○日本海テレビ 月森 七海 記者
すみません。幹事社の日本海テレビです。本日はよろしくお願いします。定刻過ぎておりますので、知事の方から、まず、ステートメント(発言)お願いします。
●知事
はい。皆様おはようございます。いよいよ明日から通常国会が国、スタートすることとなりました。ぜひ、大いに少数与党の中ではありますが、論戦をしっかりとしていただきまして、石破政権が掲げる地方創生2.0という人口減少、東京一極集中を食い止める、そうした大きな経済効果もある政策を論じていただきたいというふうに思います。
また、今、トランプ政権が[令和7年]1月20日に発足をし、毎日のように様々な大統領令、あるいは方針が示されているところでございます。今までの世界がずっと追求してきた価値観とは違った動きが広がろうとしていまして、これが各国において波紋を広げていることは事実であろうかと思います。そういう意味で今、見通せない世界情勢というのが今後、展開されることになろうかと思いますが、我々は地域から、しっかりと県民の生活や産業の発展、そうしたもの、それから雇用をはじめとして、若い人も女性も皆、住みやすく働きやすいような、そうした地域社会というものを難しい不透明な状況の中で創造していかなければならないのだと思います。
そういう意味で[令和7年度]当初予算編成であるとか、各種の政策展開を進めていくことになろうかと思います。そういう中、石破[茂]内閣で今、報道されていますのは、防災ということを基軸とした、これからの国づくりをやろうということであります。昨年の1月1日の能登半島地震という日本海側にとりまして、非常にショッキングな出来事がございました。現在も、今日も[福島県]会津地方で地震が相次ぎました。今、御嶽山でも噴火の恐れがあるのではないかと警戒レベルを引き上げてきています。南海トラフ地震の震源域となり得るところ、そこに近接したところなど今、動きが注視をされていると、いつ、どういう災害が起こるか分からない災害列島でありまして、石破内閣として、この防災対策を基軸としていこうというのは、それはうなずけるものではないかなと思います。
それで、我々は、日本海側にも様々な災害が襲いかかり得る。そして能登半島の地震を見ますと、道路が寸断される等によりまして、懸念される状況というものは、そう大きくは変わらないのではないかとも思えるところであります。そういう意味で72時間以内にどうやって命を救いに行けるのか、これをぜひ考えてみようということで、作業をここ能登半島地震以来進めてまいりました。それで、その結果がこのたび、まとまってきまして、自衛隊であるとか、関係者とも地点の洗い出しを進めてきたわけであります。
81地点、空から入れる大型のヘリコプターが入れるようなところは44地点、あと、ホバークラフト(浮上航行を行う超高速船)、LCAC(エルキャック)というふうに自衛隊さんではおっしゃってますが、37地点、こうした81地点を確認することができております。例えば、北条砂丘のところ、ここ港があるわけではありませんが、ホバークラフトで上がってくるということには適しているのではないか。それで、こういうのが、これ逢束[海岸]の例とか、下坪[海岸]の例などもありますけれども、50メーター50メーターという、そういうホバークラフトが入り込む適地の広さが一般的にはあると言われています。それから傾斜があんまり急ですと入れない、まして、例えばちゃんと堤防でも建ててあると逆に入れないわけでありますが、そういう意味では、こうした皆生海岸というか、この弓浜半島のところも含めて、私どもこう海に面した、これを生かすことができるのであれば、44地点、仮に港が駄目になってもホバークラフトで入ってくることができる、こういうところを確認してまいりました。
また、37地点ですね。それから44地点、これ内陸のほうにこうありますが、例えば、この三朝[町]の中津というところはダムの上のところです。それで、ただでさえ孤立しやすい地形にありまして、ここが切れてしまった場合、この中津のヘリポートという、例えば入れるんではないか。それから、これは境港[市]の前の誠道小学校のところ、ここも周りにある遮蔽物といいますか、障害物等があまりない意味で大型のヘリ[コプター]も降りようと思ったら降りれるということが分かりました。こういう箇所を全県で44地点、このように広域的に取ることができそうであります。
これによって孤立した集落が仮にあった場合に、大型[ヘリコプター]をまず飛ばして、そこから様々な手段で、物資を輸送したり、あるいは救助の人員を派遣したりっていう起点になるわけでありますね。それで、そうしたものを空から入り込むところとして用意しておこうと。それで大型ヘリの場合は100メーター四方が必要だと言われております。また、強烈な風が起こるもんですから、それで、その下降気流の影響で、それでめげてしまうような施設が周りにあるわけではない。それで、こういうことが必要な条件でありまして、例えば、大都会たくさんこういうところが確保できるわけではありませんが、我々は逆にその中山間地の地形を生かして、こうした大型ヘリが入るポイントというものを用意することができるんではないか、そういう考え方で、このたび自衛隊の部隊のほうとも確認を取ることがかないました。
それで、これを基にしまして、今月末、空と海から緊急救助・輸送というものを行っていく、その協議会をまた開かせていただいて、災害の初動計画に結びつけていきたいと思います。72時間以内にいかに命を助けるか、また、孤立してしまった場合に、そこに輸送手段を用意して、物資を届けたりして命をつないでいくのか、こういうような緊急性のあるタイミングで急性期に対処できる計画というものを、これを用意していこうと。それで、もちろん地域防災計画、これも通常の定例的なものでありますが、こういうものにもつなげていこうということであります。初動からそこをしていって、各機関で役割分担をして、それで空と海から救出をしたり、緊急物資を運んだり、こういうことをやっていこうということにいたしております。
それから、いろいろと来年度は大阪・関西万博が[令和7年]4月13日から10月13日まで開かれるなど、海外との交流が盛んになる、これを生かせるかどうかが地方創生2.0の1つのポイントになろうかと思います。そういう意味で、これも作業を進めてまいりましたが、TOTTORI Free Wi-Fi、これのめどが立ちまして、今月27日からまず鳥取砂丘ですとか、あるいは氷ノ山[自然ふれあい館響の森]ですとか、そうしたところでまずは開設をして、3月末までには中部、西部、倉吉の白壁土蔵[群]や水木しげるロードなども含めまして、広域的に総計31エリア設定をすることになります。
従来も、とっとりBBという、そういう開放型のWi-Fiポイントを設けてきました。御利用された方もいらっしゃると思いますが、あれ、例えばメールアドレスとか、いろんなこう登録作業がいるわけであります。それぞれのポイントに入って30分間Wi-Fi環境を提供しますと、こうなっているわけであります。だから30分たつと切れてしまう。それで、その入るたびに設定をするということになります。それで、今、実は大阪・関西万博の会場でこういう国際的なWi-Fi認証規格、OpenRoaming(オープンローミング)というものが設定をされます。それで、これを大都市部以外では多分、うちが初めてになるかもしれませんが、こうしたTOTTORI Free Wi-Fiというこの国際規格を使ったWi-Fiアクセスをセットしようということであります。具体的にはこのQRコードを読み取っていただきますと、私どものサイトのほうに行きます。それで、そこでの手続を取っていただいて、プロファイル、証明を入れていただくと、そうしますと大阪・関西万博に行っても、外国に行っても、このOpenRoamingの方式のところはそのままWi-Fiが使えると、一々手続をする必要はありません。
