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平成29年度第1回知事等の給与に関する有識者会議の概要

 

1 日時 平成29年11月20日(月)午後1時30分から2時40分まで

2 場所 鳥取県庁第15会議室(議会棟3階)
     西部総合事務所災害対策室(新館2階)
3 出席者 
(1)委員(五十音順。敬称略)
 区分  氏名  職名等  会場
 座長 多田 憲一郎 鳥取大学地域学部 教授  本庁 
 委員 大山 亜紀子 司法書士 西部 
  中谷 浩輔 株式会社鳥取銀行 相談役 本庁 
  野津 寛美  米子商工会議所女性会 会長 本庁 
  平田 由枝  社会保険労務士  本庁 
  森下 大輔  鳥取県商工会議所青年部連合会 理事  本庁 
  若月 哲郎  日本労働組合総連合会鳥取県連合会 執行委員  西部 

 

(2)事務局 
氏名

職名等

 会場
亀井 一賀 総務部行財政改革局長  本庁 
川本 晴彦  総務部行財政改革局人事企画課長  本庁 
戸井 歩  総務部行財政改革局人事企画課給与室長  本庁
新高 謙一  総務部行財政改革局人事企画課給与室課長補佐  本庁
川口 豊長  総務部行財政改革局人事企画課給与室係長  西部 

