１．事業名
とっとり文楽（人形芝居）、再動！～鳥取にしかない人形を楽しもう～
２．実施主体
生活文化研究会（鳥取市）
３．県協働担当課
鳥取県教育委員会事務局文化財課
４．解決したい地域課題及び目的
県内に残っており、存続が危ぶまれている３つの座（円通寺人形芝居保存会（鳥取市）、新田人形浄瑠璃芝居相生文楽（智頭町）、因幡文楽水口人形芝居保存会（八頭町））（以下「３座」という。）の人形浄瑠璃、人形芝居の継承をはかる。
５．課題解決の手法
(1)３座による合同公演会「とっとり文楽（人形芝居）、再動！」の開催
初の座の合同公演会を県開催の文化フォーラム「文化芸術の再発見（平成２８年７月）」と合同開催し、２２０名もの来場者に人形浄瑠璃、人形芝居に親しんでもらった。
日時 平成２８年７月３１日（日）
午前１０時から午後０時３０分まで
場所 とりぎん文化会館 展示室
集客数 約２２０名
(2)継承事業 子ども伝承教室の開催
２つの座において子ども伝承教室を開催し、子ども達が人形芝居に触れる機会を創出した。
日時 平成２８年８月２５日（金） 円通寺子ども伝承教室（子ども２６名）
平成２８年９月２９日（金） 円通寺子ども伝承教室（３５名うち子ども９名）
(3)継承事業 冊子「とっとりの人形物語～村を愛する人形浄瑠璃と人形芝居～」の発刊（平成２９年３月２８日）
貴重な財産である３つの座に関する冊子を作成し、中学校・高校へ配布した他、とりネットへも掲載した。
発刊部数 １，３００部
配布先 東部圏域の中学校、高校 各５部
中部・西部圏域の中学校、高校 各３部
鳥取市 八頭町 智頭町教育委員会、ほか
５．県・市町村との協働内容
・合同公演会については、関西元気文化圏推進フォーラム「文化芸術の再発見（平成28年7月）」と連携し、同時に開催した。フォーラムのオープニングでは円通寺人形芝居保存会による演目「大黒舞」が披露され、県民の目に触れる機会となった。
・フォーラム開催時、合同公演会とは別に「人形浄瑠璃ワークショップ」も開催した。人形遣いの第１人者の一人である人形浄瑠璃 木偶舎 勘緑氏による人形の動かし方などの実演を行い、子ども達に触れる機会を創出した。
・合同公演会のチラシ作成にあたり、ターゲット層（小学校３～５年生）の抽出を県協働担当課が実施した。
・合同公演会では、新田人形浄瑠璃芝居相生文楽の移動のため、智頭町教育委員会においてバスの手配などの協力が得られた。
・冊子発刊に当たり、内容・構成・著作権など関係団体との調整を文化財課、文化政策課、参画協働課と協働した。
・出来上がった冊子は、県協働担当課より県内小中高等学校、図書館、市町村教育委員会等へ配布した。
６．事業成果
・合同公演会を県開催のフォーラムと同時開催したことにより、広報面で大きな効果があり、多くの方に合同公演会を観覧していただくことができ、団体が単独で開催するよりも事業成果が上がった。
・合同公演会の様子がテレビや新聞により報道されるなどした結果認知度が上がり、人形公演の依頼を受けるようになったほか、新たなスポンサーとの出会いがあり、平成２９年６月の３座合同公演会「鳥取人形浄瑠璃フェスティバル（会場：大江ノ郷自然牧場）」の開催へとつながった。
・一連のイベント開催等を通じて座間の交流がうまれ、平成２９年４月には合同公演を続けるための組織が出来たほか、人形を遣う者や人形の修復を行う人形師をめざす新たな人材がそれぞれの座に加入するなど、座が活性化し始めた。
・子ども達に人形芝居に触れる機会を与えることが出来た。
・県内の貴重な財産である円通寺人形芝居（鳥取市・県指定無形民俗文化財）、新田人形浄瑠璃芝居相生文楽（智頭町・用具が町指定有形民俗文化財）、因幡文楽水口人形芝居（八頭町・町指定無形民俗文化財）に関する冊子を作成し、中学校・高校へ配布した他とりネットへも掲載した。これにより広く知ってもらえることができ、郷土芸能への理解と今後の後継者育成の地盤固めに寄与した。