自然保護監視員日記


 中部担当の自然保護監視員が、日々のパトロールの中で発見したこと、感じたこと等を綴りながら、中部地区の魅力的な自然の数々をご紹介します。
 

2009年4月17日

春の女神に出会った!

 好天が続き、パトロールに出るのに気持ちのよい季節を迎えました。今は動植物の活動が最も盛んになる時でもあります。

 春の草花が咲き乱れるなか、成虫のまま寒い冬を耐え忍んでいたアカタテハやルリタテハも飛び交い、林の中はまさに春爛漫です。

タチツボスミレの蜜を吸う「春の女神」とも呼ばれるギフチョウ。尾の赤い斑紋が鮮やか。 陽だまりの岩の上で日光浴のルリタテハ。幼虫の毛虫からはとても想像できないおしゃれな姿。

 歩道の脇で咲いていた花々。パトロールの疲れも吹き飛びます。

スミレサイシン。根茎が漢方薬の細辛に似ているので名付けられたスミレの仲間。 ナガハシスミレ。またの名をテングスミレ。花の一部が天狗の鼻にそっくり。 ギフチョウの食草カンアオイ類の1種、ミヤコアオイ。この葉を食べて幼虫は育ちます。
葉の裏が紫色なのでシハイスミレ(紫背菫)。やや乾いた尾根筋に見られます。 桜と言えばやはりこのヤマザクラ。園芸種の染井吉野に比べれば格段の品格が。 コブシに似ていますがこの辺りに自生しているのはタムシバ。コブシは花の付け根に小さな葉が1枚。
ヤマエンゴサクの何か幻想的な明るいブルー。 やや湿った環境で群生するイチリンソウ(一輪草)。大き目の花が華やか。 歌の文句にあるように仲良く二輪のニリンソウ


 人間の手が適当に入ったいわゆる里山は、多種多様な動植物の宝庫です。

 農山村の暮らしが変わり里山も利用されなくなって、雑木林にも常緑広葉樹が目立つようになりました。

 全国的にギフチョウは減少しているといわれていますが、明るい雑木林が減り、そこに生育するカンアオイが少なくなったのが原因です。

 里山の植生が変化すれば生息する生き物の種類も変わってきます。里山を守ることが生物の多様性を確保することにつながると判っていても、昔の暮らしに戻れない中、難しい問題だと思います。(自然保護監視員 浜辺正篤)

 

中部総合事務所環境建築局 2009/04/17 in 県立自然公園,国立公園,植物,中国自然歩道,野鳥



問合せ先

中部総合事務所 環境建築局 環境・循環推進課

(自然公園担当)
電話:0858-23-3276  Fax:0858-23-3266

(野生鳥獣・狩猟免許担当)

電話:0858-23-3153  Fax:0858-23-3266

  
<2024年7月>
30123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031123
45678910

  このページの見方 

・記事のタイトルをクリックすると、全文が表示されます。

・「トップページ」をクリックすると、記事の一覧に戻ります。

・カレンダーの日付をクリックすると、その日の掲載記事が表示されます。
 (※ただし、選択できるのは下線がある日のみです。)

・カテゴリーの項目をクリックすると、そのカテゴリーに分類された記事が表示されます。

    Copyright(C) 2006~ 鳥取県(Tottori Prefectural Government) All Rights Reserved. 法人番号 7000020310000