令和6年度附議案

令和5年6月定例県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨

令和5年6月定例県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨


 本議会に提出致しました議案の説明にあたり、まずもって県民の代表としてスタートを切る議員各位に対し心よりお祝い申し上げますとともに、任期を共にする4年間の県政において、議員各位と力を合わせ、県民の幸せと鳥取県の発展のため一身を捧げてまいりますことを、ここにお誓い申し上げます。

 私たちは今まさに歴史的な激動の時代を生きています。
 令和の幕開けの4年間は、新型コロナウイルスやウクライナでの戦火、これらに伴う経済の停滞、物価・エネルギー・肥料・資材等の高騰など、世界も日本も未曽有の危機に直面する中、鳥取県の総力を挙げた県民の大切な命と暮らしを守る闘いの日々でありました。今こそ、不透明な国際情勢と経済・社会の混乱、人口減少、少子高齢化、地域の疲弊、感染症などの複合的危機を突破し新たな時代を創らなければいけません。
 議員各位や県民の皆様の御協力で全国のモデルとなった新型コロナ対策を展開し、出生数が昨年は全都道府県で唯一増加に転じ44人増となるなど、私たちは困難に打ち克ち、成果を挙げることができました。小さな鳥取県と言われながらも、知恵を結集し地域の絆を生かした総力で向かって行けば、鳥取県こそが、全国を先導し立ちはだかる危機を突破して、輝く鳥取県を創造していくことができると信じます。
 これからの4年間、新たな歴史をここ鳥取県から創るため、心新たに挑戦する決意であります。議員各位、県民の皆様の御理解と御指導を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。

 それでは、諸議案につきまして、その概要を御説明いたします。

 今議会に提案いたしました議案は、
  予算関係   5件
  条例関係  13件
  その他の案件 8件 の 合計 26 件であります。

 まず、議案第1号 一般会計補正予算(第1号)の「物価高騰等緊急対策」につきまして御説明いたします。
 国の支援対象外となっているLPガスや特別高圧電力の契約者に料金高騰分を支援するとともに、医療・社会福祉・保育・クリーニングなどに対する助成を行い、売上や粗利が減少した中小企業の設備投資等の補助、県立学校の給食費負担軽減など、事業者や生活者の実情に即した緊急対策を実施します。
 これらの対策は速やかに実行する必要があり、議員各位におかれましては緊急性を御賢察賜り、議案第24号 「職員の特殊勤務手当に関する条例」等の改正とともに、先議に附していただきますよう謹んでお願い申し上げます。

 続きまして、議案第2号 一般会計補正予算(第2号)につきまして御説明いたします。

 第一に、「ふるさとの元気」についてであります。
 飼料高騰で乳価値上げ後もなお厳しい状況が見込まれる酪農へ新たな支援を行うとともに、繁殖和牛・肉牛・養鶏・養豚農家を支援することとし、自給飼料生産を強化するほか、農業水利施設省エネ化、漁船用機器購入助成を展開します。さらに、閑散期における宿泊や団体バス支援、飲食店応援お食事クーポン券など、コロナ禍で最も影響を受けた観光・飲食業等の需要喚起を図り、地域交通事業者や公衆浴場への燃油・エネルギー代支援、生活困難者等の光熱費助成など、コロナ禍からの再生を後押しします。
 併せて、「食パラダイス鳥取県」へと舵を切り、飲食店アンバサダー認定や新メニュー・商品開発支援を行うほか、「果樹産地トレーニングファーム」設置や就農応援交付金の増額、イワガキ増殖場の再生試験や藻場ブルーカーボンのクレジット化、先端技術を活用した和牛の種雄牛造成などを推し進めてまいります。
 さらに、「産業未来共創基金」を新設して、企業の技術革新、設備投
資、人材確保等を強力に支援するとともに、砂丘を活用した宇宙産業振興や建設デジタル技術実証拠点化を進めます。また、リスキリング推進、「ホワイト物流」支援、生産性向上による賃金アップ、小規模事業者の経営力強化・事業承継など、産業・雇用の振興を図ります。
 加えて、鳥取型幼稚園留学、「メタバース鳥取コミュニティ」創設、「とっとりクリエイターズ・ビレッジ」開設など若い世代の移住を促進するほか、副業・兼業の活用、早期インターンシップ、市町村と連携した高校学生寮開設など、関係人口を拡げてまいります。また、スーパーはくとの「名探偵コナン」ラッピング、サウナ・自転車・アドベンチャー等のニューツーリズム、国際定期航空路再開を見据えた海外誘客などを進めるとともに、県立美術館の開館特別展準備やプロモーション強化、県立博物館改修整備の検討着手、倉吉関金道路や江府三次道路の調査など、ふるさとの元気を推し進めます。

