とっとりSDGs企業認証を令和5年度に取得した「TVC株式会社」の業務部 部長 山本 尚人さん、業務部 副部長 鹿原 文裕さんにSDGs活動について伺いました。
■TVC株式会社(南部町)
活動概要/東京に本社を置く部品メーカー、NOK株式会社の子会社。自動車のエンジンや足回りなどに使用する防振用ゴム製品生産。近年はハイブリッド車や電気自動車に使われる製品も生産拡大。

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~地域の誇りとなる会社へ~
TVC株式会社は緑豊かな西伯郡南部町に位置します。防振ゴムを用いた部品の製造に特化し、自動車用部品は国内で大きなシェアを誇ります。現在従業員は約730人。ほとんどが南部町や米子市をはじめ、遠くは倉吉市から通っています。
働きやすい職場づくりに向けて、当社はPSGs(心理的安全な職場)の取り組みを進めています。1on1を行い、個性を認め合う風土を育て、誰一人取り残されない会社を目指しています。
環境面においては、工場内で排出される全ての廃液を敷地内の施設で処理し、法定基準を満たすクリーンな状態で放流しています。
TVCの取り組みはホームページやSNS、工場見学などで紹介しています。近年、祝日営業日を利用してオープンファクトリーを積極的に実施しています。子どもたちの来社も多く、製造工程や排水処理施設などの見学、製造の模擬体験などを通して、TVCへの理解を深めていただいています。秋には毎年、工場の敷地で秋祭りを開催。地域の人たちと一緒に模擬店を出し、来場者も参加できるイベントも行い、交流を深めています。また、地域清掃やイベント参加などのボランティア活動、水害時に社屋を避難場所として提供するなど、地域貢献にも努めています。

令和6年には、公立鳥取環境大学でとっとりSDGs企業認証の認証事業者として、主に経営の観点から講義を行い、SDGsとその先の未来を学生と一緒に考えました。TVCは「社会に愛される会社、社員が誇れる会社」を経営理念に掲げています。製品の製造を通して、「全てのステークホルダーの皆さまに誇りを持っていただける企業になること」を「TVCプライド」とし、全社員でその価値観を共有しています。地域と積極的に関わる活動も、地域への恩返しの気持ちと、地元の人たちにTVCを知って、安心していただきたいという思いで続けています。
鳥取県は人口最少県で、今後も減少する見通しです。ともすると「仕事がない」というイメージも持たれがちです。実際にはTVCも含め、すぐれた技術を有して全国、世界で活躍する企業が多くあります。またそこに「働きやすさ」という価値を加え、もっと「鳥取の企業って、すごいらしいよ」と評価が広まれば、Uターン、I Jターンを望む人たちが来てくれるかもしれません。県外への人材流出を抑え、県内への流入を増やしたい。TVCだけでなく製造業という職種に興味を持っていただきたい。TVCは今後もさまざまな活動を通して、地元が誇れる会社として認知度を高め、地域の産業・経済を支えて、ともに発展していきたいと考えています。