本年度、作物コースでは前年卒業した先輩の就職先や2年生のインターンシップ先などを訪問してきました。その先がたまたま中西部に集中していたことから、「県東部の法人を訪みたい!」「東部の農業の現場を見てほしい!」という声があがり、2月26日、東部での視察研修を計画しました。
受入先は、(農)八頭船岡農場と(株)One Seed Farmです。立春過ぎに繰り返す長期寒波、先方の雪害も心配しましたが、「30センチの雪の下ではありますが白ねぎの掘り取りしてますよ」とのこと、少しほっとして関金を出発しました。
★(農)八頭船岡農場 ★
事務所近くの古民家で、鎌谷代表理事組合長から農地集積や地域の仲間・構成員を増やす取り組み、有機栽培、畜産や放牧の構想など幅広く説明を受けました。「農地や地域を守る」という思いは、農大生には実感しにくい面もあるのでは?と思われましたが、今後、社会人として農村現場で経験を積むうちに今日の話はきっと蘇ってくるはずです。
牛舎では、3月せり予定の4頭や子牛などを飼養する2棟の牛舎を見学しました。また機械庫では、技術をもった職員さんがコンバインの整備点検中で、農閑期の仕事も大切にしておられる様子も良く分かりました。
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(写真)コンバイン整備中
★ (株)One Seed Farm ★
コスト計算や成果を数字でとらえる経営者マインドの重要性のほか、絶対欠品しないことで取引先との信頼関係を構築してきたことなど、西根代表の経験に基づいた説明はとても刺激になりました。カナダでの生活や、長野県のレタス法人で議論を尽くして課題解決に向かった話などは、様々な場面のヒントになりそうです。
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(写真)機械庫で説明
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(写真)西根代表
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(写真)熱心に研修中
来年度の2年生のプロジェクトで取り組む水稲の湛水直播にもアドバイスをもらいました。ほ場条件で異なることもありますが、水稲のある時期に訪問して情報交換や勉強することにも取り組みたいですね。
【学生の感想等】
◆(農)八頭船岡農場は農地を守るという点に力をいれており、(株)One Seed Farmは儲ける農 業を目指している。担い手でも、農業に向かう考え方は様々であることが良く分かった。
◆「経営のことや作業の実務など聞くことができて良かった。まだまだ知らない世界がたくさんあるのだと思った。
◆儲けるためのどうしたらよいのか、細かなところまで考えて仕事をしていてすごいと思った。
◆農業法人の社長・代表は、考え方に共通点があると思った。就職予定の社長から聞いた話を思い出した。
◆(株)One Seed Farmで聞いた「理屈をきちんと知ること」という話には、とても納得した。表面的な事象や目先の作業・操作だけではなく、そのもとになっているしくみや作物の生理生態など、基礎・基本を理解していると変化やトラブルにも適切に対応できると思う。
鳥のように上空から数百haを見渡す農業、多品目多品種の育苗トレイの小さな変化を敏感にとらえ適格に丁寧に対応する農業、有機、兼業・・・。農業には多様な世界が広がっています。自己紹介では、卒業後の進路だけでなくその先の「いつかこうありたい」という姿を全員がことばにしました。視察を通じて、「自分の農業」を見つめ、考える良い機会にもなりました。
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