「酒は純米、燗ならなお良し」。この名言を残したのは、県出身の酒造技術指導者上原浩氏。日本酒界に多大な功績を残すとともに、県の酒造技術向上にも大きく寄与しました。氏の影響もあって鳥取県では純米酒づくりが大切にされ、日本酒の生産に占める純米酒の比率が約8割と全国でも有数です。
米と麹と水だけで醸す純米酒。シンプルなつくりであるからこそ、土地の個性が際立ちます。鳥取県は大山を中心とした中国山地周辺の綺麗な水に恵まれるほか、県固有の酒造好適米「強力」をはじめとした県産の酒米を使い、米作りからこだわる酒蔵が多いのも特徴です。
また県内各地では、伝統的な製法である「生酛造り」や香りの良いお酒に仕上げる「吟醸造り」など、各酒蔵で技を受け継ぎ、より旨い酒造りを探究。それぞれの風土と食に合わせた個性的な酒造りが息づいています。
こうして素材と技にこだわり醸造される日本酒は、地域が誇るべき伝統文化です。土地に根差した酒造りに少し思いをはせながら、地元のお酒を楽しんでみませんか。
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