 第二に、「健康・安心」についてであります。
 中山間地域等の生活基盤を確立することが急務であり、市町村「買物環境確保計画」に基づく店舗や移動販売等を支援する「買物安心確保事業」を創設するほか、鳥取型MaaSによる地域交通利便性向上、医療人材の確保を図ります。
 また、県版CDC「鳥取県感染症対策センター」による感染症即応体制を充実するとともに、認知症・フレイル対策、更年期症対策、訪問看護支援を行い、ひきこもり・ヤングケアラー・老々介護・不登校・ひとり親家庭等への相談やアウトリーチ支援等を展開するなど、孤独・孤立対策の一層の強化を図ってまいります。
 さらに、「自然共生サイト」認定支援、花粉対策や皆伐再造林の推進、山陰海岸ジオパークの魅力強化を図るとともに、防災・減災のための事前伐採や倒木除去、大雪時の支え愛活動支援、防災情報ポータルサイト構築、樋門電動化、国民保護充実強化、犯罪被害者支援の検討など、安心の確立を図ってまいります。

 第三に、「人・暮らし」についてであります。
 小児医療費完全無償化を市町村と共同で実現するためシステム整備にかかるほか、デイサービス型産後ケア施設整備、潜在保育士の就業勧奨や保育支援者の配置、使用済みおむつの処分支援、「こども家庭支援センター」設置など、子育て環境の充実を図るとともに、メタバース空間による恋活・婚活、ボランティア仲人への成婚謝礼など、「カップル倍増作戦」に着手します。
 また、医療的ケア児送迎支援、在宅強度行動障がい児者のアウトリーチ支援、デジタル活用による不登校防止検証やALTを活用した英語力向上を行うとともに、手話言語条例制定10周年を記念した「とっとり手話フェス」の開催、「あいサポート運動」の強化、新たな工賃向上プラン策定や点字ブロックでのデジタル技術活用を行ってまいります。
 さらに、境港公共マリーナ、倉吉スポーツクライミングセンター、「米子アリーナ」を整備し、「ねんりんピックはばたけ鳥取2024」の準備、育休女性のキャリアサポート、鳥取県の実情に即したLGBTQ対策の検討、投票率低下防止等に向けた政治参画のあり方研究等を展開してまいります。

 なお、実効性ある県政展開を図るため、若者の主体的な活躍を推進しその意見を事業・政策に取り入れるべく、県組織に若手職員による「とっとり未来創造タスクフォース」を設置するとともに、鳥取をもっと元気にしたいと願う県内外の若者による「とっとり若者活躍局」を設置して、子育てや移住など未来につながる提言や情報発信を行ってまいります。

 以上の補正予算の合計は、肉付予算としては過去最大の349億6千万円となり、補正後の予算総額は3,699億8千万円余となるものであります。 

 次に、補正予算以外の主な議案につきまして御説明申し上げます。

 議案第8号 「鳥取県都市公園条例」の改正につきましては、「東郷湖羽合臨海公園パークビジョン」を踏まえた指定管理区分の見直しや指定管理業務の拡大を図るとともに、パークPFIの積極的な活用による多様な主体の参画を推進するものであります。

 議案第9号 「鳥取県盛土等に係る斜面の安全確保に関する条例」の改正につきましては、改正された宅地造成等規制法を援用して、本県の条例による盛土規制を更に拡充しようとするものであります。

 議案第23号 「鳥取県産業未来共創条例」の制定につきましては、事業者、教育機関、行政その他全ての関係者が県内産業の未来を創造するために共に力を合わせて取り組むことができるよう、県内事業者の研究開発、生産性向上、事業承継、経営革新など一体的に支援する新たな助成制度を定めるとともに、その財源となる基金を新設し、県内経済の再生と発展を図ろうとするものであります。

 議案第25号 「鳥取県行政組織条例」の改正につきましては、「政策戦略本部」と「輝く鳥取創造本部」を設置するなど、機動力をもって施策を推進するため、県庁の組織再編を行うものであります。
 議案第26号 「鳥取県特別医療費助成条例」の改正につきましては、市町村と協力し、令和6年度から県全域で18歳まで医療費を無償化するため、利用者自己負担部分も含めて助成することとするものであります。

 以上、本議会に提案した付議案につきまして、その概要を御説明いたしました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

  

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