知事定例記者会見(2017年1月4日)

平成29年1月4日(水)午前10時30分~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約45分) ※MPEG4形式

  

1 福興元年 

●知事

 皆さま、明けましておめでとうございます。[県政]記者クラブの皆さま、そして県民の皆さまには健やかに輝かしい新春をお迎えのこととお喜びを申し上げるところでございます。ただ、まずもってこのたび10月21日に[鳥取県中部]地震により被災された皆さま、さらには大福丸の事故の関係の皆さまに対しまして、お見舞い、お悔やみを申し上げる次第でございます。この年は復興元年ということになろうかと思います。酉年をぜひ鳥取の年にすべく、復興といっても福を興すような福興、そういうプラスになる復興という、その道筋をつけていきたいと思います。一つにはハード面の整備は今年[平成29年]中に大方目処をつけなければなりません。通常の災害ですと何年もかかってということになりますし、今回も難しい箇所もございますが、例えば土木工事であれば、2月中には契約を済ませるなど、前倒し、前倒しで物事を進めていきまして、早めに決着をつけることができればと思います。

 この関係では倉吉未来中心でありますが、1月中の小ホールオープン、さらには2月中には大ホールの改修・修繕も終えまして、2月中の大ホールオープンということも視野に入れていきたいと思います。幸い倉吉の県[立]の体育[文化会]館の方は年末までに決着がつきまして倉吉市の成人式があそこで行われたところであります。その際、谷本さんという岡山の大学に通う女性のかたが倉吉の役に立ちたいと復興のことに気がかりなご様子で、地震のことを心配をしていたというようなお話がございました。こういうように多くのかたがたが鳥取県の復興に役に立ちたい、それは、県民はもとよりのこと県外のかたも含めて一つのエネルギーが生まれつつあると思います。これを集結していくことで復興といってもプラスになるような復興は必ずしも不可能ではないというふうに考えております。そのためのいろんな仕掛けづくりが必要でございまして、年明け早々から本格化させていくことになります。

 1月13日に官民の共同組織として鳥取県中部地震復興会議を設立をしたいと思います。これにつきまして、商工団体や農業団体、また市町村、それから大切なのは建設、建築関係の団体、そうしたさまざまなところにNPO等の住民団体も含めて呼びかけをさせていただき、これからいわば一つになって官民挙げた復興が進む、その土俵を作っていかなければいけないと思います。率直に言って、一生懸命やれば前に進むこともありますが、なかなかボトルネック[隘路]があって解消しがたい問題もいくつも出てくるだろうと思います。住宅等がその大きなものになろうかと思いますが、単に指をくわえて見ているのではなくて、知恵を出し、企業の方でもご努力をいただくし、また、行政サービスとしても対応できることもあるかもしれません。その辺を、力を集結しながらできるだけ早く被災地の全体の復興が進んでいくようにしなければなりません。復興元年のうちにハード面、行政的な整備は終え、次年以降に民間の住宅等が残ると思われますが、それをできるだけ極小化していけるようにこの1年奮闘していかなければならないと思います。





2 とっとりで待っとりますキャンペーン 

●知事

 観光につきましては、残念ながら発災後急速にキャンセルが出ました。それを取り戻すべくその地域の観光関係者と一緒にキャンペーンをはらせていただきまして、キャンセルは止まりつつありますが、このお正月休みも含めまして、これ、日付の並びが曜日があまり思わしくないということもあったと思いますが、まだ苦労は続いているところではありますけども、新規の予約も入り始めている、お正月の1日などはいっぱいだったというような状況には持って来れたところであります。これからが取り戻していかなければならない段階に入ります。

 実は年末[12月]27日までとっとりで待っとりますキャンペーンの応募を集めておりました。観光事業者から大変な応募がございまして、想定の枠を大幅に上回ることになりました。ただ、熊本[県]の方でもふっこう割をやりましたとき、10倍とかそういうレベルでの応募があったそうでありまして、これはこうしたふっこう割の特需的な要素があるのだろうと思います。そうはいっても、ある程度はその応募を取り込んで地元での復旧復興に向けて観光風評被害対策を進めなければなりません。1億円は国の助成が出るということになり、5千万円につきまして12月で補正予算を組みました。さらに今10月25日の先決予算で調整費というものを、災害調整費を作っておりますが、そこからも執行させて追加でいただければと思います。これで合計5千万円足して2億円ベースでのとっとりで待っとりますキャンペーンの観光事業支援を行い、これにより2万泊の宿泊が創造できる、作れるということになります。

