知事定例記者会見(2022年4月14日)

令和4年4月14日(木)午前10時~
 災害対策本部室(第2庁舎3階)
  • 4月14日記者会見資料(PDF)
  • ※定例記者会見時点での資料となります。

    録画配信 知事記者会見動画(約86分) ※MPEG4形式

      

    ●知事

     

     皆様、おはようございます。今、この国は[新型]コロナ[ウイルス感染症拡大]の真っ只中、特にオミクロン株の派生でございますBA.2が非常に猛威を振るいつつあると、そういう中でウクライナの侵攻等もございまして、ロシアの戦火が止まない中、ウクライナでは大変な状況が続いているわけです。これが世界経済にも影響を及ぼしますし、コロナ禍ということも長期化しそうだと、そういう意味で経済社会への影響も深まってきています。

     昨日は実に20年ぶりとも言われる[1ドル]126円という円安水準を記録をしました。全てが実はつながっているところもございまして、構造的に厳しい状況というものがあり、今、庶民の生活も物価の急激な上昇に合っているというところであります。そうしたことから、昨日は全国知事会といたしまして、政府、それから与党のほうに私どもの対策を求める陳情を行わせていただきました。この緊急要請活動という一環で、山際[大志郎]経済再生担当大臣、それから、自民党の関係の皆様などにお伺いをさせていただいたところであります。

     要請の主旨といたしましては、エネルギーあるいは諸物価の高騰などがある、こうした中で、現在、燃油の高騰対策の政府の事業というものがございますが、そうしたものをさらに強化をして、緊急の対策をとっていただく必要があるということ、また、飲食の事業者、コロナでも大変でありますが、さらに農林水産業、これも例えば飼料、餌代が高くなったり、肥料の入手が困難になったり、いろんな影響が出てきている。それから、中小企業の皆さん、こうしたところも今、経営として厳しい状況になりつつありますし、急激な円高も少なからず影響が出てきているというところであります。

     こうしたことに対しての中小企業に対するセーフティネットを張っていく、あるいは農林水産業や飲食の需要創造なども含めました対策を求めたところであります。さらに厄介なのはエネルギーですとか、それから重要な資源、この入手が世界情勢の中で困難になりつつあるわけであります。ここにはやはり政府としてしっかりとした対策を取っていただく必要があること、併せまして、私ども実は地域で、例えば灯油の助成制度など、それぞれが生活者の支援をやらせていただいたり、地域経済の底支えをさせていただいているところでございます。この辺も臨時の地方創生交付金を使ってやっているという面がございまして、そうした交付金も含めた財源措置をぜひ考えていただきたいということを申し上げました。

     政府を代表しては山際大臣のほうからお話がございましたが、まずは予備費を使った緊急対策をやることにしたいということであり、我々知事会の意向というものは受け入れていただく方向で前向きな対策を考えていただけるというふうにお伺いをさせていただいたところであります。さらに知事会の要請としても様々なものが入っていまして、今後、新しい経済、つまり新しい資本主義と言われるもの、これに関連して地域経済のてこ入れ策などを考えていく必要があるだろうと、それで、今後、秋に向けて、そうした追加の対策をぜひまた検討してみたいと、こういうようなお話がございました。今日、報道によりますと、自民党におきまして経済再生本部を開催をされるということであります。その経済再生対策の中で、こうした緊急対策も盛り込んでいただけるのではないかと期待をいたしておりますし、恐らく来週ぐらいが取りまとめになるだろうという感じを昨日の山際大臣との会談で持たせていただきました。我々地方側も国と車の両輪になりまして、この厳しい状況、一緒になって切り抜けていく、乗り越えていく、そういう力となってまいりたいと考えております。

     その山際大臣ともいろいろとお話をさせていただきましたが、コロナなども今、厳しい状況が見えている、このことについては知事会側ともよく今後、意見交換をしていきたいというお話もございました。


    ●知事

     実は昨日、JR西日本の長谷川[一明]社長が会見をされておられます。それに先立ちまして11日の日には[路線別]収支[率]の公開がございました。本県、JRローカル線問題の中で、このたび収支率が公表されましたのは山陰本線の浜坂とそれから鳥取の間、これについては収支率としては10.9%ということでありました。それから、東津山と智頭の間の因美線、これについては、収支率は4.6%ということでございまして、ともに収支償わないという形が示されました。赤字額自体も8億、4億とそれぞれ山陰本線鳥取浜坂間、それから因美線の智頭東津山間で示されたところであります。

     私どもちょっと短兵急な議論に当惑をしているところでございまして、実は私ども以外にもいろんな関係地域もある、非常に波及効果の大きい今回の公表になったところであります。そういう意味で、私どもとしてこれからどういうような方針で臨むかということでありますが、1つはJR側の昨日の長谷川社長の会見も経営状況は非常に厳しいという中、今、コロナ[禍]ですからなおさらなんだろうと思います。そういう中で、こういう乗降率の悪い、そういう路線についてはその状況を地域と共有をさせてもらいたいというお話を昨日されていました。

     そして、まずはその情報共有をしながら、どういう今後、対策が取れるのかということについて、国や地方団体とも一緒に考えていかなければならないという認識を示されたわけであります。そういうことから、私どもとしても、まずはJRの要は乗降率の問題があるわけでございまして、企業の皆さんやあるいは住民の皆さんと一緒になりまして、どうやってこのJRのローカル線を残していくのかという運動を始める必要があるだろうと、連休明けにも協議会を開催しまして、乗って残そうという県民運動を展開を始める必要があるのかなと、それで、JRに我々地域の誠意といいますか、深い思いをまさに体感していただく必要もあるだろうと。

     また、併せてJRの利用の促進に協力する企業、これを募集をしまして、その運動につきまして私ども助成金も払いながら支援をしていこうと、こういうような官民連携型の共同連携による運動をスタートする必要があるだろうと考えております。これは連休明けから始めてまいりたいと思います。それから、JRと一緒に、例えば先般は、やくもの[国鉄時代の]リバイバル色で話題になりました。このほかにも様々な鉄道を交えた観光企画というものも、一緒に用意をさせていただき、それで、我々地域としてJRを利用した、特に山陰の場合は観光利用というものがございますので、その促進を図っていくことを我々も打ち出していきたいと思います。

     それから行政機関としても、公共交通機関の利用促進を図ろうと。公共交通の利用促進、それから会議の、ちょっとここ多分、いろんな会議とかイベントがあるとき、ちょっと書き方がちょっとややこしい書き方になっていますが、公共交通をぜひ利用してくださいというような案内をつけるとか、それから県庁バス・鉄道乗ってまもり隊というものを組織をしてやっていこうと。それで、同様の趣旨こうやって県もやるので、市町村もぜひということを呼びかけたいと。特に智頭町や岩美町ですね、今回、両路線区の地元となります鳥取市、智頭町、岩美町といった辺り、そうしたところも重点的に呼びかけをさせていただきたいと思います。それからやはり地域の問題意識というのはやはりJRですとか、それから政府のほうにも届ける必要があるだろうと。そういう意味で私どもの場合、因美線と、それから山陰本線でありますけれども、関係県で分析して、それから協議をしていく必要が、まず早急にあるだろうということです。

