知事定例記者会見(2010年10月22日)

平成22年10月22日(金)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約42分) ※MPEG4形式

  

1 奄美豪雨災害について 

●知事

 皆さんおはようございます。この度、奄美大島を襲いました豪雨災害で、3名のかたが命を亡くされたということであります。なお、被害状況の把握など難航を極めているということでありますが、心からお見舞いを申し上げますと共に、これからの展開で何か要請されるようなことがあれば、我々としても積極的に対応してまいりたいと思っております。




2 鳥取県緊急雇用経済対策本部の開催について 

●知事

 かねて、円高などが進んでおりまして、経済雇用対策が非常に急がれる状況の中でありますが、来週の月曜日に[鳥取県]緊急雇用経済対策本部を招集をさせていただくことにいたしました。ここで、当面の経済雇用対策を話し合いたいと思います。

 国の方の予算編成、補正予算の提案が遅れているような状況がございますが、我々としては、今の情報をよく収集したり、それから県内の状況に則した対策を取っていきたいと思っております。その意味で、来週の月曜日に会議を開くということであります。

 関連して、セイコーエプソン[(株)]の方に20日に行ってまいりました。この中で話し合いをさせていただきましたけれども、非常に厳しい環境の中ではありますけれども、持続可能な事業所としてエプソンリペアという会社を作って、鳥取県内に事業所を設けたいというお話がありました。

 雇用全体をエプソンで吸収しようという申し出もありましたので、これはこれで是とすべきものだと思いますけども、そうした事業所を、何とか残しながらやっていくという企業に対する鳥取県としての独自の支援策を考える必要があると思っております。鳥取市と、今回の件もよく相談をさせていただいて、こうしたことも経済雇用対策の中に盛り込んでまいりたいと思います。

 片方でニッパ(株)さんが、大山町内で、これは高付加価値のセパレーターを製造するという工程でありますけども、そうした新しい工場立地も決まったなど、良い材料もございますけども、片方で厳しい雇用の状況もあります。特に[県]東部が、有効求人倍率が思わしくない状況が続いておりますので、今回の点は注意深く我々としても対策を考えてまいりたいというふうに思っております。




3 第一次的高速道路ネットワークの早期連結を目指す9県知事会議について 

●知事

 それから、東京にまいりまして、高速道路の整備を求める9県の知事会議を行いました。それで、馬渕[国土交通]大臣はじめ関係者、民主党の横光組織委員長さんとかですね、近藤総括副幹事長さんなどにも要請活動をさせていただきましたし、民主党の議連とも行動を共にし、意見交換もさせていただきました。

 馬渕大臣の方から、ミッシングリンクの解消というのは、これからの公共投資の中で重点的に行うべき課題であるという認識が示されまして、その辺では一定の手応えはあるかなと思いますが、ただ、現実問題、これから、政策コンテストが国で行われます。

 政府の中で公共投資も含めましてどういうところに重点的に予算を編成をするのか、会議を持たれて選別が行われるわけでありますので、ぜひとも、このようなミッシングリンクの解消をいの一番の政策課題として位置付けてもらいたいというふうに強く要請をさせていただきました。

 その後のことでありますが、この活動に大分県の知事さんも加わろうという相談をさせていただきまして、今後は10県で活動をしていくことになるという方向になってきております。




4 吉本興業との連携事業について 

●知事

 それから、昨日は、吉本興業の方に参りまして、あちらの吉野会長さん、それから宮川大助・花子さん、それから川畑泰史座長、池乃めだかさんと一緒に会見をさせていただきました。いろいろとその前も会長とも意見交換をさせていただきましたけれども、ぜひ、精力的にこの機会に鳥取県を先方としても売り込んでいきたいということであります。

