教育委員リレーコラム

  

いきいき生きるためのメッセージ

鳥取県教育委員  山田 修平 山田委員長の写真

 人生2度なし。与えられた生をいかに充実して生きるのか。全ての人の課題といえよう。
 よく幸福でありたいという。しかし幸福はかなりあいまいな概念であり、主観的な価値観によって左右される。多くの先達から学んだ幸福感、つき進んでいきいき生きる秘訣を考えてみたい。

 まず比較の心からの脱却である。多くの悩みは比較の心から生ずる。頭がいい、悪い。金持ちだ、貧乏だ。美人だ、そうじゃない。私たちはよくしている。うちの子とあの子を比べてどうである。お兄ちゃんと弟を比べてどうである。そして悩んだり、苦しんだりしている。それぞれにはそれぞれの良さがある。自分は自分らしく、彼は彼らしくで、よいのではないか。

 2つ目は生かされ生きる命の実感をもてるかどうかだ。当たり前のことだが、家庭においては夫婦、親子、兄弟姉妹関係のなかで私たちは生きている。学校においては教職員間、先生と生徒、友人関係の中に育まれている私たち。地域の人々、社会の仕組み、自然の恵みの中に生かされ生きる私たちの命。朝、目覚めたときに心臓が脈打つ不思議さ。命は確かに多くの人々に、さらにそれを超えた「なにものか」に生かされている。この不思議を思う時、命あることに感謝の念が自然と湧く。有難いとはこの気持ちを表す言葉なのであろう。

 3つ目は、自己の当面の仕事に、勉学に全力を傾注することであろう。隣の芝生は美しく見える。しかし青い鳥は他のどこにいるのではなく、今、私たちのいるところにいる。関わりのある仕事は天職であり、勉学は与えられた恩寵的試練なのだろう。今、この時、この場で全力を尽くしてこそ、それぞれの能力の最大発揮であり、自己実現へつながるのであろう。

 そしていま一つは、多少なりとも他の人々に親切にすることだ。生かされ生きる命、少しでもお返しをすることが大切だ。そうすることによって小さな自分が、広い世界へ一歩踏み出すことになる。

 以上4つのこと、私自身できているわけではない。こうして書くことによって、自身へのメッセージとしたい。

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