防災・危機管理情報


平成31年1月4日(金)午前9時45分から
県庁講堂

 

 皆さま、あけましておめでとうございます。本年も皆さまにおかれましては、御家族、そして地域の方々とともに健やかに輝かしい新春をお迎えのこと、お喜びを申し上げたいと思います。今日は御覧のとおり素晴らしい青空が広がりました。実は今日の11時頃が本当はピークのようですが、昼間なのでそのピークは外されるわけでございますけれども、「しぶんぎ座流星群」が今見えるということでございます。今朝、夜明け前空を駆け巡る流星たち、まるで星取県の年明けをお祝いするかのようなそんな幕開けとなりました。ぜひ、この1年豊かで実りの多い、そして、幸せな県民生活を私たちみんなでつくりあげていかなければなりません。県庁に求められる役割も大変大きいものがあります。皆さまの御健勝、御多幸とともに御活躍を切にお祈りを申し上げたいと思います。

 昨年は、本当に災害の多い年でありました。昨夜も6時過ぎ突然ニュースが入ってきまして、熊本において震度6弱の地震がございました。早速、私も危機管理の皆さんと連絡を取り合いましたわけでございますけども、幸い今、大きな被害がなく、けが人の報告もなく、学校のガラス窓が割れたとか、若干の被害はありますけれども、まずはそこそこということかもしれません。しかし、地元の避難されている方々が20名以上おられたということでありますが、口々におっしゃっておられるのは、これは前震かもしれない、まだこの次の大きな地震があるかもしれない、熊本地震もそうでありました。実は、鳥取県中部地震もやはり前震、そして本震というそういう構造になっていました。そんなわけで現地ではまだ不安が絶えないところであります。

 さらに、私たち日本があまり参加できない休みの期間中に、円高が一気に進行しておりまして、昨日は104円まで上昇しました。107円まで戻したところでありますが、それでもやはり円高基調でありまして、多分今日の株の相場も弱含みにならざるを得ないのかもしれません。仕事始めの日から立て続けにそうした地震であるとか、あるいは、国際的な経済の激流が私たちを襲おうとしているのかもしれません。ただ、こういう風が吹きすさぶ中、非常に厳しい環境の中でもふるさとの暮らしはしっかりと守り育て発展していかなければなりません。皆さんそれぞれに課題を抱えるわけでございます。

 防災関係、安心をつくるというのは非常に大事なことでありますが、昨年の豪雨災害なども新たな教訓としてダムであるとか、それから避難のあり方であるとか、さらには物流を私たちの被災したときにどういうようにつくりあげていくのか、これを分散的に、そして市場も活用しながらやるというシステム構築なども求められるところでございます。こうした新しい安心のつくり方、これに進んでいかなければなりません。年末には県立中央病院もできました。これをもとにして、本気でがん死亡率、悪い状態をなくしていかなければならないわけであります。

 医療もそうでありますが、子育てのほうでいきますと、今年は私たちの先行した事業が国でも取り入れられまして、保育料の無償化などが進むことになります。こういうような環境の変化と併せて、高齢者も含めた包括的なケアなど、安心の地域づくりを進めていく必要があるわけでございます。また、障がい者という観点は鳥取県の先行した分野でありますが、リーディングバッターとして私たちがその役割を果たしていかなければなりません。さらに、農業あるいは商工業そうした産業分野ではTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)11が12月30日に発効しました。2月1日にはEPA(経済連携協定)が発効することになります。これは攻める「のろし」が上がったということでもあります。まさにGI(地理的表示)も年末2つ成立をしました。そういうようなことなどから、攻めることも必要でありますが、また、県内の農林水産業の状況はどうなのか、その辺のウォッチをすることも必要であります。この辺は、チームをつくって組織的にやっていかなければならない分野ではないかと思います。

 折しも外国人労働者ということ、それから働き方改革ということも始まります。これも、県庁としても部局横断的に対応していかなければならない新年の課題になってくると思います。併せまして、交通政策からいきますと、年末までの間に私たちの空の便が充実をしまして、海外との門戸が開かれました。ただ、必ずしも安定軌道にのっているわけではなくて、今年が正念場でありますし、DBSクルーズフェリーも10年という節目を迎えることになりました。そんなわけで、私たちこれから観光だとか、あるいはビジネスの需要開拓が求められるところになるわけでございます。