逆に言うと、大阪・関西万博に来られた外国人の方がそのまま鳥取砂丘や水木しげるロードに行ってWi-Fiを楽しんでいただくことができます。そういう意味で汎用性が高い国際的な規格であります。時間制限も従来30分、とっとりBBのとき取らせていただきましたが、これは、時間制限はないですし、それから、ちょっと特殊な技術ではありますけれども、実は暗号化通信を使っていまして、暗号化しているので読み取られるということもございませんし、偽のところに誘導されるということもない、そういうセキュリティーの高いものになります。
ぜひ、鳥取をいろんな方々に楽しんでいただければと思いますし、県民の皆さんもこれで身の回りのところでも使えるところができて、これを持っていくと海外でも活用できるということになります。地方からでは非常にまずリーディング的なケース(先例)になろうかと思いますけれども、ぜひまた御活用をいただければと思います。
それからまた、子育て関係など、こうしたことで対応を取っていくことがありますけども、今、当初予算の編成作業をしていまして、いろいろと今、まだ施策の洗い出しをしていますが、プレコンセプションケア(性や妊娠に関する正しい知識を身につけ、健康管理を行うこと)の推進を全面的に県内で展開していただきたいなというふうに考えております。それで、市町村と実は話合いをここまで重ねてきていますが、全部ではありませんけれども、一部の市町村でプレコンセプションケアに係る血液だとか、いろんな検査の費用を助成することを始めることができます。その2分の1は県のほうで負担していきましょうと、これによって若いうち、思春期から、それから社会に出て、あるいは結婚を考える、そんな若い段階でこの健診を受けていただいて、早めに幸せな家庭を将来持てる、そういう準備につなげていただければなというふうに思います。
今、高齢出産が増えていますけども、早くそうした、もし課題がある人であれば早めに治療を受ければ非常に効果も上がるということがありまして、ぜひこうした健診も活用していただけないかなということです。こういうプレコンセプションケアの相談とか、それから助産師さんにもお手伝いいただいて、LINEなども含めた周知ということを図っていければと思います。
それから、えんトリーという縁組の仕組を法人会さんと一緒に進めておりますが、思い切ってこの会費を無償化してしまってはどうかと、会費フリーのシステムにして幅広く使っていただけるようにできないだろうか、今、会費として1万円お願いをしております。これが無償化されることで多くの方々が気軽にえんトリーに参加していただいて、それがマッチングの機会、出会いの場の活性化になればと思います。併せまして、これ以外にも、例えば民間のアプリというのは結構活用されていますので、そことタイアップをしながら、そうしたマッチングにつなげていくことなども新年度展開できればなというふうに考えております。
また、鳥取大学[医学部]附属病院のほうで児童思春期病床というものを精神科の中につくられることになりますが、こうした診療科と一緒になりまして、例えば児童相談所で扱っている困難事案、こういうものを一緒に解決していくようなことを考えられないか、また、それぞれの課題を抱えているお子さんのその処遇をどうしていこうか、支援をどういうふうにプログラム組んでいこうかなど、医学的見地も非常に重要でありまして、鳥[取]大[学医学部附属病院]とこれをまた、連携できないかというふうに考えております。それで、救急とか、警察とか、また、病院さんとも連携をしていく、そのコアとして、こういうこどもと親の心の健康サポートというチームをつくらせていただきまして、鳥大さんとタッグを組んだ体制にしていけないかなというふうに考えております。
また、安全・安心を図っていく上で、実はこれが、以前も御案内しましたけれども、60歳以上のお年寄りの家庭、高齢者の家庭でカメラつきのドアホンだとか、防犯カメラだとか、そういう防犯機材を設置していただくときに1万5,000円の助成というものを県単独でもやりましょうと、これ、例の強盗殺人事件など、お年寄りの家庭を狙ってトクリュウと言われる、そうした組織的な犯罪、これが多発をしてきている中で、県として[令和6年11月]補正予算を用意をさせていただきまして、これをスタートいたしました。
これがその申請状況なんですけども、実は今、どんどんと増えてきていまして1,700万ぐらいいっているはずですが、この後あるかな、1,754万円ですか、補助金申請額が今、あるという状況であります。それで、ちょっと予算をかなり上回ってきていまして、今、これで、せっかくここまで防犯の機運が高まってきておりますので、予備費を今日発動させていただいて、このぐらいになりますけども、5,000万円の枠を大きめに取って、ぜひそうした申請に応えていこうと、もちろんそれでも足らなくなれば、また、2月補正など、今後も展開する時期もあるかもしれませんけれども、それで、[令和7年]3月26日が申請期限になっています。
県民の皆様にはぜひ慌てないでくださいという意味ですけど、新年度に向けては、今、市町村と共同事業でこれを展開できるように今、話を進めておりますので、新年度も継続した展開があろうかと思います。ですから、3月26日ということで県補助金の期限を設定させていただきますが、新年度は新年度でそれぞれの市町村で県も支援する中でこの仕組みはつながっていくと思いますので、ぜひ慌てる必要もございません。よく御検討いただければというふうに思います。
ただ、現在のこの凶悪な犯罪が広がっていく中で、割と戸締り等、解放的な傾向のある山陰の高齢者の家庭の状況っていうものを一気に変えていく、そういう仕掛けになろうかと思いますので、思い切って予備費5,000万円の発動を決めさせていただきたいと思います。
それから先般いよいよ優生保護法で残念なことになりましたそういう障がい者の皆さん、その御家庭に対する補償金の制度、これが施行されることとなりました。鳥取県もこうした国の施策とはいえ、この一端を担った関係として心から、また、お詫びを申し上げたいと思いますし、新しい国の仕組みもできましたので、これが円滑に多くの方々、関係者に御利用いただけることを目指して体制を、また、強化をさせていただきたいと思います。
鳥取県は、実は他の地域と若干特色あるところですけど、一緒になりまして、この障がい者の方と一緒にどういうようなことが実際起こっていたのかの独自調査をしたり、また、障害者団体と連携しまして、事案の発掘と今、掘り起こし、そういうものを進めてきました。いろいろと個別の事情はすごく多岐にわたっていまして、事情が事情だけに、例えばこういう手術を受けたことを公にされない御自身のお気持ちというのもあったりするんですね。それで、その辺が非常にデリケートなもんですから、個別の事情に寄り添った対応を鳥取県としてはさせていただいたり、調査を積極的に行政としても進めてまいりました。