     それで実は急遽ですね、この後、兵庫県の斎藤[元彦]知事とテレビ会議をやろうというような申合せになりまして、この後、協議をさせていただくことにいたしておりますし、岡山県の伊原木[隆太]知事とも収支の公表の直後、連絡を取り合いました。それで、まずは事務ベースで、どういう財政的な状況なのか、それから今後の対策としてどういうものがあり得るのか、それの分析を、まずは事務ベースで開始しようということになりました。それから広島県の湯﨑[英彦]知事などとも、今お話をしてるんですが、同じような課題を抱えた地域が今回あります。これJR西日本だけでなくて、全国的な課題でもあります。そういう意味で我々知事としても連帯する、そうした組織化というものを考えていく必要があるんではないだろうか、今こういう話し合いを始めたところでございます。

     先般そういうようなことも念頭に置きながら、先週ですけども、[参議院議員の]宮沢[洋一]先生、これは広島[県]のほうですが、それから地元の赤沢[亮正]代議士、こうした方々、今こういう赤字ローカル線問題を念頭に置きまして、公共交通をどういうふうに残していくか、それで、そこについて政府はどういう役割を果たすべきなのか、こういう議論を始めておられます。ですから、私どももそうしたところに、ぜひ声を届ける必要があるだろうと。それで先般そうした議連(ポストコロナの地方創生実現のための公共交通ネットワークの再構築を目指す議員連盟)の幹部のほうに要請活動をさせていただいたところでございます。

     今後、知事同士の組織化を図っていく必要があるかなと思いますし、そうした議連などで具体的な議論が始まりました。政府の中でも、今、国土交通省で研究会を設けて協議をしておられますけれども、やはりこれ、政治の力というのは、どうしても必要になってくる場面というのはあると思います。ですから、そうした研究会での議論というものも横にらみをさせていただきながら、国会議員による議連などとも、できれば連帯をしていって、しかるべき方向性というのを一緒に考えていくことが必要なんではないかなというふうに思います。

     私たちは単純に収支だけで物事を考えられるものではないと思っています。交通基本法という法律もあり、こういう地域における公共交通の果たす役割というのは、国やあるいは地方団体も含め、もちろん交通事業者も含めて、それを維持させていくという、そういうことが社会的使命だというふうに法律上も定められているところでございます。今回その収支だけを取り上げた世の中の流れになっていますけれども、実はその長い年月をかけて鉄道というのはつくられたわけですよね、それで、私ども山陰でいえば、後藤快五郎さん(鉄道建設に尽力した明治・大正時代の実業家)が思い立たれまして、境港から御来屋までのそうした路線を開かれることになります。これが後に日本国有鉄道へと吸収されていくわけであり、だからこそ山陰の鉄道の中心の米子がここにあるわけでございます。

     これは人々の願いの下に交通というものをつなげてきたわけでありまして、ここの線区に限っては収支が悪いのでここだけ切ってしまえというのは、本当に正しいのかどうか、ネットワークとしての鉄道という観点はないのかということは1つ疑問があるところでございます。また、地域において、通学、あるいは通院、言わば交通弱者の方もこのJRさんを頼みの綱としておられるわけでございます。それに応えるべく経営規模も小さくして、大都市だったら何両編成にもしますが、ここだと1両あるいは2両だけで走っていると、それで、また無人化なども進めて経営の合理化も図っておられるわけですね。いろんな工夫をしながら共存する道というのはやっぱりないのだろうかということであります。

     それで、振り返ってみれば私たちも便利ということだけを追求するのではなくて、公共交通というものが料金収入で動いているということもありますので、乗って残そう県民運動ということも考えていかなければいけないのではないか、もう少しそういう意味で、一方的な議論にならないようにすべきものだというふうに考えているところでございます。言わば戦いといいますか、そうした今後の協議の幕が上がった状況に否応なくなりましたので、我々としても今後このことは県民、あるいは地域の立場に立ちましてJRや政府との協議を始めていく必要があると考えております。


    ●知事

     

     次に現在の[新型]コロナ[ウイルス感染症]の状況でございますが、こういう形で第6波として動いてきました。本県は非常に独特なやり方をして鳥取方式により囲い込みをする、それから地域連帯をしまして子どもたちを守る施策をやることによって優位に、この山が上がっても下げてきたところであります。その後、一進一退の状況をこの3月に入ってこう繰り返しているわけですね。ときに107[名]、138[名]と伸びてきました。そして、4月に入りましてもこういうふうに上がったり下がったりを繰り返しているわけでありますが、今日は126名の陽性者、昨日の夜の段階で夜半までに見つかっているところでございます。数としては62[名]、69[名]、98[名]、100[名]、126[名]とずっと上がってきていますが、特徴がありまして、西部で増えてきています。

     それで、西部のものが非常に増えてきて、昨日は東部の増加もございまして126[名]に上がってきたということであります。それで、我々としては、これまでの教訓も生かしてオミクロン株が変異してできるBA.2、それから第7波に警戒をしてきたということでありますが、この新しいせり上がりが何を示すのかには注目しなければなりません。全国の状況を見ますと、今、本県のこのせり上がりと同じような形で徐々にこう上がってきているのがここ数日の動向であります。隣の兵庫[県]やあるいはその向こうの大阪といった大都市圏においても同様の傾向がありますし、広島[県]、あるいは岡山[県]、それから島根[県]も同様の傾向があります。

     それで、その裏にはBA.2というものが置き換わってきているんではないかということがありますし、ちょうどここが春休み期間でありまして、この春休み期間に人の往来があった、それで、これがこの間の感染拡大に寄与しているというのは感染ルートを追っていて我々として見えているところでございます。


    ●知事

     

     そういう中ですね、BA.2の状況を調べようということをやってまいったわけでございますが、どうしてもゲノム解析では時間がかかりますし、なかなかある程度多くの数を、傾向見ることができないわけでありまして、先週も申し上げましたが、BA.2系統を変異株のスクリーニングができないだろうか、それで、そういう簡易検査を通じまして、その後、ゲノム解析をするという流れをつくれないかということで、この1週間で何をやったかといいますと、いろんな試薬、2つの試薬を試しています。

     それで、1つの試薬を試して、その状況と2つ目の試薬を試しましてその状況とを突合しまして、突き合わせてみたところ一致をしていると。ですから、このやり方である程度の正確性はあるんではないだろうか、それで、まずはBA.1、本県の場合BA.1、BA.1.1というさらに派生が広がっていました。先ほどのこの状況の中で、実はこの段階から、1月の段階からBA.1.1が主流です。それで、この圧倒的なBA.1.1の占有の中に実は鳥取県はありました。それで、この傾向は多分西日本に結構見られたんではないかなというふうに私たちは考えています。その傾向が最近こう変わってきているというふうに全国で言われているわけでございまして、特に東[日本]のほうなど変異株の検出などがよく見られると、それで、そこでスパイク[タンパク質]と言われる部分ですね、そのスパイクの中にあるT547Kという変異、これを見ようと、これがあるとBA.1系統ということになります。それで、これが陰性であればBA.2系統、今、基本的にはオミクロン株になっていますのでBA.2系統の疑いがあるということであります。それで、このBA.2系統の疑いが出たときにゲノムの解析をさらに進めていくと。どうしても数的には一定程度の抽出にはなりますが、これで本県の感染動向の解明の1つになるだろうということであります。


    ●知事

     

     そこでこの1週間ほど実証的に検査をしてみたところ、実に16BA.2系統の疑いがあるということが出てきました。それで、検査したものは36件でありますので、44%ということであります。それで東部では23件のうちの12件がBA.2系統疑いということになりました。それから中部では10件のうちの3件、30%がBA.2系統疑い、さらに西部では3件のうちの1件、ここはちょっとサンプル数が少ないんですが、33%ということですけども、それで、どういうものが見られるかというと、知人同士の接触のところ、あるいは高齢者の施設、あるいは家庭内で広がっている、そうしたサンプルの中で見られたのがこういうところであります。それで、必ずしも県外往来や陽性者との接触歴があるわけではなくても出た例もございます。

