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あっせんによる解決事例

 労使ネットとっとり(鳥取県労働委員会 個別労使紛争解決支援センター)で扱っている、個別労働関係紛争あっせんにより解決した事例を紹介しています。

 なお、事例の内容につきましては、紛争当事者等が特定されないよう、若干の変更を加えてある場合があります。

≪事例5―採用直後の解雇≫

 
トラブルの発生

トラブルの発生イラスト

 

 X社では、業務拡張に伴い営業経験者の中途採用を行うこととし、Eさんを課長待遇で迎えることにしました。
 ところが、入社直後、Eさんは営業のために必要な資格免許を持っていないことが判明し、X社は直ちに資格免許の受験を指示しましたが、Eさんは合格できませんでした。また、Eさんの仕事ぶりには単純なミスが多く、X社ではこれらを不審に思っていました。
 そんなある日、採用選考のときに提出されたEさんの履歴書をX社が調べ直してみると、記載どおりの会社にEさんは在籍したことがなく、営業の職歴もなかったことが判明しました。
 そこで、X社は、(1)職務怠慢と(2)経歴詐称を叱責して、Eさんに解雇を告げると、関係取引先にもEさんを解雇したいきさつを知らせました。
 これに対し、Eさんは『労使ネットとっとり』に対し、不当解雇の撤回を求めて、『労使ネットとっとり』にあっせんを申請しました。

 

 

あっせんの経過

あっせんの経過イラスト

 

 解雇理由のうち、(1)職務怠慢については、EさんとX社の言い分は平行線をたどりました。しかし、(2)経歴詐称について、EさんはX社の言い分を認めました。
 そこで、あっせん員は、法律や判例に照らして、経歴詐称を理由とする解雇は正当性が認められやすいことをEさんに説明するとともに、当事者双方に歩み寄りを勧めていくことにしました。

 

 

事件の解決

事件の解決イラスト

 

 調整の結果、Eさんは退職を受け入れました。その代わり、X社もEさんの再就職活動に配慮して、解雇を撤回し、一身上の都合による自主退職として取り扱うことにしました。
 また、X社は、関係取引先への告知が不適切だったことを認め、解決金として解雇予告手当相当額を上回る金額をEさんに支払い、関係取引先にはあらためてEさんは自主退職であると訂正の告知をすることとして、あっせん案がまとまりました。
 EさんとX社はこのあっせん案を受け入れ、事件は解決しました。
  

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