そういう特徴のある県の中で、既にそうした申請事例などにつながってきているわけであります。それで、このたびこうした体制をさらに庁内の部局を連携してサポート体制を強化することとしまして、相談窓口、こちらのほうに総合相談窓口というものをつけさせていただきましたが、丁寧に必要な事項等をお聞きをさせていただいて、これ国のほうへの申請になりますが、その申請のサポートをさせていただくことと、改めて体制を強化させていただきます。
それで、また、新たに把握できた方につきまして、従来もやってきましたけれども、部局横断で調査もさせていただいたり、市町村に御協力を依頼して進めていくことにいたしまして、申請につなげていければと考えております。また、サポートの弁護士の支援制度、この活用とか、それから我々としてのPR活動、こういうことを通じまして、こうした対象者の方が円滑に給付金を受けられるように努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
一昨日、昨日と石破[茂内閣]総理[大臣]、それから村上[誠一郎]総務大臣や福岡[資麿]厚[生]労[働]大臣、また、伊東[良孝]地方創生担当大臣など、知事会として人口戦略についての申入れをさせていただきました。それで魅力ある若者や女性も定着するような職場づくり、あるいは子育て支援、アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)の解消などを訴えさせていただきまして、おおむね政府としても方向性は受け止めていただけたかなと思います。総理にも面談の機会をいただきましたが、総理のほうからも特にアンコンシャス・バイアス、これがなかなか今、手がついていないのではないか。それで、こうした課題にもぜひ地方にも協力してもらって取り組んでいきたいと。鳥取県からも協力してくださいねというようなお話がございました。
また、伊東大臣のほうでも、子育て支援策、これが財政力の多寡によりまして支援内容が子育て異なってくる、これでまた新たな人口移動というものを生じることになるようなことはあまり賛同できない。それでそういう意味で、国として責任を持って出産、子育て、教育などやっていくべきだろうという、そういう見解もいただきました。それで今後、また、我々も国会の審議なども横にらみしながら、6月頃想定されています骨太の方針に向けて、知事会としてさらに深掘りした要請活動も今後していきたいと考えております。
それでこういう全国の要請活動もありますが、本県としても、令和の改新県民会議というものを発足させていただこうかと思っております。それで若者や女性、まちづくり団体、また、よく言われます産・官・学・金・労・言、さらに医療福祉関係の士(師)、この辺も入れて、日本創生のモデルを鳥取から起こしていく、そういうプラットフォームを29日に発足をさせていただきたいと思います。
それで[令和6年]11月のフォーラム、その成果を生かし、かなりここのフォーラムにはこの関係者の方々、出ていただきました。そしてそういう知見を共有をしながら、今後一体となって人口戦略、地方創生というものを進めていこうということであります。いずれ鳥取県としてもその地方創生2.0に基づく総合計画をまとめるとか作業は出てくると思います。それで先行して我々としてはこのプラットフォームの発足を進めさせていただこうと思います。
また、昨日は連合と、それから経団連[日本経済団体連合会]との対話が持たれました。春闘シーズンがスタートする中、昨日、本県でも[日本労働組合総連合会鳥取県]連合[会]の山口[一樹]会長とそれから[鳥取県]経営者協会の平井[耕司]会長がお見えになって、要請も頂戴したところであります。ぜひ、政労使(政府・連合・経団連の三者)の間でこの新しい春闘シーズンに向けて、この賃上げなどを進めながら、経済を動かしていく新しい経済社会の在り方、これを地方創生2.0と連動してやっていくわけでありまして、それのスタートを政労使とも切らせていただきたいと思います。
昨日の要請活動の中でも、例えば価格の転化のこととか、取り組むべき課題が示されております。また、率直に胸襟を開いてトップ会談をさせていただいて、そういった春闘や価格転化、またそれを行うべき県の施策、そして国として求めていくべきこと、国に対する要請等も含めて話し合ってまいりたいと思います。
来週は境港で岡山県の伊原木[隆太]知事と協議をさせていただき、こうした地方創生の課題を中心にお話をしてまいりたいと考えております。
それから、国内外の経済変動、冒頭申し上げましたようにトランプ政権が始動しました。それで、御自身をタリフマン、関税男と自称しまして、この関税というものを武器にディール、取引をいろんな国とやっていこうという方針が見えてきております。現実にも、中国に対して10%の追加関税をかける方針をこのたび明らかにしましたし、また、カナダ、メキシコという伝統的に、自由に経済圏として設定されているところで25%の関税をかけるという考え方が出ました。
それで、実は県内企業でもメキシコに進出しているところもあるんですね。そこからアメリカという市場に向けて流していく、そういうもくろみでやっているところもあります。これは自動車産業も実はそういうところがあります。それで、こうしたところの部品が今度はうちにcとしてつながっていたりします。そうすると、県内経済にも結構影響が出てくるわけですね。恐らくアメリカ北米市場以上に、ヨーロッパとも今、関税の問題が俎上に上がり始めましたし、日本もそうかもしれませんし、特に中国は、もう明確に追加関税の話が出てきている。
ですから、我々としてもこうした海外の経済情勢というのを考えていかなければいけません。
また、今週がひとつの山とされていますが、日[本]銀[行]が金利について政策決定の会合を持つと報道されております。これによって、0.5という数字が現実化してくるのではないかというふうに世上報道もされています。こういう国内で今までゼロ金利的な政策からの転換が始まる。そうすると、体力の乏しい中小零細の多い鳥取県、今後どうやって持ちこたえていくのか、あるいは逆に言えば、この経済情勢を利用して、どういうふうに打って出ることができるのか、この辺を、戦略を話し合っていく必要があるだろうと、それで、緊急な協議をさせていただこうと思っております。
例えば、仮に今後、金利の上昇局面に国内が入ったとして、各県で今、問題になっているのはゼロゼロ融資の返済であります。それで、そのゼロゼロ融資というのは、これ実は、本来は変動金利なんですね。ですから、金利が上がりますと、このコロナ対策で抱えたかつて無利子だった金利がぐっと出てくる可能性があると。それで、こういうものが経営に過度に圧迫することがないような何か方策はないかというのが、早晩、議論されなければならないところかなと思います。
また、海外との関係で言えば、中国でも実は中国国内の景気の問題がある。それで、そういう中で、日本で山陰鳥取県、この辺も実はフィールドとして今後活用し得るフィールドになるかもしれないですね、中国のほうのいろんな資本関係にとりましても。現に、そうした意味で検討するような動きも本県内でもごく一部でありますけど出てきているという感触を持っています。