     つまり県内で広がってきていると、BA.2はですね。そういうように考えざるを得ない状況であります。この後、ゲノム解析をしてBA.2が完全に確定するかどうかということはありますが、こういうかなりの比率、44%でBA.2疑いが出たというのは重要な事実として県民の皆様にも認識していただく必要があるんではないかと思います。そうしたことで、今日午後、夕べ[深澤義彦]鳥取市長、[伊木隆司]米子市長とも話をしまして、対策本部をやろうという方向で今協議をしているところであります。

     症状的にはBA.1系統と同じぐらいでありまして、Ct値などを見てみますと、BA.2は優位にウイルス量が多いという状況には見えません、本県の今のところのサンプルは。それで、今後サンプル数が増えていってどうなるかということでありますが、ですから、逆に言うと、本県で主流だったBA.1BA.1.1という亜種が、これが結構実はウイルス量が高くて強かったなと思います。だからこそ、ほぼ本県を独占していた状況があったんだと思います。それで、それに今、BA.2が入り込み始めて、恐らくはこれ4月の上旬なんですけども、今、こういうようなタイミングに入ってくると4割あるいは半分といったようなことになってきていて、これを他地域の動向と考えていけば、恐らくここからさらに進んできて、それは連休明けとかそういう頃にはBA.2が主流になってくるということのストーリー、全国と同じようなストーリーということはあるのではないかということですね。

     こういうような特徴がございますが、こういうようにBA.2が出てきたので、先ほどのようなこういう波形になっているのかもしれません。かなり急激に今、増えてきていると。それで、この背景、今まで我々こう4月の上旬辺りも結構闘ってたんだと思うんですね。それで相手がBA.2ということは分からないけれども、とにかく囲い込んでいたということなんで、ときどき急にぽっとこう上がります。それでそれを抑え込んで囲い込む、こういうことを繰り返して、この3月の末から4月の辺りというのが実は来ているのが鳥取県のこの特徴ですね。

     それで、それがここにきてBA.2が一定の規模を持ってきている段階に入ってきている可能性があると。それが特に西部で急激に今、数を増やしてきているというふうに考えなければならないわけでありまして、警戒を要する時期に本県も入ってきたということです。全国で最も抑えている鳥取県は県民の皆さんや事業者の協力の下(もと)にできているところでございます。そういう意味で、またこうやってせり上がってもまたこう落とし込むということをこれまでもやってきましたので、今回またこれ、かなりの勢いでせり上がってきてますが、何とか、もう一度引き返す、それをやっていく必要があるのではないかということです。


    ●知事

     

    それで、そういう意味でBA.2感染拡大情報、これを発出をさせていただきたいと思います。初めてBA.2疑いの感染例が確認されました。BA.1系統よりも感染力が高いと一般的には言われています。首都圏を中心に置き換えが今、進んでいます。全国で再拡大が急激に起こっているのはこのBA.2によるものと言われています。ですから、警戒レベルを上げていただきたいと思います。

    それで県民の皆様には、ウイルスは隙を狙ってやって来るわけでありまして、きちんとした予防を行っておられればさほどうつることはありません。やはり感染予防対策というのは重要でございます。それであらためてこれを徹底していただきたいということを特に申し上げたいと思います。


    ●知事

     

     それで、ちょっとその状況を申し上げますと、これが感染経路不明者の状況であります。それで、いっときこういうふうに波があって、これが上がってきたときに本県の2つのピークということがありました。その後も散発的に何回かピークを経験しているところであります。

     今回は明らかにこの前のとき、これが県西部でありますけども、県西部の感染経路不明者、これが前、こう競り上がって1回目のピークを迎えたとき、これ非常に似た感じで今上がってきています。だからその西部において特に注意が必要ですし、東部も昨日(4月13日)はぐっと上がりました。ただ、数として西部の感染経路の不明の数は、この東部、中部と比べますとかなり多い形になっています。現状、お医者さんに調子が悪いので行ってみたと。そうしたら実はコロナだったということで判明したケースが増えてきております。お子様もかなりの割合を占めているということであります。


    ●知事

     

     それから感染経路別の割合を見てみますと、やはりこれが県外往来に基づくもの、それでこういうものがこの春休み期間で増えてきたと。これが今広がってきて、特にここにBA.2が入っているというふうに考えられるところでもございます。そういう意味で学校も再開されましたので、これからが正念場だということになります。


    ●知事

     

     先週申し上げましたオミクロン株のBA.2、さらには第7波の特別対策、これを現実に発動させていただきます。

     陽性者が倍増しても保健所機能が維持できるように機能強化を保健所については図ります。具体的にいろいろと話し合ったんですが、積極的疫学調査、この電話の聞き取りなどは本庁でリモートで実施をすることによりまして、米子保健所のほうの負担軽減を図ろうと。それからパルスオキシメーターの配布だとか、食料をお届けすること、当面は県職員を動員して行います。そういう意味で遅れが出ないように我々のほうで全庁的に補ってまいりますが、これも外部委託をやる方向で検討しようと。それで、人員体制としても300人確保させていただきました。


    ●知事

     

     それから、問題はどうやって治すかというほうですね。これから急激にこう数が増えてくるかもしれません。昨日でも、例えば岩手[県]とか長野[県]とか、宮崎[県]とかいろんなところで増えてきている。かなり急に増えていきますので、その治し方、治せる体制をつくらないといけません。そこで、BA.2・第7波緊急対策の医療提供体制を整備をしようと。それで、いろいろとこう仕分けをしながら、薬剤投与をしたりして早期に対応していこうということです。それで、症状が出た方がいらっしゃる。そうすると、お医者さんのほうに行かれます。ここで見つかる例が、今、西部で急に増えているわけですね。ここの段階でもう陽性が判明したら、薬を重症化の可能性がある人には与えていったほうがいいんじゃないだろうかと。それで、県のほうで、今、積極的に研修を今やらせていただきました。千酌[浩樹]先生にも御協力をいただきまして、医療機関向けの研修を[4月]11日に行ったり、また、そのほか診療所向け等も行わさせていただきまして、こういう研修などもやってお医者さん達に、薬局は今105機関、モルヌピラビルという初期に投与すると重症化を防げる薬があります。それで、こういうものを処方できるようにやろうと。それで早めに、早期に医療を加えていくということをこのごく初期の段階にできる体制を取ろうじゃないかと。それから行政検査を接触者なども含めて行う。それで保健所のほうでこういう陽性者を把握していく中で、例えば中等症状は原則入院ですけども、それに併せて軽症でもリスクのある方については、レムデシビル、これを投与する。

     ただ、レムデシビルは病院での投与が望ましいのではないかと千酌先生もおっしゃってますので、これは診療所というよりは病院のほうで、そういう方々は入院のほうに回っていただくようにして、病院を活用して早期の治療ということに進めていこうと。メディカルチェックセンターというものも機能させて、先般作らせていただきましたMy HER-SYSなども入れて、従来からの訪問看護ステーション等も加わっていただき、医療全体で、その在宅の療養者もバックアップしていくというようなことをやっていこうと。