(3)各種委員会事務局
 教育委員会、監査委員、人事委員会、労働委員会、公安委員会

4 概要 
 座長を決定した後、事務局から資料説明し、その後、各委員から意見聴取及び質疑応答を行った。
 

 委員 事務局から今回の知事の給与改定について説明がありました。いろいろと御意見、ご質問があるかと思いますので、よろしくお願いします。
 委員 知事等の給与改定は、「一般職の給与改定に準じて」とのことなので、まず、一般職の給与についてお尋ねします。一般職と特別職は基本的に責任度合いを含めて違うと思いますが、一つの基準として用いているとのことでした。抽出されている人事委員会勧告の調査対象事業所は毎年変わっているのでしょうか。
 事務局 企業規模50人以上、かつ事業所規模50人以上の225事業所から136事業所を無作為抽出しています。確率としては、2年に1回よりも高い確率で対象となります。かなりの企業が連続して調査対象となっている可能性が高いと思われます。鳥取県の調査対象事業所の225事業所というのは、他県との比較では少ないわけです。調査対象事業所の分母が小さいので、連続性、継続性は担保されていると考えています。
 委員 時系列的に見えるということですね。
国公ラスが93.7とのことですが、全国的にはどのレベルにあるのでしょうか。
 事務局 最下位です。国公ラスというのは国家公務員との比較になります。学歴と年齢が同じ人を国と県で比較しています。数字が100を超えると、国よりも高いということになります。
 委員 民間をベースに考えるということですが、今年、最低賃金が3.22パーセント上がっています。最低賃金とのバランスは全く考慮されないのですか。 
 事務局 おっしゃるとおり、最低賃金は最近上がってきていますが、地域の民間給与を反映させています。実は3年連続引き上げとなっていまして、28年も1パーセント強、27年も1.26パーセントというように、賃金についてはいろいろな見方もありますが、最低賃金の引上げもあって、上がってきている状況です。そういうものが今回の調査結果にも現れているのではないかと思います。
 委員 いわゆる働き方改革についてお尋ねします。民間も生産性向上について議論しているのですが、鳥取県としても既に取組をされているのでしょうか。 
 事務局 県職員も時間外勤務が多いのではないかとの指摘を受けています。そうしたこともあり、県職員も数年前から時間外勤務の縮減に取り組んでいます。昨年の鳥取県中部地震の対応で平成27年度との比較で時間外勤務がかなり増加したことから、改めて今いろいろな取組を進めています。その中に、カイゼンといった視点も取り入れて、生産性向上にも取り組んでいます。
 委員 0.7パーセントの引き上げですが、民間も上がっているのなら妥当性があるかなと感じています。ぜひ上げていただきたいと思います。知事の水準は全国47位ということです。県民所得が46番ということを考えると、47番ということも妥当性があるのかなとは思いますが、ただ、知事の活動を考えますと、順次引き上げていくことも考えるべきではないでしょうか。
 委員 御欠席の委員からも御質問をいただいているのですが、事業所を抽出する基準ですとか、136事業所を抽出することとなった経緯というのはどうなのでしょうか。
 事務局 国の人事院が調査対象事業所を抽出しています。民間事業所への調査は、国の人事院と全国の人事委員会が協力して、全国的に実施しているものです。鳥取県の部分を本県の人事委員会が使っているものです。
 委員 調査対象となる事業所の業種はどうなのでしょうか。
 委員 地域で主要産業に違いがあると思います。東部中部西部の地域バランスは抽出にあたり、考慮されているのでしょうか。
 事務局 人事委員会の資料では地域バランスまではわかりませんが、業種別の数字は公表されています。
抽出された136事業所のうち、125事業所から実際に回答いただいています。産業別に、主なところでは、製造業が53事業所、「電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業」が26事業所、「医療、福祉。教育、学習支援業、サービス業」が22事業所です。
 委員 それらは全て国が抽出するのですか。
 事務局 そうです。 
 委員 それらは全て正社員ですか。
 事務局 そうです。
 委員 225事業所全ての集計結果はあるのですか。136事業所で0.7パーセントということですが、全てを調査したものとどのくらいの乖離があるのかどうかということでお尋ねします。
 事務局 抽出した事業所以外の事業所については、調査を行っておりません。
 委員 民間事業所への調査は4月の調査ということですが、民間事業所ではいわゆるベア交渉して、妥結が6月頃、4月に遡って実施ということが一般的と思いますが、新しい給与ベースで調査されているのでしょうか。
 事務局 民間事業所への調査は5月から6月にかけて実施します。その時点で改定されていなければ、そのままです。その意味では、1年遅れとなっているところもあるかもしれません。
 委員 特別職については、資料で示されているように、1人当たりの県民所得とか、県内総生産といった指標も参考とされていると思います。
ところで、例えば、1人当たりの県民所得については、雇用者報酬と財産所得と企業所得の3要素の合計です。そこで、雇用者報酬についてはどうなのか調べてみたところ、内閣府が公表しており、ネットに掲載されています。鳥取県は平成26年度で382万円、一番少ないのは佐賀県で321万8千円、青森県、秋田県、長崎県、宮崎県、沖縄県が鳥取県よりも低いのです。雇用者報酬では、鳥取県は41位です。
何が言いたいかと言うと、他県の知事さんの働きぶりはわかりませんが、マスコミへの露出などを見ていると、知事はかなり頑張っておられます。全国で最下位だからそれでいいというのは、少し違和感があります。県民所得で見る場合も、違う側面で見るということも必要ではないでしょうか。
全国で47番だからということで判断するのはどうかなと感じます。
一方では、県財政に占める人件費が約25パーセント、どの程度が妥当なのかは、よくわかりませんが、もう少し幅広な観点からの議論が必要ではないでしょうか。
どうすべきだということではありませんが、もう少し多様な観点から検討すべきではないでしょうか。 
委員  もう少しいろいろな角度から検討すべきではないかという御意見でした。雇用者報酬では41位で決して47番ではない。
