西部地区タウンミーティングの概要:平成19年11月10日開催

西部地区タウンミーティングを開催しました。

  • 鳥取県では、中長期的な県政の進むべき方向について、財政的前提や克服すべき課題なども付記した「持続可能な近未来ビジョン」である「将来ビジョン」を県民の皆様とともに策定することとしています。
  • この策定に当たり、鳥取県の将来について平井知事と県民が語り、意見を交換する「鳥取県の将来を共に考えるタウンミーティング」を鳥取県西部地区で開催しましたのでその概要を報告します。

■開催日時
 平成19年11月10日(土) 午前9時30分~午後0時45分
■開催場所
 米子ワシントンホテルプラザ らんの間
■参加者数
 31名
■県側の出席者
 知事、企画部長、総務部長、西部総合事務所長、日野総合事務所長 他関係部局長 等


西部地区タウンミーティングの様子

タウンミーティングの概要

1 知事あいさつ

  • 将来ビジョンを皆さんの意見を反映させながら、1年くらいかけて作っていく。
  • 全ての意見が将来ビジョンに載るわけではないが、最大公約数的な意見を反映していき、皆さんの共通理解の土俵をつくる。
  • 出来上がった将来ビジョンを見て、産官学などの様々な方が、それぞれの立場で取り組む内容を考えていただき、10年後の活性化につなげて行きたい。

2 意見交換

《主な意見》

  • 知事は、倉吉の高校生が県内に就職先が無いという話を聞いていると思うが、雇用についてどう考えているのか。
  • 米子の崎津工業団地について借金30億円と聞いているが、ここに陸上自衛隊のヘリコプター基地を誘致し、防災、平和と軍事面の基地にしてはどうか。(米子市は財政が緊迫している。)

⇒(知事)鳥取県の人口減は、社会減が大きく、県外に出た子どもたちが鳥取県に帰ってきていないのも大きな原因。企業誘致等により働く場を確保していくことは、最優先課題。ビジョンの柱として位置づけていく。陸自のヘリコプター基地誘致について、災害対応力を持った機能を強化するよう防衛省に要望している。それが崎津かどうかは防衛省の問題。

  • 少ない子どもたちが、健全で心豊かに育つため、非暴力の社会をつくってほしい。いろいろな媒体で露出されている暴力の社会を見直してほしい。心の環境の豊かさをビジョンに掲げてほしい。また、将来的に環境大学に「人の心の環境学」を入れ込んでいただくのも一つの案だと思う。

⇒(知事)暴力のない社会をつくっていくことは、ビジョンの中にも位置づける。インターネットの弊害については、ビジョンとは関係ないが青少年健全育成条例で対応することとしている。

  • 県の経済は、県外から商売人が入ってきて、県内のお金が県外に流出している状況。鳥取県のコンパクトな良さを生かして、あるべき姿を経済の面から県に聞きたい。小さいことを逆手にとって、特色ある、自立あるビジョンを語ってほしい。

⇒(知事)小さいから機動的に動ける。知の砦である鳥大や高専と結びつきながら技術開発をサポート、県も支援するという仕組みづくりはできるのではないかと思う。

  • 法テラスが鳥取市にされているが、スムーズな問題解決のためにも、米子市にも設置してほしい。
  • 子どもの1カ月検診に、胆道閉鎖症の早期発見のため便色カラーシートを導入してほしい。

⇒(知事)法テラスは、現在、鳥取・倉吉に設置しているが、実施主体は弁護士会・司法書士会である。全国的には各県一つであるが、地域バランスから西部にも設置をという気持ちはわかる。運営主体に意見を伝える。住民の相談窓口として県には消費生活センター等があり、法テラスとの結びつきを充実したい。住民生活の相談窓口強化をビジョンに盛り込む。