     このような特別体制をBA.2第7波ということでやっていこうということであります。恐らく全国の動向からすると、鳥取県は第7波の入り口に立ったと考えなければなりません。これからのBA.2は、この第7波を引き起こす大きな原動力になるのではないかと思いますし、現に全国がそういうふうに動いています。それで、本県は一進一退に持ち込んだのは、保健所が囲い込むことで一進一退になっていますが、実態としてはもう既にBA.2の戦いが始まっていたというのが現状だと分析しています。

     そういう意味で、今後急激に[陽性者数が]増えてくるということは覚悟しなければいけませんので、医療のほうにも御協力をいただいて早めに早期医療、これを提供できるようにしようということです。


    ●知事

     

     それから、新学期が始まりましたが、ちょうどこの時期にこの第7波の入り口に立つことになりました。したがいまして、保健所支援という意味で米子市の教育委員会にも協力していただいて、米子市保健所の支援体制、これを強化することとして市長の御了解を取りました。教育委員会のほうにも御指示されたということであります。

     それから、教育活動の対応でありますけれども、各種行事については原則無観客というようなことでやりながら、今後も分散登校等も視野に入れていく段階に入ったのかなと。それから、部活動につきましても高体連[県高等学校体育連盟]、高野連「県高等学校野球連盟」など大会開催時の感染防止策を徹底をして、活動時間や活動日数についても検討をすべき段階に入ってきたと思います。それから基本的な感染対策をぜひ御家庭のほうでも御協力いただきまして実施をさせていただき、体調不良の場合は、ぜひともPCR検査を受ける、それからお医者さんにかかるということで、学校に持ち込む前にそこで対処をしていただくということで、感染の広がりというのを基本的に防いでいくという段階でございます。


    ●知事

     それから、保育所や幼稚園などにつきましても、こういう状況になってきまして、昨日判明分でも保育関係の集団的な感染も見られます。全保育施設にアルコール消毒液、これを配布をしていこうということでありまして、こういうことで接触感染だとか、そういうものを防いでいく、それから基本的な感染対策というものもやっていく。さらに、さっきの教育委員会と一緒でありますが、子ども関係特命チームというものを派遣をし、今後、米子市と合同でそうした保育所支援ということをやっていく、そういうような体制に移行しようと今、しているところでございます。


    ●知事

     それからワクチンもこれからの第7波の入り口に立った現在、その積極的な接種を受けていただくことが大切でございます。そういう意味で、大学などと連携した学生の接種として、米子高専[米子工業高等専門学校]につきましては職域共同接種会場のほうに1日2往復バスを走らせまして、それで接種を促進することといたします。また、鳥短[鳥取短期大学]や鳥看[鳥取看護大学]につきましても県営の接種会場で[4月]16日から受入れをさせていただき、前倒しで予防接種に臨んでいただくことにするなど、大学など、もう授業が始まりますので、こうしたところでも順次前倒し気味の接種にしていただくということを呼びかけているところであります。それから職域共同接種プロジェクト[鳥取型職域共同接種体制推進プロジェクト]というのをやっておりますが、これに加入していないいろんな団体にも、これにもう事業所単位でどんどん入っていただこうと、それで、今、具体的な企業さんなどと今、話も進めております。それで、この週末など順次会場でこうした共同接種ということを行っていきますので、御利用いただきたいと思います。

     また、県営の接種会場で予約なしで20分で接種できるというものも、これも今後充実していこうと、今週末は倉吉のシティホテルのほうでもございますし、新日本海新聞社等各会場で行うことができますので、どうか御活用いただきたいと思います。


    ●知事

     それから、ウクライナの戦闘がまだ続いており、非常に厳しい東部、あるいは南部における戦況が日々伝えられる中、避難される方も増えてきております。それで、本県としては現在、30[戸]の住戸を確保したり、それから企業や個人の方からの御支援の申出、これも合計、今、9件いただいているところでございますが、地域としての受入れの枠は今、確実に広がってきております。そういう中、東日本大震災のスキームも活用して10万円~30万円の生活支援金制度を発足させることといたします。これには今、県のほうでも協力して集めている寄付、これも活用しながら支給していこうということであります。

     支給としては何分立て込んでいますし、言葉の問題などもありますので、本県にはたくさんの御家庭が来るという状況でも多分ないだろうと思います。したがいまして、1つ1つの御家庭に即したアウトリーチ型、ワンストップ型の対応をして、丁寧にそうした支援金の支給を行ってまいり、あるいは生活相談、就業相談に臨んでまいろうと思います。


    ●知事

     それから、今、いろいろと報道もありますけれども、WeLove山陰キャンペーン、その鳥取県民を対象としたものにつきましては、5月31日宿泊分まで延長をさせていただきたいと思います。ただ、連休は除くということにして、それでクーポンは6月1日までということです。現在、国土交通大臣などいろんな方面から、この延長のコメントが出てきておるところでありまして、早晩、国の制度は固まると思います。それで国の制度が固まりましたら、その国費を財源充当していくということにいたしたいと思います。

     それで周辺の県と個別に知事同士も含めて実は話をしておりますけども、まだ今、この我々でいうと第7波の入り口に立ったという状況がある中でありまして、県境をまたいだところの観光促進については、まだ時期尚早ではないかという声が強いところでありまして、連休までに県外の方との観光支援というとこには多分至らない状況であります。これについては、今後協議を感染状況を見ながら、さらに進めていくということになります。


    ●知事

     このたび八頭町と江府町につきまして星空保全地域に指定する運びとなりました。[4月]15日の日に正式に決まる目途でございます。この八頭町の場合は、このたびいろいろとお名前も出てます本田實先生ですね、いろいろ顕彰の機会などもございますけれども、それから八東ふるさとの森とか、そうしたところで星空観察会が行われています。それで、この八東ふるさとの森では21.4という指数[夜空の明るさを客観的に評価できる数値]でありまして、これハワイのマウナケアですと22ですから、それに匹敵するような美しい星空ということで、天の川100%の確率で観測できる状況であります。

    それから江府町につきましても休暇村[国立・国定公園内に設置された滞在型レクリエーション・保養施設]におきまして、星空観察会を行うとか、それからいろんな星空を見る会がございます。それで、こちらの江府町のほうも役場ですら21という、そういうところでございまして、非常に美しく星空が見えるということ。それから、これ適用しますと、いろいろと制限をかけて暗い星空というものを保全しようということになりますが、それについても地元としての調整も終わりまして、星空保全地域の拡大をさせていただくこととなりました。


    ●知事

     明日(4月15日)からいよいよ劇場版の名探偵コナン、ハロウィンの花嫁が公開をされます。非常にファンの間でも期待された大作でございまして、今回、警察学校などが舞台になるということだそうでありまして、安室透というキャラクター、これは鳥取[砂丘コナン]空港にもいますが、そういうキャラクターなども活躍をするとされています。中身はこれから分かってくるんだと思いますが、これに関連して青山剛昌先生のふるさと鳥取県としても全力でこれを応援しようと。それで、渋谷の地におきまして、鳥取県のまんが王国とっとりwith shibuyasanを開催をさせていただこうと思います。公開日(4月15日)から5月の20日まで一月にわたりまして、鳥取県のPRコーナーというものを設けさせていただくこととなりました。