それから、先般はタイのほうに行ってまいりましたが、タイの商工会議所のトップリーダーの皆さんたちとお話合いをさせていただき、大阪・関西万博で日本に来日する機会に、鳥取のほうと県の中小企業社との対話とか、そういうものをお誘いをさせていただきました。このようなことで、いわゆるサプライチェーンを考えた場合に、世界が流動化していて、新しい販路開拓をしたり、パートナーを見つけたりということも、今後、前向きには出てくるかもしれません。こうしたことも支えていく必要が恐らくあるだろうと。あるいは金利の上昇局面で体力のない企業やお店が青息吐息になるということにならないように、一定のやはり、そうした資金的な支援策なども考えていく必要があるかもしれません。このようなことを、いろいろと今のトランプ政権誕生、そして今後、金利が変動するという、この今の喫緊の課題の中で、経済界や金融界とも話合いの場を始めてみたいと思います。
それから、新年度予算に向けまして、今、市町村と協議をして、市町村も合意をしてきておりますのは、ICOCA(ICカード乗車券)をバス路線で導入しようということでありまして、交通事業者も協力をすることとなりました。今、これ、それぞれに市町村とも予算編成を進めているところでありますが、これによって全路線バス213台にICOCAが導入されるということになります。それで、こうしたことを当初予算の編成の中でも2億円程度、県としても入れていこうという方向で今、調整しておるところでございます。
また、当初予算の中で、今、どんどんと増えていく空き家、これを住み継いでいく、親御さんの世代から子どもの世代へと。それで、そういう住み継ぎのリレーをして、それが空き家になることを抑制していこうと。それで、そのために改修をするっていう、そうした支援策を県としても用意をしてみようと。それで、こんなようなことは鳥取県のアイデアとしてリーディングケースでやってみようということを今、考えているところであります。
それから米子鬼太郎空港に、1月の27日、30日に旧正月を利用したチャーターフライトがロッテ観光さんのチャーターで来ることになりました。歓迎の受入れをさせていただこうと思っております。
また、このたび、全日空[全日本空輸株式会社]さんのほうで鳥取-羽田便、コンテスト形式で5往復目を取りにいってるわけでありますが、これの継続が決まりました。また、米子-羽田線もいろんな国際線の状況などもあったんですが、要請活動の末に6往復の運行というものが継続することとなりました。それで、こうした意味で我々も利用を確保していくことを実証していく必要もありますので、2月~4月にかけまして、4名様以上のグループについてキャッシュバックのキャンペーンをして、利用の促進を図っていきたいと思っております。
それから、実は1月の16日に韓国のほうで動きがありました。それで、エアソウル、我々が米子への乗り入れをお願いしたところでありますけども、そこに、これは旧大韓航空系、大韓航空系の金仲鎬(キム・ジュンホ)さんがトップに就くことになりました。それで、従来ずっとアシアナ系列の中で、私どもこの米子-ソウル線というものを運行をお願いしてきたんですが、今回、その資本関係が独占禁止法などの手続を終えて、いよいよ再編されることになりました。それで、ほかの航空会社も含めて韓国では大韓航空のほうにLCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)も変わっていくことになります。
それで、この機会に我々のところが外れることにならないように、むしろ週5便化を当面目指すように、改めて、働きかけをしていく必要があるだろうと、それで、できれば、この金仲鎬(キム・ジュンホ)代表理事にも、こちらのほうに来てみていただくとか、働きかけたり、また、2月の4日には、こういう情勢の中で増便、5便化という、我々の目標をどういうふうに動かしていくのか。それで、これを関係の皆さんと一緒に対策を練る会議をさせていただきたいと思っております。
[鳥取]県立美術館の3月30日開館に向けまして、今、搬入が始まりました。例のブリロの箱も入りましたし、これは若冲の絵でありますけども、伊藤若冲とか、順次今、言わば引っ越し作業というものを、こちらの県立博物館から美術館へなされているところであります。それで、今後は最初のアート・オブ・ザ・リアルという非常に力を込めた展覧会を予定していますが、それの準備を来月からは進めていくことになりますし、オープニングの記念イベント、これ音楽関係も含めてやっていこうということであります。
これと併せて、北条倉吉道路、3月の22日、およそ1週間ほど前に開通させることといたします。倉吉西インター~倉吉南インターまで、小鴨のインターチェンジを経由しながら[鳥取県]31[号下見関金線]の本道にタッチするということになります。これで、この県立美術館のある倉吉市周りの観光アクセスも含めた強化が図られることになろうかと思います。それで15日の日にはプレイベントをさせていただくことにいたしております。
また、大阪・関西万博もだんだんと近づいてきて100日を切りました。それで、徐々に中身が決まりつつありますが、7月1日は、我々今日は一日鳥取県、まんが王国とっとりというキャンペーンをさせていただき、ライブステージを行うことになります。それで、ここに名探偵コナンの主題歌を歌われた倉木麻衣さんも出演することが決まりました。また、県内の傘踊りやあるいは高城の牛追[掛節]、それから淀江さんこ[節]、こうしたものが出演する、これ以外にも今、いろんなこうプランを強化しています。
これ、実は会場に入るための抽選というものがありまして、4月1日から開始をすることにいたしたいと思います。ぜひまんが王国とっとりの魅力を感じていただいたり、鳥取県のいろんな地域の歴史や伝統、これに触れていただけるステージを展開したいと考えております。
また、とっとリアル・パビリオンとして県内への周遊観光、誘客をお願いをしようということでありますが、シャトルバスが実は万博会場に行くんですね。それで、その付近にありますリーベルホテル[大阪]さん、ここは鳥取出身の方が[株式会社]武蔵野という会社を経営されています、そこが母体になりまして造っているホテルです。それで、こちらのほうにお願いをしまして、とっとリアル・パビリオンの発信拠点をつくらせていただこうと、どういうような展覧会をやっていますか、あるいは、イベント、こんなものがありますよ、また、鳥取のほうではこういうような、今、旬のおいしいものがありますよ、こんないいところがありますよ、こういうものをいろいろとPRすることにいたしております。これも25日の日にそのとっとリアル・パビリオンの情報発信拠点ミャクミャク(万博公式キャラクター)にも来てもらいましてお披露目をしようと考えております。
それから、同じ大阪、若干火事がありまして、お見舞い申し上げたいと思いますが、通天閣さんでかねていろいろ御協力を観光関係いただいていますが、カニ漁の豊漁のお礼イベントをしたり、それから観光への御協力の感謝をさせていただきたいと思います。25日のことであります。
それから来週27日から[鳥取]県庁のロビーにおきまして、このたび引退を表明されました照ノ富士関、横綱という頂点を極めたその偉業をたたえて写真などによります展示をスタートさせていただきたいと思っております。
それから、鳥取フェア2025をリーベルホテルのほうで行うことといたします。来月から3月にかけて地域のいろんな食材を提供していただくことになりますが、25日の日にそのオープニングのイベントをさせていただこうと思っております。
さらにサンドの日というのを3月10日、設定しているんですが、昨日は羽田[空港]におきまして[ポケモン]サンドとアローラサンドにも来てもらって、鳥取の物産のキャンペーンをさせていただきました。それで、そのサンドが列車にも装飾されて走り始めて1年たつことになりまして、この機会に鳥取駅で様々なサンド、アローラサンドと出会っていただける、そういうスペースを鳥取駅中のほうでつくらせていただくことになりました。
