理念
鳥取県の過去を知り、ともに未来を考えていく博物館
鳥取県の「宝蔵(たからぐら)」
鳥取県立博物館は、現在の場所においてこれまで果たしてきた資料の収集・保存を中心とした基本的な役割・機能を、今後もしっかりと果たしていきます。
このことで県民が楽しく学び、感動を覚えるような 「魅力ある県立博物館」となり、更には、まちづくりなどの地域の多様な分野にも貢献していきます。

過去を知り、考えていくために、皆さんの財産である資料をいつまでも守り続けます。
宝蔵について
19世紀半ばの鳥取城内には「御宝蔵」という建物が実在していました。この蔵には、現在県外の機関が所蔵する国重要文化財や、県立博物館に引き継がれている初代藩主池田光仲直筆の和歌などが収められており、「御宝蔵」は博物館の前身とも言えます。博物館が考える「宝蔵」は単に資料を納めておくだけの蔵ではなく、収集した資料を適切に保存・管理し、誰もがいつでも利活用できる新しい蔵です。
使命
■収集・保存
鳥取県の過去(自然史、歴史、民俗、美術工芸の資料)を、県民一人一人の財産として収集し、適切かつ安全な環境の下で、保存します。
■調査研究
資料の調査研究を継続するとともに、館内外で円滑・適切な調査研究活動が展開できる機能や環境の整備に取り組みます。また、調査研究の成果については、積極的に県民に還元します。
■展示活動
資料を専門分野ごとに詳しく、分かりやすく解説することはもとより、異なる分野が融合した博物館として、多面的な考察や視座を提供します。また、学芸員や研究者等との対話や交流を通じて、学びが深まるよう努めるとともに、資料は、いつでも誰でも利活用できるようにし、県民の主体的な学びに貢献します。
■学習支援
「ふるさとキャリア教育」の推進や「教育DX」への対応など、新たな社会的ニーズに確実に対応するとともに、博物館から離れた地域でも、学習の機会が提供できるよう努めます。
■地域連携
資料の利活用により、鳥取県の新たな価値と魅力を見いだし、国内外へ発信し、交流と発展を進めます。また、県民・地域との共同連携による「魅力ある県立博物館」となることで、文化観光やまちづくりなど、多様な地域の活力向上に貢献します。
沿革 ~鳥取県立博物館の歩み~
鳥取県立博物館の前身は、昭和22(1947)年に鳥取県立公民館内に設置された「科学研究館」です。その後、昭和24(1949)年に鳥取城跡内の「仁風閣」に移転し、「鳥取県立科学館」となりました。昭和29(1954)年には「鳥取県立科学博物館」に改称され、博物館法に基づく登録博物館となり、昭和39(1964)年には生物・地学・考古・民俗の4部門を扱うようになりました。
昭和47(1972)年10月に、鳥取県立図書館が保管していた鳥取藩池田家資料を受け入れ、新たに美術部門を加え、現在の場所に「鳥取県立博物館」として新築・開館しました。開館時の部門は学芸係(地学・生物・考古・民俗)、美術係、史料係でした。
令和7年(2025)年3月に美術部門が分離独立し、倉吉市に鳥取県立美術館として開館することに伴い、館の模様替えを行い、鳥取県立博物館は令和7年5月1日から自然史・歴史・民俗・美術工芸の総合博物館として新たな歩みをはじめました。