    ●知事

     これから青葉のまぶしい季節がやってくるわけであります。今年はアユの遡上が西部の日野川でも見られるところでありまして、車尾の堰においては1日1万8,000匹というようなそういうようなことであります。それで、これまで実はアユは大変な不漁続きでございました。それで、実は放流の時期等を調整をしたりして、いろいろと工夫をした結果、今回はその成果が現れつつあるのではないかというふうに思われます。ぜひそうした季節を楽しんでいただきたいと思いますし、また、4月の17日はあの鳥取大火から70年ということになります。それで、県立の公文書館のほうで、12日の日から今月はその鳥取大火の展覧会を開催をさせていただいております。今いろんなところで災害、あるいは火災などそうした災禍絶えないところでございますけれども、ぜひもう一度郷土の歴史を感じていただければと思います。私のほうからは以上です。

    NHK 杉井 浩太 記者

     はい。それでは質疑に入りたいと思います。質問がある社は挙手の上、質問をお願いいたします。


    ●知事

    ○日本海新聞 竹久祐樹 記者

     日本海新聞の竹久と申します。JRの関係につきまして、何点かお伺いをいたしますが、まず、民間と行政で構成する協議会を連休明けに開催をするというお話がありました。これは、JRはこの中には構成員としては入らないということになるんでしょうか。それからそこにJRが例えば参加しない理由、働きかけをしなかった理由がもしあればお聞かせいただければと思います。

    ●知事

     これについては、今これから話し合いを進めまして、具体的にどういう県民運動展開するのか、そういうことを話し合っていきたいと思います。そういう意味で当然ながらJR[西日本]さんだとか、公共交通関係の方にも何らかの形で関わっていただければと思いますが、今後よく調整をさせていただきたいと思います。やはりこれ他地域でもそうでありますけども、やはり我々も振り返ってみれば,今回の数字を見ても確かに乗降客数は減ってきているのもまた事実でございます。それで、もっとこのJRをはじめとした公共交通の確かさ、これを残す、これがあることの意義というものも感じていただきまして、ちょっとした工夫、あるいはちょっとしたやりくりでそうした公共交通を使うということも可能でございますので、ぜひそういう運動に多くの方々が参加していただくことが大切じゃないかと思います。これで一気に経営改善するということにならないかもしれませんけれども、ただ、やはり公共交通というものが地域に貢献していることの意義というのは共有する大きなきっかけにはなるんではないかと思っております。

    ○日本海新聞 竹久祐樹 記者

     関連してちょっとお伺いしますが、月曜日に収支公表がなされたと思うんですけれども、ちょっとその場で知事も会見をされたと思いますが、ちょっと私その場にいなかったもので質問が重複してしまえば恐縮ですが、今回その収支公表を出したことについてJR側がですね、いろいろと地元のほうではやはりこう廃線ありきではないかというふうな憶測も飛び交っています。それで、JR側はこれを重ねて否定はするんですけれども、過去の事例を見れば、やはり収支公表をして、協議会なり何なり地元自治体と話合いの場を持って、後にその場合によっては廃線をするというふうな流れが実際過去に起きています。この収支公表ということについて、知事としてはこの廃線を含めた公表であったかどうか、この辺りの御見解はいかがでしょうか。

    ●知事

     これについては、私ども実は中国地方知事会として、あるいは関西広域連合として長谷川[一明JR西日本]社長とこの赤字ローカル線問題について議論をする機会をテレビ会議でいただきました。そのときからそうした長谷川社長強調されているのは、収支が非常に厳しいと、それで、それについては地元の皆様とも問題意識を共有したいと、そういう意味でそういう資産だとか、材料も提供していくというお話をされておられました。それで、その一環で今回こういう公表に至ったんではないかと思います。

     ただ、ちょっと我々も若干警戒しなければならないかなと思いますのは、実は国鉄再建のとき、あのときに一定のルールがありました。乗降人員が2,000人を切るところにつきましては、これは廃止をすると、現にそういうふうなことで私ども若桜鉄道とか、そうしたところを地元で引き取るということもあったわけです。それで、そういうような意味で、なぜ今回2,000人という数字を使われたのかなと、それで、かつてと同じようにこれは廃線に値するんですよというようなことが何となく感じられる面もありまして、それで、警戒せざるを得ないというのは率直なところであります。

     それからJRさんも協議をというお話をされておられますし、今後そういう場ができてくるのだろうというふうに思いますが、今のところ私ども直接の説明等はございません。今回の収支についてJRさんがどういう形で地元に説明をされるのか、これは注目をしていきたいと思います。それで、今お話がございました協議会というものでありますけども、三江線[JR西日本の鉄道路線]のときは協議会がつくられて2年で廃止ということになりました。実はそういうルールがございまして、協議会をやると言われるとちょっと私ども、これは、じゃあ、廃線前提での話合いなのかなというふうに聞こえてしまうところがあります。多分JRさんはそういう趣旨ではないのだとおっしゃられるんだと思いますけれども、そうであれば、そこはきちんとお示しをしていただかないと協議のテーブルにつくのも正直難しいということになります。いずれにいたしましても、まだ始まったばっかりで月曜日[411日]に記者会見をされて公表され、昨日[長谷川]社長がこれについてコメントをされました。新日本海新聞社はじめ、各メディアのほうから質問が出て、具体的な路線名も上げていろんなやり取りあったということなんですが、ただ、長谷川社長は一貫してそういう具体なものではまだないということを強調されておられました。

    多分それは、うそではないんだろうと思います。ただ、もしかすると何らかの想定があるかもしれませんし、私どもとしては今後どういう展開になるのかを注意深くフォローしていかなければいけないということです。そういう意味で、先ほど申しましたように、まずは今回対象になった2線区の兵庫県、岡山県と今コミュニケーション取り始めておりますし、同じような境遇にあるところ、これJR西日本だけでは本来ないので、そうした全国的な視野でやはり同じ連帯をして問題意識を持って政府に働きかけたり、JRサイドに働きかけたり、それから国会議員などと行動どういうふうに一緒に起こしていけるのか模索したり、そうした運動対応をいずれはつくらなきゃいけないんではないかなと思います。

     この辺は、また連休を挟んで、広島県の湯﨑[英彦県]知事などとも相談をしてまいりたいと考えております。そういう意味で、今、JRさんが今後どうされるかっていうことありますが、廃線を前提とした協議会ということであると、私は応じるつもりは今はないということであります。


    ●知事

    ○日本海新聞 竹久祐樹 記者

     重ねて日本海新聞の竹久と申します。今日の会見の内容とは異なりますが、中国電力の島根原発の2号機につきまして、島根県議会が昨日、特別委員会のほうで再稼働の是非を採決して賛成が過半数を占めたというふうな動きがありました。今後、先週だったかも、質問させていただいたかもしれませんが、丸山知事の判断は、今後残されることになるんだろうと思いますが、昨日の島根県議会の動きをどのように知事、御覧になって今後島根県の動きですね、丸山知事の判断をどのように見守っていくかお聞かせいただければと思います。

    ●知事

     昨日[412日]の島根県議会の特別委員会につきまして採決がなされ、そして陳情等の採択、不採択が決まったところでございまして、これは今後の島根県の御判断に影響を与えるものだと受け止めております。ただ、私、正直に申し上げて、その議論の詳細は承知しておりません。今後、島根県さんがどういうふうに御判断をされていくのかということを我々見守ってまいりたいと思いますが、ただ、当方で県議会交えて判断させていただいたときに、島根県の丸山[達也]知事に直接お話を申し上げました。我々が懸念していること、前提条件と考えていることなどは、しっかりと島根県としても最終判断の中で取り込んでいただきたいということは強い思いを持っておるところでございます。やはり安全安心ということは、特に我々周辺地域から見ますと最も大切なことでございまして、それを担保するためのことが、どのように今後組み込まれていくのか、それに注目をしているところでございます。