 新しい新喜劇を1月に約2週間、上演をするのと併せまして、物産展を行ったり、また、あちらの月刊誌などでも取り上げて情報発信をしたり、それから「ラフブロ」というブログがありまして、これ結構人気のあるサイトでありますが、これの中でも鳥取県を発信していくということであります。11月の頭にそのブロガーにあたりますタレントさんが来られることにもなりまして、早速情報発信を始めてまいりたいと思っております。

 今、関西広域連合への加入も見え始めている時でありますが、山陰海岸ジオパークの世界ネットワーク加盟実現だとか、そうした機運もございます。また、「ゲゲゲの女房」の後の集客課題も当然ながらあるわけでありまして、[鳥取県でロケを行った韓国ドラマ]「アテナ」の放送も始まることなど考えて、関西をはじめとした全国での情報発信に活用させていただきたいというふうに考えております。




5 ツキノワグマの放獣対応について 

●知事

 それから、農業関係だとかの関連でありますが、1つはツキノワグマでございますけども、このツキノワグマについて、昨日も八頭町を中心として東部で頻繁に出没がございました。そういう情勢を受けて、八頭町長の方に協議をさせていただきまして、今日、八頭町の方でツキノワグマの現地対策本部を設置をすることになりました。

 県も今までこの協議をして、設置してもらうということでありますので、当然ながら全力で協調体制を取り、応援をしていきたいというふうに思っております。

 いろいろと対策が必要になってきておりまして、この間、9月補正を議決していただいたところではありますけども、早速に予算が不足しかねないという状況があります。この10月、11月、そして12月にかかるくらいまで、どうしてもこれは外せない対策だと思いますので、この際、思い切って予備費を追加して使うことにさせていただきたいと思っております。約900万円、クマでいうと35頭分にあたるような対策費を様々なかたちで使えるように予備費執行に踏み切りたいと思っております。

 住民の皆さんの安全だとか、農業被害の防止だとか、いろいろと課題がございますので、そうしたことに鳥取県としては万全を尽くしてまいりたいと思っております。




6 一等米比率低下への対応について 

●知事

 さらに、米の一等米比率が下がるという事態を招いています。これは全国的なことでありますので、鳥取県だけでもございませんが、26.3パーセントという急激な低下に見舞われたところであります。

 そうした関係もございますので、来週、農業関係者、農業関係団体などと早速に協議の場を作らせていただこうと思っておりまして、今後の対策を話し合うことにいたしておりますが、県としては当面、いろんな資金不足を発生する可能性がございますので、そうした農家のかたに対する相談窓口を設置をしていきたいと思っております。また、融資制度も活用するように、これも農家の皆さんにご案内をさせていただきたいと思っております。

 ただ、これは実際の現場の状況も見て、これから柔軟に対策を考えていく必要があるだろうと思っております。まずは当面、相談窓口の設置と、それから融資制度の発動と、この辺を重点的に行ってまいりたいと思っております。

 いずれにいたしましても、わが県の基幹産業である農業、しっかりと守って育てていく、そういう体制をこの際、確認していきたいと思っております。





7 東京での食関連PRイベントについて 

●知事

 そうしたことの応援として東京の方でイベントを、今実施中であります。この18日からでありますが、東京の丸の内ハウスで鳥取のおいしさを発信する事業をしておりまして、27日には地元鳥取県のシンガーを送り込んで、向こうで音楽も披露していただくとかして盛り上げようといたしております。

 併せまして、この週末でありますが、24日には東京のアンテナショップの2階を会場にして、レストランのオーナーシェフなどを招いて、鳥取の食材を売り込む、そういう商談会と言いますか、展示試食会を実施をしようということになりました。

 私も、もしタイミングが合えば出席をしようかなと思っておりますが、ここで鳥取のおいしいいろんな食材を向こうのレストランで、高級食材として扱っていただけるような、そんなようなことにならないだろうかという目論みでございまして、そんなイベントもして、食を支えていこうということにいたしております。




