2020年8月 タイ王国及び東南アジア諸国の動向

    タイ王国及び他の東南アジア諸国の経済・産業動向、社会動向報告書

    1. バンコクモーターショー2020概要
    2. 出展ブランド
    3. イベント会場のコロナ対策
    4. イベントの成果

なお、全文版ではタイの経済統計を1ページにまとめた「ワンページタイ経済」も併せてご覧いただけます。

  

タイ王国及び他の東南アジア諸国の経済・産業動向、社会動向報告書2020年8月

 こんにちは。鳥取県東南アジアビューローの辻です。

 バンコクモーターショー2020が、7月15~26日にかけてIMPACT ムアントンタニーで開催されました。例年であれば3月下旬から開催される同イベントですが、本年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月から5月、5月から7月と2度の延期を経てようやくの開催となりました。

  ニューヨークモーターショー(アメリカ)、ジュネーブモーターショー(スイス)、パリ―モーターショー(フランス)他、各国の国際的なモーターショーの開催中止が相次いで発表される中、コロナ禍における初の国際モーターショーとして、多くの注目を集めたバンコクモーターショー2020。今回は、このバンコクモーターショー2020のイベントレポートをお伝えします。

1.バンコクモーターショー2020概要

バンコクモーターショー2020イベント概要
イベント名 第41回バンコク国際モーターショー(バンコクモーターショー2020)
開催期間 2020年7月15日(水)~26日(日)
イベント会場 インパクト・ムアントンタニー(IMPACT Muang Thong Thani)
チケット代金 THB100/PAX
主催者 Grand Prix International Public Company Limited
公式ウェブサイト バンコクモーターショー
出展ブランド 四輪車27ブランド、二輪車12ブランドが出展

2.出展ブランド

 新型コロナウイルスの感染拡大後、新車販売の売り上げが落ちる中、四輪車27ブランド、二輪車12ブランドが今回のイベントに出展しました。日系各社は、近年需要が拡大しているSUV(スポーツ多目的車)を中心に新モデルを出展し、市場の回復を促進しました。

 タイの自動車市場で3割のトップシェアを誇る、タイ国トヨタ自動車は、7月9日に世界初公開した、「カローラ」シリーズの新型SUV「カローラクロス」を世界で初めて展示した他、SUV「フォーチュナー」等を展示。

 また、タイ日産自動車は、独自のハイブリッド技術「e-POWER」を搭載した、SUV「キックス」を出展。なお、今年の5月にタイでの販売を開始したこのモデルは、バンコク近郊サムットプラカーンにある工場で生産されています。

 マツダセールス(タイランド)は2020年度第1四半期のクロスオーバーSUV市場でトップシェアを獲得しています。そんな同社からは、7月2日に発売された、クロスオーバーSUV「CX-3」や、タイで5月7日に発表され、ロードスターの名で親しまれる、「MX-5」の新モデルが展示されました。

 

その他、プジョー、BMW、フォード、ミニクーパー、ランボルギーニやMG等の国際的な高級ブランドが多数出していました。

3.イベント会場のコロナ対策

 今回のバンコクモーターショーには、平日の午後3時頃から参加をしました。国内での新規感染者は出ていない状況ではありましたが、大規模なイベントへの参加は多くの人が自粛するのではないか、と閑散とした会場をイメージしていました。ですが、実際に会場に入るとそれなりの人出で賑わっており、昨年も同じく平日に参加したスタッフからは「昨年度の時よりも人が多いのではないか」という声もありました。

 冒頭でも述べた通り、バンコクモーターショー2020は新型コロナウイルス感染拡大後初の大規模自動車展示会とあり、ソーシャルディスタンスの確保等、イベントの運営方法にも注目が集りました。来場者のマスク着用の義務化はもちろん、各メーカーのスタッフもマスクを着用、説明員もフェイスシールドを着用し、各所に消毒液を設置する等、感染拡大防止措置が取られました。

 また、現在国内各地の商業施設にも設置されている、「タイチャナ」というオンラインプラットフォームのQRコードが、各ブランドの展示ブースの出入口に置かれ、各ブースへの入退時の登録が必須とされました。この登録作業を行うことにより、各ブースに設けられている入場者数が設定される制限数を上回わらないよう管理が可能となります。更に、もしもイベント参加者から感染者が出てしまった場合、同じ日時、同じブースにいた来場者、イベント関係者を特定ができ、クラスター(集団感染)の発生を最小限に食い止めることができるのです。

 展示車の説明を行うスタッフの他に、車のドアやハンドル等、来場者が触れる箇所を消毒するスタッフがおり、サーモグラフィーカメラによる検温等の感染防止策も実施されました。

 

4.イベントの成果

 バンコクモーターショーの特徴の1つは、各メーカーが展示スペースの裏に商談スペース設け、現地で車を販売するトレードショーにもなっているという点です。東京や欧米諸国のモーターショーは、新車発表の場という側面が強いですが、バンコクでは新車販売の側面が強いのです。そのため、各ブランドはバンコク近郊のディーラーからセールススタッフを集め、自車の販売に奔走します。こういった事情から、バンコクモーターショーでの車の成約台数がその年の自動車需要を反映する1つの指標とされます。今回の成約台数は、前年比の53.9%減となる22,791台。来場者は前年の1,600,000人から約34%減の1,049,046人だったと、同イベントの主催者であるグランプリ・インターナショナルが発表しました。  

 新型コロナウイルスの影響によるタイ経済の減速から、成約台数・来場者数への大きな影響は免れなかったものの、グランプリ・インターナショナル社のジャトゥロン最高執行責任者(COO)は「予想よりも大きな来場者があった」とコメントしており、成約台数に関しても予想されていた数字を上回ったことから、下半期の市場は回復に向かうのではという見込みがされています。

【バンコクモーターショー2020ブランド別制約台数】

四輪車
ブランド 台数 増減
トヨタ 3,745 ▲38.7%
マツダ 2,365 ▲54.6%
ホンダ 2,001 ▲59.3%
スズキ 1,583 ▲31.7%
いすゞ 1,510 ▲44.4%
MG 1,399 ▲37.1%
三菱 1,227 ▲59.4%
日産 952 ▲57.8%
BMW 888 ▲43.4%
フォード 742 ▲59.6%
合計 18,381 ▲58.2%
二輪車
ホンダ 1,545 21.3%
ヤマハ 1,387 91.8%
カワサキ 446 ▲17.3%
ロイヤル・エンフィールド 321 2.2%
スズキ 203
合計 4,410 ▲17.5%
四輪・二輪車合計 22,791 ▲53.8%

出典:グランプリ・インターナショナル

今後の世界のイベント開催はどうなる?

 年内に予定されている多くのイベントが中止・延期となる中、例年10月に行われるパリモーターショー主催団体は、今年の「現行の形式」での開催を中止する旨を発表し、現在その代替案が模索されています。イベントによってはオンラインでの開催がされるなど、新型コロナウイルスにより世界中で実施方法の見直しがされています。来年のバンコクモーターショーは2021年3月24日から4月4日開催予定ですが、これからの世界のイベント開催動向が注目されます。

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鳥取県東南アジアビューロー 担当:辻 三朗 (TSUJI SABURO)

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鳥取県商工労働部通商物流課 担当:村上

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