     そういう意味で、今後、丸山知事が最終判断をされるという局面になるんだろうと思いますけれども、鳥取県側から提起している、そういう論点も含めて慎重に御判断をいただきたいと思っております。


    ●知事

     

    ○日本海新聞 濱田匡史 記者

     すみません。日本海新聞濱田です。オミクロン株のBA.2の系統についてお話をお伺いしたいと思います。先ほども知事、県外との往来に関係ないところで感染している例も、今回のその抽出例の中であったということで、恐らく市中感染しているのではないかというようなお話がありました。県として市中感染をステルスオミクロンがしているという認識かということと、恐らく少し前からではないかという話が感染者の推移を見ながらお話がありました。いつ頃から県内で、その市中感染していたと考えることができるのかなというのを、推測で結構なんですけど、お話いただければと思います。

    ●知事

     実は手掛かりはいくつかしかなくて、その間は皆さんも頭の中でつなげて考えていただくということだと思ってます。我々、実はこの山がせり上がって大変ピークを迎えた時期がありました。それで、この頃[令和4年]1月~2月にかけての頃ですね、このとき、いろいろと後追いでその分析をしたことがございます。そのときの状況からすると、この最初の2例のうちの1例が、これは実は関東から来たやつですけども、関東から来たものが1例BA.1というものでありましたけども、それ以外はこの山になったところ全部含めて、BA.1.1というものでありました。それで、これ結構多分感染力が強いBA.1の亜種ではないかと思います。それで、それが席巻をしていたというような認識でございますけども、それが今この4月の上旬以降のところで調べますと[BA.2疑い]44%というのが現状の足元でございます。

    そこに至るこの波形を見ていうと、これが上がったり、下がったりを繰り返しています。それで、割と今までも我々経験していますけど、新しい変異株が入ってくると、それでやっぱりぐっと上がるわけですよね。それで全国も多分そうなんです。それで今、第7波ではないかと我々は入り口になったと見ていますけども、全国もここ上がってき始めているのは、上がる要因というのはやっぱり何かしらあると、それで結構人間の都合考えがちですけど、ウイルスの都合というのは一定程度寄与しているはずであります。それで専門家のBA.2とそれからこの春休みにおける移動ということがあります。それで私ども躍起になってこの春休みに移動があった時期ですね、県民の皆様と一緒になってこれを抑えようということで節度ある行動をしていただいたこともありますし、体制を強化して囲い込んだこともございました。

     それでこの間の実はせめぎ合いがひょっとするとBA.2との戦いだったと思います。入ってきて大きなクラスター、パーンと起こしたりすると、それでやっていくということでございますね。それで、そういうものを抑えていくことでBA.2が広がることを若干抑え抑えしてきたと。ただ、ここにきて最近もやはり県外往来の比率が非常に高まってきているわけですね。こういうような形で県外往来に直接起因しているものが見られると。それで、この県外往来から何らかの形でこうつながっていく。つまりBA.1.1がほぼ全ての土地だったと思ってください。それでそこにBA.2が今44%疑い例として確認されていると。その間をつなぐその一定プロセスがあるはずです。それはここにないとこですから、BA.2は外から入ってくると。県外往来がこういうように顕著に感染ルートとして見えた時期、これは春休み期間を中心として目立ったところです。それで、数は、最初は少ないかもしれませんけれども、それは今度広がっていきますので、その広がるところを何とか止めようとしてさっきのような一進一退を繰り返したように見えましたけれども、ここにきてその勢いがかなり強まってきているというのが現状ではないかというふうに思います。したがいまして、分かるところは1月~2月にかけてのポイント、このときから一定の期間は恐らく1.1が主流の地域だったはずです。それが4月の上旬以降のところで[BA.2疑い]44%ということは、3月の春休み期間くらいがひょっとするとターニングポイントかもしれませんし、それで、実際に入り込め始めたのがもっと前かもしれません。

     ただ、ここにきて県外往来によるものが多いということは注目に値することでありまして、それが前も申しましたちょうどお正月と同じような、成人式の頃と同じような状況が県内にあって、それで、外から持ち込まれたものが一定の勢いで広がって、それが地域の中でぐるぐる回り始める。そうすると、せり上がってくるということになります。今、そうした非常に難しい時期を迎えていると考えております。


    ○中国新聞 小畑浩 記者

     すいません。中国新聞の小畑です。BA.2関連でお尋ねなんですけども、変異株のスクリーニング検査ということで技術検証ができて、今日から本格的にということなんですけれども、すいません。ちょっと私の知識不足だったら申し訳ないんですが、あまり全国でやっていないこういうルールになるんですけれども、こういう技術をどのように編み出したというか、確立したのかというお話を伺いしたいのとですね、こういったスクリーニング検査をやる、取り入れる意義というところを改めてお伺いしたいと思います。お願いします。

    ●知事

     結局私どももいろいろちょっと議論しながら試してみて、突き当たったところがこのT547Kというこの蛋白です。それで、これについては99%というようなかなり高い確率でBA.1系統を示す。要は特別のポジションにあるものです。それで、ここを見て実はスクリーニングしているところが神戸市です。同じ試薬を使ってるかどうか、正直分かりません。試薬は違うかもしれませんが、ここをやはりポイントに置いて神戸市さんなんかもBA.2BA.1系統かの判定をされているところです。

     私どももいろいろとゲノム解析を一生懸命やるんですけども、これはどうしても数が限られてきますし、時間もかかりますので、ある程度幅を広げて見れるようにするために、このT547Kに着目することにしたということであります。ただ、実務の知恵ではあるんですけども、割と東京[都]とか大阪[府]も同じようなことやっています。だから、あそこも何%とか比率が出てきますが、あれはちょっと見ている部分、この部分が違うんです。私ども、ちょっと神戸[市]と結果的には同じところを今、見ていこうというふうに考えております。

    ○中国新聞 小畑浩 記者

     すみません。こういうスクリーニングを取り入れる意義っていうところを。

    ●知事

     結局ですね、ゲノム解析は非常に、数日間かかりますので、タイムリーにちょっとそれを反映、対策に反映しにくいですし、また、ちょっと別系統で機械を回さなきゃいけないところがありまして、本県は大都会と違って人員を限られてますから、こうやってせり上がってくる時期ですと、そっちに人を回す可能性が非常に難しいと思われます。したがいまして、今までゲノム解析を主流にやってきましたけれども、ゲノム解析にいくのは抽出した後にして、BA.2系統疑いの中を中心にしてゲノム解析に回していくというように、これ後処理にして、多くのところのこの振り分け、今どういう傾向かというのを見たいと。

     どういうことかと言いますと、結局、我々は、今、都市部はすごく追いづらくなってるようなんですね。ある政令市なんかですと、この週末ぐらい900件以上、920数件、928件だったと思いますが、それだけ陽性者が1日で見つかったと。そのうち、経路不明が906件、ほとんどだから経路分かんないという状態なんですね。割と、それで我々そういう状態にしたくないと。それで、今一生懸命追っかけて、それで、具体名とそのウイルスとを結びつけながら、それでここから先、広がらないようにということを、例えばクラスター施設だとか、御家庭だとか、そういうところで協力していただきながら囲い込んでいくということを今やっているんですね。