 さらに、地域の拠点をつくっていかなければなりません。地方創生を進めていかなければなりません。今日未明に新しいニュースが入りましたが、鳥取市が住みたいまちのナンバー1に選ばれました。このようなことなど自信を持っていい分野もあるわけでございますが、それをどのように展開をしていくのか、今年はそういう意味で勝負になってくるのかもしれません。さらに、これから子どもたちを育てていくという教育なども重要でありますが、高等教育の一部無償化なども導入をされる中、高校のあり方などについても検討が急がれる、そんな年回りになってまいりました。

 英語教育や新しい入試システムへの対応など、そろそろ待ったなしの状況を迎えています。未来の子どもたちを育てるために、高等教育機関とも連携をしながらIOT(物のインターネット)のリテラシーを高めたり、AI(人工知能)やロボット化などに対応できる人材をつくっていくことも大切であります。そのように、未来に向けた人づくりということが求められます。そして、県内のインフラストラクチャー(社会資本)の整備についても大きな節目を迎えます。鳥取西道路がいよいよこの夏までには開通することになります。そして、春ごろまでの間には、鳥取に入ってくる道路、例えば多岐朝山道路でありますとか、それから美作岡山道路、これも一部開通します。4車線化が一部含められます岡山県側の鳥取道、これも開通時期を迎えます。

 私たちは、次の課題にも向かわなければなりません。それは、北条道路であったり、さらには南北道路であったり、南北道路も3路線が予定として示されましたけれども、これを圏域の皆さんで取捨選択をしていかなければならない、そんな年回りになってまいりました。さらには、雪の心配をすれば鳥取道がいつも止まるという状況があります。志戸坂峠道路、これも新しい考え方で、もう1つ高速道路化を進める必要があるんではないだろうか、もともとAダッシュでつくっていた所でございますが、それに前後して高速道路がつくられた所であります。私たちとしては、そういう高速道路に見合うような規格の高い道路を志戸坂峠でも求めていかなくてはならないと思います。

 また、県庁としても様々な改革を進めなければなりません。それは、例えばこれから水力発電など、事業的にやっていくという手法、PFI(プライベイト・ファイナンス・イニシアティブ)の手法などがあります。鳥取県の西部の総合庁舎、これも駅にほど近くて一等地であります。民間と一緒になって、再開発的にここを活用していく、そういう手法も本格導入・検討されなければならないのではないかと考えます。このようなことと併せて、年末も表彰対象となりましたが、例えば、朝の時間帯、みんな所属、みんなで電子決裁などに向き合うようなコミュニケーションを言葉でも図りながらやっていく、そういう時間帯を設けての改善ということの提案がありました。これは道路の情報であるとか、いろんなことでも改善の提案が出てきました。鳥取県らしく働き方改革を進めていく、これは職員の知恵を結集していかなければなりません。

 1つやり方を間違えますと、サービスの低下とか、苦情につながるということになってはいけないわけでありますが、小さな鳥取県庁であるから、比較的大きな範囲が一人一人の職員に見えるわけであります。鳥取県庁は、働き方改革、改善の先進県になり得る素地を持っています。実績もあります。そんな皆さんの目線で未来型のロボット化も一部導入を予定していますが、未来型の鳥取県庁というものを一緒につくっていければと思います。ぜひ、皆さまの手で次の時代をつくり上げる、これがテーマではないかと思います。

 私自身、この年初は、新年祝賀の儀に参内をさせていただきました。天皇陛下からもお言葉がございました。この国の発展と国民の幸せを祈るという言葉に、平成時代の重みを感じたものであります。平成の次の時代が始まります。それは、私たちがモデルを示してつくり上げていかなければなりません。皆さまのお力が必要であります。ぜひ、このふるさとの発展のために、よい年をみんなでつくっていただければと思います。「猪とともに吹かるる野分かな」、松尾芭蕉の句でございます。猪年を迎えました。いろんな風が吹きすさぶ中であります。猪とともに野分に吹かれている、そういう風情が描かれているわけでありますが、私たちも県民と一緒に風雪に耐えながら、むしろ光をつくり上げ、そして大きな大樹を育て上げていかなければなりません。幸せと発展という大樹でございます。皆様にとりましてすばらしい年でありますこと、心からお祈りを申し上げますとともに、この鳥取県とそして県民の弥栄をお祈り申し上げまして、年頭の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。おめでとうございます。

  

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