8 「エコ通勤の日」ほかについて 

●知事

 今日から公共交通について実験事業をスタートさせていただくことになりました。バスの回数券など、水曜日と金曜日、これを「エコ通勤の日」というふうに設定をしまして、回数券を利用するということで、自動車の通勤からシフトをしていただけるかたを対象にした回数券2割引だとか、そういう事業を始めようとしております。

 また、バスマイレージ事業を実施をしようということにもいたしておりまして、回数券だとか、定期券を活用して、それで、公共交通を利用していただくようなかたがたに対しまして、旅行などのクーポンとか、そうしたマイレージ制度を導入させていただくことにいたしました。これは、バス協会と協調して行うということでスタートいたしたところであります。

 是非、多くの県民の皆さんにもエコを考える、そういうきっかけ作りでバスなどの公共[交通]機関、利用していただけるようになればうれしいなというふうに思っております。

 また、この週末、うまくすればガイナーレ[鳥取]がJFLの優勝を決めるかもしれません。これは土曜日のSAGAWA SHIGA[FC]の結果と、それから、日曜日のガイナーレの結果によるわけでありますけども、今後JFLも盛り上がってまいります。

 私もいずれチェアマンヒアリングを控えておりますので、是非この週末にも期待をして状況を見たいと思っておりますが、県民みんなでJ[リーグ]へ上がるような運動が盛んになればいいなと思っております。私の方からは以上です。


○朝日新聞 倉富竜太 記者(幹事社)

 各社からお願いします。




9 セイコーエプソン(株)への支援について 

○山陰中央新報 錦織拓郎 記者

 セイコーエプソンの鳥取市内の新工場、独自の支援策をとおっしゃいましたが、具体的にはお考えになっているアイディアというか、素案というのはどういった中身になりますでしょうか。


●知事

 これは、新しい会社を作ってまでも、新しい事業所を立ち上げてまでも、その移転をして、そして大きく、今回200人とか100人とか、そういった大きな規模になりますけども、そういうふうにして雇用を支えようということでありますので、それに対して、例えば、設備投資がいくばくかあるとか、それから雇用するということで会社に移るわけでありますから、そういう意味での支援とか、そうしたパッケージを考えてみる必要があるかなと思っています。これは鳥取市長とも昨日話をしたんですけども、市としても何らかの支援をしていくというお話もございましたので、協調してやっていこうかなと、今考えております。

 これから、また来週月曜日、皆さんの意見を、庁内の意見も聞いてみたり、それから実際どういう事業所になってくるかっていうのは、我々ももっと情報収集しなければなりませんので、そうした実情も把握した上で、雇用を支える取組みとしていきたいと思います。


○読売新聞 野口英彦 記者

 そのセイコーエプソンなんですけども、新工場の方で今の工場の雇用が吸収できるというような見通しなんでしょうか。


●知事

 これは、ソニーへの転籍ができない人も含めてエプソングループ全体で雇用するように調整していきたいというお話しでございました。エプソングループ全体は国内各地にございますので、全部鳥取の新しい事業所、エプソンリペアで吸収でききるものではないということだと思います。ただ、それは、雇用される側にとっては、それはそれで評価できる内容も入ってると思いますので、そういうことで、ぜひ努力はしてもらいたいと思います。

 ただ、県としてはいろいろ関連の企業さんだとか、いろんなこともございますので、我々としては、今回の展開について、きちんと支援策を取っていきたいと思いますし、あと、ソニーが実際上、今、建物を引き取るような形になりますので、ソニー側にもしかるべき働きかけも必要だろうと思っております。


○読売新聞 野口英彦 記者

 全国で、全国のグループで吸収するということになると、家庭の事情等でやっぱり鳥取を離れられないというかたもいらっしゃると思います。そういうかたは結果的に雇用がされないという可能性もあると思いますが、何かその辺りは、対策はあるんでしょうか。