 あわせて、今、提供しておりますバスの支援、このバス支援につきまして、今、宿泊関係を伴うもので1,000台、さらに日帰りで800台の申し込みがございます。もちろん歩留まりということは当然ながらこの世界ではあるというふうに思いますけども、1,000台の宿泊について大体平均で30人くらい乗ってきます。ですから、3万泊分ということになります。それで、先ほどの2万泊のとっとりで待っとりますキャンペーンとこのバス支援の3万泊分、これ合せると5万泊分になります。今回の鳥取県中部地震で4万4,000泊のキャンセルがでました。従いまして、これを埋め合わせるだけのキャンペーンとして、昨年[平成28年]末よりも少し規模を膨らまして執行させていただきたいと思います。こうしたキャンペーンを1月10日からとっとりで待っとりますキャンペーンをやるのとあわせまして、全日[本]空[輸]の誘客キャンペーン、うっとり鳥取キャンペーンも1月10日からスタートし、2月いっぱいしようということにいたしておりますし、そのほかさまざまなメディア戦略も打ち、海外も含めて誘客をしていこうということであります。

 これによりまして年明け早々から、プラス1歩前をいくような復興元年、これの内実を作るべく観光振興に注力をしてまいりたいと思います。この酉年があけまして県内あちこちで参拝客帰省客で賑わったところであります。特に鳥取空港の方は去年[平成28年]よりも伸びる傾向がございました。また、特徴的なところでは天日名鳥命神社(あめのひなどりのみことじんじゃ)、これ鳥取市内にある神社でありますが、こちらの方では通常ですと近所の人だけでありますが、1,000人の参拝客が県外ナンバーも含めてあったということでありまして、酉年の新名所の予感がするところであります。酉年でありますから、鳥取県で酉年をと、とっトリ年は鳥取へというそういうプロモーションを今年いっぱいかけていきたいと思います。従来の蟹取県ウェルカニキャンペーンなどに加えまして、とっとり年は鳥取へというそういうプロモーションをかけることによりまして、復興元年の中身を作っていければと思います。




3 鳥取県中部地震を受けた今後の災害対策 

●知事

 こうしたこと等々やる中で、総括も進めて復興を次の防災対策につなげていかなければなりません。1月17日、これは阪神[・淡路]大震災の日でありますが、この日には県と連携協定を結んでいる団体と連絡を中心とした訓練をしようと、今関係者と話を始めているところであります。また、今回、防災士の資格を取っておられるかたが倉吉市内のそれぞれの町内会等で活躍をされたこと、また、日本防災士会鳥取県支部がボランティアセンターに協力をされたことなど、こうしたかたの養成が重要でございます。従いまして、今月[1月]28、29日と防災士の養成講座をさせていただきたいと思います。それぞれの市・町で災害対策本部が閉じられたわけでございます。そろそろ落ち着いてくるころだと思います。いろいろと福祉避難所のことであるとか、総括を徐々に進めていきまして、マニュアルを整備をしていく必要があるだろう。次の出水期にあたります新年度[平成29年度]、梅雨の時期ころまでに、ある程度改正できることは改正していき、最終的には来年度[平成29年度]末の地域防災計画改定につなげていきたいと思います。新年度[平成29年度]が本格化することにはなりますが、もう年明けから落ち着いてきた分野から徐々に今回の震災対策の総括を始めて、次の安心の体制づくりにつなげていければと思います。



4 観光関係の動き 

●知事

 新年度[平成29年度]予算の編成も含めまして、新しい年、この年をどういうふうに彩っていくのか、これが焦点になります。先ほど来のいろいろな方に来ていただいて、とっトリ年を鳥取でにぎわって、賑わいを作ってもらう、そんな意味ではいよいよ[大山開山]1300年祭の前の年の開白法要(これから3年間の行事が始まることを世間に告知し、その無事を祈願する行事)が5月に大山寺で開かれることになります。この1300年祭のプレのイベントも進めていこうとしておりまして、例えば、刀でありますとか、これ、ちょうど「たたら侍」がこの度封切られることになります。実は年末錦織[良成]監督ともお話をしましたが、大山の方でもロケをされたということでありまして、封切られれば鳥取も舞台に入っていることが見えてくるのではないかと思います。

