自然保護監視員日記


 中部担当の自然保護監視員が、日々のパトロールの中で発見したこと、感じたこと等を綴りながら、中部地区の魅力的な自然の数々をご紹介します。
 

2009年2月20日

オオバヤドリギ

 この森は上井神社の社叢で、黒っぽく見えるのはスダジイ、やや明るい緑はタブノキで、この辺りの自然林の特徴をよく表しています。
 この中に茶色の葉が混じっており、初夏の頃はタブノキの若葉と思っていましたが、いつまでも色が変わらないため、ようやくオオバヤドリギと気づきました。

 オオバヤドリギは常緑樹に半寄生する植物で、自ら光合成するものの自分の組織を宿主にくい込ませ、水分や養分をちゃっかりと得ています。

 高い梢に寄生しているため、じっくりと観察するのは困難でしたが、1月中旬の大雪で枝が折れて落ち、実が付いているのを写すことができましたので紹介します。

上井神社の森。昼でも暗く鬱蒼としています。
真ん中少し上、スダジイのやや黒っぽい緑の中に茶色の葉が見えます。これがオオバヤドリギ
森の中に入ると、あちらこちらで大きなスダジイの枝が折れており、それに本種が付いていました。

太い方が寄生されたスダジイ。
オオバヤドリギは半ツル性で、枝を伸ばしながらしっかりとくい込んでいます。
これがオオバヤドリギの本体。一見グミのような感じがしました。実もよく似ています。 ご参考までに、ブナ林でよく見かけるヤドリギ、落葉樹に寄生する。これは蒜山高原のクヌギに寄生したもの。

 オオバヤドリギは打吹公園でも沢山見ることができます。倉吉市の保存樹に指定されている「関金のシイ」にも寄生して樹を弱らせるため、除去したという話を聞きました。

 東部では本種をあまり見た記憶がありません。気のせいか中部には特別多いように感じます。(自然保護監視員 浜辺正篤)





中部総合事務所環境建築局 2009/02/20 in 県立自然公園,国立公園,植物,中国自然歩道,野鳥



問合せ先

中部総合事務所 環境建築局 環境・循環推進課

(自然公園担当)
電話:0858-23-3276  Fax:0858-23-3266

(野生鳥獣・狩猟免許担当)

電話:0858-23-3153  Fax:0858-23-3266

  
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