ・不登校総合対策センター」を設置し、現場と一体となった取り組みを進めます。また、外部有識者も参画する鳥取県学力向上戦略本部を設置し、市町村教委と連携しながら、学校現場に学力向上等のためのPDCAサイクルを導入するとともに、中学校で英語漬けの環境を整えるモデル校を設置するなど、学力向上に取り組みます。さらに、日野郡3町と連携して中山間地域の高等学校の将来のあり方や魅力づくりを議論する取り組みを進めます。

第五の挑戦は、「一歩先の県政推進」であります。
 鳥取県政を県民とのパートナーシップに基づいて運営するモデルとするため、県民の県政参画を強化することとし、鳥取県民参画基本条例制定と併せて県民、NPO活動を下支えする体制の充実を図り、官民協働で地域課題の解決を図るアドボケイトプランニング制度を導入します。
 また、地方分権の進展を踏まえ、関西広域連合への参画に加え、中国5県においてもドクターヘリの運航を始めることとしました。隣県連携についても高速道路網の充実を踏まえた島根県との広域観光キャンペーンや、兵庫県と連携した国道29号線の活性化などに取り組んでまいります。
 さらに、総合事務所体制の再編を断行するとともに、各総合事務所長及び日野振興センター長の裁量により活用できる予算を新たに設定します。また、県と中部ふるさと広域連合が一体となって広域観光に取り組む体制を強化いたします。

以上により、平成25年度当初予算案の総額は3,304億8,200万円を計上することとし、平成24年度当初予算に比べ0.1%増となるものであります。

続きまして、議案第21号 平成24年度鳥取県一般会計補正予算につきましては、不用額の精査等をいたしました結果、89億9千万円余を減額することとし、補正後の平成24年度予算総額は、3,675億8千万円余となるものであります。

 次に、予算関係以外の主な議案につきまして御説明いたします。

議案第33号 鳥取県民参画基本条例の設定につきましては、県民の皆様とのパートナーシップによる鳥取発の新しいデモクラシーの姿を目指すこととし、県民参加による開かれた公正な県政を確立するため、県政運営における県民参画の基本理念を定めるとともに、県民参画のための情報公開、広聴に関する基本的事項や、地方自治法に定められた二元代表制を補完するシステムとして、常設型県民投票の導入について定めようとするものであります。

議案第34号 鳥取県控除対象特定非営利活動法人の指定手続等に関する条例の設定につきましては、特定非営利活動法人に対する寄附を税制面から支援し、その活動の促進や県民による寄附の増進を図るため、寄附金税額控除の対象となる特定非営利活動法人の基準及び指定の手続等に関して必要な事項を定めようとするものであります。

議案第36号 鳥取県薬物の濫用の防止に関する条例の設定につきましては、社会問題となっている脱法ハーブ等の薬物による健康被害を未然に防止するため、各法律で販売等が禁止されている薬物に加え、これらと同等に健康被害が生じると認められる薬物も知事指定薬物として規制できるようにするなど、薬物の濫用の防止について必要な規制等を定めようとするものであります。あわせて、鳥取県青少年健全育成条例の一部を改正し、青少年の薬物使用を著しく誘発するおそれがあるものを有害図書類の指定対象に加えることといたします。

 議案第38号 鳥取県企業立地等事業助成条例の全部改正につきましては、現下の厳しい雇用情勢等を考慮し、県内における企業立地の促進及び雇用機会の拡大を図るため、企業立地等に対する助成区分の改正及び交付限度額の引き上げ等を行おうとするものであります。

議案第43号 職員の退職手当に関する条例等の一部改正につきましては、退職手当の支給状況調査により判明した官民格差を是正するため、4月1日より職員の退職手当を引き下げる見直しを行おうとするものであります。

議案第47号 鳥取県総合事務所設置条例の一部改正につきましては、地方分権の進展や県民の生活圏域の実情などを踏まえ、市町村との一層の連携と役割分担を図り、より良いサービスを提供する県民のパートナーとしての県組織とするため、東部・中部・西部の3圏域を基本に総合事務所を集約・再編しようとするものであります。

 議案第54号 鳥取県間伐材搬出促進事業助成条例の一部改正につきましては、間伐を促進し、健全な森林の育成及び資源の有効利用を図るため、間伐材の搬出等に要する経費に対する助成を継続しようとするものであります。

 以上、今回提案した付議案につきまして、その概要を御説明いたしました。

 よろしく御審議のほどお願いいたします。
  

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