⇒(福祉保健部長)便色カラーシートの導入については、以前、健康対策協議会で検討したが、色での判定は難しいとの結論で導入に至っていない。再度検討してみたい。

  • ビジョンを考えるに当たり、山陰・鳥取エリアは、他のどういうところをイメージし、どこかをモデルにしながら考えていくのも一つの手段。(世界の中には自分たちが共通して描けるイメージを持ったところがある。)共通したイメージを持つことで考えやすくなる。そういうところから糸口を見つけながら話ができる。
  • 観光において、東・中・西が分断された状態。鳥取県を一つのエリアとして、ループを作って鳥取県を一つに結んでいくことが必要。県外からの交流人口を増やし、やがては居住していただくようにがんばっていこうと思う。
  • 県政について、個々の取組みに対する関心や指摘には強いが、人材の育成や環境形成に弱い。人材は良い環境があればどこからでも来る。財政的な面等を整理して、やってみてはどうか。
  • 県からの発注形態は、物を作るときには値段の安さで決められている。文化を育て、地域の力を育てるためにも地域に発注するような配慮がほしい。

⇒(知事)地域イメージをしっかり持つことは、なるほどと思う。大山を回る地域としてループを描くことは、大事な視点。売り込みを図ってPRする。役所について、問題点の指摘はうまいが、実現に向けた環境を整備するのが苦手。人材を呼び込むことも、分野によっては必要。

⇒(総務部長)工事や物品の発注、講師などの人材についても、現在、できるだけ県内で行い、人材も依頼するようにしている。今後も県内の優先発注には心がけていきたい。

  • エネルギーの枯渇への対応や食料の問題等を考えると、バイオエタノール等の自然エネルギーに取り組んではどうか。岡山県では間伐材をバイオエタノール燃料にする研究をしている。鳥取県も間伐材の有効利用を考えるべき。
  • 省エネ技術や鳥大の砂漠化を防ぐ技術等は進出しやすい面。北東アジアにも受け入れられる技術であり、10年、20年後を考えて今から準備してはどうか。

⇒(知事)エネルギー問題について、バイオエタノール等の新エネルギーはコストの問題もあるが、長い目で見るのであれば、応援する仕組みは考えていくべき。砂漠化や黄砂等は、問題提起としてビジョンに盛り込んではどうかと思う。

  • 家族形態の変化により、高齢者の独居や一人親の家庭が増え、収入が不安定。低所得者の問題を解決できないか。子どもたちや高齢者が豊かに生活できるよう、ビジョンで考えてほしい。
  • 近年、企業が海外にも進出する中、県内への企業誘致は難しい状況。県内の豊かな環境・自然を活かし、農林業や水産業が業として成り立つ政策が必要。

⇒(知事)豊かさへの提案については、行政が何をやるか、どこまでやるかは難しい問題。民間の方と協力しながら考える。国の政策転換等の問題もあるが、梨や米の新品種のブランド力を高めるよう、ビジョンで深めていきたい。

  • 県内の企業は、認知度が低く、一つ一つの企業が孤立している感じである。同種の企業が連携すれば、大きな産業になり、雇用も拡大するのではないか。若い人たちが留まるために職業を確保するのであれば、今ある企業を活かすことが必要。県も認知度の低い企業を紹介していくことが必要ではないか。
  • 新事業の創出には、3年~5年の期間が必要で、資金もいる。資金源として地方銀行にも参画してもらい、地方の産業育成に力を入れていただいてはどうか。
  • 県内の中小企業には、すばらしいものをやっているものの倒産の危機の状態にあるものもある。中小企業に目を向けないと、せっかくのものが潰れてしまう。企業がうまくいくまでの間を、県が支援するようなことが必要。
  • 北条湯原道路で、倉吉は湯原ではなく蒜山とつなげるほうが良いのではないか。他県からの観光客の誘致という観点で道路を整備していけばと思う。
  • 企業誘致は、企業に来たいと思わせるようにした方が良い。来ざるを得ないようにして来てもらう形が良い。
  • アシアナ航空への補助金に関し、境港等の県内の観光と韓国の観光をセットにすれば、県外客も米子空港を利用するようになるのではないか。
  • ホンモロコは高級魚であり、関西に売り出せば付加価値の高いものになる。そういうのを支援していけば、雇用にもつながる。

