自然保護監視員日記


 中部担当の自然保護監視員が、日々のパトロールの中で発見したこと、感じたこと等を綴りながら、中部地区の魅力的な自然の数々をご紹介します。
 

2009年3月25日

峠のお地蔵さん その4

 三朝町田代はベニドウダンの咲く高丸山、岡山県森林公園に続く草原状の田代高原、今も牧場の風情を残す若杉山など豊かな自然に囲まれた地区です。

 このたびは、この田代地区の最奥部、田代峠を訪ねましたのでその様子をお知らせします。

 田代峠への道は岡山県の旧奥津町に続いていますが、今では歩く人もなく大荒れとなり進むのも難しいだろうとの予測のもと、残雪期のこの時期に踏み込んで見ました。

 地形図では峠の約1.5km手前まで新しい林道が通じていたのでこれを利用し、その先は雪の残る杉林を進みましたが、間伐材が障害物となって苦労しているうち峠へのルートを間違え、別の谷に入り込んでしまいました。

 途中で様子がおかしいのに気づきましたが、ままよと急な斜面を登りつめると県境のなだらかな鞍部に出ることができました。

やっとたどり着いた、ブナが目印のように残る県境。右が鳥取県側でスギの植林地、左が岡山県でヒノキが植えられていた。 峠より東の県境に取り付いたため、西へ少し歩き1055mのピークを経て田代峠へと降り、振り返る。かつては採草地であったのか今は腰まであるササが生い茂っていた。
ピークから北西の方向を臨む。草原の残る若杉山(1020m)、そのはるか向こうには大山の姿も。 残雪の田代峠、道は向こうの岡山県へと続く。立派な峠なのにあるはずのお地蔵さんが見当たらない。雪の下に倒れていないかと探すが。


 下りはほぼ忠実に昔の道をたどりました。植林の初期にはわかりにくくなっていたであろうこの道も、今ではすっかり大きくなった杉の林下にはっきりとその姿を現していました。

  雪の残る道は多少沈み込むこともありましたが、行きと大違いで楽に元の位置にたどりつくことができました。

 帰りに、農作業をしていた田代の古老にお地蔵さんのことを尋ねたところ、「ずいぶん前に横の高みから道に転げ落ちていた。」とのこと。

 峠の雪はわずか10~20cmで、たとえお地蔵さんが倒れていても見逃すはずがありません。誰かが勿体ないことと、別の場所に安置したのでしょうか。少し調べてみたい気がします。(自然保護監視員 浜辺正篤)

中部総合事務所環境建築局 2009/03/25 in 県立自然公園,国立公園,植物,中国自然歩道,野鳥



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(自然公園担当)
電話:0858-23-3276  Fax:0858-23-3266

(野生鳥獣・狩猟免許担当)

電話:0858-23-3153  Fax:0858-23-3266

  
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