 また、星を見るツアーであるとか、それからグルメのかたのための新メニュー開発であるとか、こうしたことなど1300年祭のプレを今年[平成29年]やっていく必要があります。また、鳥鉄の旅、バードの鳥鉄でありますけども、鳥鉄の旅というのを世間に提唱していけないか。[トワイライトエクスプレス]瑞風がこの度、6月にデビューをします。これが鳥取県に入ってくるわけでございまして、まだ全貌は明らかになっていませんが、県内各地に停車であるとか、景色を見ていただくとか、そういうポイントが設けられると思われます。これについては来週早々に、JR西日本とも話をさせていただきたいと思いますし、また、JR西日本さんとは陸上養殖の関係でも取りまとめをさせていただきたいと思います。これに限らず、若桜鉄道を初めとして、いろいろと鉄道の旅というものがクローズアップされてもよいのではないだろうか。そんな意味で鳥鉄の旅というものを新しい年のテーマとしてアイテムに加えていけないだろうかと思います。

 また、サイクリングロードにつきましては、今年[平成29年]に入りまして中国地方でワーキンググループを作ろうということになっておりますし、そういう意味で大山までのまずルート設定が確立をすると思います。これをまずは北栄町由良のあたりまで、東の方へ伸ばしていき、さらにはそのルートを県境、兵庫[県]の方へと延ばしていく、これを今年[平成29年]進めていけないかというふうに思っております。こういうようなサイクリングを初めとしたニューツーリズム、これも鳥取県の得意分野にしていければと思います。海外からいえば、境港が中野[地区]岸壁が整備をされ、さらにその係留施設が夏には仕上がると見込まれます。今までのところ、58隻の申し込みが来ておりまして50隻を上回ることで、今回、クルーズ客船が来ることは間違いないということであります。その中には、ノルウェージャン・ジョイという16万トン級の船、3,900人乗りの船が日本では境港と長崎に寄港する計画で、今エントリーが11月を目指して来ております。この初入港の大型客船も含めて、多くの船が来る。特にコスタ・ネオロマンチカは24回[4月]以降入港するということになります。

 こんなようなことを睨んで、このクルーズ客船を受け入れる体制整備も新年度[平成29年度]に向けて、島根県側とも協議をしながら、体制づくりをした方がいいんではないかと思います。例えば、両県跨って山陰インバウンド機構もできあがっているところでありますし、境港管理組合の片手間でやれる状況ではなくなりつつあるんではないかなと思っております。これらを新年度[平成29年度]に向けて、今から予算編成の時期などよく相談も進めていければというふうに思います。また、今年は和牛の共進会[全国和牛能力共進会]が開かれるところでありまして、鳥取の和牛の質、それが認められるチャンスが巡ってきます。今、7区(総合評価)、8区(若雄後代検定牛群)、9区(去勢肥育牛)という肉牛の部、これらで結構有望な牛の飼育もなされ始めております。そういうようなところから、今、鳥取の方には買い付けに来る、子牛の買い付けも熱が高まっているわけであります。和牛に限りません。梨や柿を初めとしたブランド化、特に大山のきらきらみどりというブロッコリーであるとか、日南トマトであるとか、GI[地理的表示保護制度]の認定も目指していこうというところでありまして、鳥取のそうした産品の魅力を国内外に訴えかけていく、それも重要な要素になろうかと思います。




5 企業誘致、産業振興の動き 

●知事

 企業誘致については、いったん陰りが出るようにも見えたところではありますけれども、今ぎりぎりの調整をしておりまして県内企業の拡張、それから県外からの立地も含めて年間トータルで40件くらいには行くんではないか、何か例年くらい行くのではないかと、今精力的に担当部局で各企業さんと折衝しているところであります。