9日の日に津山のほう、今、JR西[日本]さんからは非常に乗降状況がよくないよと言われていますが、そこにこのサンド列車を走らせてみようと、それで、これ御協力をJRさんからもいただくことになりました。
それからサンドフェア、これ、3月のことでありますけども、鳥取市のまちパル鳥取(鳥取市ふるさと物産館)等々でサンドのフェアもさせていただくことになります。様々な特典もございますので、ぜひ春の鳥取を感じに[鳥取]砂丘、そしてサンド、楽しみに来ていただければというふうに思います。私のほうからは以上でございます。
○日本海テレビ 月森 七海 記者
知事、ありがとうございました。ここから各社の質問にお答えいただきたいと思います。質問のある社は社名とお名前名乗ってから質問をお願いします。
○日本海新聞 清水 友揮 記者
日本海新聞の清水です。Wi-Fiについて伺いたいと思います。こちらのWi-Fiの導入に関する費用であったりですとか、あと、今後、それの利用状況を検証したりということも必要かと思うんですけれども、そういった今後の展開について教えていただけますでしょうか。
●知事
はい。またこれにつきましては、では、詳細、担当部局のほうからもお話をさせていただきたいと思いますが、実は従来、とっとりBBという、そういうブロードバンドのWi-Fiをセッティングしてきていたんですけども、それも言わば更新してバージョンアップしようということで効率化を図ったり、中身の強化をしようということで始めさせていただきます。このたびそのリニューアルが完成をするということになります。経費的にも一定程度抑制されますし、それから、特に利便性が高まることで今はちょっと正直ちょっと煩瑣(はんさ)(わずらわしい)な手続がWi‐Fi利用にいるということがあったり、なかなかちょっとなじみにくいところもありますが、こういうステッカーを貼った地域をつくって、それで、一定エリアをこう大幅に活用するようにして快適性を高めていこうということであります。
それで、我々としては利用者が広がることをもくろみとしては持っております。それで、それ、もちろん今後検証してアクセス数というのは当然分かりますし、また、今後もエリアをどうするか、あるいは場合によってはエリアもあんまり利用がないんであればやめてしまうってことあるかもしれませんし、今後の柔軟な展開は今後図っていきたいと思います。
例えば鳥取砂丘で言えば、お土産物屋が並んでいますよね。あの道路を挟んである、あの一体を全体としてこのTOTTORI Free Wi‐Fiのエリアとします。それで、併せて、馬の背のほうからずっと駐車場に向けて行く、普通、人が歩くようなところもTOTTORI Free Wi‐Fiができるようにすると、それから従来より大分利便性は高まると思いますし、利用が高まる効果が出ればなというふうに思っております。また、詳細、また、関係部局から後ほど説明をさせていただきたいと思います。
○日本海テレビ 月森 七海 記者
ほか、質問ありますでしょうか。
○共同通信 古結 健太郎 記者
共同通信の古結と申します。総理と面談された件についてなんですけれども、総理からアンコンシャス・バイアス、鳥取県から取り組んでほしいというお話があったとのことですが、現時点でどのような取組を、知事のお考えではありますでしょうか。
●知事
これ先般の[令和6年]11月、12月の[県]議会でも御意見がありました。女性が働きやすかったり、暮らしやすい、そういう地域をつくっていく必要があって、これに向けて様々な事業展開をする必要があるだろうと思います。それで、場合によっては県の組織も含めて体制の強化を図っていければというふうに思います。それで、今は、鳥取県は女性活躍ネットワークの女性の当事者の皆さんが、例えば1つの中心になっていろんな政策提言をしていただいたりしています。それで、こういうものを新年度、我々事務局も当然回ってキャラバンをするようにして、それで、いろんな方々から何が隘路なのかと、それで、アンコンシャス・バイアスの解消に向けて何が大切でどうやったら解消できそうかということを話し合いながら、新しい女性活躍や男女共同参画の計画をつくったり、事業展開をしていくことを具体的に今、新年度の事業としても考えるべきかなと思っています。
それで、例えば、これ若い方々ももちろんそうなんですけど、やっぱり山陰、我々のところは非常にコミュニティもしっかりしていて、ある意味それが例えば災害のときだとか、それから地域の伝統行事、また、地域用の、例えばあぜ道や土手を守ったりして、そういう共同作業、総事に代表されるような、そういう地域性としては非常に強固な、一定程度堅実なコミュニティ、今もあるんですね。ただ、よくそういうところで言われる、そのコミュニティの運営自体がやはりそういう若い方や女性が動きやすいように設定されているかどうか、それで、これは課題ではないかと、実はそうした若者活躍局など会議、いろんなところで話をお伺いすると出てきます。
大都会とは違ったそういう意味で重苦しさというのが逆にあるのかもしれません。それで、そういうものをほどいていくことが必要なのかなということですね。先般も県民パートナー県政推進会議という若い方々なども入る、そうしたところで意見交換させていただきましたけれども、例えば町内の自治会組織とかもあったりして、そこで祭りなんかやるわけですね。それで、その祭りだとか、本当に楽しいところですし、石破[茂]総理もおっしゃるように、いろんな思い出もできるところで、それはそれでいいし、やっていけばいいんですけども、ただ、そこ、そのときに若い方々がその祭りの中に入りにくかったりする。別に悪気はない、誰もないんですよね。結局昔からそういうもんで、こうやってそうした地域のイベントをやっていきますと、そこに若い方や女性の方々、その方々が中心的な担い手として実は入っていなかったりする。
それで、そういうことがまた大学で学んだ後、帰ってみようとか、そうしたことにつながっていかないということがあったりします。それで、それから総理にも申し上げたんですけども、本県で言えば、例えば農村には独特のやっぱり独特のというか、やっぱり単なるサラリーマン家庭とは違ったものがあるわけですね。それで、畑仕事、田んぼの守りをする、それで、そういうときに御夫婦で実は契約を結んで協定を結んでこういうような分担をしていきましょうとかいうことを、実は我々も推奨しています。それで、これ全国的にもその仕組みはあるんですけども、こういうものを、例えばまた生かしていくとか、いろいろとやりようはあるだろうと思うんですね。
それで、一番大事なのは意識改革、アンコンシャス・バイアスそのものなので、意識改革があって、それで、そういういろんな局面に応じた解決策をいろいろとみんなで考えていくことと併せて、例えば職場で今までとらわれたものを一掃していこうとか、それから町内会、ここも非常にいろいろと呼びかけていますけど、相変わらずやっぱり女性の役員の比率が非常に低いです。それで、こういうようなことだとかをやはり改善していくには、いや、これはもういろんな家事分担も含めて、男女の役割意識を変えていこうということが根っこになければいけないわけです。
