令和7年6月定例県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨
本議会に提案いたしました議案は、
予算関係 2件
条例関係 7件
その他の案件 9件 の 合計18件でございます。
まず、議案第1号 令和7年度鳥取県一般会計補正予算(第3号)につきまして御説明申し上げます。
「米国関税対策」につきましては、政府による対米交渉が精力的になされているところでありますが、米国による相互関税や自動車関係・鉄鋼・アルミニウムへの高関税など、日本も各国も貿易・経済への影響が及んでくると想定され、県として、影響を大きく受ける県内企業への新たな低利・無保証料の融資資金を創設し、生産性向上・新技術開発や海外販路・サプライチェーン再構築などの支援制度を設けることといたします。また、「米価高騰・物価高対策」として、低所得者や多子世帯への支援、子ども食堂支援、LPガス・特別高圧電力の料金助成、肉用牛生産支援など緊急対策を迅速に実施することといたします。併せまして、「急潮被害対策」として、漁業者の定置網被害の早期復旧を支援してまいります。
なお、こうした国際情勢や物価高など喫緊の行政課題に迅速に対応するとともに、「令和の改新」を推進し人口減少対策を機動的に展開するため、議案第17号 「鳥取県行政組織条例等の改正」により、部局を越え全庁挙げて官民協働で政策推進を図る政策統轄総局を、政策統轄監の下に設置する組織改正を行おうとするものであります。
県議会におかれましては、これらの諸議案の緊急性を御賢察いただき先議に附していただきますよう、謹んでお願いを申し上げます。
次に、議案第2号 令和7年度鳥取県一般会計補正予算(第4号)につきまして御説明申し上げます。
まず、「未来を切り拓くふるさとづくり」につきましては、米の作付け拡大を図る農業者の機械導入支援、建設人材確保対策、産業集積・雇用創出を軸とする地域活性化などを推し進めるとともに、「遥かな町へ」の映画化を倉吉市と協調して支援するなど映画・ドラマのロケ誘致を強化し、演劇や文化芸術の魅力で県内周遊を促進するほか、国際航空路線のプロモーションを精力的に行うことといたします。
また、アンコンシャスバイアス打破に向けた「話彩や(はなさいや)チーム」トークキャラバンを実施するとともに、女性特有の健康課題を解決する「フェムテック」による働きやすい職場環境づくりを進めるほか、本県独自の私立中学校授業料助成を全生徒に拡大いたします。
次に、「安心・安全なふるさとづくり」につきましては、青少年の健全な育成に向けまして、SNS被害防止専門家チームの設置、情報リテラシー講座の実施、弁護士相談費用支援の創設を行いますとともに、県立の障害児入所施設等の安全対策の強化、訪問介護サービス提供体制の確立、県内医師確保に向けた奨学金制度の創設、病院経営安定化の支援、「フェミサイド」対策の導入などを展開してまいります。
また、3月に発生した大山の大規模雪崩により被災した一の沢橋の本格復旧工事に着手するほか、地域高規格道路の整備促進や防災重点ため池の改修、通学路安全対策を推進し、境港昭和北地区の上屋建替に取り掛かるものであります。
これら議案第1号・第2号による補正予算の合計額は84億3千万円余となり、補正後の予算総額は3,738億6千万円余となるものであります。
次に、補正予算以外の主な議案につきまして御説明申し上げます。
議案第4号 「職員の育児休業等に関する条例等の改正」につきましては、職員の仕事と育児の両立支援を進めるため、新たに年10日間の部分休業を設けるとともに、本県独自の子育て部分休暇の拡充を行おうとするものであります。
議案第5号 「鳥取県営住宅の設置及び管理に関する条例の改正」につきましては、子どもがなくても若者夫婦を県営住宅の優先入居の対象に追加するなど、子育て世帯も含めた若者の住まい確保を図ろうとするものであります。
議案第18号 「鳥取県青少年健全育成条例の改正」につきましては、生成AIによる児童ポルノ等の被害から青少年を守るため、その作成・製造を禁止する実効性を担保するため、削除命令や罰則について定めますとともに、県の責務を拡充するなど、独自に青少年の健全な育成に向け対策を充実・強化しようとするものであります。
以上、本議会に提案いたしました諸議案につきまして、御説明申し上げました。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。