     その際に、これがBA.2の系統なのか、BA.1.1の系統なのかということの判定があると、その囲い込み方の戦略が変わってくるわけです。やっぱりBA.2を何とか増やしたくないということであれば、BA.2のところを重点的に囲い込みに行くと。だんだんとこれから人的支援が限られてくる可能性がありますので、そういう意味の戦略には非常に有効だと思います。それはゲノム解析やってますと、これで3日、4日というふうに日にちがかかってきます。それで人員も取られるわけでありますから、それよりも試薬でさっと簡易判定をして、もう基本的にはこれBA.2前提で動こうというような戦略的対策に結びつけたほうが得策だと判断しました。


    ○共同通信 稲本康平 記者

     共同通信の稲本です。新型コロナウイルスに関連して質問させていただきます。昨日、新潟の長岡のほうで、コロナの感染拡大を受けてこれまで中止してきた花火大会が今年は開催するという旨の発表がありました。鳥取でも去年はしゃんしゃん祭りが無観客で開催されてるなど、限定されていますが、今年度も始まり、各団体は準備の時期にも迫ろうかと思いますが、知事のほうや県のほうからで、どういう方針で今年度やっていきたい、呼びかけていきたいというのがあればお聞かせ願えますでしょうか。

    ●知事

     これ最終的にはその主催者のほうでお話されると思いますし、正直花火大会まだ本県先になりますので、そのときの感染状況ということを見なければいけないのだと思います。しっかりとそうした主催される方々とも連絡を取りながら、御迷惑が最小限でとどまるようにしてまいりたいと思います。正直この夏までの感染状況は今見込めない、残念ながらそういうところだと思っています。重症度が上がるかもしれませんし、予断を許さないところであります。ただ、基本的には、鳥取県の戦略は先ほど申しましたように鳥取方式として徹底的に疫学調査をやる、それから保健所の体制を強化をするという、全国とはちょっと逆のことをやってます。それによって、数をなるべく抑えることによって経済や社会は一定程度回していきたいと。それで、そういう意味で、例えば飲食店での人数制限とかも本県取ってませんし、基本的にはイベントなどに今制限あるわけでなくて、コンサートやるとかいってもやっていただいているところです。

     ただ、大切なのは感染対策をしっかりやってくださいねと。それでそちらのほうを重点的に今やっているのが現状です。それで、現状のまま推移すれば、そういう感染対策をいろいろとこう話し合いながらやれるイベントというのはやっていただくということだと思います。結局、何といいますか、そのイベントのタイプによるんですよね。みんなで集まって大騒ぎしてパーティーをやるっていうのは、これはエアロゾル感染が起こります。それで、この辺はっきり学者さんもおっしゃらないんですけども、要は閉鎖された空間でみんなで大騒ぎをすると、細かい飛沫が、マイクロ飛沫が飛びまして、それが部屋全体にまん延をすると。そうすると、もう感染ルートというよりはこのエリア全体が感染しますということになるんですね。それで、その状態をつくるようなイベントはやるべきでない。それで、それを外すためには、結局よく最近皆さん御覧になっているように、コンサートでも静かにマスクをつけて座ったままでされておられる。それで、そういうようなことがやはり守られれば、飛沫を通じた感染にはなってこないはずであります。

     だから、合理的に、2年間も我々やってますので、合理的にこうした経済社会活動と感染対策の両立を図るということは一定程度可能ではないかと思います。政府の[新型コロナウイルス感染症対策]分科会でも、先般私も発言させていただきましたが、ガイドラインというのがありまして、このガイドラインなんかも見直すべきところもあるんじゃないかと思うんですね。専門家の皆さんの目線だとか、あるいはいろんなシミュレーション分析だとかも含めて、対策を再検討していただくというのがやっぱり国全体としては考えていただく必要があるのかなと思います。


    〇産経新聞 松田則章 記者

     産経新聞の松田です。JRの問題に戻るんですけれども、乗って残そう県民運動というと、歴史を振り返ると、倉吉線であったり若桜線であったりでも展開したんですね。それぞれ一定の成果は出たんですけれども、結局は残らなかった。そういう意味では県民の中に一定の虚しさがあったと思うんですけれども、今回の県民運動ですが、少し先走った話になりますけれども、その以前の轍を踏まないためにどういう県民運動にしていけば廃線を免れるのか、その辺で知事のお考えをお伺いしたいと思います。

    ●知事

     私自身もこれまでもJR[西日本]の長谷川[一明]社長と先ほど申しましたように、お話をする機会がございました。恐らく、JRさんとしては、何もかも廃止をしようということで今回提示したんではないんではないかなと推測をしております。恐らくはその苦しい状況というのを幅広く共有してもらいたいということだったんではないかなというふうに思いますが、ただ、中身が衝撃的であったもんですから、波紋が強く広がっているということです。JRさんは基本的な立場としては、やっぱり地域の企業を目指しておられる、[JR]西日本の場合はですね。ですから、私どもで言えば、銀鮭の養殖に取り組まれたりというようなこともございましたし、そういうような今後の企業の方向性を持っておられて、できればそれぞれの鉄道をみんなで使ってもらってやっていければというのが多分本意だと思っています。

     ただ、その理想と現実とのギャップがあって悩んでおられると。それで、我々もこれについてとにかく廃止するなと言って声を挙げるだけで解決するかというと、実はドライに考えると企業の資産をどう使おうが企業の勝手ではありますので、特に最近の状況としてはJR西日本さんも含めて、外国株主も増えているわけですね。ですから、そういう意味で収益を追求するという立場であったら、どういう経営をすべきかというのは我々地域とは大分違った考え方になってこざるを得ない面があります。だから、大切なのは、ここからの局面は信頼関係をつくりながら、地域とそれから地域の企業を目指しておられるJR西日本さんとまずは信頼関係をつくりながら共に歩むことではないかと思います。

     そういう意味で、これに乗って残そう県民運動ということをJRの路線などについてやって、それでJRさんにも地域のほうでJRに対する思いというものを分かっていただくことになりましょうし、県民の皆様にもその意義だとかあるいはJRの大変さなども共有していただけることにもなると思うんですね。そういうような意味である意味幅広い公共交通機関の利用促進運動というのを、もう一度立て直すことが必要かなというのが1つ、あともう1つは具体的にこの因美線だとか、それから山陰本線の該当路線にどういう方々に乗っていただけるのか、その辺を掘り起こすことも、言わば民間の皆さん、あるいは役場、市役所などと一緒になって進めていくこともまた重要なんだろうというふうに思います。

     残すためには一定程度のお客さんがいないといけないわけでありまして、持続可能な経営、路線ということを目指すためにも、全てを収支償うとこまで行くかってのはなかなか難しいかもしれませんが、赤字額で言えば、東津山智頭間で言えば4億円ぐらい、それから8億[円]がその浜坂-鳥取[間]ということでJRさん今回試算を出されました。JRのトータルでいくと何千億[円]という赤字ですから、ここ削ったところで、じゃあ、経営がよくなるかというと、実は違うんですよね。それは我々計算すれば分かるところです。ですから、言わば、ほかのところで大きく赤字を多分減らすところが多分ある、なきゃいけないと思います。

     それで、その辺をやりながら、こういうところも一定程度持続可能な経営に耐えられるぐらいの、そういう経営スタイルに持っていければいいのだと思うんですね。それでその辺は現実可能ではないかというふうに思っております。ただ、もしJRさんとの間の信頼関係、地域が失うこともこれもまた若干危険でありまして、交渉のテクニックとしては。分かったと、じゃあ、廃止しますと突然決めてしまえばそれで終わってしまいますので、ただ、我々としてはやはり信頼関係をつくることを大切にしながら言うべきことも申し上げ、我々もやるべきことをやるというお互いの役割、これをつくっていくことだと思っています。


