防災・危機管理情報


令和3年1月12日(火)午前9時45分から
県庁講堂

 皆様、明けましておめでとうございます。本日、ここに変則的ながらこの日を選びまして、仕事始め式となりました。本来であれば、年末にやっておりました職員表彰も一緒にさせていただくということになりましたが、新型コロナという異常事態であります。そういう意味では、緊張感のある年明けになったのではないかと思います。先ほどは見事な御功績を挙げられた故をもちまして、様々な職場、そして個人表彰がありました。谷口さんや山﨑さん、小江さん、伊藤さんのお話がございましたけれども、そうしたいろいろな努力を重ね、また危険をときに冒しながらも困難を乗り越え、この栄誉にたどり着いたということだろうと思います。

  年末のカイゼンにつきましては、皆成学園が見事に金賞になりましたが、今もお話がありましたように、整理整頓という言葉がございましたが、民間では、例えば工場などそういう整理整頓というのは生産性向上の1つの基本になっています。公務におきましてもこうしたものを入れていただいたわけでありまして、皆成学園が「カイゼン学園」になったということかなと思いますが、これからもぜひ全庁挙げてカイゼンを進めていただければと思います。

 さて、今、我が国は緊急事態宣言という事態になりました。世情報道されておりますし、私もいろいろと霞ヶ関方面にも友人もおる関係で情報が伝わってくるわけでありますが、ここ鳥取県からも程近い京阪神も緊急事態宣言の対象になる、そういうスケジュールが目の前に出来上がってきたところであります。昨年一年は「コロナに明けコロナに暮れる」という年となりました。そういう中、県庁一丸となり、また医療機関や事業所、県民の皆様の絶大な御協力をいただき、最終的には一年を通して119名の陽性者というふうに全国で一番抑えることができました。何とか命と健康を守ろうと早期発見、早期検査、早期入院、早期治療、そして早期復帰、こうした鳥取県独自の考え方を貫きまして、県民の皆様から様々な活躍をされたことに対する信頼感というのはおかげさまでできたのではないかなと思います。

 ただ、残念ながら終わっていないわけであります。むしろこれからますます火は燃え盛ってくるだろうと思います。私も年末年始皆様と様々な御相談をしながら過ごさせていただき、県庁に出てくることもしばしばということになりました。正直申し上げて全国の仲間といろいろと意見交換をしますが、ウイルスは手ごわいということです。従来第1波、第2波で私たちが迎え撃ったものよりも相当に力を上げていると思わなければいけません。それであれば、健康と命を守るためには、私たち地域のほうが予防のレベルを上げ、体制を強化していかなければなりません。年頭ではありますが、早速皆様には取りかかっていただく必要があるだろうと思います。

 医療のベッド数もさらに上げていく必要があるでしょう。残念ながら命を落とされる方も出てきたわけでありまして、特に高齢者、基礎疾患そうした方々が入っておられるところ、福祉施設等におきまして、もう一段レベルの高い予防体制を組んでいかなければなりません。それにはいろいろと教訓を生かしながら装備を改善をすることや、あるいはシフト、食事の提供のやり方を今一度見直しをしていかなければなりません。

 さらに、これから私たちは経済、観光、雇用、また販路開拓など大変な困難にぶち当たることになるでありましょう。そういう意味で現場に寄り添っていくことが必要であります。「観光関係者がどういうお考えなのか、宿泊がどういう状況になっているのか、交通はどんなに困っているのだろうか、それに対する対策はないのだろうか」、ぜひ皆様で現場と話をしていただきたいと思いますし、速やかに対策を講じていかなければいけません。まだ長くかかると思わなければいけません。覚悟を決めなければいけないのだと思います。

 幸い鳥取県では、コロナ倒産と言われるものの数が限定されたのは、早急に取りかかって無利子や保証料なしの融資制度、また数々の補助制度をつくったからにほかなりません。こういうことは、もう一段これからもやっていかなければいけないのだろうと思います。こういうコロナの時代に営業を続けるためのガイドライン、社会生活を続けるためのそうした指針の見直し、これも重要でございます。こうしたことにぞれぞれの業界やあるいは事業などの状況を聞いて進めていただければと思います。

 幸い農業では、去年比較的単価がよくキープをできましたし、ここにあります「白鵬85の3」や「百合白清2」の故をもちまして、和牛の子牛は全国1位の競り値という年で幕を閉じることができました。ただ、今年が明ける頃、緊急事態宣言が全国で広がる中、水産ではカニの値段が急速に下がってきているわけであります。様々な需要が音を立てて崩れていくような状況の中で、どうやって産業を支え雇用を培っていくのか。また私たち持続可能な行政経営をするためにもPFI、このたびは企業局の発電が表彰対象になりましたけれども、そうしたことなど様々な工夫を現場でもやっていかなければなりません。「鳥取型の新しいオフィスシステム」は世界中に広がるかのように賞賛をされたわけでありますが、敵は手ごわくなってきましたので、職場のカイゼンも今一度皆様の方でやっていただきたいと思います。

 新型コロナが突きつける、そうした変わらなければならない年になるだろうと思いますが、必ずやこれを克服していかなければならないわけであります。この令和3年という年は、克服の元年にしなければなりません。この新型コロナと戦い、打ち克ち乗り越えていかなければなりません。また、経済や社会、それも困難を克服しながら続けていき、発展させていかなければなりません。課題は非常に多いのだろうと思いますが、皆様がその最前線におられることで、県民を守るように立ちはだかることで、この鳥取県は安定安心を創り出すことができると信じております。

 この年末年始、雪がこの山陰も染め上げたところであります。「杉の雪一町奥に仁王門」、正岡子規の句でございます。雪がしっかりと辺り一帯を白く染め上げるそういう中、ちょっと先に行ったところにお寺を守る仁王門があります。皆様もそういう言わば金剛力士のように、この鳥取の県民と地域を守るごとく、仁王立ちで立ちはだかっていただきたいと思います。

 皆様にとりましてこの令和3年が輝かしい年となりますこと、また鳥取県民が新型コロナの災禍を克服し、そして新しい出発を始める年となりますこと、心からお祈りを申し上げまして年頭の挨拶といたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。

  

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