なかなか簡単なようなんですけども、社会全体は、昨日と同じように、去年と同じように進んでいくことがありまして、変わっていけないところがあるので今、申し上げたようないろんなまずはリサーチをしながら、それで、1つ大きな運動を、先ほどの産学官金労言士、若者・女性・まちづくりが入った、こういうプラットフォームの中でも議論して、例えば県全体の運動として展開をしていくとか、そういう、いや、行動を起こすことが必要なんではないかと思っています。はい。
○共同通信 古結 健太郎 記者
ありがとうございます。アンコンシャス・バイアス、いろんなことについてアンコンシャス・バイアスが存在してると思うんですが、特に、じゃあ、こと鳥取県において言えば、知事の考えですと、その若者とか女性に対するアンコンシャス・バイアスに関して特に問題意識をお持ちということですか。
●知事
そうですね。それで、そこをだから正していこうという意味で、これは[全国]知事会でもこれまでも議論してきていまして、このことを国に提起をいたしました。それで、総理のほうでも、これは重要な課題だと、それで、ぜひ地方のほうでも知事会ですから知事さんなど行動していただきたいというような御依頼もありました。こんなことを、やはりお金をたくさんかけるという問題では多分なくて、社会を変えていくということをやっていかないと、これが行く行くは東京一極集中につながっていくということになるのではないか、そういう意味で根本論から入っていきたいという趣旨でございます。
○共同通信 古結 健太郎 記者
ありがとうございます。
○日本海テレビ 月森 七海 記者
そのほか。
○時事通信社 辻村 伎 記者
時事通信社の辻村と申します。スライドで言いますと1枚目の防災対策についてで、県としてはその市町村や自衛隊と連携してホバークラフトであったり、大型ヘリの受入れ拠点を設置されてるっていうことですが、今後、国に防災対策としてどういったことを求めていきたいか、何かありましたらよろしくお願いします。
●知事
それで、例えばこれ今、個別にお願いしていますけど、こうやって自衛隊の方入っていただけること、それと併せて初動で大切なのは多分情報のことだと思うんですね。それで、今は自衛隊さんは、これ国防の問題なども当然安全保障のことが関わるので非常に情報体系としては閉じた体系になっています。それで我々がそこでの情報そのまま見れるようなことになってないんですね。それでやむを得ないと思います、正直。それで、そういう意味で例えば本県では情報についてのDXを、防災DXを[令和7年]4月から動かすことにいたしておりますが、それで我々も予算つけて、そういう国機関への設置も県のほうであえてさせていただこうと思うんですけれども、ぜひそういうところに情報を入れて共有していくことが大切だと思います。
例えば今回も緊急消防援助隊がたくさん能登[半島]のほうに向かいましたけど、結局近づいてから入れないということで72時間以内の救援になかなか結びつきにくい状況生まれてしまいました。ただ、国は国で自衛隊が様々な偵察活動というようなことをやっておられて、例えばどこは通行できそうもないとか、そういうデータを持ってるわけですよね。それで、また、我々地方サイドで言えば、市町村も一定程度情報を持っている。それでこういうのを総合的に1つの例えば地図画面の中で話し合って、それでみんなで、じゃあ、これ消防はこういうことする、それで自衛隊はこういうことする、ここの救出にみんなで向かおうとか、こういうようなことを具体的にやることが必要だと思います。こういうことで空から、海から入る入り口は取りあえず確保できそうかなというところまできましたが、動かす上で、そうした本当の意味の共闘体制ですね、これをつくっていく、情報共有システムなど、まだまだ国の協力を得てやっていかなければならない課題があると思っています。
○朝日新聞 清野 貴幸 記者
朝日新聞の清野といいます。空き家対策についてなんですが、これちょっとこの資料よく分かりづらいんですけど、その適用される対象というのがこの65歳以上の高齢者世帯と同居する場合と書いていますが、例えば現状、今でももう多世帯で同居しているような家もあると思うんですが、既にそういう状態になっている家も対象になるのかとか、その対象となる条件みたいなものがもし分かれば教えてほしいんですけど。
●知事
それはちょっとこれから詰めていきたいと思いますが、実は本県、多世帯同居に向けて税制上の優遇措置なども進めてまいりました。不動産取得税っていう税金が県税ではありますけれども、通常ですとこういう平米数、大体120平米だとか、多分ちょっと都会暮らしを考えていただければ十分かなということはあるんですけども、そこに、じゃあ、おじいちゃんおばあちゃん、それでお父さんお母さん、それで子どもたち、そうやってみんなで住むには120平米ちょっと狭いかもしれないと。そうすると、じゃあ、もうちょっと大きな平米数、それを税制上、無税の対象にしましょうというようなことなどこれまでも促進策は打ってきています。
ですから、おっしゃるように、現状でも多世代同居っていうのがあって、これが正直私どもの子育ての際にいざとなったら頼める、おじいちゃん、おばあちゃんと同居をすることのメリットっていうのは生まれている面があります。ただ、そうしたことをまた別の局面から見て、空き家が生まれるのは、最近は例えば今、鳥取市内でもマンションが建つぞって宣伝しています。それで、ああいうの結構売れるのは、実は親御さんのいる建物、家から出て自分たちはそうしたマンションに住むという若い世代の需要がやっぱりあるんですね。それで、そうすると、もともとの御実家のほうっていうのは、そのお父さん、お母さんがいなくなってしまうと、そのまま空き家になってしまうということになってしまうわけですね。
ですから、そういうことを事前に防止する意味で多世代同居ということを行っていただくための、そういう家の改修をしましょうということであります。ですから、一定程度、既にやっておられる方がそういう多世代同居を継続していただくということも当然視野に入り得ると思います。それで住宅の改修は、このくらいの例えば耐震改修だとか、いろんなメニューをつくっているわけでありますが、こうした住み継ぎをすることの促進策として改修して、それでおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に住みましょうという機運を若い方々にも持っていただく、これを目的にして今回やってみてはどうだろうか。
それで結果的には、お父さん、お母さんが仮におられんようになっても、今度、子ども世代がそこに住み続けることになって空き家化がそこで防止できると。ちょっと現場でいろんな御意見聞くとこういうような事業があってもいいんじゃないかという、そういう声がありますのでやってみようということにいたしたところであります。
〇山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
山陰中央新報の岸本です。空き家対策の関連なんですけども、この事業は当初予算に反映されるお考えなんでしょうか、それとも補正になるんでしょうか。
●知事
[令和7年度]当初予算です。
〇山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
当初予算。
●知事
はい。
〇山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
ということは来年度にこういった事業を始めたいというような御意向だということですか。
●知事
おっしゃるとおりです。