    ○時事通信 竹原 伸 記者

     すいません。時事通信竹原です。昨日の知事会として原油の高騰対策等の要望をされたかと思うんですが、私も以前の知事会見で聞いたんですが、自民、公明、国民3党がトリガー条項の凍結解除ということで議論していまして、ただ、最近の流れでいうとちょっと沈静化して、いわゆる石油元売り会社へのいわゆる補助金を引き続き行うような流れになってきているというような報道が多いんですが、知事御自身としてはもちろんトリガー条項の解除というのについて、なかなか御意見申し上げにくいかと思うんですが、知事でしたら、その条項の解除なのか、補助金の拡充なのか、それもミックスした形がいいのか、現場を預かる知事さんとしてはどういった御意見ありますでしょか、お聞かせください。

    ●知事

     トリガー条項につきましては、今、自民党そして公明党、国民民主党の間で協議がなされておられます。それでワーキングに入りまして具体的に議論されていると思いますが、そもそもはその燃油の高騰の対策であり、産業だとか民生を考えますと、一定程度の対策が必要だと思いますので、そういう選択肢について、例えば全国知事会として頭から反対するものではないと思っております。今後の議論を見守る必要があると思います。

     それで、実は昨日のその要請の中に、そこも我々の気持ちは込めていまして、それで、今後政府のほうで出されるこういう燃油高騰対策などの一連の対策によって地方の財源が減ることがないように、そこは対策を考えてもらいたいと、こういうふうに書かさせていただきました。それで、仮にトリガー条項を発動しますと地方の税収に響きます。それで、それも大都市よりも実は地方部のほうに効いてくると思います。そういうトリガー条項の性質上、当然ながら地方財政措置ということも併せて必要になると。それで、このことは昨日[413日]も要請の中で入れさせていただきました。

     この点について山際[大志郎経済再生担当]大臣から特にお話はなかったです。現在の報道の報道ぶりを見ますと年末に向けてこのトリガー条項は議論するという流れのようでありますので、今後とも、こうした国のほうで対策を示される折には、地方の財源ということについては配慮しながら進めていただきたいと思っております。


    日本海新聞 濱田匡史 記者

     すいません。日本海新聞濱田です。先週もお話がありました残り任期についてなんですけども、一昨日でちょうど任期満了から1年が経過、残り1年になりました。それで先週です、しかるべきタイミングがあればそのときには心持ちを伝えたいっていうお話がありました。期限があるものではないんですけど、いつ頃までには態度を表明されたいとお考えなのかということと、現時点でそれが白紙なのかほんとはもう決まっているんだけど、ちょっとまだ言えないよっていうことなのか、その2点をお伺いと思います。

    ●知事

     現時点では全くの白紙です。100%白紙でございますのでそのとおり書いていただいて結構でございます。それ以上ほんとないですね。先週も聞かれてびっくりしましたけど、今週もまた出てきて毎週これ出てくるのかなと思いますが、多分当分この回答は変わらないです。今やっぱりやるべきことは多いですし、私自身としては、要は真摯に職務に専念することが大切だと思います。自分自身の政治的な活動や思いよりも現在のこの鳥取県が抱える課題、あるいは我が国全体で地方が抱える課題にやはり集中したいと思っていますので、当面それを頭の中で考える時間は取ってないというふうに御理解をいただきたいと思います。もちろん任期満了がありますので、その任期満了までもう1年を切ったというお話でございますから任期満了までには当然お話をしかるべく差し上げる時期が来るかと思いますが、今はそれに比べれば現状に専念したいと考えております。


    ◯日本海新聞 竹久祐樹 記者

     日本海新聞竹久と申します。ちょっとまだ時間がありますのでJRの話に戻りますが、知事、冒頭の御発言にもありましたが、政治の力が必要になってくる場面も出てくるだろうというお話がありました。それで、国会議員も巻き込みながら行動していく運動体をいずれつくらなければならないという御発言も先ほどありました。それで、先般、一昨日国会のほうで立民、立憲民主党の湯原衆議院議員が国交省に質問したときにも、国交省は利用者にとって利便性、持続性の高い地域モビリティっていうのは何かということを鉄道事業者と沿線自治体が協力しながら検討していくことが必要というふうな発言、答弁がありまして、国としては若干冷ややかな答弁かなというふうに読んでいる者としては受け止めます。

     それで、中電の島根原発の問題とも若干ちょっと担当してた記者としては重なる部分があるかなと思うのは、その中電の原発も国策として原発は稼動を進めている、けれども、いざそのやり取りをするときには電力業者と地域とで協議をしてやり取りをしてくだい。安全性についても国としては責任を持たないというスタンスです。それで、このJRの問題に関してもやはり鉄道事業者と地方自治体とでやり取りをもらいたいということになっています。国の関与の在り方っていうのはその国鉄民営化されているわけですけれども、一定程度やっぱり関与していくべきではないか、こうした公共交通、影響の大きい部分ですのでその辺りの国の関与の在り方っていうのはどのように、今お考えでしょうか。

    知事

     やはり比較法的に世界見渡して見てやっぱり地域の公共交通には時の政府が結構コミット[関わる]しているもんです。例えばフランスで言えばSNCFというフランスの国有鉄道会社があって、それでやはりそういう公共交通を維持発展させていくというのを国家開発の基本に据えているわけですね。それで、アメリカも飛行機が主流でありますけども、アムトラック[全米鉄道旅客公社]という会社がやっているものの、これはやっぱり連邦としても支えようというようなことをやるわけです。また地域においていろいろと地下鉄であるだとか、都市鉄道もありますが、こういうものもその地域の地方政府が税金で支えているっていうのがアメリカのスタイルなんですね。それで、日本があまりにもその経営を企業に任せ過ぎなのではないかと私は思っています。やはり一定程度国の在り方として鉄道が果たす役割というのを重視しなければならないし、特に地域のローカル鉄道は脆弱でありますので、これについてのやはり社会政策的な支援というのは政府は考えるべきであろうかと思います。

     海外で言えば社会政策としての交通というものを考え、そこに公的なお金を投入することにあんまり躊躇しているわけではないわけですね。全部経営だけで成り立っていると言ったらそれは実は世界の実は標準ではないんですが、なぜか道路と違って鉄道に限っては公費を入れないという大蔵省と運輸省、財務省と国[土]交[通]省の仕切りの中でたががはめられてしまっているということであります。そういう意味で、もちろん民間の活力で経営効率を図るということは重要なんですが、一定程度限界があるのであれば、そこは公費を投入してでも維持する値打ちはあるだろというふうに思いますし、現にバス事業などは、過疎バスとして地域がお金を入れる、それに国が地方財政措置をするというスタイルが確立していますので、鉄道においても同じようなことっていうのは本来あり得るのではないかと思います。災害が起こったときも若桜鉄道は、助成は受けられるんですけども、JRは受けられない、これもおかしな話なんですよね。それで、そういうことをやるから例えば九州だとかいろんなところで災害が起こった途端に廃線だなんだという話が出てくる。ですから、もう少し国の政策として国家がどういう責任をこの交通に対して果たすべきなのかっていうのはやっぱり議論されるべきではないかというふうに考えております。そういう意味で国交省さんにも、もう一度ですね、今回のJR西日本の収支率開示というものを契機として、議論を前に進めていただければと思います。

    ◯NHK 杉井 浩太 記者

     各社さん、よろしいでしょうか。はい、では以上にいたします。ありがとうございました。

    ●知事

     どうもありがとうございました。

      

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