防災・危機管理情報


大成工業(株)「下水道も電力も使わずTSSで汚水処理」

とっとりSDGs企業認証を令和4年度に取得した「大成工業株式会社」の代表取締役 三原 博之さん、取締役 TSS事業部長 松本 安弘さんにSDGs活動について伺いました。

■大成工業株式会社(米子市)

活動概要/浄化槽や生活排水処理施設の設計・施工など水処理技術の開発と販売に特化。地域から世界への貢献を志し、現在インドでの展開に力を入れている。 

事業所外観 代表者

清潔なトイレで社会変革~

 昭和40年の創業以来、大成工業は一貫して排水処理に関する事業に取り組んできました。しかし、中には下水道設備や電力がなく、一般的な排水処理ができない家庭や施設もあります。
 そこで開発したのが「TSSシステム※」です。地中に設備を埋設し、微生物などの力で処理した水をゆっくり土に浸潤させて拡散・蒸発散させ、全く放水せず敷地内で水処理を完結します。電力を全く使用せず、一定の面積の土地があれば設置可能。運用は全くのゼロエミッション・カーボンニュートラルです。メンテナンスもほぼ不要で、国内では公園施設や山小屋のトイレ、製造工場の排水処理など550カ所以上の導入実績があります。
 これまでに、環境省のアジア水環境改善モデル事業に採択され、ソロモン諸島で学校やまちなかにトイレを設置し、インドでも公衆トイレなどを整備しました。ソロモン諸島では、「最もきれいな公衆トイレ」と報道され、子ども達は衛生のコントロールについて学び始めました。
 途上国ではトイレがない家が多く野外での排泄が日常で、女性が危険にさらされています。TSSで安心して利用できる清潔なトイレを提供し、女性を守りたい。さらにトイレの維持管理や衛生教育を任せられたら、女性の雇用創出、社会進出にも繋げられます。当社も女性社員の活躍に向け、現場環境の整備や管理職育成の研修参加などを推進しています。誰もが輝ける社会を、社内でも世界でも実現していきます。
 TSS事業を機に「地域から世界への貢献」に力を入れ、代表の三原は山陰印度協会の理事を務めています。インドの当社施設に視察を誘致するなど、地元企業にインドに関心を持ってもらえるよう努めています。

インドのトイレ インドでの汚水処理

また、SDGsを本質的に理解するために外部講師を招き、社内に推進委員会を設置して勉強しています。TSS事業部長の松本は2022年に「とっとりSDGs伝道師」に任命されました。しばしば地域の学校や企業の集まりなどで講演を行っています。インドの現状やウォーターエイドなどについて、映像を使いながら子どもたちにもわかりやすく話すのを心がけています。

 企業の方々には、取り組み方についても伝えています。SDGsはCSR、社会貢献の一環として取り組まれるケースが多いですが、当社は事業がSDGsそのもの。ビジネスを通してSDGsを実践すると、利益追求も社会貢献も、両方を実現できます。社内で活動について考えるとき、CSRだけでなく、ぜひ事業においてもご検討いただきたいと思います。

 

※TSSシステム:トイレなどの汚水を放流することなく、敷地内での処理を可能にする無放流処理装置

  

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