〇山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
ありがとうございます。ちょっと経済関係の話なんですけども、トランプ大統領が20日に就任されたということで、少し先ほども言及ありましたけども、県内での懸念される影響と今後、県として行っていきたいと今、考えていらっしゃる取組というのを教えてください。
●知事
はい。実は今、こういう[アメリカ]トランプ政権誕生に伴って、県内にどういう影響があり得るのか、個別の会社の実は聞き取りを我々なりにもしております。例えば、メキシコとかで、結構自動車産業展開しているんですね。それで、税金かからないということもあって、そこ、メキシコで生産をしてアメリカに出すということが日本の自動車メーカーもされています。そこに系列としてうちの部品メーカーが入るわけですよね、サプライチェーンとして。そうすると、メキシコで仮に25%アメリカに入れるときに課税されるということで、トランプ政権が目指しているように、アメリカ内の立地ということになりますと、今、メキシコに部品を送っている企業さんに影響するということです。
それで、こういうことを現実に懸念している企業さんが出てきています。それで、そういうようなことなど、いろんな局面でこのトランプ政権の影響というのは出てくるというふうに予想されておりますので、それを先ほどの国内金利引上げと併せて、やっぱりここで議論しておくべきだろうということであります。それで、1つには、苦しくなる企業に対する経営支援、これ、資金繰り支援なども含めて考える必要が仮にありましょうし、また、今後、例えば工場の展開地域が変わる場合に、新しくそちらに今度、販路開拓をする。それで、そういうようなことを応援するとか、また逆に、他国と比べて日本が有利になる状況が、今後、あり得ないわけじゃなくて、現にそういう意味で他国から鳥取のほうに拠点を進出しようという、そういう動きも我々も感じていて、じゃあ、逆にそういうふうに、これを活用しながら産業面強化をするというようなこともあるだろうと思います。いろんなちょっとジャンルがあると思うんですけども、そうしたものを総合的に精査化していって、それで、新年度予算の中で対応していきたいと思っています。
〇山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
ありがとうございます。あと、もう1点別件で、働き方についてなんですけども、全国的には週休3日制度を取り入れる自治体も出てきているというところです。県としては、若者でつくる働き方の対策チームの検討課題の1つになっていますけども、現状、知事としてはこの週休3日制度の導入についてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
●知事
それは実は今でもやる、見せ方の問題はあると思うんですけども、本県でもやろうと思えばできるわけでありまして、それで、今、まさにおっしゃったように若い方々、若い職員を中心として、今、精力的にちょっと論点を詰めてもらっています。それで、それを基本的には若い皆さんが働きやすい職場を若い皆さんの感覚で決めるのはいいと思いますので、それを取り入れていきたいと思います。週休3日制というと、ちょっと語弊があるかもしれません。週休3日を選択できるようなっていうのはもう既に射程圏内に入っていると思っていまして、それでそれをより進めやすい環境づくり、こういうものは当然考えていけるかなと思っております。
それと併せて、今、若手の皆さんで考えておられるのは、服装のこととか、それから会計年度任用職員の、その中、特に資格取得など専門職の薄いところ、そういうところの人を人材確保するため、どういうような処遇があり得るのか等々、今、緊急に検討していただいています。それで予算が必要なものもあれば、条例の改正の必要なものもありますし、人事委員会の規則などにもはねるものもあります。その辺ちょっと整理をして気持ちとしては新年度から本格的な体制移行を図っていきたいと思っています。
○読売新聞 山内 浩平 記者
読売新聞の山内です。ICOCAについて伺います。来年の春にバスのほうで運用が目指されているということですけれども、今年の春から山陰本線で、鳥取駅にも待望のICOCAの導入というところですけれども、目の前に迫っていますので、知事の御所感を伺えればと思うのと、もう1点、県としてはJR西と協定を結んだという背景もありますが、今後、そのICOCAの利用促進に向けてどのようなプロモーションといいますか、行っていきたいかとか、お考えがあれば教えてください。
●知事
これにつきましては、正直、鳥取県、山陰全体ですね、もともと切符は自動販売機で買えばいいという世界で長く生きていますので、こういうICOCAが使えないから大変困ったということではなかったんですけど、ただ、観光客、それから海外のインバウンドの皆さんへの分かりやすさなどからしますと、こういうICOCAを使ってキャッシュレスでどこでも行ける、これは非常に利便性もあって、これがないところは返って混乱してしまうというマイナス要因になってました。それで、これがまずはJRの改札から解消されてきて、それで今後こうやってバスのほうに展開していくと。
それでバスも既に、例えばくる梨というここを回っているところのバスなど、一部でこのICOCA乗車が可能になっています。それで、こうしたものを全面的に、全路線にちょっと時間はかかりますけども、JRに遅れて導入することで、新しいキャッシュレス交通の時代がいよいよ鳥取県内に本格的に到来することになると思います。いずれ今後、事業者さんがどう出るかですけど、このICOCAというものを通じて、例えばお店でも使えるところが増えたりしていけば、そうしたお金、キャッシュに代わる決済手段というものが県全域に広がっていくことになって、観光客を中心に利便性は高まるんじゃないかなというふうに期待をいたしております。
それで、そういう意味で我々も市町村と長くちょっと協議をしたり、正直、バス会社の皆さんも、そうそう最初から乗り気だったわけではないんですが、ここで合意に達しましたので、県としても[令和7年度当初]予算(案)計上2億円を考えていくことといたしたところでありまして、今後、よく利用者の方や事業者の方の御意見も聞いて、円滑な転換、それからさらなる活用などを検討していければと思います。
それで、こういうものと併せて、大阪・関西万博を機会に、WESTERというJR西日本さんのアプリ、それからそれが外国人向けのパスにもつながってくるわけです。こういうものとまた連動してくることで、ある意味、観光誘客や情報発信にもこういうICOCAを中心とした、こういう新しい交通のシステムというものが導入されてくれば、利便性が高まってくるんじゃないかなというふうに期待をしておりまして、活用方法をさらに広げていくことをJRさんとも店舗の展開なども含めてしっかりと協議していきたいと思っています。
〇日本海新聞 松本 妙子 記者
日本海新聞の松本です。産・官・学・金・労・言・士(師)のチームについてお伺いしたいと思います。今の構想段階で結構なんですけれども、継続的な開催を見込まれているのか、めどをどれくらいの頻度でどれくらいまでにいろんなゴールといいますか、何かを目指されていらっしゃるのか、ちょっとそこを教えてください。
●知事
