浄化槽法の一部を改正する法律(平成17年法律第47号)が、平成17年5月20日に公布され、平成18年2月1日から施行されました。
<主な改正内容>
・浄化槽法の目的の明確化
・浄化槽からの放流水に係る水質基準の創設
・浄化槽設置後の水質検査の検査時期の適正化
・適正な維持管理を確保するための都道府県の監督規定の強化
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特に、毎年受検することとされている法定検査の未受検者に対する指導監督権限が強化され、罰則も規定されました。浄化槽法を遵守し、法定検査等を必ず受けるようにしましょう。
なお、浄化槽には、し尿及び雑排水を処理することができるもの(合併処理浄化槽)と、し尿のみしか処理することができないもの(単独処理浄化槽)があります。
単独処理浄化槽は、雑排水が未処理のまま放流されるので、河川・湖沼の汚れの原因となっています。私たちの生活環境の保全及び公衆衛生の向上のために、なるべく早く合併処理浄化槽に切り替えるか、公共下水道、農業集落排水施設等が整備されている場合であれば、接続するようにしてください。
1 浄化槽法の目的の明確化【第1条関係】 近年の浄化槽の置かれている位置付けの変化を踏まえ、浄化槽法の目的において、公共用水域等の水質の保全等の観点から浄化槽によるし尿及び雑排水の適正な処理を図る旨が明示されました。
2 浄化槽からの放流水に係る水質基準の創設【第4条第1項及び第3項関係】 浄化槽からの放流水の水質を担保するため、環境大臣が浄化槽から公共用水域等に放流される水の水質について、環境省令で、技術上の基準を定めることとなりました。(施行日までに設置されている合併処理浄化槽及び単独処理浄化槽には、適用されません。)
環境省令で定める基準:BOD20mg/L以下及びBOD除去率90%以上
BOD(Biochemical Oxygen Demand、生物化学的酸素要求量)
河川や工場排水中の汚れ(有機物)が微生物により分解される時に消費された酸素量のこと。水の汚れが進むほどその値は大きくなります。
3 浄化槽設置後の水質検査の検査時期の適正化【第7条第1項関係】
浄化槽は実際に一定期間使用した後でなければ微生物が安定化せず、所期の処理性能を発揮できないことから、浄化槽法制定当時の技術水準に照らし、これまで使用開始後6月を経過した日から2月間に受けることとされていた浄化槽設置後の水質検査について、使用開始後3月を経過した日から5月間に受けなければならなくなりました。
4 適正な維持管理を確保するための都道府県の監督規定の強化
(1)法定検査の実施の確保【第7条の2及び第12条の2関係】
法定検査が確実に行われ、その結果に基づき都道府県が適切な指導監督を行えるようにするため、法定検査を受検しない者に対して指導及び助言、勧告並びに命令といった指導監督が行えることとなりました。
改善命令に違反した者に対する罰則【第66条の2関係】:30万円以下の過料
(2)指定検査機関から都道府県への検査結果の報告【第7条第2項及び第11条第2項関係】
都道府県の指導監督の強化を図るため、指定検査機関は、水質に関する検査を実施したときは、環境省令で定めるところにより、遅滞なく、毎月末までにその前月中に実施した検査について報告、報告内容:検査を行った年月日、浄化槽管理者の氏名・住所、浄化槽の設置場所、検査結果等を都道府県知事に報告しなければならなくなりました。
(3)浄化槽の使用廃止の届出の義務付け【第11条の2関係】
浄化槽の設置状況の確実な把握を図るため、浄化槽の使用を廃止したときは、環境省令で定めるところにより、その日から30日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならなくなりました。
届出を行わず、又は虚偽の届出をした者に対する罰則【第68条関係】:5万円以下の過料
5 その他
報告徴収及び立入検査に係る規定が整備され、水質の検査機関に係る指定は全て県が行うこととなり、その他罰則の強化等が行われました。
6 施行期日 平成18年2月1日(全面施行)