事務局 知事の働きという観点で御意見をいただいたと思います。雇用者報酬では確かに47番ではないのですが、我々も特別職の報酬、知事の給与を考える際に全国最下位にしようとしているものではありません。客観的に一般職の給与の改定率などを考慮して考えているのが現状です。ただ、その結果として全国最下位となっているということが、結果論としてはあるかと思います。人件費の率もかなりの率、かなりの額となりますので、そうしたものが県の財政を圧迫していくといった要素も加味しつつ、どの辺りが妥当なのか、その都度御意見をいただきながら考えているということです。御意見はどんどん言って頂けたらと思いますので、よろしくお願いします。
 委員 こういう角度でも検討したらという御意見もいただけたらと思います。 
 委員 有効求人倍率について、全国的にも高い状況です。0.7パーセントの引上げは、少し控え目な気がします。
全国的なバランスも考えての案とは思いますが、その点はどうでしょうか。
事務局  確かに有効求人倍率もかなり上がっていますが、県内の景気、経済状況がものすごくいいという実感はまだないという状況だと思います。人事委員会の勧告にありますように、一般職は民間とのバランスを考えて給与を決定しています。一般職も知事も、民間の景況感はどうか、どれくらいの経済状況か、そうしたところを見ながら決めていくということだと思います。必ずしも、県内の今の経済状況は、有効求人倍率が上向いているとはいえ、肌身として実感しているところではないため、こうした改定率が妥当なところなのかなと考えています。
 委員 景気については、業種により較差がある状況だと思います。二極化が進んでいると感じています。一般職にしても、あまり民間からかけ離れても問題があると思います。そのあたりのバランスが大切だと思います。
 委員 確認ですが、この有識者会議で出された意見は、今後どのように反映されることになるのでしょうか。
 事務局 本日いただいた御意見を踏まえ、次回どのように反映させるかということを考えますと、例えば、県民所得の細分の整理ですとか、有効求人倍率、県内の景況感の状況、人事委員会勧告の内容について、もう少し詳細にあらかじめお示しして、判断いただくことにつなげることになるかと思います。
 委員 知事の給料を上げることには異論はないが、上げ幅を検討するにあたってはもっと多様な指標を検討すべきだという問題意識だと思いますので、次回以降は対応をお願いします。
 委員 期末手当について、支給月数の変更が度々あります。こう頻繁に変える必要があるのですか。
また、比較されている国の指定職は比較的増減が少ないようですが、どういった職ですか。
事務局  人事委員会の調査に基づいて支給月数は変えています。指定職は事務次官、局長といった職で、ちょっと特殊な職です。知事は一般職に連動して下がっています。
 委員 知事は年中無休で働いておられます。47番目は違うのではないかと思います。知事の給料が上がると、県民の気持ちも違ったりするのかなと思います。もっと上げてもいいのではないでしょうか。
 委員 知事の給料をもっと上げてもいいのではないかとの御意見でした。知事の給料は単に個人の給料ではなく、仮に知事の給料が40番目ということになれば、いろいろなアナウンスというか、メッセージを県民に出すということにもなります。1個人のものではなくて、県全体の公共的なものということだと思います。知事の給料が発するメッセージというものがあるので、その辺りを考慮して知事の給料は決定すべきいう御意見だと思います。
 委員 日頃、県政と関わりを持つことがあります。私も、知事の給料はもう少し上げてもいいのではないかと思いますが、民間企業もそうですが、ベースを上げると下げることが難しいということがあります。どちらかというと、特別給で対応することがいいのではないかと思います。他府県の動向はどうでしょうか。
 事務局 人事委員会勧告の状況ですが、据え置きは本県と山口県の2県です。他の都道府県はだいたい0.1月アップが多いという状況です。
 委員 カットされている県もありますが、これはどういうことでしょうか。
 事務局 条例で本則額は決まっているのですが、それぞれの知事のお考えで、本来の額をカットされているということです。
 委員 県庁は地域で一番の大企業。地域経済の活性化という観点もあるかと思います。
 事務局 多くの職員がいる団体としては、だからこそ、県民の御理解の得られるバランスのとれた考え方、額をお示しして、県議会の議決をいただくということだと考えています。
 委員 民間とのバランスということですね。地域経済の観点も必要という御意見でした。 
 委員 知事の給料を引上げることは妥当と考えています。上げ幅については、水準は判断しづらいところがあります。人事委員会勧告を基準としているということであれば、おかしいといった判断はしづらいと思います。知事の働きを踏まえると、今の水準が多いとは言えないと考えます。
 委員 決め方について、鳥取県は人事委員会勧告に準じて決めているわけですが、他県で一般職に準じない決め方をしているところはありますか。 
 事務局  一般職との均衡という観点もありますので、改定という観点では、一般職と切り離した改定は難しいかなと思います。
 委員  民間との較差が0.98パーセントということですが、改定率はそれに近い数字が出てくるのが本来ではないかと思います。0.7パーセントの引き上げという数字が出てくる理由はなぜでしょうか。
 事務局 給料の引き上げだけではなく、扶養手当などの引き上げもあることから、給料は0.7パーセントの引き上げとなっています。最終的には0.91パーセントの改定となっています。
 委員 本日の意見をまとめますが、全員引上げについては異論がありません。上げ幅については、もう少し上げてもいいのではないかという意見が大多数でした。知事の給料は県民の象徴でもあり、メッセージを県民に出すということにもつながる、財政面も検討する必要があるということです。人事委員会勧告がベースということですが、知事の給料を検討する際には、多面的に検討する必要があることから、事務局にはもっといろいろな角度から検討する根拠を示してほしいと思います。
  

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