⇒(知事)企業の孤立は、そう思う。進出企業と地元企業のコミュニケーションがないと聞く。コンパクトであるがゆえにネットワークを強める必要がある。地銀とテイクオフ段階のベンチャーを支え、投資して儲かったら回収するような仕組みを作っている。道路整備に観光客の視点を入れることについて、高速道路から顧客を誘い込むようなことを考えていくことが必要。

⇒(農林水産部次長)ホンモロコの事業者数は鳥取県が一番多い。休耕田を活かすだけでなく、中山間地の活性化につなげていきたい。

  • ビジョンの資料内容は、鳥取県を岩手県に替えても同じではないか。他県と比較しないと鳥取県の特性は出ない。いろいろな比較をし、他県で成功しているものがあれば真似れば良いし、他県にないものはオンリーワンになる。鳥取県らしさ、オンリーワンを、周りの地域を勉強し、比較して考えていくことが必要。(水をキーワードに出雲神話を絡めた提案を口頭で説明)

⇒(知事)水をキーワードにするのは面白い。キーコンセプトを入れてビジョンを作っていきたい。また、出雲まで含めた広い地域の視点は大切。

  • 現在の状況で、産業の誘致は難しく、やはり観光だと思う。鳥取県にあって他県に無いものは「神話」。古事記に書かれているものを観光資源にすればよい。飲食関係も資源になる。
  • 県の予算は減ってくると思われるので、優先順位をつけるべき。子どもたちが帰ってくるような産業構造・職場をつくることが最優先ではないか。

 

  • 聾唖者は日本語を習得しきれていない方が多いのが実態であり、コミュニケーションの問題で職場に入るのが難しく、対応ができる都会の大企業に行きがち。このような聴覚障害者が、鳥取県に帰る際、Uターン等の配慮をしてほしい。
  • 聾唖者として少しでも豊かに暮らせる環境、社会を作っていきたい。これを全国に発信していく必要がある。

⇒(知事)日本語と手話(サインランゲージ)の問題は深刻。(最低賃金を保証するような工場を作る取組みなど)障害者の方が収入を得るような取組みは対応する必要がある。

  • 地方分権一括法で県の仕事も変わってきているはず。従来の縦割りではなく、総合行政を推し進めていただきたい。
  • 企業誘致は強力に進めていただきたい。誘致には人的エネルギーが必要で、業界とのつながりは人脈が決め手になる。どういうやり方が良いか議論が必要。
  • 西部の市町村は財政も含め自主路線を進んでいる。この自主路線を尊重していただき、知事にはリーダーシップを発揮しまとめていただきたい。

 

  • 福祉の問題は、福祉の分野の人だけでなく、他の分野の皆さんに入っていただき一緒に話し合っていくことで、理解度も違い意識も変わってくると思う。
  • 障害者自立支援法は、国が作った全国一律の基準であり、鳥取バージョンにして施行してほしい。
  • 福祉関係団体とベンチャー企業等がパートナーとなることでできることがある。鳥取県で先進事例を作れば、視察者等も増えるのではないか。

 

  • 鳥取県の情報が、東京・大阪に発信されてこない。情報を選択・集中し、情報発信や若者向けの提案を行ってはどうか。

 

  • 次世代改革とは何か。
  • 今回のビジョン資料は、文章が難しい。平易に書いて、県民にわかるようにしてほしい。
  • 県庁の対応で門前払いが多い。心温かい対応がない。
  • 生活環境部長からアンケートが来たが、手順に無駄が多い。(封筒に返信用の封筒が刷り込まれているのに、さらに返信用封筒が同封してあるなど。)県民の税金を使っていることを忘れないでほしい。