●知事

 そういう意味で、緊急雇用経済対策[本部]の会議を来週開きますけども、いろんな基金を活用したり、そういう枠を増やしたりとかですね、ということで受け皿を用意していくことは考えられようかと思います。ただ、現状ではエプソングループ全体で吸収するとおっしゃっていますし、あと、新しい事業所のこともありますので、そうした施策と、あとはセーフティネットを張るような、そういう基金を活用したような雇用対策事業、この辺は総合的に作っていく必要があるだろうなと思っています。




10 ツキノワグマ対策予算について 

○日本海テレビ 馬田勉 記者

 話は変わるんですが、ツキノワグマの対策で、900万円の予算というお話だったんですが、35頭分と言われるのは、捕獲に関わる経費なんでしょうか、それとも放獣と言いますか、保護のための放獣の発信機ですとか、そういったものなんでしょうか。


●知事

 それは両方入っています。700万円ぐらいプラス百数十万[円]というような感じですので、いろんな経費が入っていますね、はい。捕獲をして、学習放獣をするという経費であります。ただ、これ現場の方にも指示をしておりますけども、状況を見て、柔軟に、動物の保護管理計画の執行は行う必要があると思います。

 毎回出没してくるとかですね、それから、人里へ実際に入って来るだとかという時に、やっぱり個体数が増えているんじゃないかというふうに、私は個人的に見えるところもありまして、地元の感覚も同じような気持ちがあるものですから、今回、八頭[町]の方では対策本部を設けますが、柔軟に対応してもらえればいいと思っております。ですから、すべて放獣するということではなくて、場合によっては捕殺するケースも柔軟に考えていくということだと思っています。




11 ガイナーレ鳥取への出資・支援について 

○山陰中央新報 太田満明 記者

 ガイナーレのことなんですけども、5,300万の負債があって、鳥取県・鳥取市に2,000万ずつ投資してほしいという話があると思うんですけども、実は、ガイナーレの財務状況がどうなっているかというのが分からないと思うんですが、そのあたりのことを知事はどういうふうに考えておられますか。ガイナーレの財政状況を公表すると言いますか、県のお金イコール税金だと思うんですが、これを投入する以上、やっぱりある程度、情報公開が必要だろうと思うんですが。


●知事

 それは説明責任を果たしていただくようにガイナーレ側には求めていきたいと思います。今、我々の方でもいろいろとお話は聞いていますけども、去年よりは改善はしているというお話は聞いております。

 また、今回の出資も、民間の皆さんの出資、企業側の出資もかなり集まっていくだろうという見込みもありまして、だから、去年ですと県として3,500万円ずつですか、今回、2,000万円という要請になっていますのも、財務状況が改善してきているということかなと受け止めてはおります。ただ、今、おっしゃるように住民に対する、それからファンに対する説明責任として、財務状況、運営方針などを積極的に開示していただくように求めていきたいと思います。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 例えば、選手の人件費ですね。個々にどなたがどれだけいただいているかなんてことはいいんですけれども、きっと。ただ、全体的なトータルとして会社の運営状況ですよね、借金がいくらあって、だから、貸借対照表みたいなものというのがやっぱり必要なんじゃないかなと思うんですが。


●知事

 そこは、多分、会社ですから、当然、複式簿記で管理をされて、貸借対照表等の整理はされていると思います。いずれにせよ、きちんとした説明責任を果たしていただける体制を、もし、Jに上がれるということになればなおさらでありまして、きちんと説明責任を果たしていただける体制を求めていきたいと思います。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 J2に上がれば、まだこれからいっぱいお金っていうのは必要になってくるだろうと思うんですけれどもね。J2に上がった段階で、またこういう出資なり資金的な支援なりっていう要請があった場合には、どう対応されますか。


●知事

 今は、そこは考えていません。今回はJに上がるタイミングだということで、市ともかねて協議をしておりました。その協議の範囲内で要請が来たという感じがしておりまして、応じていこうという方針でおりますけども、議会とも良く相談していかなきゃいけないと思っています。