 今年はこれまでの成果が表れてきておりまして、例えば、医薬品関係での共和薬品工業[株式会社]さんという初めての医薬品工場が鳥取市内に誕生をする。さらには本社機能移転で山陰アシックス[工業株式会社]さん、またサントリー[プロダクツ株式会社]の奥大山ブナの森工場など、そうした動きも出てきてまいりました。これらが現実化して創業を始めるのが今年になるわけでございます。県内の中小企業振興も併せて、この辺の深みを出していかなければなりません。そういう中、震災の克服が必要でございます。年末[平成28年]までに既に震災対応の融資や助成制度、このPRをさせていただいてまいりました。そうしたところ、補助金になります[鳥取県版]経営革新[総合支援補助金]の分野では90件を上回る今、エントリーがございまして、これについては1億2,000万円の規模での交付が見込まれます。さらに融資関係、当面無利子で無保証料というものでございます。これについては200件ぐらい、51億5,000万円強が既に信用保証の承諾を得ています。これ以外にも実はまだ見積りが取れなくて滞留している分がございますので、もっと増えてくるだろうと思います。こうしたことを丁寧に県としても対応していきたいと思います。予算額は当然膨らむことにはなりますけれども、現計予算の中で対応、十分できるのではないだろうか、その精査を今させているところでございまして、スピーディにこういう復興資金事業に対応してまいりたいと思います。




6 環境先進県に向けた動き 

●知事

 エネルギー関連では1月1日から三洋製紙[株式会社]がバイオマス発電をスタートさせました。これによりまして54万キロワットでの発電ということができることになりました。このバイオマス関係で54万という規模は、これは2030年の県の目標規模でございまして、ほぼ今回のバイオマス発電で満たすことになります。[1月]10日の日にはこの三洋製紙の幹部の皆さんとこの発電の状況など意見交換をさせていただきたいと思っています。さらに、バイオマス発電などこうした既存のエネルギーだけじゃなくて、メタンハイドレートをどういうふうに展開をしていくのか、近未来のこととして考えていかなければなりません。山陰の方でも沖合にメタンハイドレートの鉱床があるというところでございまして、これを上手に活用すれば日本のエネルギー問題にも対応できることになります。これにつきまして、3月にメタンハイドレートの国際フォーラムを鳥取で行うことにしようと。これは鳥取県と明治大学、鳥取大学の協定に基づくプログラムとして実施をしようとしておりまして、フランスやロシア、イギリス、台湾のメタンハイドレートの大家にも鳥取の方にご来県いただき、国内外の研究者が一堂に会してメタンハイドレートの可能性について探ろうというものであります。

 また、パリ協定後を睨んで環境推進活動を推進していく県民との共同プラットフォームも年末までに構築をさせていただきました。ぜひ環境先進県ということをパリ協定後の新しいムーブメントとして、鳥取県としても推進してまいりたいと考えております。介護福祉の関係では4月にいわゆる介護予防給付の部分が変更になります。その受け皿として4月にいわゆる介護予防給付の部分が変更になります。その受け皿として19市町村で、介護予防・日常生活支援[総合]事業を実施をすることになります。県としてもこれを人材育成、地域でそういうことをやれる体制を整える、そうしたプログラムなどを、実施をするなど応援をしてまいりたいと思います。



7 あいサポート条例制定に向けて 

●知事

 障がい者福祉につきましては、先の震災の経験を活かしましてあいサポート条例とでも言うべき障がいを知り共に生きる社会づくり、障がい者が暮らしやすい社会づくりの基本的な条例を制定をしたいと思っております。早ければ2月議会の提案も視野に、今成文化を急いでいるところでございまして、さまざま団体から災害時の障がい者の課題など聞かせていただいています。例えば視覚障害のあるかたがブルーシートを取りに行くのに苦労をしたとか、どうしてもそういうことが今回もあるわけでございまして、こうした対応などを進めていく必要がございます。この夏には手話を進める知事の会におきまして、鳥取でそういう職員研修などをやることを計画してはどうだろうか、今調整に入らせていただいたところであります。またこの度は筑波技術大学の方に手話言語条例などについて講演に行ってまいりますし、この週末には恒例となってまいりましたあいサポートとっとりフォーラム、これを米子で開催し、全国各地の障がい者関係団体も集まるところになります。今や障がい福祉の先進地域として鳥取県が注目されているところでございまして、障害者差別解消法が施行された今日しっかりとそのリーダー役を果たしてまいりたいと考えております。



