防災・危機管理情報


令和6年1月9日(火)午前9時45分から

県庁講堂

 

 皆様あけましておめでとうございます。

 皆様におかれましては、ご家族や地域の皆様とひとときをお過ごしになられ、昨年を振り返り、また、良き年に向けての誓いを新たにされたことだとお喜びを申し上げたいと思います。また先ほどは表彰を受けられた皆様、昨年度の大変なご功績、感謝を申し上げ、敬意を改めて表させていただきたいと思います。

 まずもって1月1日午後4時10分、日本中が震え上がるような、そういう大変な惨事が起きました。能登半島地震では、今も被災地におきまして懸命の救命活動が続いています。また、今、避難所に身を寄せるなど、この寒空をしのごうとされておられる地元の方々、或いは滞在されていた方々、全国を挙げて支援をしていかなければなりません。その先頭に立つ必要があり、この休み中にも関わりませず、県庁職員の皆様にもご協力をいただきました。第1陣、そして第2陣とバトンが引き継がれていくわけであり、今日は東中西のそれぞれの緊急消防援助隊が出かけるということとなりましたし、また、たび重ねて日赤や、或いは県立の中央病院をはじめ、県の職員も含めて、医療の支援、そうした健康管理の支援にも向かっていたり、住民の皆様、民間の皆様もできる支援を始めていただいたりしております。心からお悔やみを申し上げ、またお見舞いを申し上げる次第であります。

 それに引き続いて日航機と海上保安庁の衝突事故がございましたし、今海外におきましては、ウクライナ戦争が止まるところを知らず、イスラエルの紛争におきましても、この度はヒズボラの指令が殺害されたと、爆撃されたというニュースも飛び込んできましたけれども、ガザ地区のみならず、近隣も含めて広がる勢いも見せているところであります。国内におきましては、物価高、また燃油高、こうしたものが止まっているわけではございません。企業の皆さんがどうやって利益を出しながら賃金を上げていくのか。そうしたことに今取り組まなければいけない。大変に難しい、けれども、これからの新しい年から時代を変えていくという、そういう重要な年にも当たるわけであります。

 昨年1年を通じまして、私ども鳥取県は、8月15日の台風7号災害をはじめとした災禍にたび重ねて見舞われたわけであります。職員の皆様の頑張りによりまして、先ほども表彰対象となりましたが、年内に土木関係、農林関係合わせて査定をすべて国関係を終えることができまして、非常に速やかな対策に繋がっていると思います。今年は本格的な復興へとつなげていかなければなりません。工事の進捗を急ぎながらも、他方でどうしても間に合わないこともあるでしょう。例えば農業水利などもそうかもしれません。その場合には方向転換も地元と一緒に話し合いながら、この所得が欠けるようなことにならないように、地域を挙げて応援をしていかなければなりません。

 また併せまして、この能登の地震の支援を全庁挙げて続けていくとともに、そこで現れた課題というものも同じ日本海側として等しく考えていかなければならない、その年回りになったのではないかと考えております。例えば境港で60センチの津波が観測をされました。これは発災の4時10分から6時間経って、午後10時半に観測されたものであります。日本海の津波というのは、太平洋側とは違います。1回来て、そしてだんだんと減衰していくわけでは必ずしもありません。大きな湖のような日本海の中で反復が繰り返される、そしてその波が干渉し合いまして、後々高くなるという傾向もあります。境港におきましては、多分波が回りこみながら重なり合って高めの津波ということになったんだろうと思いますが、全国でも指折りの高い地域になりました。ただこれまでの土木の事業によりまして、1メートル、或いは1メートル50センチ耐えられるような護岸になっていましたので、被害は一切なく、ここを切り抜けることはできましたが、こうした津波がすぐにやってくる。そして後々大きくなるかもしれない。こういう日本海側の津波の特徴というものに合わせた対策も改めて住民の皆様を交えて考える必要があります。専門家の方のご意見も聞きながら、今回の被災、例えば、大規模な火事と一緒になった、或いは道路が寸断された場合にもどうやってそれぞれの地域で支え合って当面初動はやっていけるかどうか。こうしたことについて、もう一度知恵を出していかなければならない、そんな災害ではないかと思っております。そうした意味で、安心できる鳥取県を皆さんと一緒に作っていかなければなりません。

 そういう中、今年は10月の19日から10月の22日まで「ねんりんピック鳥取大会、はばたけ鳥取2024」が開催をされることになります。「咲かせよう 砂丘に長寿と笑みの花」そういう私どものテーマであります。これには1万人を数える来場者があると見込まれていますが、ご家族や、或いはまた応援される方々などを含めますと、100億円の経済効果もあると言われています。ぜひこの機会に、高齢の皆様におきまして、改めて健康づくりや社会参画、これを盛んにする機会としていただきたいと思いますし、全国からそうした高齢者を中心とした方々が鳥取へとやってきます。この機会に、子どもたちも含めて、世代間交流、地域間交流というものを広げていかなければなりません。色々なテーマがあるかと思いますけれども、健康づくりや、或いは歴史、そうしたこともあるでしょう。そういう中、青谷上寺地遺跡がこの度、3月24日に史跡公園としてデビューをすることになるわけであり、こうした新しい資源も加えてやっていかなければなりません。

 こうした活力づくりとしては、昨年米子ソウル便が復活をしました。順調に今のところ9割ほどの搭乗率で推移をしていますが、ランディングのオペレーションであるだとか、色々と課題もある中で、他の路線の復活や新しい就航等につなげていけるかどうか、また増便を米子ソウル便も図れるかどうか、大変に難しい局面が続いていますけれども、これをぜひ成し遂げていかなければなりません。