 今後のことは正に、その時の状況だとか、当然、議会の議決も必要になりますしね。住民の皆さんの考え方だとか、いろいろと皆さんのご意見を聞きながら判断していくということだと思いますが、基本的には今回が、[Jリーグに]上がる時は、出資としては最終的なものではないかなと、私は受けとめていますけどね。

 いろんな形で、Jに上がれば、全国的な資金集めも当然ながら必要になってくると思います。フロント機能と言いますか、そういうサポーターを集めたり、資金集めをする機能、こういうところをJに上がれば、さらに充実していただかなきゃいけないだろうと思います。ですから、おのずから公共的な支援の度合いというのはJFLのようなローカルなものよりも、低くなってくるだろうとは思っています。現実問題として申し上げますと、やはりJに上がっても厳しい運営は続くとは思いますけども、今、じゃあ、これからも支援しますよというようなことを申し上げるつもりはありません。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 それと、議会の中でも何でサッカーだけなんだっていう話があったと思うんですけれどもね。鳥取県内の同じプロスポーツでキタロウズっていう野球チームがございますよね。プロチームって、彼らもアルバイトしながらやっていますのできついだろうと思うんですけれども、そういった他のスポーツに対する支援っていうのは考えておられますか。


●知事

 今は、このJに上がるという問題で捉えてますので、それと横並びで2,000万[円]とか1,000万[円]とか、そういうことは考えてはいません。ただ、スポーツの強化は必要だと思います。国体も47位から46位へ1つ順位を上げた格好になりましたけども、まだまだだと思いますね。実際、指導者をどうやって育成していくかとか、それから遠征の問題だとか、本当はもっと考えなきゃいけない地域の課題もあると思います。そうした意味でのスポーツ振興は、私は、強化していってもおかしくないだろうと思っています。




12 鳥取環境大学への教員の人選について 

○日本海新聞 井上昌之 記者

 鳥取環境大学のことについてなんですが、先週協議会がスタートしまして、知事を会長に具体的に話が始まったわけなんですが、その時に知事も大学が一新する必要性があるということをお話ししておられまして、大学側の方からは魅力的な教員を招きたいというお話があったと思うんですけども。

 ただ、考えてみますと、学生が教員目当てに入ってくるのかなっていう疑問もちょっとあったりして、もちろんこれからいろいろ改革する案を検討していくと思うんですけども、教員ではなくて、むしろ就職先があるのかどうか。

 その時、協議会の中でも外部の有識者を招いてというお話もあったんですけども、あるいは県内の企業さんなんかをアドバイザーに招いて、例えば、大学でこういうことを学んだ学生をうちの会社に欲しいとか、そういったお話しをされてもどうかなと思うんですが、そのあたり知事のお考えがあれば。


●知事

 アドバイザーとしては、県内の経済界関係者も入ってもらった方がいいと私も思います。いろいろと外部の目で大学の今後の在り方について、アドバイスしていただける人材を求めていきたいと思います。

 1つにはカリキュラムの内容、これは大切なことだと思います。やはり何を学びたいかっていうことですね。それに応えるだけのものを大学側が用意しなきゃいけない。それで、大学の先生の顔ぶれは確かに重要ではありますけども、正直受験生の皆さんに、この先生がと、余程名だたる人はともかくとしまして、分からないのが実情じゃないかと思いますね。それは、大学の当局の中の実務的な考えとしてはどうしてもそこに目が行くんでしょうけども、それだけでもないだろうと思います、要素としては。

 しっかりとした教員の体制を築いて、就職の支援も出来ますし、それから、人材としての子どもの教育にも当たれるわけでありますから、教員の選定というのは非常に重要だと思いますが、それだけでなくて、就職対策の強化とかですね、それからプロモーション活動のことだとか、そうしたことにも意を用いる必要があると思います。

 そういう意味で、前回、私の方でも申し上げたことがございました。アドバイザーとして、そういう就職だとか、あるいは、県民の間で浸透させるという意味での、大学の貢献活動を推進するとか、いろんなアドバイスがいただけそうな県内経済界関係者も、それの中に入れて良いと思います。その方向で検討したいと思います。


