日時:令和5年4月12日 午前11時30分から

場所:県庁講堂

 

 皆様こんにちは。本日から、私、この5期目の県政を担うこととなり、ここ、鳥取県庁の方に登庁させていただきました。これからまた仲間として皆様と一緒に仕事をして参りたいと思います。ぜひ多くの方々、ご協力ご支援いただきまして、円滑な県政運営をし、そして県民、地域の幸せと発展のために、役に立つ県政になるよう、どうかご協力をお願いを申し上げたいと思います。
 このような中ですね、皆様と一緒に新たなスタートを切ることになるわけでありますが、この間の選挙におきましては、大きな得票率での支援を県民の皆様からいただいたわけであります。これまでの皆様のそうしたご成果、それは決して評価されないわけじゃなくて、大変に県民の皆様からも評価されてきた証だというふうに思います。そういう意味で皆様とぜひ契りを結ばさせていただきまして、この期待を裏切らないように、我々はやっていかなければならないわけであります。
 これから私たちは、鳥取県という、そういう客船、クルーズ船を動かす。我々はクルーになるのだと思います。県民の皆様と一緒に船出をすることになります。ただ、海の状況はそんなに芳しくないかもしれません。いろいろと航海の途上、困難も待ち受けているかもしれません。中で感染症が発生するかもしれません。私たちがやろうとしている、その航海の行き先、その行き先にまだ見ぬ未来があるはずであります。それを県民の皆様と一緒に切り開いていくのが、私たちの役割であります。
 現在はウクライナ戦争がいつ止むとも知れず、かなり見通しの悪い状況にあります。そういう中、今物価高とか原油高とか、非常に経済、生活、困難をもたらしている。これをなんとか克服していかなければなりませんし、5月に入ってまた新たなコロナ禍のステージが始まりますが、こうしたことなどをやっていかなければなりません。そうした様々なものをもう一度立て直しながら、住んでいてよかったと言っていただける、そういう鳥取県にしていく必要があります。危機を突破して、新たな歴史をここ鳥取県から切り開いていくわけであります。
 おそらく、鳥取県には、一定の利があると思っています。それはコロナなど、今、社会が大きく激変した後、我々のこの自然だとか、人々の絆、そうした価値感が見直されてきているわけであります。そういう意味で、皆様のこの鳥取県、これが注目をされるわけであるし、私たちが人々の絆、顔が見えるネットワークを活かしていけば、人よりも先に大都会とかよりももっと早く、これからなすべき改革、変えるべきところ、改めて、大きな成果を得る。例えば経済の発展だとか、移住の獲得だとか、あるいは子供たちの成長であるとか、そうしたことなどを私たちが手にできるのではないかと思っております。
 そのためには、柔軟な発想や、それから皆様の方でいろいろとアイデアを出していただき、しっかりと行動していくことが必要であります。お集まりの皆様、どうも幹部の方々が今日は多いようでございますので、幹部の皆様には、そうした観点でですね、ぜひ、それぞれの組織を引っ張っていただければと思います。
 これからの時代のテーマでは、実は若手の層にかかってると思ってます。例えば子育て支援、これが今注目をされます。それから人口の流動化はなかなか起きないわけでありますが、これはやはり、若い方々、20代30代40代、その辺の人達がどういうふうに望んでおられるのか。それにふさわしい対策をとっていかなければなりません。こうしたことをやっていく上でぜひ、そうした若手の皆さんの考え方がすっとこう政策に反映される仕組みを、私たちは作っていかなければならないというふうに思っております。
 こんなことも含めて、これから皆さんと協議をしながら、県庁の組織だとか、動かし方を変えていきたいと思っています。単純なハイアラーキーで動くのではなくて、いろいろと課題ごとに、若い方々も十分入っていただいてですね。それで県政を変えていくということだと思っています。
 まずは一定の再生を図りながら、そして住みやすいと言っていただける、最高なふるさと目指して、それで人々の絆の中で、私たちの新しい危機突破の戦略を描き、それを実行していく。活力や安心をつくり出していく。それがこれからの4年間であります。
 抽象的にはそういうことなんですが、問題は具体的な中身を作ることであります。ふるさとの元気、あるいは人や暮らし、さらには健康や安心。こうした観点で、私たちはそれぞれ各部局、それぞれの皆様の考え方をこれから引き出していきたいと思います。
 例えば今コロナで傷つき、そしてまた、経済、社会、今物価高や材料高、そういうことに悩んでいる。これを脱却していくためには、そういう機動的な切れ目のない対策を実行することが何より必要であります。
 また、商工業者など、資金繰りの問題がこれから出てきます。中には、経営を転換せざるを得ない企業もここの所見えるようになってきました。フォローアップをしていく。
 それから農林水産業についても、元気を出して、場合によってはロボット化とか、あるいはドローンだとか、そうしたことも活用できると思います。自然に親しむそういう農業のグリーンなあり方、そんなことも含めて、例えば肥料の問題、あるいは堆肥の問題、こうしたことも切り込んでいったり、そうやって、1兆円の製造品出荷を向こう10年で目指したり、農業生産、これは1000億を十年間で作っていく。こういうような目標を立ててやっていきたいと思っております。
 山も大切でありまして、これはCO2の吸収源にもなります。そうした意味で、150ヘクタール年間皆伐・再造林をやるなどのそうした戦略的な対応をとっていくことが必要だと思ってます。