8 2017年度の経済情勢 

●知事

 また、財政につきましては今まだ予測不能なところでありますし、経済運営もこれからだと思います。トランプ相場がどうなるか、年明けからも恐らく今後神経質な展開が進んでくるだろうと思います。またヨーロッパにおける政権交代も含めた可能性のある選挙の実施、またブレグジットというEUからのイギリス脱退問題、隣の韓国、また中国におきましても習近平[国家]主席の今後の動向など注目されることが多いわけでありまして、国際的な激動の中に今日本丸、鳥取丸がこぎ出したというところだと思います。今年[平成29年]はさまざまな激動のある年だろうと思いますが、ぜひ県民の皆様と一丸となりまして心一つにプラスになる復興、一歩前に踏み出せる復興を目指す、そういう酉年、鳥取の年を作ってまいりたいと思います。

 今、足元ではインフルエンザの流行が始まりました。特に西部で値が高くなっておりまして、東部も高まってきているところであります。くれぐれも受験シーズンにもなってまいりますので、ご健康にも注意をされながら皆さんのところでいいお正月を残り過ごしていただければありがたいと思います。私の方からは以上です。




9 とっとりで待っとりますキャンペーン 

○山陰中央新報 原田准吏 記者

 

 いいですか。震災からの復興の関係なんですけれども、観光振興でバスの支援、それからとっとりで待っとりますキャンペーンの支援で5万泊分補えるような話があったかと思うんですが、とっとりで待っとりますキャンペーンは確か速報値で6万くらいの受付があったかのように記憶しておりますけれども、この5,000万円は災害調整費で賄うということなんですが、それ以外のものについてはどうなるんでしょうか。

 

 

●知事

 

 これにつきましては、先ほども熊本[地震の際のふっこう割]の話を申し上げましたけれども、プレミアム[特典]のある旅行商品なもんですから、実は旅行事業者の方から申し込みが殺到するんだそうです。それで、その中で言わば選別をして選りすぐった旅行商品を補助制度として適用していくと、こういうものらしいんですね。私もちょっとその辺の実態は昨年よく分からなかったところなんですが、それで今、先ほども仕事始めで観光戦略課が右往左往しているというお話がございました。かなり5億円を超える規模くらいでの申し込みだと思います。ただ、その中で調整をさせていただき、いいものから採択をする。そのときに本来国の枠は1億[円]です。しかし、それを先の補正予算12月議会で1億5,000万円に膨らましました。それにさらに5,000万[円]ですね、大分申し込みがあり有望な旅行商品も造成できるじゃないかと思いますので、復興全体を考えて災害対策の一環で5,000万円調整費の中から、災害対策費の中から執行させていただければ、これで2億円の都合はつくということであります。残りのものについては、それは実はバスの助成の方がございますので、そちらの方にさらにエントリーしていただくということも可能でございますし、また、別の手段で応援をしていただければというふうに思います。

 

こうした旅行商品についてはそれぞれの旅行会社でも独自に鳥取向けのプロモーションもしていただいていて、ほんとにありがたい限りでありますが、いろんなところのそうした支援策が融合するかたちで最終的には4万4,000泊のキャンセル分をほぼ取り戻すような、そういう戦略が練れないかなということであります。




10 バスツアー助成 

○山陰中央新報 原田准吏 記者

 

 すいません。関連してなんですけども、バスの助成についてもたぶん当初の予算枠を超えているかと思うんですけれども、現時点で。これについてはどのように、また調整費を使われるということなんでしょうか。

 

 

●知事

 

 バスについても調整費を使いながら柔軟に対応していくということを考えています。

 

 

○日本海新聞 今岡浩明 記者

 

 すいません。関連してですが、バスツアーの方ですが、年末に話を聞いていたのでは5万6,000ぐらい申し込みがあって、それを当初組まれた予算を満遍なく分けるというような話を聞いていたんですが、方針を転換されて県の方で対象者を精査されると、選別されるということでよろしいんでしょうか。

 

 

●知事

 