○日本海新聞 井上昌之 記者

 それでですね、その教員の人選についてなんですけども、協議会が終わった後に学長なんかにもお聞きしたところですね、どちらかというと学長主導で決めたいというような思いが伝わって来たんですよ。学部長を新しく両学部に招いてですね、その人の人脈も活かして、人を集めたいというような、ご趣旨のことも言っておられたんですが、ある意味、そういう雇用対策っていうか、学生の就職対策という観点から言ったら、ある程度、教員の選定の部分でも、もっと経済界のかたの意見を入れられるような、この先生が良いというような、あっても良いのかなと思うんですが、その辺についてはどうでしょうか。


●知事

 そこはいろんな教員のスタイルがございますのでね、要は、例えば、経営学部であれば、経営学を教える教員が絶対必要ですよね。そういう絶対必要な科目のところはコアになると思うんです。多分、学長が言っているのは、学部長とかで、しっかりガバナンスができる人材がいないといけないというのが念頭にあって、その上で、しっかりとした教員を引っ張ってきたいという思いだと思います。

 それ自体は、そんなに間違ったことじゃないと思うんですけど、あと、味付けとして、私もあの場で申し上げましたが、例えば、特任教授として誰かを引っ張って来るだとか、そういうふうな形で学生さんというか、受験生にも、分かりやすい人が入っている、知っている人が入っているとか、それから、就職活動について熱心な、そういう体制を組んでくるとか、その辺は、いろいろ考え方は展開出来ようかと思います。

 その学長が言っているのと、そう矛盾しないことで、新しい要素を盛り込んでいければなというのが、今の感覚であります。可能じゃないかなと思っていますけどね、今、おっしゃるように経済界の人のご意見も入れてやっていった方が良いと思います。




13 関西広域連合への加入について 

○読売新聞 野口英彦 記者

 関西広域連合なんですが、徳島県が19日ですか、規約の確約をされたんですが、その際に、その広域連合の成果が中心だけに偏るんじゃなくて、全体に及ぶべきだという意味の付帯決議をされまして、これは和歌山がされているということなんですが、改めて、知事としてのお考えとして、この広域連合に参加されて、鳥取が吸収されてしまうとかいうような懸念はないのかということを教えていただきたいんですが。


●知事

 私どもは、徳島県、和歌山県とは違いまして、全面的に参加をするものではなく、選択的に参加をさせていただきました。徳島も1点だけ加入していない点もありますけども、ほぼ全面的に参加をしている。我々は、広域医療だとか、それから広域文化、広域観光、こうした観点での参加にとどめたものですから、そういう意味で、何か、関西の中心地、京阪神地域に引っ張り込まれると、それで、周辺部にというような懸念はあんまり持っていません。

 むしろ、関西の中に滞留している観光客、それから、潜在的な海外からの観光ポテンシャル、こういうものに鳥取県も参画させてもらうことで、こちらの方に経済的活力を引っ張って来られないだろうかと。そういうメリットの方ですね、我々としては、模索していきたいと思います。

 また、医療関係でも、現実問題の広域的な医療協力と言いますと、地域性がもの凄く出ます。日本海側のところで、京都、兵庫と分担しながら、医療圏を広域的な医療圏と言いますか、医療協力体制を構築していこうということでありますので、これも京阪神に引っ張り込まれるというものではないと思っております。ですから、あまりそうした懸念は持っておりません。

 ただ、一方的な広域連合の運用になるといけないという懸念はありますので、和歌山県が提唱されたコンセンサス方式、鳥取県であれ和歌山県であれ、そのコンセンサスを得ない限りは、その県に影響を及ぼさないという運営体制の確認をいたしております。このことで実質上の担保を取っていきたいと思っております。