 また仕事という意味でも、働き方改革を進めていかなければなりません。これは県庁の中もそうでありまして、企業さんも子育てなどがやりやすい、そうした環境に変えていかなければいけません。こうしたことなどですね、暮らしに直結するようなふるさとの元気を作っていく必要があります。
 その前提として、インフラストラクチャーがありますが、山陰自動車道は向こう4年間の間に全線開通をすることになります。これは大きな歴史の転換点になると思います。いかにこれを活用するか。また、高速道路が繋がっても、降りていただいて、楽しんでいただいたり、ここを基地に産業や流通基地、そういうものができるような、戦略を立ててやっていく必要があります。こういうことは、自然災害などの安心についても、そういう同じことが言えようかと思います。
 健康については、コロナにおきまして、私たちは一定の成果を上げることができました。患者数を全国で最少に止めることができたのは、医療機関や事業者、また県民の皆様いろんな方々の協力を得ながら、県庁も先回りをして、事業を実施したからに他なりません。この成功を他の感染症に、敷衍していかなきゃいけません。今サル痘だとか、そうした事が100人を超えるということになってきました。そういう新しい感染症に備える。鳥取版のCDCを作ったり、あるいはこれからかなり大きな話題になってくると思われます更年期障がい、あるいは認知症といった、そういうことについても、専門的なことも含めて対応を急いだり、訪問看護、これによって在宅での地域医療、これを充実することも重要であります。こんなことで県民の健康を作ったり、安心を形作っていくことが、とても大切であろうかと思います。
 早晩、鳥取県は人材難になると思います。いろんな推計で言われていますけれども、産業成長のボトルネックはおそらく、そうした人の問題になってくるだろうと。近くは2024問題という、運輸、運送業におけるそうした制約も生まれることになります。そういう意味で人材を育成したり、いろいろと外国人の活躍の場ということもこれから出てくるでしょうし、当然ながら、女性の活躍、それからLGBTQなど、そういうことで言われなき差別を受けないような、一人一人が大切な社会づくり、活躍できる社会を作っていかなければなりません。
 また、子どもたちの未来へ、これを作っていく意味で、シン・子育て王国を形成する必要があります。これでもっと今まで以上にですね、負担を軽減して子育てしやすい、そういう鳥取県にしていく必要があり、国とのこれまでの折衝の成果を県政の中に還元していかなければなりません。
 また、教育につきましても、英語教育だとか、あるいは情報教育、学力向上などをしっかりと図りまして、未来を担う人材、これはスポーツや芸術も含めて作っていかなければなりません。こうやって人を育てる、また産業内でのリスキリングなど、人材育成も進めていく、担い手を作っていく、新規の就農者を作っていく、こういうことが、これから非常に大きなテーマになってくるだろうと思います。
 暮らしにつきましても、今喫緊の課題と言われているのが、トスクやAコープの問題であります。このことをはじめとして中山間地を中心に住みにくい、暮らしにくいということが、今、生まれてきています。これを、やはり今までは市町村中心の課題であるというふうにとらえられがちでありましたけれども、もっと県政の課題としてクローズアップして、実効ある対策をとっていかなければなりません。そういう意味で皆様のですね、そうした新しい政策展開をやっていかなきゃいけないというわけであります。
 あわせて来年はねんりんピックの年になります。当然これ成功を期していくわけでありますが、県内的にも、シニア世代の皆様の活躍や健康づくりを応援していく、そういう事業に展開を図っていく必要があると思います。いいチャンスでありますので、そういうシニア世代も輝くような、そういう鳥取県にしていく、そういう年間であって欲しいと思います。
 この間、万博も開催されて、海外のお客様が入ってくる絶好のチャンスになります。またデジタル化が進んできて、例えば防災対策などで活躍、活用させていただく。それによって安心できる社会が生まれてくる。
 脱炭素化を進める。これについては鳥取県は一日の長があります。住宅の省エネ、省エネ化、あるいは健康住宅化、こういうことを進めることで、こうしたCO2対策にも役立ってくる。
 いろいろと先手を取って進めていくことの素地は、これまでの県政の中でも生まれてきたと思います。それを何とか発展をさせて、県民の負託に応える県政に、ぜひ皆様のお力で盛り上げていただければありがたいというふうに思います。そうした事でですね、私たちも一層の発展を図っていく必要があります。
 「霜とけ鳥光る」という放哉の印象的な句があります。
 今、寒さがやわらいできました。そこで鳥取県という鳥が、これが光り輝くようにしていかなければなりません。そういう意味で皆様のお力が是非とも必要であります。
 県職員の皆様のいろんな働き方改革も進めていく必要があって、特に若手の方々の環境等へ配慮していただきたいと思います。
 これまで4期16年、皆様と一緒に過ごしてきて、5期目ということに入ることになりますが、ある意味、安定して県政を運営していく絶好のチャンスかもしれません。今までの成果を一層進め、そして、誤っていたところ、不足があるところを直していくことで、さらなる高みを目指す、そういう4年間になると思っております。
 皆様の絶大なご協力、そしてご支援をお願いを申し上げたいと思いますし、それぞれ健やかで、ご家族や地域の中で、素晴らしいこれから年月を送っていただくことをお祈りを申し上げまして、私からの訓示とさせていただきます。どうかよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

  

Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000