⇒(知事)次世代改革は、本当の意味で行政と県民が一緒になってやっていくこと。門前払いや県庁の対応については、素直に受け止める。

⇒(環境立県推進課長)ゴミのアンケートについては、無駄を省いていきたい。

  • 鳥取県の梨のレベルが全国的に下がっている。人気がなくなっている。このような状況をどう見ているのか?
  • 米子工業高校が進学校化されようとしている。工業高校は生徒の技術をつけることが必要。
  • 森林の問題、間伐材の問題をどう打破されるのか。山を持っている人も儲けにならないと言っている。
  • 古代遺産は大半を島根県に取られている。大山や船上山等もあるのに出雲文化はおかしい。鳥取県は遅れている。
  • 県の補助金は使い勝手が悪く、もらわないほうが良いという意見もある。

⇒(知事)工業高校の産業教育は、即戦力となって地域の産業を支えていると思う。ものづくりの大切さを子どもたちに理解してもらう方向に向かっていきたい。

⇒(教育委員会次長)米子工業高校の産業教育は充実を図りつつある。進学者も増えているので、そのための対応もしている。

  • アメリカの世紀が終わって、これからはアジアの世紀。ニューディール政策を、鳥取県で事前に行ってほしい。産業基盤が潰れそうな時期であり、県がやっていくことは項目別に県議会で議論し、提案してほしい。重要なのは、国際的な交流(ブラジル・ロシア・中国・インド)をやっていくこと。
  • 将来の道州制をにらんで、中海市の米子、境港、松江、安来の経済域で、産業の振興など、いろいろなことをやってほしい。
  • 文化面は西部で国民文化祭や朝日座等を行ったが、何も残らなかった。場当たり的ななことはやめて、地域文化の活性化を図るため、全員参加型の文化の形を作っていかなければならない。

 

  • 鳥取県は住みやすいところ。
  • 豊かさを追いすぎて環境破壊や自然破壊が進んでいる。人が贅沢をしすぎていることがある。我慢する心を養うことが必要。地球温暖化を真剣に考えるべき。

⇒(知事)環境問題は、鳥取県として環境日本一を売り出していかなければならない。新しい環境プログラムや行動計画を作っていく。ビジョンの中でも大きな柱。

  • 北東北3県(青森・秋田・岩手)の観点を参考に、今後10年は鳥取県だけでなく島根県と連携していくことも必要。
  • 以前住んでいた岩手県では、地域を大切にする心が強かった。鳥取の人は地域資源を知らない。地域ブランドを向上・紹介するセクションを作ってはどうか。
  • 仕事はシリコンバレー的(先端技術産業)なものがモデルとして良いのではないか。事業家としての教育を高校で学ぶ機会を与え、右脳教育を一番進めている県になればよいと思う。
  • 行政の件で議員数をもっと減らすべき。アメリカでは人口40万人に議員は5人程度。これからを共に考える県であれば、誰でもいつでも意見が言える仕組みづくりが必要。

⇒(知事)地域としてのアイデンティティを確立し、情報発信する機能が弱いということについては、今後10年間のこととして位置付けを明確にしていきたい。

  • タウンミーティングはガス抜きのような感じがする。(ビジョンの作成にあたり)県民との合意形成をどのように図っていくのか教えてほしかった。
  • 財政赤字の問題なくして、ビジョンを語っても意味がない。財政をどのように立て直していくのか。職員研修の中で、投資はどうあるべきなのか考えてほしい。また、県民とも一緒になって考える場をつくってほしい。

⇒(知事)県の財政については、決して楽観視していない。西部地震のときの借金もある。優先順位をつけて物事を考えていくとか、投資のあり方も研修などで深めていくことが必要と思う。

 (知事)総括

  • 職場の確保、Uターン、観光、企業誘致等、何匹かのうさぎを追っていくようなことはしなければならないと思う。その中のいくつかの有力な選択肢は観光だと思う。観光についても上手に打ち出していくことが必要。議論を深めていきたい。
  •  総合事務所をどうするか、県の行政のあり方についての意見は、素直に受け止めるべき。総合事務所は本庁との重複をなくすべきだと思う。

 (企画部長)

  •  タウンミーティングの運営及びシステムについて反省すべきところがあった。
  •  ビジョン作成に当たっては、引き続き意見を聞くいろいろな機会を設けていく。
  

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