○読売新聞 野口英彦 記者

 各県議会の議論を見ていますと、やはり道州制への警戒感というのがありまして、これは、明記はされているところではあるんですけれども、やはり将来的に、何か、そういうことに結び付くのではないかという議論が多かったようですが、その辺りをもう一度、説明を。


●知事

 これは、私も議会に対してご説明を申し上げましたし、広域連合の設立案の中でも明記をされているとおり、広域連合が道州制に結び付くものではないと、そういう前提で動いております。これは各府県、大阪府も含めて、そこは確認した上で動いておりますから、そこは担保は取ってあると思います。

 これから、もし、いろんなことで道州制云々というようなことになってきた場合は、当然ながら我々も自由な立場で発言しますし、その設立の経緯についても、我々としては材料として、根拠として訴え掛けるものはあると思います。道州制の議論自体は、中央政府の解体、各省庁の解体、そういう抜本的な国のあり方の是正がない限りは、道州制の議論はまだ早いと、私は考えています。




14 山陰海岸ジオパーク推進協議会の今後の推進体制について 

○山陰中央新報 太田満明 記者

 ジオパークなんですけど、世界ジオパークに加盟することになって、山陰海岸ジオパーク推進協議会というのがあるわけなんですけれども、横で見ておりますと、3府県にまたがる行政と言いますか、推進のやり方ですよね、なんかちぐはぐと言いますか、うまく動いてないのかなという気がしておりまして、知事もどこかでいつかおっしゃったと思うんですけれども、行政主導的な協議会と別の組織を作る必要があるんじゃないかというふうな、そういう発想をちょっとおっしゃったようなことがあったと思うんですが、僕の聞き違いでしたらごめんなさい。何かそういったものというのを考えていらっしゃいますか。


●知事

 これからの山陰海岸ジオパークの世界[ジオパークネットワーク]加盟後の話を、私はきちんと、京都府の知事さん、兵庫県の知事さんと話し合いたいと、今、申し入れをしています。遅かれ早かれ、そういう機会を持てると思います。

 そこで、今おっしゃるような民間の皆さんを巻き込んだ地域運動として、県民運動ではなくて、地域の住民運動として、こういうグローバルなステージをいただいたわけでありますから、山陰海岸全体で取り組むような、そういうものがあっても良いと思います。例えば、ジオウォークというのは、もう一気通貫でやってしまうと。何かシンボリックなものがないと、なかなか動かないと思いますが、そういうことを、これからやるべきではないかと、その話はしたいと思っていました。

 また、[山陰海岸ジオパーク]推進協議会自体は、私どももいろいろこれまでも一緒になってやってきておりますけれども、かなり汗をかいていることは事実です。それぞれ県境をまたいでいますし、市町村境もまたいでいますから厄介なことは多いですけれども、そこをよく調整しようとしておられるなというふうに見ております。

 ただ、私は、せっかく広域連合が、あと大阪府[議会]の議決が必要ですけども、発足するのであれば、広域観光の1要素として、こういうジオパークを一元的にやるような体制をして、もっと強化をするかたちもあるのかなと思っています。この辺も、他の知事さんにも意見交換をさせていただきたいと思っていたところです。

 いずれにせよ、これから教育のことだとか、それから、保全のことだとか、また、産業振興、さらに観光、そうした様々なテーマで行動を起こしていかなきゃ意味がありませんので、そのための体制の強化を、私は図るべきだと思っていまして、関係府県と一緒に努力したいと思っています。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 その際ですね、兵庫県は南の端、神戸に県庁がございますよね、京都府は京都市にあって、やっぱりこれも南になります。それで、たまたま鳥取県だけが、そこの山陰海岸の地域内に県庁があるわけなんですけれども、こういう言い方をすると我田引水になってくるのかもしれませんけど、やっぱりその際に、鳥取県がある程度、主導権を持ってやりましょうというのは、やっぱり県庁から離れた場所になると、温度差がどうしても出てくるのかなという感じがしておるんですが、そのあたりでの知事の決意表明みたいなものはございますか。


