まだ葉も花も少ないこの時期に、木全体に赤い花をつけているフサザクラはよく目立ちます。この様子をサクラに見立てたとか、樹皮がサクラに似ているからというのがフサザクラの和名の由来のようです。
どういう花が咲いているのか近くに寄ってみましょう。
何か赤い花のように見えます。花弁(かべん:花びら)や萼が無く、暗紅色の葯(やく:雄しべの中で花粉を生成し、収納する部分)を持つ雄しべと雌しべだけが垂れ下がっています。
このフサザクラ同様に花弁の無い花には、カツラやヤマグルマなどがあり、原始的な植物だといわれています。
フサザクラはサクラの仲間(バラ科サクラ属)ではなく、フサザクラ科フサザクラ属の植物です。
フサザクラの花は、この冬芽の中で春が来るのをじっと待っています。暖かくなってくると、赤い花が咲きます。
山の中の沢沿いで赤い花を発見したら、ちょっと車を停めて観察してみませんか?
日野振興センター 2021/03/12