協働参画課の主な業務・制度

リアルマック

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【事業内容】

自転車リヤカーによる移動販売事業

カーゴマルシェが笑顔も運ぶ

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2016年10月鳥取県中部を震源とする最大震度6弱の地震がありました。今でも鳥取県中部地方を中心に、大きな爪痕を残しています。その被災した倉吉市で、地域のコミュニティを大切にする活動をしているのがリアルマックです。

リアルマックの活動の1つである『くらよしカーゴマルシェ』は、自転車の荷台に野菜やお菓子を入れて、街をまわる移動販売をしています。今回の地震で被災した倉吉市明倫地区と成徳地区が主な活動場所です。

代表の福井恒美(ふくいつねみ)さんはカーゴマルシェについてをこう話してくれました。

「コミュニティを作るっていうのが一番の目的です。その手段として野菜をお届けしているだけなんです。」

売れるか、売れないかは二の次三の次、実際に話しだけをするために来る人もたくさんいます。『なにも買わない人でもどんどん来て欲しい。人が集まるだけでいいんです。』と福井さんは言います。

地震で気がついたこと

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鳥取中部地震をきっかけにして、コミュニティの大切さを強く感じました。

「それが1番よく分かったのが、この前の鳥取中部地震です。日頃声を掛け合うとか、実際顔をあわせることがすごく必要だなって思いました。そういうのがあるからこそ、災害が起きたときに、『あそこのおばあさん大丈夫かな』とか、『あのおばさん見かけてないな』とか、いつものあの顔が浮かんでくるんです。日頃のコミュニティや井戸端会議みたいなのがないと、ちょっと他人事になってしまいますよね。」

まだ倉吉の街には、多くの屋根にブルーシートがはられています。地震で壊れた屋根の修理が終わってないのです。実は福井さんの家の屋根もまだ修理されていないそうです。「順番に直しているんだけど、職人さんの数にも限りがあるから。」地震から数ヶ月。通常の生活は取り戻しつつありますが、まだまだ完全復興には遠いようです。

おしゃれな自転車で街が明るくなった

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取材当日、カーゴマルシェとして一緒に街をまわりました。一緒だったのは、代表の福井さんとスタッフの木村さん。木村さんは智頭町出身で東京からUターンしてきた方です。

カーゴバイクといわれる自転車に乗ってスタートします。福井さんはちょっと誇らしそうに

「(カーゴバイクを指して)これ、良いでしょ?自転車も楽しくおしゃれなのが良いと思ってね。それで見つけてきた自転車です。地域の人からは『かっこ良い自転車が走ると街が明るくなったね』って言われることもあります。やっぱり若い子が働く場所を誇りが持てる所にしたいから、使う道具もこだわりたいですね。」

そしていつもの場所に出て、ベルをチリンチリンと鳴らすと、どこからともなく人がわらわらと集まってきます。中には、木村さん自ら玄関の呼び鈴を『ピンボーン』と、ならす家も。そして買い物より先に始まるのが井戸端会議です。

近所の方との世間話「寒いですね。風邪ひいてませんか?」というあいさつで始まり、テレビのこと、もうすぐ咲く桜のこと、話しはなかなかつきません。木村さんの様子はまるで地元アイドルのよう。代表の福井さんはこの様子を見て、顔をほころばせます。

「おっちゃんの顔よりも、かわいい顔を見たいって言われるよ(笑)新しいスタッフがまわっていると、地元アイドルみたいになってるかもしれないですね。自分のファンを作っているようなもの。これでスタッフも自信を持ってもらえればうれしいな。」

大雪の日、販売よりも近所の雪かき

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そんなカーゴマルシェも課題があります。

「自転車で行ける範囲は限られています。この辺り全部をまわることはできません。この辺の住人としては3500人くらいはいるんですよ。『うちの地区にも来てくださいよ』ってよく言われます。全部に届けてあげたいのはあるんですけど、人の数と仕入れの問題があるのでなかなか難しい。でも少しずつまわる場所を増やして行きたいと思っています。」

外で移動販売するので、天候にも左右されます。大雪の日には、移動販売に行くことはできませんでした。

「この前の大雪があったときは、さすがにカーゴマルシェができないから、いつもまわっているところに行って雪かきをしました。やっぱり毎回顔をあわせている人は、心配になるし、おばあちゃん、おじいちゃんも雪かきができない人もいるからね。」こんなつながりを大切にしたいと福井さん。

やっぱり人が好き

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カーゴマルシェのつながりについてこう話してくれました。

「最初は、お客さんが交通弱者である高齢者の方が多いと思っていたら、必ずしもそうではなかったんです。やってみたら、普通の奥さんでも買って行かれるし、若いお兄さんやお姉さんも来てくれる。それはうれしい誤算でした。」

そこには移動販売以上のなにかがあると言います。

「ものを単に売って『ありがとうございます』だけじゃなくて、なんかプラスアルファを作って行きたいんです。おじいちゃん、おばあちゃん、子ども、孫たちの様々な世代間の昔あった普通の会話。それこそ心が通うコミュニティで、それが人と人をつなげているっていう活動。それを目指して少しずつ続けて行きたいですね。」

福井さんの根底にあるのは、人が好きという思いです。そして住んでいる地域のコミュニティを大切にしたいという気持ち。人と人のつながりを作るために、今日も福井さんは自転車を走らせています。



■ライター紹介
都丸 司(とまる つかさ)
鳥取県米子市在住。鳥取の魅力を伝えたい、鳥取に住んでいる人がもっと楽しくなる情報を発信したい。鳥取県外に住む人にも鳥取に来てもらいたい。ローカル情報サイト「鳥取マガジン」編集長。

  

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