●知事

 私は、三本の矢ですから、お互いに一致結束をして折れないように、これから発展させていくという、そういう姿勢で臨みたいと思っています。その際に鳥取県も一種の主導的な役割、これを果たしていきたいと思います。そのつもりで広域連合との関連を議論させてもらえばなというふうに考えているところでありまして、これは関係者の賛同を得ていかなければいけませんので、これから議論を進めていきたいと思っています。

 ただ、いかんせん、県境をまたいでいることは事実でありますので、関係府県の調和的な共同体制というものを模索しなければならないという宿命はあるわけでありますが、今が変わり目でありますから、一段と強化をすることは必要だと、この点は少なくとも関係府県できちんと合意が出来ると思っています。




15 米子-ソウル便30万人突破と今後の展望について 

○日本海テレビ 馬田勉 記者

 今、ちょっと観光の話の関連で、アシアナ航空の米子―ソウル便が今日、30万人のお客を突破するんですが、その便の継続ですとか含めて、今後のちょっと展望をお聞かせいただけますでしょうか。


●知事

 はい。アシアナ[航空]の米子―ソウル便は、ようやく30万人という節目を迎えることが出来たわけであります。これは、山陰両県にまたがりまして、多くの皆さんのご協力をいただいた賜物であると感謝いたしております。実際、平成19年の夏から冬にかけまして運休騒ぎということが起きました。それをバネにしてここまで回復をしてきたわけでありますから、本当に関係者のご苦労、感謝をしても足りないぐらいだと思っております。

 ただ、現在まだ、全国的に見て、この米子―ソウル便の利用が低い水準に止まっています。これから「アテナ」の韓国内での放映だとか、そうした追い風も利用して、ぜひとも、この路線の定着、さらに出来ればもっと利便性の高い便へと成長させていきたいというふうに思っております。

 今の状況ですと、円に対してウォンが非常に安くなってきておりまして、韓国人の観光客の誘客だけでも難しいところが出てきております。逆に日本からは買い物に行くと得をするという面もございまして、こういうような形でなんとか、これから年度末に向けて、搭乗率を向上させていきたいと思っております。その成果を受けて、来年度以降の便の継続に結びつけていきたいと思っています。




16 広島県管理職給与への年俸制導入について 

○時事通信 京正裕之 記者

 話は変わるんですけれども、広島県の知事が、広島県の課長級以上のかたの定期昇給を廃止して、来年度から実質的な年俸制を導入するっていうことを表明されたんですが、それについて知事は何かご感想というか、ありませんでしょうか。


●知事

 これはそれぞれの県で、取り組みが分かれるところだと思います。それは給与制度の運用がだいぶ違いますから、そこはそれぞれの県でふさわしいやり方を選択していけばいいかなと思います。広島県の湯崎[知事]さんは、湯崎さんなりの考え方で年棒制を導入されたと思います。それも1つのやり方だと思います。

 私ども鳥取県の場合は、年俸制を導入する以前に、現在の中でボーナスだとかの評価をやっておりまして、広島県とおそらくそこが違います。実際にその管理職の課長級以上の皆さん、その課長級未満の皆さんも合わせてでありますけども、その人事評価をかなり徹底してやっておりまして、ボーナスの額だとかで年収が異なってくる仕組みに、もう移行しております。

 ですから、この仕組みで、私どもとしては、おそらく湯崎さんがやりたかったことというのは導入出来ているのかなと、むしろ導入済みなのかなというふうに私は受け止めました。これからいろんなアイディアが出てくると思いますので、我々も硬直的に考えるものではありませんから、いろんな県のやり方も拝見させていただいて、いいものがあれば取り入れていきたいと思います。


○朝日新聞 倉富竜太 記者(幹事社)

 よろしいでしょうか。ありがとうございました。


●知事

 どうもありがとうございました。



  

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