 またそうした活力を結んでいく意味で、昨年は岩美道路が開通をしました。長年の懸案でありましたが、こうしたハイウェイネットワークをはじめとした土木施設、安全安心のためにも順調に進めていかなければならないわけであります。

 また併せまして、色々な諸活動これを盛んにしていかなければなりませんが、特に若い方々の元気が出るような、そういう地域を目指していくのが今年のテーマだと思っています。昨年は白うさぎダンサーズの皆さんが脚光を浴び、何と東京ドームでもダンスを披露し、これが全国の皆さんに知られるところとなりました。うさぎ年は終わりましても、この白うさぎダンスはですね、県庁の伝統芸能として今後も継承発展させていかなければいけないというふうに思っております。うさぎ年が終わったから鳥取県は終わりではありません。私も年末つらつら地図を眺めておりましたら、鳥取県の地図が龍に見えてきました。今それを何とか実証しようとお絵かきをしているところでございまして、龍の形の鳥取県から別の意味で昇り龍の勢いを作っていければというふうに考えております。

 昨年、1年を通じまして、例えば、とっとり安心ファミリーシップ制度をスタートさせ、これはもう利用者も出てきています。また、健康づくり、新型コロナを一定程度収めながら、次の感染症対策へと向かい始めているわけでありまして、こうしたことを今後定着させていくなど、安心して住めるそうしたところにしていかなければなりません。特に子育て家庭、その安心が大きなテーマであり、「シン・子育て王国」を今年は実現をしていくスタートの事実上の年になろうかと思っております。年度が明けますと、医療費の無償化が18歳まで完全に適用される、そういうことになりますし、それ以外にも、若手の皆さん、若い県民の皆様のご意見を入れながら、様々な施策を展開していかなければなりません。

 また、教育の分野でも、学びの森学園がいよいよスタートすることになります。本県としては初めての夜間中学ということになります。

 さらにこうしたことなどと合わせまして、産業の活力も作っていく必要がありますが、今年は例えば、東部ではダイヘンさんでありますとか、中部の方では、フィギュアの工場でございますとか、また西部の方でもそうした新規のオープン、カンコー学生服など予定されているところであります。

 こうした様々な活力を作っていくのとあわせまして、農業においては、昨年は暑い夏となった関係もあり、米の作柄が良くありませんでした。こうしたことを乗り越えていく農業スタイルというものを、農業者の皆さんと一緒に作っていかなければなりません。また、林業におきましても、COP(コップ)28というものが行われました。鳥取から若者が参加をしましたけれども、そうしたCOP(コップ)28の成果を、これから実現していかなければなりません。住宅のリフォームであるとか、ビジネス利用であるだとか、そうしたところでこうしたことを活用していったり、また、再生可能エネルギーのプラント、この安全対策も徹底的に関係者に求めたり、私どもでも対応をして、例えば環境のアセスメントなどを改めていくことなども必要になってくるわけであります。

 このようなことなどを進めるためにも、県庁の改革を押し進めていく必要があり、デジタルトランスフォーメーションは避けては通れない私たちの道であります。この度の表彰対象の中にもそういうデジタル化に関わるものもあり、若い方々も、そうした機能を活用しながら、色々と県庁改革の提案をしてくれております。また、あわせまして、こうしたカイゼン運動の中でも、こうした考え方が活かされているところでございまして、例えば、ロボット化をして電子認証をするということやExcel(エクセル)の活用、また、公用車の配置システム、これはアルコールチェックも含めましてこの度整備をした、これが今回表彰対象にもなりました。こうした県庁改革、行財政改革をこれからも徹底的に進めていかなければなりません。

 そして、今、我々喫緊の課題である予算づくりが年明けから始まることになります。集中的に議論をしまして、徹底した議論を通じまして、実りの多い予算、例えば、美術館の開館に向けてラストスパートになってきました。そうした事など、県民の皆様の夢を結ぶそういう予算づくりで県民の皆様に私たちなりの答えを出していきたいというふうに考えております。移住定住もおかげさまで上半期は千人を超えることになりました。ただまだまだ人口の減少は続くわけであります。そうした最中で、買い物支援が始まりましたが、交通の新しいドライブシェアのシステム、或いは医療関係で安心して住めるなど、テーマはまだまだこれからも掘り起こし実現をしていかなければなりません。そうした意味で新年度に向けて、皆様でぜひ現場に出かけていただき知恵を結集していただき、新しい鳥取県づくりに皆様ぜひチャレンジをしていただければありがたいというふうに思います。

 今日はこうして(リアルと中継の)ハイブリッドで進められていますので、私も若干ゆっくり目にお話をさせていただいております。先ほど舞台の上でも、一生懸命ねんりんピックや、或いは青谷上寺地遺跡のPRがありましたが、色々とジョークを交えても会場の反応が薄いもんで本人たちが少しがっかりしているかもしれませんけれども、ただ、そんな意味でですね県庁の皆さんとこの年頭の思いを、いずれにせよ共有することができたと思います。この1年、皆様にとりまして、素晴らしい飛躍の年となりますこと、心からお祈りを申し上げたいと思います。

  年改まり 人改まり 行くのみぞ
 高浜虚子の句でございます。心機一転令和6年。皆様も、県民の皆様と一緒によい年を作っていただきますよう、ご活躍をお願い申し上げたいと思います。

 皆様の健康、くれぐれもご留意をいただきまして、良き年をこの鳥取に導き、活力と安心を実現して参りたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。おめでとうございます。

  

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