 5万6,000[泊]というのはバスツアーではなくて、とっとりで待っとりますキャンペーンがそのぐらい年末ペースでございました。それでそれについて元々予算枠、これは国の予算もありますので1億が国の予算であり、また、県も1億5,000万[円]足したところでありますが、もちろん5億6,000万[円]ですかね、全部執行してもよいのかもしれませんけれども、他方でバスツアーもございますのでバスツアー助成を組み合わせて、それで今大体4万4,000[泊]のキャンセル泊分ぐらいですね、取り戻せるくらい、今、旅行需要は来たというふうに受け止めまして、それをバスツアーと合せてはけないかというのを今判断しているということであります。当初からこれ申し上げておりますのは、予算枠がございますのでだからこそ殺到したということでございまして、そこのところでの選別は、熊本のときも10倍くらいの倍率であったそうでございますので、そんなにこの手の旅行商品、ふっこう割りでは珍しいことではないそうです。

 

 

○NHK 木庭尚文 記者

 

 関連してですけども、先ほど知事、今回の国のキャンペーンが1億円で県が5,000万円出して、それでさらに災害調整費からさらに5,000万円出して、

 

 

●知事

 

 そうです。

 

 

○NHK 木庭尚文 記者

 

 それで、結局最終的に、

 

 

●知事

 

 2億、

 

 

○NHK 木庭尚文 記者

 

 2億円国の枠で、

 

 

●知事

 

 はい。だから、国の1億にもう1億乗せて2億円。それにバスの方の助成制度を使えば4万4,000泊を超えるくらいにはなってくるんではないかということです。

 

 

○NHK 木庭尚文 記者

 

 そうれはもう、やっぱり申し込みが殺到したからそういう対応を取られたということでよろしいですか。

 

 

●知事

 

 そうですね、もし1億5,000万の予算枠まで達しなければ、そこはそこで執行していたんだと思いますけども、予想以上に反響があったということです。




11 鳥取県中部地震復興会議 

○NHK 木庭尚文 記者

 

 もう1点、今年、おっしゃった復興総合会議でしょうか、これを開く目的、ここでどういうことを決めていきたいかいうところ、これについてもうちょっと詳しく教えてください。

 

 

●知事

 

 鳥取県中部[地震]復興会議で、もちろん行政としてこういうような復興を進めていきますよということを皆さんと情報共有することは一つありますが、たぶん大切なのは一つは住宅復興をどうやって進めるかだと思います。それで[平成28年]12月9日から私どもの方で中部に住宅修繕支援センターを作りましたけれども、現に今100件以上相談が来ているというところではありますけれども、なんせ1万5千件罹災証明の届け出が来ていますので、それぐらいを考えますと、とってもとっても道のりは遠いと思われます。それで実際その現場で聞こえてくるところでは、なかなかやはり職人さん、業者さんのやりくりがつかないということでありまして、何かこう工夫はできないのかなというのを改めて皆さんとも話し合う必要があるかなと思います。それでその中で例えば役割分担をしながら、企業さんではこういうようなことをやる、さらに市町村なり県なりこういうかたちでそうした住宅修繕をサポートしていく、そういう話し合いを一つにはやるのかなと思います。

 

あと、大切なのは先ほど申しましたけれども、いろんなまちづくりとか、産業創造に今回のことをバネにつなげていかなければなりません。例えば被災をした大山乳業さんでありますけども、大山乳業の質のアップを図りTPPというお話があってもそれを打ち消そうということで、今プランを若い人中心に練っているんですね。それでそういうものを推進をしていくとか、また産地の努力ですね、今回、梨農家が被災をしましたけれども、それを乗り越えていくようなブランド化やまたジョイント整枝と言われるような新しい農業のやり方、こういうものを普及させていくとか、商工業の関係でも実はいろんなアイディアがそれぞれの企業さん、お店の方で出てきております。そうした中で、まちづくりの一つの契機になる可能性もあるわけです。

 

これまで被災した神戸とかあるいは東北もそうでありますけども、新しい商店街としての輝きをその震災というものを契機に再構築しようということになります。それでそういう芽が、機運が出てきていると思うんですね。それでそこを我々としてもこれは地域の商工団体だとか、NPOとか、そうしたところと一体となってこれを応援していくっていう必要があります。思いきってトットリズム[推進補助金]という助成制度があるんですけども、これで震災復興枠というのを確保して、こうした民間ベースによるまちづくりの支援をできないだろうか、また経営革新の中でもバージョンアップしていくような経営革新であれば1,000万[円]まで県も支援するという制度を積極的に適用していく、こういうことで200万[円]までの復興復旧枠とはまた違ったプラス志向の復興もあり得るだろうと思います。それでこうしたようなことをみんなで話し合い、同じような座標軸の中で一緒に動いていく、そういうパートナーシップを築けるような会議を作る必要があるのではないだろうか、これが鳥取県中部地震復興会議の趣旨でございます。