まず、我々のところでプラットフォームをつくりまして、みんなで話合い、アイデアを共有して行動をすることを始めたいと思います。それで、実は国のほうでは12月に地方創生2.0の進め方についての基本的な考え方を出していまして、こういう産・官・学・金・労・言・士(師)といったような皆さんで進めるそういう会議体の創設なども呼びかけています。全国的にまだ必ずしも広がってなくて、本県は第1グループで発足させることになると思います。
それで、国が想定しているのは、その人たちが今後、地方創生の総合計画のようなものをつくったり、それからそこでいろいろローカルな施策を展開することを望んでおられるわけでありまして、今後、そういう計画づくりのために集まるとか、それから先ほどおっしゃったお話が出ておりましたけども、例えば、アンコンシャス・バイアスを解消していくこと、あるいは、若い人たちが帰ってくるためには、どういうような条件づくりが必要なのかとか、そういうようなことをいろいろと協議をして政策化していくこともありますので、年に数回、今後開催していくことに恐らくなってくると思います。実は国がその計画づくりなど具体のところをまだきちんと出しておられませんので、若干、我々がフライング気味にこのプラットフォームをつくって、もう始められるところからどんどんやっていこうということで向かっていきたいと思っています。
〇朝日新聞 清野 貴幸 記者
朝日新聞の清野ですけれども、今日の発表とは無関係なんですが、世の中の物価高について、いろんなものが、お米でも野菜でも卵でもガソリンでもいろんなものが上がっているなという実感があるんですけども、平井さんは知事として、この世の中の物価高をどう御覧になっているのかということと、それから、その新年度予算の中でこの物価高対策、何か事業として盛り込む予定があるかどうかということをお尋ねします。
●知事
後半のほうからいくと、物価高対策も含めて、何らかの事業予算を検討をしております。恐らくそう簡単に弊害はやまないので、一定程度の継続は当然必要だろうと思っています。それで、現在のこの物価高というものは、実は賃金高だとかとも影響してきていますし、それから海外情勢との関係で為替の問題も複合的に入ってきているわけですね。それから、卵とかで言えば鳥インフルエンザの影響などもあるでしょう。それで、我々としても、実は注意深くそうした物価高のリサーチをまずやっていくことが大切だと思います。
現在、先ほどの卵の例で言えば、今年鳥インフルエンザがわーと増えてくる年になってきました。それで、現在の本県の卵の価格は、昨年、一昨年かな、高いときには300円[/kg]ぐらいまでいったものが、今250円、260円くらいかな。一遍200円ぐらいまで下がったものがまた、もう1回上がり始めていると。それで、ただ、前ほどにはまだ、上がってきていないということです。それで、恐らく生産地も近いので都会ほどには極端に上がっていないのではないかなと思われますが、こういうものを我々もフォローしながら、国に対して例えばエネルギー価格の問題であれば言っていかなければならなかったりしますし、そうした働きかけも片方でやりながら、広域地方団体としてこれまでも取り組んできたようなそういう物価高対策も一定程度継続していく必要があるかなと思っています。
それで、恐らく明日[1月24日]開かれる国会での論戦に注目したいんですけども、新しい経済システムに移行中なんだと思うんですね。それで、これまではゼロ金利であったり、それから賃金も実は上がってなかったと。それでデフレ的な経済であったものが通常の経済の姿に戻ろうとしている。ただ、これが、物価が上がり過ぎればいわゆるインフレという状態になりますからこれは是正していかなきゃいけないですけども、一定程度、健全な経済だと価格というのは上昇傾向があるというふうにも通説的には言われているわけですね。
それで、政府のほうでおっしゃっているのは、物価高を克服するような賃金を新年度に向けた春闘の中でも考えていけないか、それを政府としても誘導していくということをおっしゃっています。それで、こういうものがうまく回り始めれば経済成長と、それと我々の懐の具合とそういうものが調和してくる局面に行ける期待もあります。ただ、今はそれが、あれが高くなったとか、そういう物価高もジャンルによってそれぞれに強烈に出たり、そう、さほどでないとこがあったり、それでこういうものが今、跛行的(はこうてき)(足並みがそろっていないさま)に動いている段階でありまして、それで、これがどうなるかによく注目していきたいと思います。
正直[令和7年度]当初予算で全部解決できるとは思いません。したがいまして、今後そういう政府がもくろむ物価高を乗り越えられる、克服できる賃金上げということで、県民生活や産業が落ち着いてくるかどうかをよくフォローしながら、場合によってはこうパッチ的にここの部分、局面をちょっと対策打っていこうということをパッチ的にやっていくと、そういうような多分年になるんじゃないかなというように覚悟をしているところであります。
〇朝日新聞 清野 貴幸 記者
確認ですけど、その新年度予算案で考えている事業というのは、じゃあ、新規事業ではなくて継続事業でということでしょうか。
●知事
物価高の動き自体は何か特殊なことが新年度今、見込まれる状況ではないと思います。ですから、今、行われてきた対策をどの程度継続していくのか等が中心になると思います。
○日本海テレビ 月森 七海 記者
ほか、なければ、すみません。日本海テレビの月森と申します。万博関連で伺いたいんですけども、相変わらずチケット売れてないということで、それで、鳥取県も広域連合の一員としてそこに何かしら御協力をということはあるかと思うんですが、県として何か施策みたいなものを考えておられるもんでしょうか。
●知事
我々としては、まず、ある意味とっとリアル・パビリオンと併せて、万博での先ほど申し上げた一日鳥取、まんが王国とっとりみたいな、そうしたPR活動をしっかりとやっていきたいと思います。それと併せて、我々の手元のところのお話で言えば、子どもたちが万博を見ていくということを学校によっては考えると思います。それを応援するっていうことあっていいかなと思います。[石破茂]総理も、こないだ現地を視察される中で、月の石を見た思い出を語っておられました。我々も実は学校によっては調査をしましたけれども、万博訪問というものを修学旅行をはじめ入れて組んでみようかという学校も出てきています。そういう意味で企業さんに協賛をしていただきながら、チケットをCSR(社会的責任)の一環として子どもたちの未来に向けた夢を育んでいく意味で協力してもらう呼びかけをしていきたいと考えております。
今、大手の企業さんの中でも、大阪在阪の企業の中には、本県に拠点も一部あるところなどもエリアを限ってそうしたチケットを提供してもいいというお話が出てきています。それで、それぞれ商工会議所だとか、いろんなところでそういうチケットを確保されているところもあるというふうにも伺っておりますので、今後よくお話合いもしていきたいと思うんですが、まずは万博の在り方を我々のところを中心に広報をする、そういうことで魅力を伝えてチケット戦略にも貢献することと併せて、子どもたちのせっかくの、もう恐らく一生に一度しかないような機会、これを応援することで万博の入場促進にもなることを考えてみたいと思っています。
○日本海テレビ 月森 七海 記者
ありがとうございます。
○日本海テレビ 月森 七海 記者
ほか質問あるでしょうか。なければ知事、これで、今日、ありがとうございました。
●知事
はい。どうも、ありがとうございました。