 

 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 

 関連しまして、今のこの会議を定期的に開催するイメージでしょうか。それで、初会合の開催地なんかは決めていらっしゃいますか。

 

 

●知事

 

 今、初会合は[平成29年]1月13日で調整中でございます。そこでまず集まってということになりますが、もちろんこの復興を進めていく過程で復興元年である今年[平成29年]は非常に焦点の年になると思いますので、何度か集まる、さらに幹事会のようなことをやって意見調整をしっかりとフォローアップしていく、こうしたことが必要だと思います。

 

 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 

 開催地は中部でしょうか。

 

 

●知事

 

 中部ですね。




12 観光プロモーション 

○山陰中央テレビ 宍道正五 記者

 

 すみません。とっトリ年は鳥取へプロモーションについてお伺いしたいんですが、具体的に決まっていることっていうのはどういうところがありますでしょうか。

 

 

●知事

 

 今、プロモーションをかけております蟹取県キャンペーンだとか、そうしたところと連動しながらやっていくことになります。新年度[平成29年度]の予算の中でもそういうプロモーションを、いわば風評被害対策の主旨も込めて、予算の中でも取りまとめてまいりたいと思います。




13 高速鉄道整備 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 

 鳥鉄の旅という話がありましたが、そういうゆったりとした旅の一方で高速化も新年のテーマになると思います。ポスト整備新幹線ということで争奪戦みたいなことも、これから、各、日本各地で進んでいくのかなと思うんですが、改めてこの高速鉄道、山陰への、についてのお考えと、それから知事はかねてから、まずは現在の路線の高速、現実的な高速化についても言及されているわけですが、それについてもいろいろと制度上ネックがあるわけですが、これの解決策も含めてお考えをお聞かせください。

 

 

●知事

 

 これは、実は2つのレベルがございまして、1つはいわゆる新幹線計画に基づく新幹線でございます。これは北陸新幹線のルートが今回、小浜京都ルートで設定されることになりました。舞鶴に仮に来ていればかなり近いところでありましたので、その新幹線としては若干遠のいた感はございます。しかしながら、実は元々の基本計画路線のなかに山陰新幹線、さらに中国横断新幹線というものが入っております。それで、こうした新幹線計画をどういうふうにするのかも含めて、今国の方で予算編成の中に調査費が入りました。先般[平成28年12月21日]、国[土]交[通]省の方に参りましたときもこの議論をさせていただき、そうした調査費の中で今後のあり方を検討していくということがございました。ですから、ここは旗は降ろさずにそうした山陰新幹線の構想ということについて、引き続き国方面に働きかけることが一つにはあるだろうと思います。ただこれは中長期的な課題でありまして、政府の方から聞こえてくるのはまずは今整備中の整備新幹線を仕上げることだという話が中心でございまして、まだまだ構想段階の調査ということになるんだと思います。

 

それともう1つのレベルというのは現実路線でございます。先般地元紙の方でアンケート調査もされたようでございますけれども、県民の意識としてもそうは言ってもなかなか新幹線が来るわけではないわけでありますので、少しでも早くする方策も考えたがいいでないだろうかということであります。来週[1月9日の週]またJRの幹部とも協議をする時間を設けておりますので、こうした現実的なアプローチについても相談を今後していく必要があるかなと思います。その意味で因美線系統と伯備線系統と2つの系統がありますが、それぞれどんなことができるのかという課題の整理、研究調査を、これ、順次進めていく必要もあるだろうと思います。議会の議員の皆さんもそうしたことに大きな関心を寄せておられると伺っております。ただこれ島根県だとか岡山県だとかその接続地域との話もございます。今後ですね、そうした現実路線の進め方につきまして、またこの予算時期も含めて協議してまいりたいと思います。

 

 

○朝日新聞 柳川迅 記者

 

 ほか、質問はないでしょうか。ないようでしたら。

 

 

●知事

 

 どうもありがとうございました。




  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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